概要: SharePoint Server 2013 で SkyDrive Pro を実装する場合のパフォーマンス、セキュリティ、他考慮事項について説明します。
適用対象: SharePoint Server 2013
SharePoint Server 2013 では、SkyDrive Pro 機能を利用することによって、SharePoint Server 2013 とクライアント ワークステーションにファイルを保存し、それらを同期することができます。SkyDrive Pro アーキテクチャには、保存場所 (クライアント ワークステーション上の SharePoint Server 2013 内および Windows フォルダー内のドキュメント ライブラリ) と SkyDrive Pro Windows Sync クライアントが含まれます。このトピックでは、 管理者が SkyDrive Pro の実装計画を立てる際に使用できる計画オプションと、SkyDrive Pro を使用または管理する際に考慮すべき重要事項を示しています。このトピックを読む前に、「 SharePoint Server 2013 での SkyDrive Pro の概要」で説明されている概念をご理解ください。
この記事の内容
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前提条件
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SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリ
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SkyDrive Pro Windows Sync クライアント
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セキュリティ上の推奨事項
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SharePoint Server 2010 から SharePoint Server 2013 へのアップグレード
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SkyDrive Pro の展開と使用の前に確認すべき重要事項
前提条件
SkyDrive Pro を構成する各コンポーネント (SkyDrive Pro Windows Sync クライアントと、SharePoint Server 2013 内のドキュメント ライブラリ) の前提条件は異なります。次に、SkyDrive Pro の前提条件を SkyDrive Pro のコンポーネントごとに示します。
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SharePoint Server 2013 で SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリをサポートするためには、次のことが前提となります。
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SharePoint Server 2013 個人用サイト ホストが 1 台存在する。
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ユーザー プロファイル サービス アプリケーションが構成済みである。
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個人用サイト コレクションが作成された既存の個人用サイトがユーザーに与えられている。
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SkyDrive Pro Windows Sync クライアントを使用してドキュメント ライブラリからユーザーのクライアント ワークステーションにデータを同期させるには、次のものを所有している必要があります。
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次のいずれか一方
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Office 2013 Standard または Office 2013 Professional Plus か、あるいはスタンドアロンの SkyDrive Pro Windows Sync クライアント
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Office 2013 アプリケーションが含まれる Office 365 サブスクリプション
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Windows 7 または Windows 8 を実行するクライアント ワークステーション
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使用シナリオによっては、以下の前提条件も適用される場合があります。
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個人用サイト上で Office 2013 ユーザーが SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリからドキュメントを開く、またはこのドキュメント ライブラリにドキュメントを保存するには:
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ユーザーは既存の個人用サイトを所有している必要があります。
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Office 2013 にユーザーの個人用サイトを自動的に検出させるには、管理者は Exchange 自動検出を使用するためのSharePoint Server 2013 を構成する必要があります。詳細については、「 Configure Exchange Autodiscover with a My Site Host URL in SharePoint Server 2013」をご覧ください。
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ユーザーが他のユーザーとドキュメントを共有する場合、システムが SharePoint Server 2013 から電子メール通知を配信するには:
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送信メール設定を構成します。詳細については、「 SharePoint 2013 ファームの送信電子メールを構成する」をご覧ください。
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SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリ
SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリはユーザーの個人用サイトの一部です。このライブラリは、ユーザーの個人用サイトが作成される際に作成されます。個人用サイトのサイト コレクションにクォータを設定した場合には、そのクォータが SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリ内のアイテムにも適用されます。既定では、これは 100 MB に設定されます。自社で SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリを使用して各ユーザーのファイルを保存することを計画しているのであれば、管理者によってこの既定のクォータ制限を増やす必要があります。SharePoint Online を利用する場合、ユーザーの個人用サイト クォータは 7 GB に設定されます。
個人用サイト上にあるユーザーの SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリを、開くまたは保存する場所として Office クライアント アプリケーションに表示するには (その場所からユーザーが直接ファイルを開き、保存できるように)、Exchange 自動検出に個人用サイト のURL を設定する必要があります。個人用サイト ホストの URL を使用するため Exchange 自動検出を設定すると、Office クライアントがそのユーザー用の個人用サイトの場所を Exchange Server 2013 から受け取り、Office 2013 の Backstage に開くまたは保存する場所として、ユーザーの SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリが設定されます。詳細については、「 Configure Exchange Autodiscover with a My Site Host URL in SharePoint Server 2013」をご覧ください。
メモ: |
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| ユーザーがその SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリに対してドキュメントをこまめに開かない、または保存しない場合には、Exchange 自動検出が設定されている場合でも Backstage に指定した開くまたは保存のための場所を削除できることがあります。 |
展開作業のオプションに Exchange 自動検出の設定が含まれない場合、ユーザーは次の操作によって、各自個人用サイト上の SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリを開くまたは保存する場所として追加できます。
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SharePoint Server 2013 で [同期] をクリックします。
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SkyDrive Pro Windows Sync クライアントから入力を求められたら、個人用サイトのホスト URL を入力します。SkyDrive Pro Windows Sync クライアントによって、[お気に入り] の下のエクスプローラーにあるユーザーの個人用サイトにショートカットが作成されます。
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ユーザーは、Office 2013 で前述のステップで作成されたショートカットに移動し、自分の SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリでファイルを開くまたは保存できます。
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ファイルを開くまたは保存した後、Backstage はユーザーの個人用サイトに対して開くまたは保存した場所を表示します。この表示は、Office 2013 で最近追加された場所の機能の一部です。
SkyDrive Pro Windows Sync クライアント
SkyDrive Pro Windows Sync クライアントは、Office 2013 Standard または Office 2013 Professional Plus のいずれかでインストールできます。あるいは、スタンドアロンの SkyDrive Pro Windows Sync クライアントをダウンロードすることもできます。SkyDrive Pro Windows Sync クライアントを SharePoint Server 2013 と一緒に使用するには、SharePoint Server 2013 Standard または Enterprise サーバー ライセンスを所有している必要があります。
SkyDrive Pro Windows Sync クライアントは、個々のドキュメント ライブラリを同期させます。サイトまたはサブサイト内にドキュメント ライブラリが複数存在する場合、各ドキュメント ライブラリを個別に同期させる必要があります。ユーザーは次の方法で同期操作を開始できます。
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同期させるドキュメント ライブラリで [同期] をクリックして SharePoint Server 2013 から。
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SkyDrive Pro Windows Sync クライアントから。ユーザーは URL を指定する必要があります。そのサイトで使用できるすべてのドキュメント ライブラリの一覧が表示された後、いずれか 1 つを選択します。
警告: |
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| ユーザーが SkyDrive Pro Windows Sync クライアントと SharePoint Server 2013 内のドキュメント ライブラリ間での最初の同期を設定する場合、SkyDrive Pro Windows Sync クライアントによって、クライアント ワークステーション上のエクスプローラーで既定の同期フォルダーを選択するように求められます。SkyDrive Pro Windows Sync クライアントは、SharePoint Server 2013 から同期済みファイルをこの同期フォルダーに格納します。クライアント ワークステーション上で既定の同期フォルダーを選択した後、その既定の同期フォルダーを変更するには、すべての同期を停止し、同期をもう一度開始する必要があります。このときに、新しい既定の同期フォルダーを選択するようにメッセージが表示されます。この同期フォルダーの最初の同期は、途中で処理を停止することなく (たとえば Windows タスク マネージャーを使用して処理を中止したりせずに) 完了させる必要があります。 |
管理者が SharePoint Server の URL を変更した場合、ユーザーは同期フォルダーとの同期関係を停止し、ドキュメント ライブラリとの新しい同期関係を設定する必要があります。この作業は、ドキュメント ライブラリの同期がそのドキュメント ライブラリの URL を確認して行われるため不可欠です。サーバー上で URL が変化する場合は、SkyDrive Pro Windows Sync クライアントは更新された URL 情報を受け取る手段がありません。この場合、ユーザーはドキュメント ライブラリの同期を停止して、そのドキュメント ライブラリとの同期をもう一度設定する必要があります。
メモ: |
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| ドキュメント ライブラリとの同期を停止して新しい同期関係を設定する際にデータが失われることはありません。 |
クライアント ワークステーション上へのファイルの保存が社内のポリシーに反する場合は、管理者は SharePoint Server 2013 内のドキュメント ライブラリから同期機能を削除できます。詳細については、「 Configure synchronization on all document libraries in SharePoint Server 2013」をご覧ください。
ドキュメント ライブラリをクライアント ワークステーションと同期させた後は、ユーザーの個人用サイトが削除されてその Active Directory アカウントが削除された場合でもそのクライアント ワークステーション上に存在したままとなります。このような削除操作を行った場合には、クライアント ワークステーション上にファイルは残っていても、ユーザーはもう一度それらのファイルを SharePoint Server 2013 と同期させることはできません。
SkyDrive Pro Windows Sync クライアントを使ってドキュメント ライブラリと同期できるアイテムの総数には制限があります。SkyDrive Pro Windows Sync クライアントの同期制限は次のとおりです。
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SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリに存在するアイテムは、フォルダーとファイルを合わせて最高 20,000 個まで同期させることができます。
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他のドキュメント ライブラリに存在するアイテムは、フォルダーとファイルを合わせて最高 5,000 個まで同期させることができます。
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どのライブラリにも、最大ファイル サイズ 2 GB をダウンロードできます。
メモ: |
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| これらの制限値を設定することはできません。 |
OneNote ファイルを同期させる場合は、まず SharePoint Server 2013 内に OneNote ノートブックを作成し、このノートブックをクライアント ワークステーションと同期させるようにします (この逆の操作は行わない)。ドキュメント ライブラリで同期を既に設定してある状況で、そのドキュメント ライブラリの同期を最初に停止した場合は、OneNote ノートブックの移動のみできます。
SharePoint Server 2013 は、SkyDrive Pro Windows Sync クライアントへの応答としてサーバー リソースの高い使用率を示すことがあります。SkyDrive Pro Windows Sync クライアントは、しばらく時間が経過した後でもう一度同期を試みます。SkyDrive Pro Windows Sync クライアントの既定の自動同期時間は 10 分です。ユーザーは、通知領域で利用可能な SkyDrive Pro Windows Sync クライアント上の [今すぐ同期] 機能を使用して同期を開始することもできます。
セキュリティ上の推奨事項
SkyDrive Pro Windows Sync クライアントと SharePoint Server 2013 サイト間のやりとりは、同期プロトコルと、セキュリティ用の外部メカニズム (仮想プライベート ネットワークや Secure Sockets Layer (SSL) 技術によって提供されるものなど) に基づいて行われます。転送プロトコルがサーバー通信 (SSL または トランスポート層セキュリティ (TLS) を使用するもの) に https を使用しないかぎり、SkyDrive Pro Windows Sync クライアントが SharePoint Server 2013 と通信を行うときにネットワーク上で SkyDrive Pro データが暗号化されることはありません。サーバー管理者は、SkyDrive Pro Windows Sync クライアントと SharePoint Server 間のネットワークで送信されるデータに SSL 暗号化を設定できます。ディスク上のデータは、Windows BitLocker ドライブ暗号化を使用して暗号化できます。詳細については、「 BitLocker ドライブ暗号化」 (http://go.microsoft.com/fwlink/p/?LinkId=163122) をご覧ください。
メモ: |
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| 企業ドメインの外部から SharePoint Server 2013 にアクセスする場合、SSL をお勧めします。Active Directory を使用している場合は、グループ ポリシーを構成し、組織のイントラネットの外部から SharePoint Server 2013 に接続する SkyDrive Pro クライアントに Secure Socket Layer (SSL) 接続を求める [ドメイン ネットワーク上でのみ同期] を設定できます。 |
この他、サイトのアクセス許可を適切に設定することによって、未許可のアクセスが行われないように SharePoint サイトを保護することもできます。詳細については、「 SharePoint 2013 のサイト権限の概要」をご覧ください。
メモ: |
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| 同期のために SkyDrive Pro が標準以外の通信ポートを使用することはありません。 |
SharePoint Server 2010 から SharePoint Server 2013 へのアップグレード
SkyDrive Pro は SharePoint Workspace 2013 からのアップグレードではありません。データを SharePoint Workspace 2013 から SkyDrive Pro に移行させることはできません。SkyDrive Pro は、同一のクライアント コンピューター上で SharePoint Workspace 2013 と共存できます。
SharePoint Server 2013 では、各個人用サイトに次の 2 つのドキュメント ライブラリが含まれていました。
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個人用: ユーザーは、自分のみアクセスできるこのドキュメント ライブラリにドキュメントを保存しました。
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共有: ユーザーは、このドキュメント ライブラリに共有ドキュメントを保存しました。このドキュメント ライブラリには組織内のだれでもアクセスできました。
SharePoint Server 2013 の場合、ユーザーの個人用サイトにドキュメント ライブラリは 1 つしかありません。このドキュメント ライブラリは SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリと呼ばれます。SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリ内から、ユーザーは他のユーザーとファイルとフォルダーを簡単に共有することができます。
SharePoint Server 2013 から SharePoint Server 2013 にアップグレードする場合、次のように処理されます。
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SharePoint Server 2013 内のドキュメント ライブラリ、個人用と共有は、SharePoint Server 2013 のユーザーの個人用サイト上で SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリに結合されます。共有フォルダー内のアイテムは、SharePoint Server 2013 内の全員と共有フォルダーに保存されます。個人用フォルダー内のアイテムは、SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリのルートに保存され、個人用サイトの所有者のみ共有できます。
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他のドキュメント ライブラリは、SharePoint Server 2013 にあるユーザーの個人用サイトから SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリのルートにあるサブフォルダーに変換されます。これらのフォルダーのアクセス許可は、自動的に非公開に設定されます。これらのフォルダーを他のユーザーと共有するには、フォルダーのアクセス許可を変更する必要があります。
SkyDrive Pro の展開と使用の前に確認すべき重要事項
組織内で SkyDrive Pro の展開と使用を計画する際は、次の動作を検討してください。
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個人用サイト 上の SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリにドキュメントを移動すると、メタデータと、そのファイルに関連付けられているバージョン履歴はすべて失われます。
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メタデータへの入力が必要なドキュメント ライブラリを同期させると、ファイルは SharePoint Server 2013 と同期されますが、ドキュメントはチェックアウトされたままになります。ドキュメントをチェックインするには、ブラウザーを使用して SharePoint Server 2013 を介して必要なメタデータを入力するか、または Office 2013 クライアントを使用してそのファイルを開く必要があります。
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SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリでは、他のユーザーとドキュメントを共有できます。[共有] ダイアログで、アクセス許可レベルとして [編集できます] または [表示できます] を選択できます。ユーザーの個人用サイト上の SkyDrive Pro ドキュメント ライブラリには、新しいアクセス許可レベルを追加しないでください。
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管理者は、ドキュメント ライブラリ レベルでもファーム全体でも同期を停止できます。管理者はドキュメント ライブラリ レベルで同期を停止できますが、同期が許可されていないドキュメント ライブラリごとに同期を停止する必要があるため、管理は簡単ではありません。詳細については、「 Configure synchronization on all document libraries in SharePoint Server 2013」をご覧ください。

メモ:
警告: