SQL Server 2005 の既存のインスタンスを手動でアンインストールする方法

更新 : 2007 年 9 月 15 日

Microsoft SQL Server 2005 のインスタンスをアンインストールするには、次の手順を実行します。

Aa337087.note(ja-jp,SQL.90).gif重要 :
SQL Server のインスタンスを保持または更新するには、サービスとしてログオンする権限を持つローカル管理者である必要があります。

ここでは、Microsoft SQL Server 2005 のスタンドアロン インスタンスを手動でアンインストールする方法について説明します。また、このトピックの手順を実行してシステムを準備し、SQL Server を再インストールできるようにします。

SQL Server 2005 フェールオーバー クラスタのアンインストール方法の詳細については、「SQL Server 2005 フェールオーバー クラスタを手動でアンインストールする方法」または「SQL Server 2005 のフェールオーバー クラスタ インスタンスを削除する方法 (セットアップ)」を参照してください。SQL Server 2000 のインスタンスを手動でアンインストールする方法の詳細については、「SQL Server 2000 の既定のインスタンス、名前付きインスタンス、または仮想インスタンスを手動でアンインストールする方法」を参照してください。

ここで説明する手順を使用して SQL Server 2005 をアンインストールする前に、次の重要な情報について検討してください。

  • SQL Server 2005 をアンインストールするには、コントロール パネルの [プログラムの追加と削除] を使用することをお勧めします。ただし、インストールに失敗した場合、または [プログラムの追加と削除] によって SQL Server 2005 のインスタンスがアンインストールされない場合は、このトピックの手順に従ってインスタンスを手動でアンインストールすることができます。
  • ここでは、レジストリの変更方法に関する情報も説明されています。レジストリを変更する前に、レジストリを必ずバックアップし、問題が発生した場合にレジストリを復元する方法を理解しておいてください。レジストリのバックアップ、復元、および変更方法の詳細については、サポート技術情報の「Microsoft Windows レジストリの説明」を参照してください。
  • 同じコンピュータ上で SQL Server 2005 と以前のバージョンの SQL Server を同時に実行する場合、SQL-DMO に依存する Enterprise Manager や他のプログラムが無効になることがあります。この現象は、次の状況で発生する場合があります。
    • SQL Server 2005、SQL Server 2000、SQL Server 7.0 の任意の組み合わせがサイド バイ サイドでインストールされており、これらの 1 つ以上のインスタンスがアンインストールされている場合。
    • SQL Server 2000 と SQL Server 2005 がサイド バイ サイドでインストールされており、SQL Server 2000 が SQL Server 2005 の後にインストールされている場合。
      この問題は、SQL Server 2005 SQL-DMO COM ライブラリの登録削除が原因で発生します。SQL-DMO に依存する Enterprise Manager や他のプログラムを再度有効にするには、コマンド プロンプトで regsvr32.exe sqldmo.dll を実行して SQL-DMO を登録します。詳細については、「SQL Server データベース エンジンのインストールに関するトラブルシューティング」を参照してください。
  • 必要最小限の物理メモリを搭載したコンピュータから SQL Server 2005 コンポーネントを削除する場合、ページ ファイルのサイズが物理メモリの 2 倍であることを確認してください。仮想メモリが不足した状況では、SQL Server 2005 の削除が不完全になる場合があります。
  • SQL Server 2005 のセットアップ中に次のエラー メッセージが表示された場合は、SQL Server 2005 コンポーネントがコンピュータからアンインストールされていません。
    ADD_LOCAL プロパティに指定したコンポーネントは既にインストールされています。既存のコンポーネントをアップグレードするには、template.ini を参照し、アップグレードするコンポーネントの名前を UPGRADE プロパティに設定してください。

SQL Server 2005 を削除する前に、次の手順を実行してください。

  • **データのバックアップ。**現在の状態で保存しておく必要のあるデータベースが存在する場合があります。また、システム データベースに対して行った変更の保存が必要になることもあります。どのような状況でも、SQL Server 2005 をアンインストールする前にデータを必ずバックアップしてください。あるいは、MSSQL フォルダ以外のフォルダ内にあるすべてのデータとログ ファイルのコピーを保存してください。MSSQL フォルダはアンインストール中に削除されます。
    保存する必要のあるファイルには、次のデータベース ファイルがあります。これらのファイルは SQL Server 2005 の一部としてインストールされています。
    • Distmdl.*
    • Master.*
    • Mastlog.*
    • Model.*
    • Modellog.*
    • Msdbdata.*
    • Msdblog.*
    • Mssqlsystemresource.*
    • Northwind.* (このデータベースはオプションでインストールされます)
    • Pubs.*
    • Pubs_log.*
    • Tempdb.*
    • Templog.*
    • ReportServer[$InstanceName] (これは Reporting Services の既定のデータベースです)
    • ReportServer[$InstanceName]TempDB (これは Reporting Services の既定の一時データベースです)
  • ローカル セキュリティ グループの削除。SQL Server 2005 をアンインストールする前に、SQL Server 2005 コンポーネントのローカル セキュリティ グループを削除します。
  • **SQL Server Reporting Services フォルダの保存または名前変更。**SQL Server をインストールし、同時に Reporting Services を使用する場合は、次のフォルダとサブフォルダを保存するか、名前を変更します。
    • <ドライブ>\Microsoft SQL Server\Reporting Services
    • <ドライブ>\Microsoft SQL Server\MSSQL\Reporting Services
    • <ドライブ>\Microsoft SQL Server\<SQL Server インスタンス名>\Reporting Services
    • <ドライブ>\Microsoft SQL Server\90\Tools\Reporting Services
Aa337087.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
SSRS 構成ツールを使用してインストールを構成した場合は、名前がこの一覧の名前とは異なる場合があります。さらに、SQL Server を実行しているリモート コンピュータにデータベースが存在する場合があります。
  • **Reporting Services 仮想ディレクトリの削除。**Microsoft インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャを使用して、次の仮想ディレクトリを削除します。
    • ReportServer[$InstanceName]
    • Reports[$InstanceName]
  • **ReportServer アプリケーション プールの削除。**IIS マネージャを使用して、ReportServer アプリケーション プールを削除します。
  • **すべての SQL Server サービスの停止。**SQL Server 2005 コンポーネントをアンインストールする前に、SQL Server サービスをすべて停止することをお勧めします。アクティブな接続が存在すると、アンインストールに失敗する場合があるためです。
  • **適切な権限を持つアカウントの使用。**SQL Server サービス アカウントを使用するか、同等の権限を持つアカウントを使用して、サーバーにログオンします。たとえば、ローカルの Administrators グループのメンバであるアカウントを使用してサーバーにログオンできます。
Aa337087.Caution(ja-jp,SQL.90).gif注意 :
レジストリを誤って編集すると、システムに重大な障害が発生する場合があります。レジストリを変更する前に、コンピュータ上のすべての重要なデータをバックアップしてください。
Aa337087.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
ここに記載されている順序に従って、アンインストール操作を実行する必要があります。

SQL Server 2005 のインスタンスを手動でアンインストールするには

  1. SQL Server セットアップ サポート ファイル コンポーネントがインストールされていることを確認します。

    [プログラムの追加と削除] で、インストール済みプログラム一覧に [Microsoft SQL Server セットアップ サポート ファイル] が表示されていることを確認します。一覧に [Micorosoft SQL Server セットアップ サポート ファイル] が表示されている場合は、手順 2. に進みます。

    一覧に [Micorosoft SQL Server セットアップ サポート ファイル] が表示されていない場合は、このコンポーネントをインストールしてから次に進みます。インストールするには、SQL Server 2005 インストール メディアから Servers\setup の [sqlsupport.msi] ファイルをダブルクリックします。手順 5. で、Microsoft SQL Server セットアップ サポート ファイル コンポーネントをアンインストールします。

  2. コマンド プロンプトで、次のコマンドを実行して SQL Server コンポーネントをアンインストールします。

    %ProgramFiles%\Microsoft SQL Server\90\Setup Bootstrap\ARPWrapper.exe /Remove
    

    SQL Server コンポーネントがすべてアンインストールされるまで、SQL Server コンポーネントを一度に 1 つずつアンインストールします。

    Aa337087.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
    [プログラムの追加と削除] の [削除] オプションを使用すると、ARPWrapper.exe プログラムも実行されます。ただし、ARPWrapper.exe プログラムへの参照が削除されている場合があります。

    次のエラー メッセージが表示された場合は、後で説明されている「問題が発生した場合」のセクションを参照してください。

    レジストリを列挙できませんでした。

    たとえばデータベース エンジンと Analysis Services がインストールされている場合など、複数のサーバー コンポーネントを持つ SQL Server のインスタンスが存在する場合、セットアップは失敗し、次のエラー メッセージが表示されます。

    データ ストアで予期しないエラーが発生しました。アクション: RestoreSetupParams

    このエラーは参照カウントが原因です。参照カウントは、同じ .dll ファイルまたは同じ .msi ファイルを使用しているプログラムの数を追跡するために使用されます。プログラムがアンインストールされると、.msi ファイルの参照カウントが 1 つ減算されます。最後のプログラムがアンインストールされると、.msi ファイルは削除されます。この場合の .msi ファイルは、SQL Server セットアップ サポート ファイル コンポーネント (SqlSupport.msi) です。このエラー メッセージが表示された場合は、次のいずれかの方法でエラーを解決してください。

    • SQL Server セットアップ サポート ファイル コンポーネント (SqlSupport.msi) を再インストールしてから、インスタンス内の各コンポーネントをアンインストールします。
    • SqkSupport.msi ファイルを一時的に参照カウントします。これを行うには、次の手順を実行します。
    1. Microsoft SQL Server セットアップ サポート ファイル コンポーネントの GUID を取得します。GUID を取得するには、「問題が発生した場合」セクションの手順 1. および 2. を実行します。
    2. レジストリ エディタを使用して、次のレジストリ キーを以下に示す値を使用して作成するか、変更します。
      キー名 : HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Microsoft SQL Server\90\Bootstrap\MSIRefCount
      値 : Uninstall
      種類 : REG_SZ
      データ : {11111111-1111-1111-1111-111111111111},{GUID}
      GUID は SQL Server サポート ファイルの GUID のプレースホルダです。たとえば、英語版の x86 SQL Server サポート ファイルの GUID は次のとおりです。 データ : {11111111-1111-1111-1111-111111111111},{53F5C3EE-05ED-4830-994B-50B2F0D50FCE}

    問題が発生した場合

    SQL Server コンポーネントのアンインストール中に問題が発生した場合は、次の手順を実行します。

    • レジストリ エディタを起動し、次のレジストリ キーを探します。
      HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall

    • 左ペインで、各 GUID をクリックします。クリックした各 GUID に対して、右ペインで "Microsoft SQL Server 2005" を含んでいる表示名を探します。たとえば、次の名前を探します。

    • Microsoft SQL Server 2005

    • Microsoft SQL Server 2005 Analysis Services

    • Microsoft SQL Server 2005 Reporting Services

    • Microsoft SQL Server 2005 Notification Services

    • Microsoft SQL Server 2005 Integration Services

    • Microsoft SQL Server 2005 Tools

    • Microsoft SQL Server 2005 Books Online
      "Microsoft SQL Server 2005" を含んでいる表示名が見つかったら、左ペインでクリックした GUID を書き留めます。

    • 書き留めた各 GUID に対して、コマンド プロンプトで次のコマンドを実行します。

      start /wait msiexec /x {GUID} /l*v c:\sql_uninstall.log
      

    :

    • このコマンドの GUID の部分を、前の手順で書き留めた GUID に置き換えてください。
    • 次のエラー メッセージが表示された場合は、製品サポートに連絡してください。
      データ ストアで予期しないエラーが発生しました。カスタマ サポートに問い合わせください。

    製品サポートの電話番号の全一覧とサポート料金については、サポート連絡情報 Microsoft Web サイトを参照してください。

    • C:\Sql_uninstall.log ファイルを開きます。ファイルの一番下から数えて 15 行目ほどの位置に、次のような行があります。
      MSI (s) (EC:F8) [12:52:18:007]: Product: Microsoft SQL Server 2005 Tools -- Removal completed successfully.

    アンインストールに失敗した場合は、コンポーネント名と GUID を書き留めて、Sql_uninstall.log ファイルを保存します。

  3. [プログラムの追加と削除] を使用して、次の順序でサポート コンポーネントをアンインストールします。

    • MSXML 6.0 Parser
    • SQLXML4
    • SQL Server VSS Writer
    • SQL Server 2005 の下位互換性
    • SQL Server Native Client コンポーネントと SQL Server セットアップ サポート ファイル コンポーネント以外の、SQL Server 2005 に関連するその他のコンポーネントすべて

    サポート コンポーネントのいずれかのアンインストールに失敗すると、次のエラー メッセージが表示される場合があります。

    Setup failed due to missing prerequisites

    このエラー メッセージが表示された場合は、次の手順を実行します。

    • レジストリ エディタを起動し、次のレジストリ キーを探します。
      HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall

    • 左ペインで、各 GUID をクリックします。クリックした各 GUID に対して、再配布可能ファイル名に一致する表示名を右ペインで探します。再配布可能ファイル名に一致する表示名が見つかったら、左ペインでクリックした GUID を書き留めます。

    • 書き留めた各 GUID に対して、コマンド プロンプトで次のコマンドを実行します。

      start /wait msiexec /x {GUID} SKIPREDISTPREREQS=1 /l*v c:\sqlredist_uninstall.log
      

      このコマンドの GUID の部分を、前の手順で書き留めた GUID に置き換えてください。

    • C:\Sqlredist_uninstall.log ファイルを開きます。ファイルの一番下にある、次のような行を探します。
      MSI (s) (EC:F8) [12:52:18:007]: Product: Microsoft SQL Server 2005 Backward compatibility -- Removal completed successfully.
      アンインストールに失敗した場合は、コンポーネント名と GUID を書き留めて、Sqlredist_uninstall.log ファイルを保存します。

  4. その他すべての手順に成功した場合は、[プログラムの追加と削除] を使用して SQL Server Native Client コンポーネントをアンインストールします。

    SQL Server コンポーネントがインストールされている場合は、SQL Server Native Client コンポーネントはアンインストールしないでください。

  5. その他すべての手順に成功した場合は、[プログラムの追加と削除] を使用して SQL Server セットアップ サポート ファイル コンポーネントをアンインストールします。

    ここで説明した手順を実行しても、すべてのコンポーネントおよび SQL Server のインスタンスに関連するすべてのファイルがアンインストールされなかった場合は、製品サポートに連絡してください。製品サポートの電話番号の全一覧については、Microsoft ヘルプとサポート Web サイトを参照してください。

参照

処理手順

SQL Server 2005 のセットアップ ログ ファイルを読み取る方法

概念

SQL Server 2005 セットアップ ログ ファイルを表示する方法

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手