Test-Mailflow

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2010-02-16

メールボックス サーバーの役割がインストールされているコンピュータのシステム メールボックスからメールを正しく送信できるかどうかと、このシステム メールボックスにメールを正しく配信できるかどうかを診断するには、Test-Mailflow コマンドレットを使用します。このコマンドレットを使用して、定義されている待ち時間のしきい値以内にメールボックス サーバー間で電子メールが送信されることを確認することもできます。

構文

Test-Mailflow [-Identity <ServerIdParameter>] [-ActiveDirectoryTimeout <Int32>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DomainController <Fqdn>] [-ErrorLatency <Int32>] [-ExecutionTimeout <Int32>] [-MonitoringContext <$true | $false>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

Test-Mailflow [-Identity <ServerIdParameter>] -TargetMailboxServer <ServerIdParameter> [-ActiveDirectoryTimeout <Int32>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DomainController <Fqdn>] [-ErrorLatency <Int32>] [-ExecutionTimeout <Int32>] [-MonitoringContext <$true | $false>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

Test-Mailflow [-Identity <ServerIdParameter>] -TargetEmailAddress <String> [-ActiveDirectoryTimeout <Int32>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DomainController <Fqdn>] [-ErrorLatency <Int32>] [-ExecutionTimeout <Int32>] [-MonitoringContext <$true | $false>] [-TargetEmailAddressDisplayName <String>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

Test-Mailflow [-Identity <ServerIdParameter>] -AutoDiscoverTargetMailboxServer <SwitchParameter> [-ActiveDirectoryTimeout <Int32>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DomainController <Fqdn>] [-ErrorLatency <Int32>] [-ExecutionTimeout <Int32>] [-MonitoringContext <$true | $false>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

解説

Test-Mailflow コマンドレットでは、メールの送信、転送、および配信をテストします。このコマンドレットは、各メールボックス サーバーでサーバー自身にメッセージを正しく送信できることを確認します。また、このコマンドレットを使用して、あるメールボックス サーバー上のシステム メールボックスから別のメールボックス サーバー上のシステム メールボックスにメッセージを正しく送信できることを確認できます。

このタスクを手動で実行すると、管理者に有益な情報が提供されます。また、Microsoft Operations Manager (MOM)、Exchange ベスト プラクティス アナライザ、Exchange トラブルシューティング アシスタントなどの監視ツールから呼び出すこともできます。このタスクを MOM から呼び出すと、エラーまたはパフォーマンスの低下を示す警告が生成されます。

Test-Mailflow コマンドレットでは、ローカル テストまたはリモート テストを実行できます。パラメータを指定しない場合はローカル テストが実行され、サーバーはサーバー自身にテスト電子メール メッセージを送信します。TargetEmailAddressTargetMailboxServer、または AutoDiscoverTargetMailboxServer パラメータを指定した場合は、リモート テストが実行されます。TargetEmailAddressTargetMailboxServer、および AutoDiscoverTargetMailboxServer パラメータを同時に使用することはできません。

フォレスト間のシナリオで電子メールの配信をテストするには、TargetEmailAddress パラメータを使用します。同じ Active Directory フォレスト内にあるメールボックス サーバー間で電子メールの配信をテストする場合は、TargetMailboxServer パラメータを使用します。メール フローのテスト対象となるサーバーの一覧を自動的に作成するには、AutoDiscoverTargetMailboxServer パラメータを使用します。

これらのパラメータを複数指定した場合は、AutoDiscoverTargetMailboxServer パラメータが TargetEmailAddress および TargetMailboxServer パラメータよりも優先されます。TargetMailboxServer パラメータは、TargetEmailAddress パラメータよりも優先されます。ローカル テストを実行する場合、ローカル サーバーには各メールボックス データベースのシステム メールボックスが必要です。リモート テストを実行する場合は、送信元サーバーと配信先サーバーの両方にシステム メールボックスがあるか、またはパラメータを使用して特定のメールボックスを指定する必要があります。

Test-Mailflow コマンドレットを実行するには、使用するアカウントに次の権限が委任されている必要があります。

  • Exchange 組織管理者の役割、またはコマンドレットが実行されるサーバーの Domain Administrators グループ

Microsoft Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

パラメータ

パラメータ 必須かどうか 種類 説明

AutoDiscoverTargetMailboxServer

必須

System.Management.Automation.SwitchParameter

AutoDiscoverTargetMailboxServer パラメータは、テスト メッセージの送信先となるメールボックス サーバーの一覧を自動的に作成します。このタスクでは、Active Directory ディレクトリ サービスに照会してすべてのメールボックス サーバーを検出し、各サーバーにテスト メッセージを送信します。

TargetEmailAddress

必須

System.String

TargetEmailAddress パラメータには、テスト メッセージの送信先となるメールボックスの SMTP (簡易メール転送プロトコル) アドレスを指定します。このパラメータを使用して、リモート フォレストのメールボックス サーバーにテスト メッセージを送信します。このパラメータが使用されている場合、テストは常にリモート テストになります。

TargetMailboxServer

必須

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.ServerIdParameter

TargetMailboxServer パラメータには、テスト メッセージの送信先となるローカルの Exchange 組織にある 1 つ以上のメールボックス サーバーを指定します。

ActiveDirectoryTimeout

省略可能

System.Int32

ActiveDirectoryTimeout パラメータには、タスクが遅延に関する情報メッセージを管理者に送信するまでの時間を秒単位で指定します。既定値は 15 秒です。

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するには、管理者がコマンドの処理内容を確認する必要があります。既定値は $true です。

DomainController

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Fqdn

DomainController パラメータには、このコマンドのバインド先となり、この変更を Active Directory に書き込むドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定します。

ErrorLatency

省略可能

System.Int32

ErrorLatency パラメータには、エラー イベントが MOM に出力されるまでのテスト メッセージ配信の待機時間を指定します。テスト メッセージがローカル メールボックス サーバーに送信される場合の既定値は 15 秒で、テスト メッセージがリモートのメールボックス サーバーに送信される場合の既定値は 180 秒です。

ExecutionTimeout

省略可能

System.Int32

ExecutionTimeout パラメータには、テストが失敗と判断されるまでのタスクの最大実行時間を指定します。この時間内にテスト メッセージまたは配信レポートが届かない場合、タスクは終了し、エラーが報告されます。タスクを Exchange 管理シェルで実行する場合の既定値は 240 秒です。MonitoringContext パラメータを使用した場合の既定値は 15 秒です。

Identity

省略可能

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.ServerIdParameter

Identity パラメータには、テスト メッセージの送信元となるメールボックス サーバーの名前を指定します。既定値は、ローカル メールボックス サーバーです。

MonitoringContext

省略可能

System.Boolean

MonitoringContext パラメータは、サーバーの監視に MOM が使用されている場合のみ使用されます。値を $true に設定すると、コマンドレットによって、MOM で使用されているイベントとパフォーマンス カウンタが MonitoringContext オブジェクトに格納されます。このパラメータの既定値は、$false です。

TargetEmailAddressDisplayName

省略可能

System.String

TargetEmailAddressDisplayName パラメータには、テスト メッセージの送信先となるメールボックスの表示名を指定します。

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。既定値は $true です。

入力の種類

戻り値の種類

Test-Mailflow コマンドレットは、メール フローの問題のトラブルシューティングに役立つ以下のプロパティを返します。

  • MailFlowResult   このプロパティは、[成功] または [失敗] を表示します。
  • MessageLatencyTime   このプロパティは、テスト メッセージが受信側のメールボックス サーバーに送信されるまでに要した時間を秒単位で示します。
  • IsRemoteTest   このプロパティは、テスト メッセージがローカル メールボックス サーバー以外のサーバーに送信されたか、または電子メール アドレスに送信されたかを示します。

エラー

エラー 説明

 

例外

例外 説明

 

最初の例は、サーバー メールボックス 1 からサーバー メールボックス 2 へテスト メッセージを送信する方法を示しています。

2 番目の例は、サーバー メールボックス 1 から "john@contoso.com" という電子メール アドレスにテスト メッセージを送信する方法を示しています。この例では、テスト メッセージはリモート フォレスト内のメールボックス サーバーに送信されます。

Test-Mailflow Mailbox1 -TargetMailboxServer Mailbox2
Test-Mailflow Mailbox1 -TargetEmailAddress john@contoso.com

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。