Remove-Mailbox

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2007-06-28

Active Directory ディレクトリ サービス内の特定のメールボックスに関連付けられているユーザー アカウントを削除し、その接続を解除されたメールボックスを指定したパラメータに従って処理するには、Remove-Mailbox コマンドレットを使用します。

構文

Remove-Mailbox -Identity <MailboxIdParameter> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DomainController <Fqdn>] [-IgnoreDefaultScope <SwitchParameter>] [-Permanent <$true | $false>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

Remove-Mailbox -Database <DatabaseIdParameter> -StoreMailboxIdentity <StoreMailboxIdParameter> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DomainController <Fqdn>] [-IgnoreDefaultScope <SwitchParameter>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

解説

Remove-Mailbox コマンドレットは、特定のメールボックスに関連付けられたユーザー アカウントを Active Directory から削除し、指定したパラメータに従ってその接続を解除されたメールボックスを処理します。

メールボックスとユーザーの接続を解除して、Active Directory からユーザー オブジェクトを削除するだけの場合は、Identity パラメータを使用します。メールボックス オブジェクトは引き続き存在します。既定では、このメールボックスは Exchange データベースに 30 日間残され、その後削除されます。

メールボックスとユーザーの接続を解除して、Active Directory からユーザー オブジェクトを削除し、Exchange データベースからメールボックス オブジェクトを削除する場合は、Identity パラメータと Permanent パラメータを使用します。メールボックス オブジェクトは、接続を解除されたメールボックスとして Exchange データベースに残りません。

Exchange データベースからメールボックス オブジェクトを削除するには、Database パラメータと StoreMailboxIdentity パラメータを使用します。この場合、メールボックス オブジェクトは既にユーザーとの接続を解除されています。たとえば、Disable-Mailbox コマンドレットを実行すると、Exchange メールボックス オブジェクトは引き続き存在していますが、Active Directory ユーザー オブジェクトとの接続は解除されています。この接続を解除されたメールボックス オブジェクトを削除するには、Database パラメータと StoreMailboxIdentity パラメータを使用します。

Remove-Mailbox コマンドレットを実行するには、使用するアカウントに次の権限が委任されている必要があります。

  • Exchange 受信者管理者の役割
  • 該当する Active Directory コンテナのアカウント オペレータの役割

Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

パラメータ

パラメータ 必須かどうか 種類 説明

Database

必須

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.DatabaseIdParameter

Database パラメータには、メールボックス オブジェクトを格納するデータベースを指定します。次のいずれかの値を使用できます。

  • GUID
  • データベース名
  • サーバー名\データベース名
  • サーバー名\ストレージ グループ\データベース名

サーバー名を指定しない場合、コマンドレットはローカル サーバー上でデータベースを検索します。1 つのサーバーに同じ名前を持つデータベースが複数存在する場合、ストレージ グループを指定する必要があります。

このパラメータは StoreMailboxIdentity パラメータと共に使用する必要があります。Database パラメータを Identity パラメータと共に使用することはできません。メールボックスとこれに関連付けられたユーザーの接続を解除して、そのメールボックス オブジェクトを Exchange ストアから削除するには、Database パラメータと StoreMailboxIdentity パラメータを使用します。

Identity

必須

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.MailboxIdParameter

Identity パラメータには、削除するメールボックス オブジェクトを指定します。次のいずれかの値を使用できます。

  • ADObjectID
  • 識別名 (DN)
  • 従来の DN、GUID
  • ドメイン\アカウント名
  • ユーザー プリンシパル名 (UPN)
  • 電子メール アドレス
  • エイリアス

Identity パラメータを Database パラメータと共に使用することはできません。

StoreMailboxIdentity

必須

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.StoreMailboxIdParameter

StoreMailboxIdentity パラメータには、削除するメールボックス オブジェクトを指定します。StoreMailboxIdentity パラメータは、メールボックス オブジェクトを Exchange データベースから削除するために、Database パラメータと共に使用します。メールボックスとこれに関連付けられたユーザーの接続を解除して、そのメールボックス オブジェクトを Exchange ストアから削除するには、Database パラメータと StoreMailboxIdentity パラメータを使用します。

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するためには、コマンドの処理内容を確認する必要があります。Confirm パラメータに値を指定する必要はありません。

DomainController

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Fqdn

DomainController パラメータには、この構成の変更を Active Directory に書き込むドメイン コントローラを指定します。使用するドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を使用します。

IgnoreDefaultScope

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

IgnoreDefaultScope パラメータは、Exchange 管理シェルに対する既定の受信者の設定範囲を無視し、範囲としてフォレスト全体を使用するようにコマンドに指示します。これにより、コマンドは現在既定の範囲内にない Active Directory オブジェクトにアクセスできます。IgnoreDefaultScope パラメータを使用する場合、以下の制限事項が適用されます。

  • DomainController パラメータは使用できません。コマンドによって、適切なグローバル カタログ サーバーが自動的に使用されます。
  • Identity パラメータには DN のみを使用できます。エイリアスや GUID など、他の形式の ID は許可されません。

Permanent

省略可能

System.Boolean

Permanent パラメータを Identity パラメータと共に使用すると、メールボックスとユーザーの接続を解除して、関連付けられたそのユーザー オブジェクトを Active Directory から削除し、メールボックスを Exchange データベースから削除します。このパラメータに指定できる値は $true または $false の 2 つです。既定値は $false です。

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。WhatIf パラメータに値を指定する必要はありません。

入力の種類

戻り値の種類

エラー

エラー 説明

 

例外

例外 説明

 

最初の例では、John Peoples (john) というユーザーのメールボックスとユーザー アカウントの接続を解除して、メールボックス オブジェクトを Active Directory から削除する方法を示しています。メールボックスは、メールボックス データベースで構成されている削除済みメールボックスの保存期間の間、Exchange データベースに残されます。

2 番目の例では、John Peoples (john) というユーザーのメールボックスとユーザー アカウントの接続を解除して、メールボックス オブジェクトを Active Directory から削除し、メールボックスを Exchange データベースから削除する方法を示しています。

3 番目の例では、メールボックスとユーザーとの接続が既に切断されていることを前提にして、John Peoples (john) のメールボックスを Exchange データベースから削除する方法を示しています。この例は、Get-MailboxStatistics コマンドレットを使用して、切断されたメールボックスの表示名によってメールボックスの GUID の値を取得する方法を示しています。この値は、Remove-Mailbox コマンドレットの StoreMailboxIdentity パラメータのために必要です。

Remove-Mailbox -Identity contoso\john
Remove-Mailbox -Identity contoso\john -Permanent $true
$Temp = Get-MailboxStatistics | Where {$_.DisplayName -eq 'John Peoples'}
Remove-Mailbox -Database Server01\Database01 -StoreMailboxIdentity $Temp.MailboxGuid

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。