Exchange Server 2003 パフォーマンス ツール

 

ここでは、Microsoft® Exchange Server 2003 環境のパフォーマンスの検証に役立つツールについて説明します。これらのツールの一部は Microsoft Windows® 2000 Server や Windows Server™ 2003、または Exchange Server 2003 と一緒にインストールされます。その他のツールは、Exchange Server 2003 のダウンロード Web サイト (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=25097) からダウンロードできます。次の表は、パフォーマンス関連ツールの一覧です。

note注 :
一部のツールでは、使用方法を誤ると、修復できないような重大な問題が発生する可能性があります。運用環境でツールを使用する前に、必ずテスト用サーバーでこれらのツールに慣れておいてください。ツールに付属しているドキュメントをよく読み、ツールの使用に伴うリスクについて理解してください。

Exchange Server 2003 パフォーマンス ツール

ツール名 説明 実行元 インストール元

Exchange Stress and Performance (ESP)

ストレスとパフォーマンスをテストします。

このツールは、1 つ以上のプロトコル サーバーに同時にアクセスして、多数のクライアント セッションをシミュレートします。

コマンド プロンプト

2003 バージョン : https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=27881 (英語ページの可能性があります)

2000 バージョン : https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=1709 (英語ページの可能性があります)

Jetstress

ディスク サブシステムのパフォーマンスと安定性をテストします。

コマンド プロンプト

https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=27883

Load Simulator (LoadSim)

メール負荷に対するサーバーの応答をテストするベンチマーク ツールとして使います。

セットアップとインストールの手順については、https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=1710 を参照してください。

2003 バージョン : https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=27882

2000 バージョン : https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=1710

ネットワーク モニタ

サーバーの接続に関する問題を診断します。

[スタート] | [すべてのプログラム] | [管理ツール] | [ネットワーク モニタ]

[プログラムの追加と削除] | [Windows コンポーネントの追加と削除]

システム モニタ (パフォーマンス モニタ)

パフォーマンスのベースライン (基準) の確立、およびパフォーマンスに関する問題のトラブル シューティングを行う際に使用します。

[スタート] | [すべてのプログラム] | [管理ツール] | [パフォーマンス]

Windows のセットアップ中にインストールされます。

LoadSim と ESP は、運用を開始する前に、テストによってシステムの状態を確認する際に役立ちます。他のツールは、運用中のサーバーのボトルネックを診断するために役立ちます。

Exchange Server Stress and Performance 2003

Exchange Server Stress and Performance (ESP) 2003 を使用すると、1 つ以上の Exchange 2003 サーバーに同時にアクセスする複数の任意のクライアント セッションをシミュレートできます。

ESP は、次のインターネット プロトコルと API を使用してクライアント セッションをシミュレートするモジュールを提供しています。

  • WebDAV (Microsoft Office Outlook® Web Access 用)
  • IMAP4 (Internet Message Access Protocol Version 4rev1)
  • LDAP (Lightweight Directory Access Protocol)
  • OLE DB
  • NNTP (Network News Transfer Protocol)
  • POP3 (Post Office Protocol Version 3)
  • SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)
  • Exchange ActiveSync®
  • Outlook Mobile Access

ESP と LoadSim は似ていますが、ESP は LoadSim の範囲外のモビリティ機能とインターネット プロトコルを使用した展開を検証する場合に使用します。

ESP の詳細については、ツールに付属しているドキュメントを参照してください。

Jetstress

Jetstress は、管理者が Exchange サーバーを運用環境で使用する前に、ディスク サブシステムのパフォーマンスと安定性を確認する際に役立ちます。

Jetstress は、Exchange のディスク入出力 (I/O) の負荷をシミュレートし、ディスクのパフォーマンスを確認するために役立ちます。Jetstress は、特定のユーザー数による Exchange データベースおよびログ ファイルの負荷をシミュレートします。システム モニタ、イベント ビューア、および Exchange Server データベース ユーティリティを Jetstress と組み合わせて使用し、設定したパフォーマンスの条件をディスク サブ システムが満たす、または上回ることを確認します。

Jetstress を使用して実行できるテストには、次の 2 種類があります。

  • 2 時間かけて実行される Jetstress ディスク パフォーマンス テスト。使用する記憶域ソリューションのパフォーマンスおよびサイジングを確認できます。
  • 24 時間かけて実行される Jetstress ディスク サブシステム ストレス テスト。長時間にわたり多大な負荷をかけることにより、サーバーの負荷をテストできます。

ディスク サブシステムの整合性のパフォーマンスを確認するには、両方のテストを実行することをお勧めします。テスト環境における Jetstress ディスク パフォーマンス テストと Jetstress ディスク サブシステム ストレス テストが正常に完了すると、Exchange Server 2003 の展開作業を次の段階に進めることができます。テストを実行することで、Exchange Server 2003 ディスク サブシステムのサイズが、設定したユーザー数およびユーザー プロファイルに適う十分なサイズ (設定したパフォーマンスの条件を満たすサイズ) となるようにすることができます。

Jetstress の詳細については、ツールに付属しているドキュメントを参照してください。

Load Simulator 2003

Load Simulator 2003 (LoadSim) は、MAPI クライアントのパフォーマンス負荷をシミュレートします。LoadSim は、各サーバーに実行させようとしている負荷をサーバーが処理できるかどうかを判断する際に役立ちます。LoadSim は、展開計画の検証にも使用できます。

ただし、LoadSim によってサーバーのサイジングに関するすべての要素を検証できるわけではありません。LoadSim は、サーバーの容量設計に影響する次の要素についてはシミュレートしません。

  • インターネットから受信する不要な商用電子メール (スパム)
  • インターネットまたは組織内の別のサイトから受信する SMTP メールの流れ
  • アカウントへのアクセスのための MAPI 以外のプロトコル (POP3 や IMAP4 など) の使用
  • モバイル デバイスの使用
  • パブリック フォルダの使用率

また、LoadSim ではユーザーの操作性に関するシミュレートが完全には行われないため、結果にもその点が反映されません。

LoadSim 2003 の詳細については、ツールに付属しているドキュメントを参照してください。

ネットワーク モニタ

ネットワーク モニタによって、LAN の問題を検出し、トラブルシューティングを行うことができます。ネットワーク モニタを使用すると、以下のことができます。

  • ネットワーク トラフィックのパターンとネットワークの問題を識別する。たとえば、クライアントとサーバー間で発生している接続に関する問題の特定、不自然な数の作業要求を行っているコンピュータの発見、ネットワーク上の権限のないユーザーの識別などを行うことができます。
  • ネットワークから直接フレーム (パケット) を取得する。
  • 取得したフレームの表示、フィルタの適用、保存、および印刷を行う。

ネットワーク モニタの詳細については、次のマイクロソフト サポート技術情報の文書を参照してください。

システム モニタ

システム モニタは Microsoft 管理コンソール (MMC) スナップインの 1 つです。このスナップインは、さまざまなサブシステムとソフトウェアを監視するために使用されます。システム モニタは、パフォーマンス カウンタに基づいてデータを報告するための共通のインフラストラクチャを提供します。これらのカウンタは、次のようにオブジェクト、カウンタ、およびインスタンス (任意) ごとに階層化されています。

  • パフォーマンス オブジェクト   監視可能なコンピュータの部位。最もよく使用されるオブジェクトには、ProcessorMemory、および PhysicalDisk があります。Exchange Server 2003 をインストールすると、Microsoft Exchange Information Store (MSExchangeIS) などの新しいオブジェクトがパフォーマンス オブジェクトの一覧に追加されます。
  • カウンタ   監視可能なオブジェクトの部位。たとえば、Memory オブジェクトについては、1 秒あたりのページ フォールトや 1 秒あたりの合計ページ数の他に、使用可能なメモリの容量 (バイト単位、KB 単位、または MB 単位) を監視できます。
  • インスタンス (任意)   コンピュータ上で監視する複数のオブジェクトまたはカウンタ。たとえば、複数のプロセッサを搭載したコンピュータ上では、Processor オブジェクトに含まれるカウンタのインスタンスの数はそのコンピュータに搭載されているプロセッサの数と同じになります。監視対象を特定のプロセッサのみにするか、またはすべてのプロセッサにするかを選択することができます。

システム モニタの詳細については、Windows ヘルプを参照してください。