Enable-MailUser

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2010-03-30

Enable-MailUser コマンドレットを使用して、Active Directory ディレクトリ サービス内の既存のユーザーをメールが有効な状態にすることができます。

構文

Enable-MailUser -Identity <UserIdParameter> -ExternalEmailAddress <ProxyAddress> [-Alias <String>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DisplayName <String>] [-DomainController <Fqdn>] [-MacAttachmentFormat <BinHex | UuEncode | AppleSingle | AppleDouble>] [-MessageBodyFormat <Text | Html | TextAndHtml>] [-MessageFormat <Text | Mime>] [-PrimarySmtpAddress <SmtpAddress>] [-UsePreferMessageFormat <$true | $false>] [-UseRusServer <String>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

解説

Enable-MailUser コマンドレットは、Microsoft Exchange Server 2007 に必要な属性を追加することによって、Active Directory 内の既存のユーザーをメールが有効な状態にします。そのユーザーの ID と外部電子メール アドレスが必要です。メールが有効なユーザーは、Exchange 組織で電子メール アドレス (john@contoso.com など) を持ちますが、Exchange メールボックスは持ちません。メールが有効なユーザーに宛てられた電子メール メッセージは、代わりに、指定された外部電子メール アドレスに送信されます。

詳細については、「メールが有効なユーザーを新規作成する方法」を参照してください。

Enable-MailUser コマンドレットを実行するには、使用するアカウントに次の役割を委任する必要があります。

  • Exchange 受信者管理者の役割

Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

note注 :
新しいユーザーを作成し、作成時にそのユーザーのメールを有効にするには、New-MailUser コマンドレットを使用します。

パラメータ

パラメータ 必須かどうか 種類 説明

ExternalEmailAddress

必須

Microsoft.Exchange.Data.ProxyAddress

ExternalEmailAddress パラメータには、組織の外部の電子メール アドレスを指定します。既定では、ExternalEmailAddress パラメータで指定された電子メール アドレスは PrimarySMTPAddress として設定されます。メールが有効なユーザーに送信される電子メール メッセージは、この外部アドレスに送信されます。

Identity

必須

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.UserIdParameter

Identity パラメータには、次のいずれかの値を指定します。

  • ADObjectID
  • GUID
  • 識別名 (DN)
  • ドメイン\SAM アカウント名
  • ユーザー プリンシパル名 (UPN)
  • LegacyExchangeDN
  • ユーザー エイリアス

Alias

省略可能

System.String

Alias パラメータには、ユーザーのエイリアスを指定します。エイリアスには、文字、数字、および次の区切り文字と記号を含めることができます。

  • !
  • #
  • $
  • %
  • ^
  • &
  • *
  • +
  • -
  • .
  • /
  • =
  • ?
  • _
  • {
  • }
  • |
  • ~

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。また、処理を続行する前に、管理者がコマンドの処理内容を確認する必要があります。Confirm パラメータに値を指定する必要はありません。

DisplayName

省略可能

System.String

DisplayName パラメータには、メール ユーザーの表示名を指定します。DisplayName は、Exchange 管理コンソールの [受信者の構成] に表示される名前です。

DomainController

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Fqdn

この構成の変更を Active Directory に書き込むドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定するには、コマンドに DomainController パラメータを含めます。

MacAttachmentFormat

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Directory.Recipient.MacAttachmentFormat

MacAttachmentFormat パラメータには、メール ユーザーに送信するメッセージに対する Apple Macintosh オペレーティング システムの添付ファイル形式を指定します。このパラメータの有効な値は次のとおりです。

  • BinHex
  • UUENCODE
  • AppleSingle
  • AppleDouble

既定では、このパラメータは BinHex に設定されています。

  • MacAttachmentFormat パラメータに使用できる値は、MessageFormat パラメータによって異なります。MessageFormat パラメータが Text に設定されている場合、このパラメータには BinHex または UUENCODE 値のみを使用できます。MessageFormat パラメータが Mime に設定されている場合、このパラメータには BinHex、AppleSingle または AppleDouble 値のみを使用できます。

MessageBodyFormat

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Directory.Recipient.MessageBodyFormat

MessageBodyFormat パラメータには、メール ユーザーに送信するメッセージに対するメッセージ本文の形式を指定します。このパラメータの有効な値は次のとおりです。

  • Text
  • HTML
  • TextAndHtml

既定では、このパラメータは TextAndHtml に設定されています。

MessageFormat パラメータと MessageBodyFormat パラメータは相互に依存します。MessageFormat パラメータが Mime に設定されている場合、MessageBodyFormat パラメータには任意の有効な値を設定できます。ただし、MessageFormat パラメータが Text に設定されている場合、MessageBodyFormat パラメータは Text にのみ設定することができます。そのため、このパラメータを Html または TextAndHtml に設定する必要がある場合は、MessageFormat パラメータも Mime に設定する必要があります。

MessageFormat

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Directory.Recipient.MessageFormat

MessageFormat パラメータには、メール ユーザーに送信するメッセージに対するメッセージ形式を指定します。

このパラメータの有効な値は次のとおりです。

  • Text
  • Mime

既定では、このパラメータは Mime に設定されています。

MessageFormat パラメータと MessageBodyFormat パラメータは相互に依存します。MessageFormat パラメータが Mime に設定されている場合、MessageBodyFormat パラメータは任意の有効な値に設定できます。ただし、MessageFormat パラメータが Text に設定されている場合、MessageBodyFormat パラメータは Text にのみ設定することができます。そのため、MessageFormat パラメータを Mime から Text に変更する必要がある場合は、MessageBodyFormat パラメータを Text に変更する必要もあります。

PrimarySmtpAddress

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.SmtpAddress

このパラメータを使用して、メール ユーザーのプライマリ SMTP アドレスを指定します。既定では、プライマリ SMTP アドレスは、既定の電子メール アドレス ポリシーに基づいて生成されます。このパラメータを使用してプライマリ SMTP アドレスを指定すると、メール ユーザーの EmailAddressPolicyEnabled 属性は $false に設定され、このメール ユーザーの電子メール アドレスは電子メール アドレス ポリシーに基づいて自動的に更新されません。

UsePreferMessageFormat

省略可能

System.Boolean

UsePreferMessageFormat パラメータには、メールボックスで構成されているメッセージ形式の設定を、ドメインで構成されているグローバル設定より優先するかどうかを指定します。メールボックスに対して構成されているメッセージ形式の設定が任意のグローバル設定より優先されるようにするには、このパラメータを $true に設定します。

UseRusServer

省略可能

System.String

note注 :
このパラメータは Exchange 2007 SP2 でのみ使用できます。

UseRusServer パラメータを指定すると、このコマンドで、アドレス一覧サービスを実行している指定のメールボックス サーバーを使用してメールボックスと Active Directory ユーザー属性が取得され、それらが設定されるようになります。

アドレス一覧サービスは、Exchange System Attendant サービスのコンポーネントです。アドレス一覧サービスは、Active Directory において Exchange 固有の属性値を作成および管理します。アドレス一覧サービスを使用すると、アドレス一覧メンバシップや電子メール アドレスなどの特定の情報を使用して、ドメイン内の受信者オブジェクトを更新できます。

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。WhatIf パラメータで値を指定する必要はありません。

入力の種類

戻り値の種類

エラー

エラー 説明

 

例外

例外 説明

 

次の例では、Enable-MailUser コマンドレットを使用して、john@contoso.com の外部電子メール アドレスを持つユーザー John をメールが有効な状態にしています。

Enable-MailUser -Identity John -ExternalEmailAddress john@contoso.com

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。