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ユニファイド メッセージング サーバーのデータ

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2006-12-04

ここでは、Microsoft Exchange Server 2007 ユニファイド メッセージング (UM) サーバーの役割に固有の重要なデータについて説明します。障害回復計画を準備するときには、このデータを考慮する必要があります。ここでは、以下の内容について説明します。

  • ユニファイド メッセージングが構成データを格納する場所
  • 構成データを保護する方法
  • ユニファイド メッセージングのカスタム構成データを復元する方法

ユニファイド メッセージングが構成データを格納する場所

Exchange 2007 サーバーの役割は、Active Directory ディレクトリ サービスに構成データを格納するように設計されています。ユニファイド メッセージング サーバーは、その構成情報の大部分を Active Directory に、一時的なメッセージ キューをファイル システムに、制限されたサーバーのセットアップ情報をレジストリに、サーバー固有の構成データを \bin フォルダの XML ファイルに、カスタム オーディオ ファイルをファイル システムに格納します。

キューは、ユニファイド メッセージング サーバーの機能の復元にとって不可欠なものではありません。キューの \temp フォルダは、メッセージがサーバーによって処理される間に、そのメッセージを格納するために使用されます。メッセージは、配信のためにトランスポート サーバーに送信されると、\temp フォルダから削除されます。

表 1 は、Exchange データがユニファイド メッセージング サーバー上で格納される場所を示しています。

note注 :
表 1 で、ファイル パスはすべて Exchange インストール フォルダのルートから開始します。既定の Exchange インストール フォルダ パスは、C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\ です。

表 1   ユニファイド メッセージング サーバーでの Exchange データの格納場所

重要なデータ 場所 バックアップ方法 復元方法

カスタム オーディオ プロンプト :

  • UM ダイヤル プランおよび UM 自動応答用のカスタム オーディオ ファイル (.wav)
  • 電話ユーザー インターフェイス (TUI) または Microsoft Outlook Voice Access 用のカスタム オーディオ ファイル (.wav)

ファイル システム

\UnifiedMessaging\Prompts

ファイル レベルのバックアップは、音声ガイダンス発行サーバーでのみ必要です。

ファイル レベルの復元は、音声ガイダンス発行サーバーでのみ必要です。

着信呼び出し : 各ボイス メール用の .eml および .wma ファイル

ファイル システム

\UnifiedMessaging\temp

なし

なし

サーバー構成データ

Active Directory 構成コンテナ

バックアップ方法は、ドメイン コントローラのレプリケーションまたは Active Directory バックアップです。

このデータは、Setup /m:recoverserver による復元を行うときに、サーバーに再適用されます。

セットアップによってレジストリに格納されるサーバーの復元に必須ではない制限された情報

Microsoft Windows レジストリ :

  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Exchange
  • HKLM\SYSTEM\currentcontrolset\Services

バックアップ方法は、システム状態のバックアップまたはレジストリのエクスポートです。

復元方法は、システム状態の復元またはレジストリのインポートです。

構成データを保護する方法

UM ダイヤル プランおよび UM 自動応答でのプロンプト用に使用するカスタム オーディオ ファイルは、ファイル レプリケーション サービス (FRS) によって音声ガイダンス発行ポイントからすべてのユニファイド メッセージング サーバーにレプリケートされます。

音声ガイダンス発行ポイントは、ダイヤル プランのメンバによってアクセス可能な任意のサーバーの場所を示すことができる汎用名前付け規則 (UNC) のパスです。複数の UM サーバーと複数のダイヤル プランがある環境では、スケジュールに従ってファイル レベルのバックアップを実行するファイル サーバーに音声ガイダンス発行ポイントを移動することができます。

音声ガイダンス発行ポイントは、ダイヤル プランのすべてのユニファイド メッセージング サーバーにアクセスできる場所であれば、どこへでも移動できます。したがって、ダイヤル プランに参加する最初のユニファイド メッセージング サーバーのファイルとサブディレクトリの内容をバックアップする必要があります。同じダイヤル プランに追加される他のユニファイド メッセージング サーバーは、必要に応じて、キャッシュされたコピーを音声ガイダンス発行ポイントから再度読み込みます。

ダイヤル プランの音声ガイダンス発行ポイントは、最上位のディレクトリ (名前はダイヤル プランの GUID)、およびダイヤル プランにリンクされている各自動応答に対応する 0 個以上のサブディレクトリ (それぞれの名前は自動応答の GUID) から構成されます。Exchange 2007 でインストールされる既定のプロンプトとカスタマイズされたプロンプトはどちらも .wav ファイルで、参照するオブジェクト (ダイヤル プランまたは自動応答) のディレクトリに含まれます。

既定では、音声ガイダンス発行ポイントは、ダイヤル プランと関連付けられる最初のユニファイド メッセージング サーバー上の ExchangeUM と呼ばれる共有です。既定では、音声ガイダンス発行ポイントは次のパスにあります。

C:\Program Files\Microsoft\Microsoft Exchange\UnifiedMessaging\Prompts\Custom

ユニファイド メッセージングのカスタム構成データの復元

  • 古いサーバーと同じ名前を持つ新しいサーバーで Setup /m:RecoverServer を実行すると、ほとんどのユニファイド メッセージング サーバーのデータおよび構成設定が回復されます。ただし、サーバーの損失前にカスタマイズが行われた場合は、いくつかのアイテムを個別に復元する必要があります。

置き換えるサーバーが音声ガイダンス発行ポイント サーバーで、そのサーバーにカスタム オーディオ プロンプトがある場合、カスタム オーディオ プロンプトを新しいサーバーに復元する必要があります。サーバーが音声ガイダンス発行ポイント サーバーではない場合、これらのファイルは音声ガイダンス発行ポイントから新しいサーバーにレプリケートされます。

着信呼び出しは、ユニファイド メッセージング サーバーがそのメッセージを送信するまで 2 つのファイルに格納されます。これらの 2 つのファイルは次のとおりです。

  • .eml 電子メール メッセージ ファイル   .eml ファイルは、ピックアップ ディレクトリに置かれ、Exchange サーバーによってルーティングされる標準電子メール メッセージ ファイルです。.eml ファイルには、メッセージのルーティング情報が含まれます。
  • .wav オーディオ ファイル   .wav ファイルは、発信者が残した音声メッセージの録音です。
  • これらのファイルの既定のパスは、C:\Program Files\Microsoft\Microsoft Exchange\UnifiedMessaging\temp です。

ユニファイド メッセージング サーバーがメッセージのルーティングを停止するか、または機能しなくなり、\temp フォルダから .eml ファイルと .wav ファイルを復旧できる場合、ハブ トランスポート サーバーの Exchange Server\TransportRoles\Pickup フォルダにファイルを置くと、これらのファイルを目的の受信者に送信できます。

詳細情報

  • Setup /m:RecoverServer の実行の詳細については、「サーバーの回復」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。