Exchange インフラストラクチャの計画
Exchange 組織の計画を開始する前に、トポロジの境界と制限、および単一の Exchange 組織での既知の制限を知っておくことが重要です。設計が単純なほど、トポロジの保守は簡単になります。一般的なガイドラインとして、作成する管理グループ、ルーティング グループ、およびドメインはできるだけ少なくします。
Exchange にはいくつかの制限があります。単一の Exchange 組織は、以下の制限のいずれも超えることができません。
- Exchange サーバー数 : 1,000
- 管理グループ数 : 1,000
- ルーティング グループあたりの Exchange コネクタ数 : 1,000 (サード パーティのコネクタを含む)。コネクタは方向の数に基づいて数える必要があることに注意してください。たとえば、一方向のコネクタは 1 と数え、双方向のコネクタは 2 と数えます。
- ドメイン数 : 100
上記の制限に加えて、次の制限にも従うことをお勧めします。
- 作成するルーティング グループ数は 150 を超えないようにします。
- 各ユーザーに表示されるアドレス一覧の数は 10 以下に制限します。
- ユーザーあたりのセキュリティ グループおよび配布グループの数は 80 以下に制限します。
Exchange の展開を計画する場合、それぞれの状況に合わせてさまざまな設計上の問題を考慮することが重要です。複雑なネットワーク環境と複数の自律的ビジネス単位、その他の複雑な要因を持つ大規模企業は、比較的簡単なメッセージング要件を持つ小規模な組織と比較して、こうした問題に対してさらに慎重な計画と注意が必要になります。次の表に示すトピックは、Exchange のさまざまな要素について理解するうえで役立ちます。こうした情報を参考にして、Exchange インフラストラクチャを計画します。環境が複雑である場合は、こうした事項に関連した計画と考慮にさらに時間を費やすことで、将来の問題の発生を防ぐために役立ちます。
設計面の考慮事項 | 確認するトピック |
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集中メッセージング システムと分散メッセージング システムの比較。どちらのシステムが適しているかを判断してください。 |
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ルーティング設計。効率的なルーティングは、ネットワーク トラフィックを削減するうえで役立ちます。また、帯域の制約がルーティングの決定に影響します。 |
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Active Directory に関する考慮事項とドメイン コントローラの配置。支社から Exchange サーバーを削除することを選択した場合は、ドメイン コントローラを移動する前に、問題がないかどうかをもう一度確認してください。 |
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容量計画。必要なサーバーの数を確認します。必要なサーバー数の確認に役立つツールが提供されています。 |
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フロントエンドとバックエンドの構成。複数のサーバーが存在する場合、ユーザーにインターネット電子メール アクセスを提供するときは、フロントエンドとバックエンドの構成により多くの利点が得られます。 |
Exchange Server 2003 and Exchange 2000 Server Front-End and Back-End Topology |
可用性。電子メール システムの中断時間を最小限に抑えるには、事前の計画が必要です。ハードウェア、サービス レベル契約、バックアップ、復元の戦略などに関する決定は、最初のサーバーを展開する前に行う方が良い結果が得られます。 |
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クライアント アクセス。クライアントが存在しなければ、電子メール サーバーが行う処理はそれほど多くありません。個別のユーザーがどのようにデータを送受信するかを考慮することで、Exchange 組織の展開時に正しい決定を下しやすくなります。 |