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Exchange 2003 におけるパフォーマンスおよびスケーラビリティの向上

 

パフォーマンスおよびスケーラビリティの向上は、Exchange 製品開発チームにとって常に重要な設計目標でした。最初の Exchange 製品である Microsoft® Exchange Server 4.0 は、MS Mail for PC Networks を置き換えるために設計されました。MS Mail は、ポストオフィスあたり 500 までのメールボックスしかホストできませんでした。ただし、ほとんどの組織では、さらにエンタープライズに対応したメッセージング プラットフォームが求められていました。これとは対照的に、Exchange Server 4.0 および Microsoft Exchange Server 5.0 のインフォメーション ストアは、最大 16 GB のデータおよび 500 を超えるメールボックスを保持できました。

Microsoft Exchange Server 5.5 では、ストレージ容量はさらに増えました。Exchange Server 5.5 Enterprise Edition では、Exchange Information Store は無制限となりました。今日では、単一サーバー上で無制限にメールボックスを保持することができ、Exchange データベースは、短期間に数百 GB まで増大することが可能です。ただし、このように大規模なデータベースでは、メッセージング システムの維持が困難でした。Exchange ストア内に含めることができるメールボックスの数は理論上は無制限でしたが、事実上は、サーバーにつき 1,000 個のメールボックスが限界でした。

サーバーあたりのメールボックスの実用的な数を増やすことが Microsoft Exchange 2000 Server の主な設計目標でした。Exchange 2000 Server では、複数のストレージ グループがサポートされ、最大 20 個のメールボックスおよびパブリック フォルダ データベースを保持できました。メールボックスを多数のメールボックス ストアに分散すれば、サーバーは 2,000 以上のメールボックスをホストできました。それにもかかわらず、個々のデータベースの管理の容易さに変わりはありませんでした。

Exchange 2003 は、パフォーマンス、スケーラビリティ、およびセキュリティ領域において Exchange 2000 を改良しています。Exchange 2003 は、複数のストレージ グループおよびメッセージング データベースを引き続きサポートし、回復用ストレージ グループ機能を新たに加え、Windows Server™ 2003 のボリューム シャドウ コピー サービスをサポートします。Exchange 2003 では、ディレクトリ参照の効率を高めるよう、改善されたキャッシング アルゴリズムを使用することで、Microsoft Active Directory® ディレクトリ サービス クエリを Exchange 2000 と比較して 60% 削減することに成功しました。仮想メモリ管理も強化され、ネットワーク トラフィックを減らすため、サーバー間でのリンク状態情報の送信が最適化されました。さらに、Exchange 2003 を使用することで、高レベルのウイルスおよびスパム対策機能が実現されます。以前のバージョンの Exchange、特に Exchange Server 5.5 から Exchange 2003 へのアップグレードによって効果があることは明確です。