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開発の概要

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2006-09-13

ここでは、Microsoft Exchange Server 2007 用のカスタム アプリケーションや拡張機能の開発に使用することができる機能について説明します。Exchange 2007 の開発機能の詳細については、Microsoft Exchange Server 2007 Software Development Kit に関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

Exchange 管理シェルを使用した開発

Exchange Management Shellは、Exchange 2007 組織でサーバーの管理に使用できるコマンド ライン管理インターフェイスです。Exchange Management Shellには、Exchange を管理するアプリケーションの開発に使用されるインターフェイスやオブジェクトが用意されています。Exchange Management Shellの詳細については、Microsoft Exchange Server 2007 SDK に関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

トランスポート エージェントを使用した開発

ソフトウェア開発者は、Exchange 2007 の新しいトランスポート API を使用してトランスポート エージェントを作成することができます。トランスポート エージェントは、エッジ トランスポートまたはハブ トランスポートの役割がインストールされている、Exchange 2007 を実行しているコンピュータにインストールし、有効にできます。電子メール メッセージがトランスポート サービスにより移動するとき、トランスポート エージェントではメッセージとその内容にアクセスできます。トランスポート エージェントの詳細については、Microsoft Exchange Server 2007 SDK に関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

Exchange Web サービスを使用した開発

Exchange Web サービスは、プログラム可能なインターフェイスです。企業や独立系ベンダのソフトウェア開発者は、このサービスを使用して、Exchange ストアのデータおよび情報管理機能へのクライアント アクセスを提供できます。Exchange Web サービスは、HTTP 上で送信されるSimple Object Access Protocol (SOAP) メッセージを処理します。Exchange Web サービスを使用することで、組織の管理者やインフォメーション ワーカーの効率を向上できます。

Exchange Web サービスは、ビジネス上の重要なデータおよび機能へのプログラムによるアクセスを向上させます。業界標準のテクノロジを使用することで、異なる種類のサーバーやクライアントから、同一のビジネス クリティカルなデータにアクセスできるようになります。Exchange Web サービスには、以下の Web サービスが含まれています。

  • 自動検出   メールボックス サーバーに接続するクライアント アプリケーションのセットアップ用の構成情報を提供します。
  • 可用性   ユーザーのメールボックスに関する空き時間情報データを提供します。空き時間情報データは、会議の時間帯候補の確認にも使用され、クライアントのOut of Office (OOF) 管理機能を提供します。
  • Messaging Records Management    管理された電子メール フォルダをメールボックス ユーザーに割り当てることができます。
  • 通知   メールボックスに関連付けられたイベントをクライアント アプリケーションに通知します。サブスクリプション モデルはプッシュ ベースとプル ベースのどちらにすることもできます。
  • 同期   ユーザーのフォルダとアイテムの一方向に同期した、キャッシュされたコピーを行います。
  • Exchange データ サービス   以下の機能を提供します。
    • メールボックス ユーザーに関連付けられたフォルダを作成、更新、削除、コピー、検索、取得、および移動する機能。フォルダに含まれているアイテムを検索することもできます。
    • Exchange データ ストアへのアクセス。クライアント アプリケーションでは、Exchange データ サービスの Web サービスを使用して、アイテムの作成、更新、削除、コピー、取得、移動、および送信を行うことができます。
    • あいまいな名前の解決。
    • 配布リストのメンバを返す機能。
    • Exchange ストアの添付ファイルへのアクセス。

Exchange Web サービスの詳細については、Microsoft Exchange Server 2007 SDK に関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

Exchange .NET Framework 拡張機能を使用した開発

Exchange .NET Framework 拡張機能は、電子メール メッセージのさまざまな部分へのアクセスや操作を可能にする便利なクラスとデータ構造を備えています。Exchange .NET Framework 拡張機能には、以下の名前空間が含まれています。

  • Microsoft.Exchange.Data.Mime   ストリームおよび DOM による Multipurpose Internet Mail Extensions (MIME) データへのアクセスを可能にします。MIME コンテンツにフィルタを適用することもできます。
  • Microsoft.Exchange.Data.TextConverters   電子メールの本文にカスタム フィルタを適用したり、さまざまな形式 (HTML、RTF、テキストなど) のデータを変換したりできるようにするクラスとデータ構造を備えています。
  • Microsoft.Exchange.Data.iCalendar および Microsoft.Exchange.Data.Tnef   予定、会議、およびイベントの予定表アイテムの読み書きを可能にするクラスとデータ構造を備えています。
  • Microsoft.Exchange.Data.Encoders   電子メール メッセージのエンコードを簡単に変換できるようにするクラスとデータ構造を備えています。

Exchange .NET Framework 拡張機能の詳細については、Microsoft Exchange Server 2007 SDK に関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

Exchange Server 2003 の従来のテクノロジを使用した開発

以下の開発テクノロジは、少なくとも部分的に、Exchange 2007 で提供される開発テクノロジに置き換わりました。

  • Collaboration Data Objects for Exchange 2000 Server (CDOEX)
  • Collaboration Data Objects for Exchange Management (CDOEXM)
  • CDO for Workflow (CDOWF)
  • MAPI
  • Exchange OLE DB (ExOLEDB) provider
  • Web Distributed Authoring and Versioning (WebDAV)
  • Exchange ストア イベント シンク

Exchange の従来の開発テクノロジの詳細については、Microsoft Exchange Server 2007 SDK に関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

CDOEX

CDOEX は、メッセージング アプリケーションの開発に使用されます。メッセージングを使用して以下の送信や処理を行うアプリケーションで使用されます。

  • 電子メール
  • 予定表と連絡先の情報
  • メールボックスとパブリック フォルダへのアクセス
note注 :
CDOEX は、Microsoft Exchange がインストールされているコンピュータでのみ実行できます。

CDOEX は、Exchange 2007 ではあまり使用されなくなっています。新しいメッセージング アプリケーションについては Exchange Web サービスを使用して開発し、既存のアプリケーションについては可能であれば移行するようお勧めします。

CDOEXM

CDOEXM は、Exchange ストアを管理するアプリケーションの開発に使用されています。CDOEXM は、Exchange 2007 では使用できません。Exchange Management Shellに置き換わりました。

CDOWF

CDOWF は、Exchange ストアを使用してワークフローを作成および管理するアプリケーションの開発に使用されます。CDOWF は、Exchange 2007 では使用できません。Windows Workflow Foundation に置き換わりました。

MAPI

MAPI は、パブリック ストアやプライベート ストアのアイテムやフォルダにアクセスするアプリケーションの開発に使用されます。MAPI は、Exchange 2007 ではあまり使用されなくなっています。新しいアプリケーションでは、Exchange Web サービスを使用してください。開発者は可能であれば、アプリケーションを Exchange Web サービスに移行してください。

ExOLEDB

ExOLEDB providerは、メッセージング アプリケーションの開発に使用されます。プログラマが、OLE DBと ActiveX Data Objects (ADO) を使用して Exchange storeにアクセスするために使用します。ストアのアイテムへのアクセスには、Structured Query Language (SQL) クエリが使用されます。

note注 :
ExOLEDB は、リモートで使用できません。

ExOLEDB は、Exchange 2007 ではあまり使用されなくなっています。新しいメッセージング アプリケーションについては Exchange Web サービスを使用して開発し、既存のアプリケーションについては可能であれば移行するようお勧めします。

WebDAV

WebDAV は、メッセージング アプリケーションの開発に使用されます。WebDAV を使用すると、Exchange storeのフォルダ、アイテム、およびアイテムのプロパティにアクセスできます。WebDAV では、Exchange へのリモート アクセスが可能です。WebDAV は、Exchange 2007 ではあまり使用されなくなっています。新しいメッセージング アプリケーションについては Exchange Web サービスを使用して開発し、既存のアプリケーションについては可能であれば移行するようお勧めします。

Exchange ストア イベント シンク

Exchange ストア イベント シンクは、Exchange ストアのイベントに応答するプロシージャの開発に使用されます。このテクノロジの代わりに通知 Web サービスを使用できます。

SMTP および NNTP プロトコルのイベント シンク

Microsoft Exchange Server 2007 には、完全に一新された SMTP プロトコルおよびトランスポート スタックが含まれ、NNTP サービスは含まれていません。Microsoft Exchange Server 2007 をインストールすると、Windows の SMTP および NNTP サービスが置き換えられます。したがって、SMTP および NNTP プロトコル イベント シンクは CDOEX API で利用できなくなります。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。