Test-OwaConnectivity

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2010-08-18

Test-OwaConnectivity コマンドレットは、Microsoft Office Outlook Web Access が正常に実行されているかどうかを確認するために使用します。Test-OwaConnectivity コマンドレットは、同じ Active Directory サイトにある Exchange 2007 サーバー上のすべてのメールボックス用に指定されているクライアント アクセス サーバー上の、すべての Microsoft Exchange 2007 仮想ディレクトリに対する Outlook Web Access の接続性をテストするために使用できます。また Test-OwaConnectivity は、個別の Exchange 2007 Outlook Web Access URL の接続性をテストするために使用することもできます。

構文

Test-OwaConnectivity [-ClientAccessServer <ServerIdParameter>] [-AllowUnsecureAccess <SwitchParameter>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DomainController <Fqdn>] [-LightMode <SwitchParameter>] [-MailboxServer <ServerIdParameter>] [-MonitoringContext <SwitchParameter>] [-ResetTestAccountCredentials <SwitchParameter>] [-Site <AdSiteIdParameter>] [-TestType <Internal | External>] [-Timeout <UInt32>] [-TrustAnySSLCertificate <SwitchParameter>] [-VirtualDirectoryName <String>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

Test-OwaConnectivity [-URL <String>] [-AllowUnsecureAccess <SwitchParameter>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DomainController <Fqdn>] [-LightMode <SwitchParameter>] [-MailboxCredential <PSCredential>] [-ResetTestAccountCredentials <SwitchParameter>] [-Site <AdSiteIdParameter>] [-Timeout <UInt32>] [-TrustAnySSLCertificate <SwitchParameter>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

解説

Test-OwaConnectivity コマンドレットを使用すると、クライアント アクセス サーバー上にあるすべての Exchange 2007 Outlook Web Access 仮想ディレクトリの接続をテストしたり、1 つの Exchange 2007 Outlook Web Access の URL の接続をテストしたりすることができます。

クライアント アクセス サーバー上にあるすべての Exchange 2007 Outlook Web Access 仮想ディレクトリをテストするには、テスト Active Directory アカウントが存在する必要があります。また、メールボックス サーバーの役割がインストールされている各 Exchange 2007 サーバーに、テスト対象の仮想ディレクトリを通してアクセスできるテスト メールボックスが存在する必要があります。テスト アカウントとテスト メールボックスは、メールボックス サーバーのセットアップ時に作成できます。メールボックス サーバーのセットアップ中にテスト環境が作成されなかった場合、Test-OwaConnectivity コマンドレットを実行すると、テスト メールボックスとテスト ユーザーを作成するスクリプトを実行するよう求められます。

テスト メールボックスをホストするサーバーが使用可能でない場合、Test-OWAConnectivity コマンドレットがエラーを返し、問題を明確に識別できないことがあります。これを回避するには、Test-OWAConnectivity コマンドレットを実行する前に、テスト メールボックスをホストするサーバーが実行中であること、およびメールボックスが使用可能であることを確認します。

クライアント アクセス サーバー上で、ClientAccessServer パラメータまたは URL パラメータを使用せずに Test-OwaConnectivity コマンドレットを実行すると、コマンドレットを実行したサーバーがテストされます。特定のクライアント アクセス サーバーをテストするには、ClientAccessServer パラメータを使用します。

クライアント アクセス サーバー上のすべての Exchange 2007 仮想ディレクトリに対する Outlook Web Access 接続をテストするために Test-OwaConnectivity コマンドレットを実行するには、使用するアカウントに Exchange サーバーの管理者の役割、および対象サーバーのローカルの Administrators グループのメンバシップが委任されている必要があります。

Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

1 つの URL をテストするには、URL パラメータと既存の Exchange 2007 メールボックスの資格情報を指定して、Test-OwaConnectivity を実行します。その URL が負荷分散装置の背後にある場合、このコマンドレットによってどのクライアント アクセス サーバーがテストされるかは予測できません。URL パラメータを使用する場合はパラメータに資格情報を含める必要があるため、URL パラメータを使用するときには任意のアカウントを使用して Test-OwaConnectivity を実行できます。

SSL (Secure Sockets Layer) を必要としない仮想ディレクトリがコマンドレットによって検出されると、AllowUnsecureAccess パラメータが使用されている場合を除き、そのディレクトリのテストはスキップされます。AllowUnsecureAccess パラメータが使用されている場合、テストのためにサーバー間の通信はクリア テキストで送信されます。

Test-OwaConnectivity コマンドレットは、1 回限りの対話的タスクとして実行することができます。また、Microsoft Operations Manager (MOM) の制御によるスケジュールされたタスクとして実行することもできます。MOM タスクとして Test-OwaConnectivity を実行するには、このコマンドレットでテストするメールボックス サーバー上に、クライアント アクセスのテスト環境が用意されている必要があります。

パラメータ

パラメータ 必須かどうか 種類 説明

AllowUnsecureAccess

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

このパラメータを含めると、SSL を必要としない仮想ディレクトリのテストを行うことができます。このパラメータが含まれていない場合は、SSL を必要としない仮想ディレクトリに対してタスクは実行されず、エラーが生成されます。

ClientAccessServer

省略可能

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.ServerIdParameter

このパラメータには、テストするクライアント アクセス サーバーの名前を指定します。このパラメータが含まれている場合は、指定されたクライアント アクセス サーバー上にあるすべての Exchange 2007 Outlook Web Access 仮想ディレクトリが、ローカルの Active Directory サイト内にあるすべての Exchange 2007 メールボックス サーバーに対してテストされます。Microsoft Exchange 2000 Server および Microsoft Exchange Server 2003 の仮想ディレクトリはテストされません。Exchange 2007 メールボックス サーバー上にないメールボックスはテストされません。このパラメータは、URL パラメータと同時に使用できません。

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するためには、コマンドの処理内容を確認する必要があります。Confirm パラメータに値を指定する必要はありません。

DomainController

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Fqdn

Active Directory ディレクトリ サービスからデータを取得するドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定するには、コマンドレットに DomainController パラメータを含めます。

LightMode

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

このパラメータは、Test-OwaConnectivity 診断コマンドレットには実装されていません。このパラメータを使用しても、コマンドレットの動作は変更されません。

note注 :
このコマンドレットは、他の Exchange 2007 診断コマンドレットで実装されています。特に、コマンドレットのそれほど集中的に使用されないバージョンを実行する場合に使用します。

MailboxCredential

省略可能

System.Management.Automation.PSCredential

このパラメータには、1 つの URL をテストする場合に使用するメールボックスの資格情報を含めます。

MailboxServer

省略可能

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.ServerIdParameter

このパラメータには、テストするメールボックス サーバーの名前を指定します。指定されていない場合、ローカルの Active Directory サイト内にあるすべてのメールボックス サーバーがテストされます。

MonitoringContext

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

このパラメータが含まれている場合は、タスクは MOM のスケジュール設定によって実行されます。このパラメータを指定して MOM を利用せずにタスクを実行すると、タスクは失敗します。このパラメータを指定しない場合、管理者がタスクを対話的に実行する必要があります。

ResetTestAccountCredentials

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

ResetTestAccountCredentials パラメータは、このコマンドを実行するために使用されるテスト アカウントのパスワードをリセットします。Microsoft System Center Operations Manager を使用して Exchange 環境を管理している場合、テスト アカウントのパスワードは一般に 7 日ごとにリセットされます。セキュリティ上の理由で必要になったときにはいつでもこのフラグを使用して、パスワードをリセットできます。

Site

省略可能

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.AdSiteIdParameter

Site パラメータは、Active Directory サイトを指定するために使用します。

TestType

省略可能

Microsoft.Exchange.Monitoring.OwaConnectivityTestType

このパラメータは、コマンドレットが内部と外部のどちらの URL をテストするかを決定します。値は、Internal および External です。このパラメータを URL パラメータと共に使用することはできません。TestType パラメータと URL パラメータのいずれも指定されていない場合、既定値は TestType:Internal です。

Timeout

省略可能

System.UInt32

このパラメータには、テスト操作が終了するまでの時間を秒単位で指定します。Timeout の既定値は 30 秒です。0 秒より大きく、1 時間 (3,600 秒) より小さい Timeout 値を指定する必要があります。このパラメータは常に 5 秒以上の値で構成することをお勧めします。

TrustAnySSLCertificate

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

このパラメータが使用されている場合、SSL 証明書の検証エラーは報告されません。インターネット インフォメーション サービス (IIS) では、1 つの仮想ディレクトリに複数の証明書を割り当てることができないため、このパラメータは内部の URL をテストする場合に役立ちます。ディレクトリに、内部アクセス用と外部アクセス用に異なる URL が存在し、証明書が割り当てられている場合、その証明書は通常は外部 URL 用のものです。このパラメータを使用すると、タスクは証明書と URL が対応していない場合、エラーを生成せずに内部 URL をチェックします。

URL

省略可能

System.String

このパラメータには、テストする Outlook Web Access の URL を指定します。このパラメータが使用されている場合は、指定された URL のみがテストされます。URL パラメータは、ClientAccessServer パラメータと同時に使用することはできません。また、URL パラメータを TestType パラメータと共に使用することはできません。

VirtualDirectoryName

省略可能

System.String

このパラメータには、特定のクライアント アクセス サーバー上にある、テストする仮想ディレクトリの名前を指定します。このパラメータが含まれていない場合、Exchange 2007 メールボックスをサポートするすべての Outlook Web Access 仮想ディレクトリがテストされます。

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。WhatIf パラメータに値を指定する必要はありません。

入力の種類

戻り値の種類

エラー

エラー 説明

 

 

例外

例外 説明

 

 

最初のコード例は、ユーザー contoso\kweku の資格情報を使用して、https://mail.contoso.com/owa という URL の接続性をテストします。

2 番目のコード例は、Contoso12 という名前のクライアント アクセス サーバーの接続をテストします。このコード例では、Exchange 2007 メールボックスをサポートするすべての Outlook Web Access 仮想ディレクトリがテストされます。これには SSL を必要としない仮想ディレクトリも含まれます。

Test-OwaConnectivity -URL:https://mail.contoso.com/owa -MailboxCredential:(get-credential contoso\kweku)
Test-OwaConnectivity -ClientAccessServer:Contoso12 -AllowUnsecureAccess

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。