トランスポート ルールのアクション
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2008-10-22
ここでは、Microsoft Exchange Server 2007 ハブ トランスポート サーバーの役割またはエッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータで使用できるトランスポート ルールのアクションについて説明します。また、アクション プロパティおよび値についても説明します。ハブ トランスポート サーバーの役割およびエッジ トランスポート サーバーの役割は、どちらもサーバーの役割を通過する電子メール メッセージにトランスポート ルールを適用できます。ただし、各サーバーの役割で使用できるアクションは異なります。
アクションおよびアクション プロパティ
アクションは、トランスポート ルール エージェントで構成されているトランスポート ルールに存在する条件に一致し、いずれの例外にも一致しない電子メール メッセージに適用されます。各アクションは、電子メール メッセージに異なる方法で影響を与えます。たとえば、アクションによって、電子メール メッセージを別のアドレスにリダイレクトしたり、削除したりすることができます。各アクションは、アクション自身、そのアクションのプロパティ、およびプロパティの値から構成されます。
アクションに値を割り当てるには、特定のアクションに使用できるアクション プロパティを判断する必要があります。たとえば、RedirectMessage
アクションでは Address
アクション プロパティを共に使用する必要があります。ハブ トランスポート サーバーに対して使用する必要があるアクション プロパティについては、表 2 を参照してください。エッジ トランスポート サーバーに対して使用する必要があるアクション プロパティについては、表 3 を参照してください。
一部のアクションでは、2 つ以上の述語プロパティを設定する必要があります。これは、一部のアクションが、メッセージ ヘッダー フィールドなど、電子メール メッセージのセクション内の特定のフィールドを変更するためです。メッセージ ヘッダーを変更するアクションを指定する場合、1 つ目のアクション プロパティは変更する特定のヘッダー フィールドを指定し、2 つ目のアクション プロパティはメッセージ ヘッダーの新しい値を指定します。このような場合、サーバーの役割に応じて、表 2 または表 3 の「追加のアクション プロパティ」列に示された 2 つ目のアクション プロパティにも値を指定する必要があります。たとえば、X-Test-Message-Source ヘッダー フィールドを contoso.com
などの特定の文字列に変更するようにアクションを構成できます。
表 1 は、ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーで構成されているトランスポート ルールで使用できるアクション プロパティの一覧です。
表 1 ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーのトランスポート ルール用アクション プロパティ
アクション プロパティ | 予期される形式 | 説明 | ||||
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エッジ トランスポート サーバーでは、 ハブ トランスポート サーバーでは、 |
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単一のメッセージ分類オブジェクト |
メッセージ分類の詳細については、「メッセージ分類の概要」を参照してください。 |
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単一の配信状態通知 (DSN) コード |
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単一の文字列 |
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単一の値 ( |
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単一の値 ( |
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単一の値 ( |
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単一の値 ( |
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単一の文字列 |
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単一の値 ( |
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単一の文字列 |
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単一の文字列 |
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単一の文字列 |
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単一の整数 |
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単一の値 ( |
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単一の文字列 |
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ハブ トランスポート サーバーでサポートされるアクション
表 2 は、ハブ トランスポート サーバーで構成されているトランスポート ルールで使用できるアクションの一覧です。
表 2 ハブ トランスポート サーバーでサポートされるトランスポート ルールのアクション
サポートされるルール アクション | アクション名 | 最初のアクション プロパティ | 追加のアクション プロパティ | 説明 |
---|---|---|---|---|
[メッセージのイベントをログ出力する] |
|
|
該当なし |
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[件名の先頭に文字列を追加する] |
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|
該当なし |
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メッセージ分類を適用する |
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該当なし |
メッセージ分類の詳細については、「メッセージ分類の概要」を参照してください。 |
[フォント、サイズ、色、区切りありを使用して免責事項のテキストを追加します。適用できない場合は、フォールバック アクションを行います。] |
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[Spam Confidence Level を値に設定する] |
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該当なし |
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[ヘッダーに値を設定する] |
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[ヘッダーを削除する] |
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該当なし |
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["宛先" フィールドのアドレスに受信者を追加する] |
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該当なし |
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[メッセージをアドレスにコピーする] |
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該当なし |
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[メッセージをアドレスに BCC (ブラインド カーボン コピー) で送信する] |
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該当なし |
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[メッセージをアドレスにリダイレクトする] |
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該当なし |
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[拡張状態コードを付けて送信者にバウンス メッセージを送信する] |
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[メッセージを確認なしで削除する] |
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該当なし |
該当なし |
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エッジ トランスポート サーバーでサポートされるアクション
表 3 は、エッジ トランスポート サーバーで構成されているトランスポート ルールで使用できるアクションの一覧です。
表 3 エッジ トランスポート サーバーでサポートされるトランスポート ルールのアクション
サポートされるルール アクション | アクション名 | 最初のアクション プロパティ | 追加のアクション プロパティ | 説明 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
[メッセージのイベントをログ出力する] |
|
|
該当なし |
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||
[件名の先頭に文字列を追加する] |
|
|
該当なし |
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||
[Spam Confidence Level を値に設定する] |
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|
該当なし |
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[ヘッダーに値を設定する] |
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[ヘッダーを削除する] |
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|
該当なし |
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||
["宛先" フィールドのアドレスに受信者を追加する] |
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該当なし |
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[メッセージをアドレスにコピーする] |
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|
該当なし |
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||
[メッセージをアドレスに BCC (ブラインド カーボン コピー) で送信する] |
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該当なし |
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||
[接続を解除する] |
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該当なし |
該当なし |
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||
[メッセージをアドレスにリダイレクトする] |
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該当なし |
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||
[メッセージを検疫場所に移動する] |
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該当なし |
該当なし |
スパム検疫メールボックスの詳細については、「スパム検疫の構成および管理」を参照してください。 |
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[状態コードおよび応答を持つメッセージを拒否する] |
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DSN の詳細については、「配信状態通知の管理」を参照してください。 |
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[メッセージを確認なしで削除する] |
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該当なし |
該当なし |
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複数のルールとの一致
メッセージが複数のルールの条件を満たす場合、アクションは優先度に基づいて適用されます。優先度の低いルールが最初に処理されます。次に、優先度の高いルールが処理されます。結果的なアクションは、構成されているルールによって異なります。
たとえば、次のシナリオについて考えてみます。
シナリオ 1
- 2 つのトランスポート ルールがあり、各ルールはメッセージに免責事項テキストを追加するように構成されています。
- メッセージが両方のルールに一致しています。
このシナリオでは、優先度が低い方のルールが最初に処理されます。したがって、優先度が低い方のルールで指定されている免責事項がメッセージに追加されます。次に、優先度が高い方のルールが処理されます。したがって、優先度が高い方のルールで指定されている免責事項がメッセージに追加されます。
このシナリオでは、受信された電子メール メッセージに両方の免責事項が追加されます。
シナリオ 2
- 2 つのトランスポート ルールがあり、各ルールはメッセージの Spam Confidence Level (SCL) 値を変更します。
- メッセージが両方のルールに一致しています。
このシナリオでは、優先度が低い方のルールが最初に処理されます。したがって、メッセージの SCL 値は、優先度が低い方のルールで指定されている値に変更されます。次に、優先度が高い方のルールが処理されます。したがって、メッセージの SCL 値は、優先度が高い方のルールで指定されている値に変更されます。
このシナリオでは、受信された電子メール メッセージに優先度の高い方のルールの SCL 値が設定されます。
ハブ トランスポート サーバーでのアドレスの割り当て
ハブ トランスポート サーバー上の Addresses
アクション プロパティでは、完全なメールボックス、連絡先、メールが有効なユーザー、または配布グループ オブジェクトを渡す必要があります。SMTP (簡易メール転送プロトコル) 電子メール アドレスは、このプロパティの有効な値ではありません。Addresses
アクション プロパティに割り当てる値は、配列に入れる必要があります。
メールボックス、連絡先、メールが有効なユーザー、または配布グループ オブジェクトを Addresses
アクション プロパティに渡すには、適切な Exchange 管理シェル コマンドを配列内から呼び出し、オブジェクトの ID または名前をコマンドで指定する必要があります。コマンド名および ID はかっこで囲む必要があります。以下のコマンド構文を使用します。
$Action.Addresses = @((Get-Mailbox <Mailbox Name>), (Get-MailContact <Contact Name>), (Get-MailUser <Mail-Enabled User>), (Get-DistributionGroup <Distribution Group Name>))
Address アクション プロパティに値を割り当てるには、次の操作を行います。
単一のメールボックス オブジェクトを割り当てるには、次のコマンドを実行します。
$Action.Addresses = @((Get-Mailbox "Ted Bremer"))
単一のメール連絡先オブジェクトを割り当てるには、次のコマンドを実行します。
$Action.Addresses = @((Get-MailContact "Masato Kawai"))
単一のメールが有効なユーザー オブジェクトを割り当てるには、次のコマンドを実行します。
$Action.Addresses = @((Get-MailUser "Pilar Ackerman"))
単一の配布グループ オブジェクトを割り当てるには、次のコマンドを実行します。
$Action.Addresses = @((Get-DistributionGroup "Sales Group"))
メールボックス、ユーザー、配布グループの各オブジェクトを含めて割り当てるには、次のコマンドを実行します。
$Action.Addresses = @((Get-Mailbox "Ted Bremer"), (Get-Mailbox "Kim Akers"), (Get-MailContact "Pilar Ackerman"), (Get-MailContact "Adam Barr"), (Get-MailUser "Chris Meyer"), (Get-DistributionGroup "Marketing Group"), (Get-DistributionGroup "Research Group"))
エッジ トランスポート サーバーでのアドレスの割り当て
エッジ トランスポート サーバーの Addresses
アクション プロパティでは、SMTP 電子メール アドレスを渡す必要があります。これは、エッジ トランスポート サーバーが Active Directory ディレクトリ サービスに含まれている受信者オブジェクトにアクセスできないためであり、また、Exchange 組織外の電子メール アドレスを指定することが必要な場合があるためです。Addresses
アクション プロパティに割り当てる値は、配列に入れる必要があります。
Addresses
アクション プロパティに SMTP アドレスを渡すには、SMTP 電子メール アドレスを二重引用符で囲んで呼び出す必要があります。以下のコマンド構文を使用します。
$Action.Addresses = @("<SMTP e-mail address 1>","<SMTP e-mail address 2>", "< SMTP e-mail address...>" )
Address アクション プロパティに値を割り当てるには、次の操作を行います。
SMTP 電子メール アドレスの配列を割り当てるには、次のコマンドを実行します。
$Action.Addresses = @("sales@contoso.com", "research@contoso.com", "investors@nwtraders.com ")
詳細情報
各コマンドの構文およびパラメータの詳細については、以下のトピックを参照してください。
トランスポート ルールの詳細については、以下のトピックを参照してください。
- トランスポート ルールを表示する方法
- 新しいトランスポート ルールを作成する方法
- トランスポート ルールを変更する方法
- トランスポート ルールを削除する方法
- 免責事項を構成する方法
- トランスポート ルールの述語
- トランスポート ルールの正規表現
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。