msExchESEParamLogBuffers 属性を Exchange 用に設定する方法
msExchESEParamLogBuffers ストレージ グループ属性は、Exchange インフォメーション ストアで使用される ESE (Extensible Storage Engine) ログ バッファの数の制御に使用します。ESE では一連のログ バッファを使用して、トランザクション ログに書き込まれる前の情報を RAM に保持します。これらのバッファを使用することで、トランザクション ログのパフォーマンスが向上します。大規模なサーバーの場合、既定値の 84 は小さすぎます。このため、トランザクション ログのドライブに過大なディスク I/O 動作が発生し、サーバーの負荷が高い場合や、ユーザーが大きなメッセージを送信するときにパフォーマンスが大幅に低下することがあります。ESE ログ バッファの数を増やすとパフォーマンスが向上しますが、同時に仮想メモリの消費も増大します。
この値を正しく設定するには、次の情報を使用します。
- Exchange 2000 Server、Exchange 2000 Server Service Pack 1 (SP1)、または Exchange 2000 Server Service Pack 2 (SP2) の場合は、この値を 9000 に設定します。
- Exchange 2000 Server Service Pack 3 (SP3) の場合は、この値を 512 に設定します。
- Exchange Server 2003 では既定値として 500 が使用されるため、msExchESEParamLogBuffers 属性の値を 9000 に変更する必要があります。
注 : |
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ログ バッファを以前に 9000 に調整している場合、Exchange 2000 Server SP3 の適用後にこの設定を手動で必ず減らしてください。この変更は、Exchange 2000 Server SP3 のインストール時に自動的に行われません。 |
ログ出力に遅延が発生する場合、バッファの数が少なすぎることが原因となっている可能性があるため、この値を 9000 に増やしてください。Database\Log Record Stalls/sec パフォーマンス カウンタを監視すると、ログ出力に遅延が発生しているかどうかを判断できます。9000 よりも大きな値はトランザクション ログ ファイルを破壊する可能性があるため、使用しないでください。
注 : |
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Log Record Stalls/sec は、ログ バッファがいっぱいになったために追加できないログ レコードの、1 秒あたりの数です。このカウンタの値がほとんどの時間において 0 以外の値である場合、ログ バッファのサイズがボトルネックとなっている可能性があります。 |
msExchESEParamLogBuffers 属性の値は、ADSI (Active Directory Service Interfaces) Edit スナップイン、LDP ツール、その他の LDAP Version 3 クライアントなどのツールを使用すると構成できます。
警告
ASDI Edit スナップイン、LDP ツール、または他の任意の LDAP Version 3 クライアントを使用して、Active Directory オブジェクトの属性を誤って変更すると、重大な問題が発生する可能性があります。これらの問題によって、Microsoft® Windows Server™ 2003、Microsoft Exchange Server 2003、またはその両方の再インストールが必要になる場合があります。Microsoft では、Active Directory オブジェクトの属性を誤って変更した場合に発生する問題が解決可能であることを保証できません。これらの属性の変更は、各自の責任で行ってください。
手順
msExchESEParamLogBuffers 属性を Exchange 用に構成するには、次の操作を行います。
ADSI Edit を起動します。
[Configuration] コンテナをダブルクリックし、[CN=Services]、[CN=Microsoft Exchange]、[CN=<Exchange 組織名>] の順に展開します。
[CN=Administrative Groups]、[CN=<管理グループ名>]、[CN=Servers] の順に展開します。
[CN=<サーバー名>]、[CN=InformationStore] の順に展開し、[CN=<ストレージ グループ名>] を右クリックします。次に、[プロパティ] をクリックします。
[Attribute Editor] で、[msExchESEParamLogBuffers] 属性をクリックし、[Edit] をクリックします。
[属性の編集] ボックスの値を、Exchange 2000 Server の場合は 512、Exchange Server 2003 の場合は 9000 (たとえば、値のクリア) に設定します。
[適用] をクリックし、[OK] をクリックします。
ADSI Edit を終了し、Microsoft Exchange Information Store サービスを再開し、変更内容を有効にします。
詳細情報
msExchESEParamLogBuffers ストレージ グループ属性については、https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=64793 にある Exchange Server チームのブログに記載されている msExchESEParamLogBuffers ストレージ グループ属性についての記事を参照してください (このサイトは英語の場合があります)。
注 : ブログの内容と URL は、予告なしに変更されることがあります。 ESE ログ バッファの詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の文書番号 328466「非常に低く設定された ESE ログ バッファは、Microsoft Exchange Information Store サービスが原因で応答を停止できます。」を参照してください。
LDP ツールの使用方法の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の文書番号 260745「[XADM] LDP ユーティリテイを使用して AD オブジェクト属性を変更する」を参照してください。
ADSI Edit の操作方法の詳細については、Windows Server ヘルプの「Adsiedit.msc: ADSI Edit」を参照してください。