Enable-StorageGroupCopy

  • [アーティクル]

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2007-08-30

Enable-StorageGroupCopy コマンドレットを使用して、Microsoft Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) を使用しているストレージ グループでのローカル連続レプリケーション (LCR) を有効にしたり、ストレージ グループでのスタンバイ連続レプリケーション (SCR) を有効にしたりします。ストレージ グループでの SCR を有効にする場合は、SCR のソースおよび SCR のターゲットの両方に Exchange 2007 SP1 がインストールされている必要があります。

構文

enable-StorageGroupCopy -Identity <StorageGroupIdParameter> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-CopyLogFolderPath <NonRootLocalLongFullPath>] [-CopySystemFolderPath <NonRootLocalLongFullPath>] [-DomainController <Fqdn>] [-ReplayLagTime <Nullable>] [-SeedingPostponed <SwitchParameter>] [-StandbyMachine <String>] [-TruncationLagTime <Nullable>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

解説

Exchange 管理者は、メールボックス サーバーの役割がインストールされている Exchange 2007 サーバー上の既存のストレージ グループで LCR または SCR を有効にすることができます。Enable-StorageGroupCopy の操作を正しく開始するには、次の条件が満たされている必要があります。

  • パスの場所が固定ドライブにある必要があります。
  • パスは、Active Directory ディレクトリ サービスの同一サーバーの下にある複数のストレージ グループで共有することはできません。
  • パスは一意である必要があります。既に定義されているストレージ グループや別のストレージ グループのコピーに対応させることはできません。
  • StandbyMachine パラメータを使用して SCR を有効にする場合は、指定した SCR のソースをクラスタ化メールボックス サーバー上に置くことができます (CCR または SCC のいずれでも)。
  • Enable-StorageGroupCopy コマンドレットを LCR で使用する場合は、指定したストレージ グループが存在している必要があり、そのグループ内のデータベースは、Enable-DatabaseCopy コマンドレットを使用して連続レプリケーション用のコピーが有効になっている必要があります。Enable-StorageGroupCopy コマンドレットを使用して SCR を有効にする場合、Enable-DatabaseCopy コマンドレットを使用する必要はありません。
  • CopyLogFolderPath または CopySystemFolderPath パラメータを使用する場合は、StandbyMachine パラメータを使用できません。これは、SCR ターゲット ストレージ グループが自動的に SCR ソース ストレージ グループと同じパスを使用するためです。

Enable-StorageGroupCopy コマンドレット操作が完了した後、SeedingPostponed パラメータを指定していない場合は、データベースまたは SCR ターゲット データベースのパッシブ コピーがタスク処理の一部としてシードされます。

Enable-StorageGroupCopy コマンドレットを実行するには、使用するアカウントに Exchange サーバー管理者の役割、および対象サーバーのローカルの Administrators グループが委任されている必要があります。アクセス許可、役割の委任、および Exchange 2007 を管理するために必要な権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

パラメータ

パラメータ 必須かどうか 種類 説明

Identity

必須

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.StorageGroupIdParameter

Identity パラメータには、次のいずれかの値を指定します。

  • GUID
  • ストレージ グループの名前

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するには、コマンドの処理内容を確認する必要があります。Confirm パラメータで値を指定する必要はありません。

CopyLogFolderPath

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.NonRootLocalLongFullPath

CopyLogFolderPath パラメータは、LCR 環境でログ ファイルを格納するパスを指定するために使用されます。既定のパスは、<ExchangeInstallPath>\ LocalCopies\<SGName> です。このパラメータを StandbyMachine パラメータと共に使用することはできません。

CopySystemFolderPath

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.NonRootLocalLongFullPath

CopySystemFolderPath パラメータは、LCR 環境でストレージ グループ システム ファイルを格納するパスを指定するために使用されます。既定のパスは、<ExchangeInstallPath>\ LocalCopies\<SGName> です。このパラメータを StandbyMachine パラメータと共に使用することはできません。

DomainController

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Fqdn

使用するドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定するには、コマンドに DomainController パラメータを含めます。

ReplayLagTime

省略可能

System.Nullable

ReplayLagTime パラメータは、SCR ターゲット コンピュータにコピーされたログ ファイルを再生する前に、Microsoft Exchange レプリケーション サービスが待機する時間を指定するために使用されます。このパラメータの形式は、(日数.時間:分:秒) です。この値の既定の設定は 24 時間です。この値に設定できる最大値は 7 日です。指定できる最小値は 0 秒です。ただし、この値を 0 秒に設定すると、実質的に、ログ再生処理で既定の遅延 (ログ ファイル数 50) 以上の遅延は発生しません。

SeedingPostponed

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

SeedingPostponed パラメータを使用すると、タスクでストレージ グループのコピーがシードされません。管理者は明示的にストレージ グループのコピーをシードする必要があります。

StandbyMachine

省略可能

System.String

StandbyMachine パラメータには、SCR のターゲットとして構成されるメールボックス サーバーの名前を指定します。SCR ターゲットを作成するときに、このパラメータを使用する必要があります。このパラメータを CopyLogFolderPath パラメータや CopySystemFolderPath パラメータと一緒に使用することはできません。

TruncationLagTime

省略可能

System.Nullable

TruncationLagTime パラメータには、SCR ターゲット コンピュータにコピーされ、データベースのコピーに再生されているログ ファイルを切り捨てる前に、Microsoft Exchange レプリケーション サービスが待機する時間を指定します。この時間のカウントは、ログが再生されてデータベースのコピーに正常に反映されたときから開始します。このパラメータの形式は、(日数.時間:分:秒) です。この値に設定できる最大値は 7 日です。設定可能な最小値は 0 秒ですが、この値を 0 秒に設定すると、実質的にログ切り詰め処理における遅延はなくなります。

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。WhatIf パラメータで値を指定する必要はありません。

エラー

エラー 説明

The LogFolderPath and CopyLogFolderPath that you specified must not be the same. Specified folder path: %logfolderpath%

同じサーバー上の別のストレージ グループで、このストレージ グループと同じコピー ログ ファイルの場所が使用されています。コピー ログ ファイルの場所には、一意のパスを指定する必要があります。

The SystemFolderPath and CopySystemFolderPath that you specified must not be the same. Specified folder path: %logfolderpath%

同じサーバー上の別のストレージ グループで、このストレージ グループと同じコピー システム ファイルの場所が使用されています。コピー システム ファイルの場所には、一意のパスを指定する必要があります。

The storage group you specified is a recovery storage group. Specified storage group: %SGIdentity%

指定したストレージ グループは回復用ストレージ グループです。LCR では回復用ストレージ グループはサポートされていません。

A storage group copy is already defined for '<SGName>'.

ストレージ グループで既に LCR が有効になっています。

The database under this storage group is not local continuous replication enabled. Please enable local continuous replication on the database before enabling local continuous replication on this storage group.

このストレージ グループの 1 つ以上のデータベースで LCR が有効になっていません。このストレージ グループで LCR を有効にするには、すべてのデータベースで LCR を有効にする必要があります。

This task is not supported on a cluster.

Enable-StorageGroupCopy コマンドレットを使用してクラスタ化メールボックス サーバーで LCR を有効にすることはできません。LCR はスタンドアロンのメールボックス サーバーでのみサポートされるためです。

The location for log files is not a fixed drive.

コピー ログ ファイルの場所が固定ドライブ上ではありません。Enable-StorageGroupCopy コマンドレットを実行するには、固定ドライブ上の場所を指定する必要があります。

The location for system files is not a fixed drive.

コピー システム ファイルの場所が固定ドライブ上ではありません。Enable-StorageGroupCopy コマンドレットを実行するには、固定ドライブ上の場所を指定する必要があります。

The location specified for log file copies (<LogPath>) is illegal/invalid. Please verify that the directory exists and is empty.

トランザクション ログ ファイルのコピー用に指定した場所が無効です。Enable-StorageGroupCopy コマンドレットを実行する前に、ディレクトリが存在していることと、ディレクトリ内にファイルが存在していないことを確認する必要があります。

The location of the copy's system files (<SystemPath>) is not available in the file system.

コピー システム ファイルの場所が、ファイル システムで利用できません。Enable-StorageGroupCopy コマンドレットを実行する前に、指定した場所が存在し、アクセス可能であることを確認する必要があります。

The log path (<logPath>) for the copy already contains files with a matching prefix. To avoid overwriting the existing files, use Move-StorageGroupPath -ConfigurationOnly to change the configuration without moving any files.

LCR コピー用に指定したログのパスに、同じプレフィックスのファイルが既に存在しています。既存のファイルが上書きされないようにするには、Move-StorageGroup コマンドの省略可能な -ConfigurationOnly パラメータを使用して、ファイルを移動せずに構成を変更します。

The system path (<SystemPath>) for the copy already contains files with a matching prefix. To avoid overwriting the existing files, use Move-StorageGroupPath -ConfigurationOnly to change the configuration without moving any files.

LCR コピー用に指定したシステム パスに、同じプレフィックスのファイルが既に存在しています。既存のファイルが上書きされないようにするには、Move-StorageGroup コマンドの省略可能な -ConfigurationOnly パラメータを使用して、ファイルを移動せずに構成を変更します。

Automatic initial seed failed for <SGName> with error code <ErrorCode>. Use Update-StorageGroupCopy task to retry.

Enable-StorageGroupCopy コマンドレットは、指定したストレージ グループについて最初の自動シードを正常に完了できませんでした。Update-StorageGroupCopy コマンドレットを使用して再シードする必要があります。

Automatic initial seed was not attempted for <SGName>.

Enable-StorageGroupCopy コマンドレットは、指定したストレージ グループについて最初の自動シードを実行しませんでした。Update-StorageGroupCopy コマンドレットを使用して最初のシードを実行する必要があります。

The Windows Cluster service encountered an error during function IsNodeClustered.

StandbyMachine パラメータで指定されたコンピュータは、アクセスできないか、存在しません。

例

次のコードは、Enable-StorageGroupCopy コマンドの使用例です。CopyLogFolderPath パラメータと CopySystemFolderPath パラメータでパスの場所を指定し、SG1 という名前のストレージ グループの LCR を有効にします。

2 番目の例は、Server2 というコンピュータ上の SG1 という名前のストレージ グループで SCR ターゲットを有効にする方法を示しています。

3 番目の例は、管理者が設定した中継の遅延時間 (10 分) を指定して、Server3 というコンピュータ上の SG2 という名前のストレージ グループで SCR ターゲットを有効にする方法を示しています。

Enable-StorageGroupCopy -Identity SG1 -CopyLogFolderPath "D:\Logs1\SG1" -CopySystemFolderPath "D:\Logs1\SG1"
Enable-StorageGroupCopy -Identity SG1 -StandbyMachine Server2
Enable-StorageGroupCopy -Identity SG2 -StandbyMachine Server3 -ReplayLagTime 0.0:10:0

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。