エイリアス
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2006-08-17
Microsoft Exchange Server 2007 では、Exchange 管理シェルのコマンドレットまたは Cmd.exe コマンドを、管理者が定義する憶えやすいエイリアスに割り当てることができます。特定のコマンドレットを頻繁に使用し、必要な入力を減らしたい場合は、このエイリアスが役に立ちます。
コマンド ラインからエイリアスを呼び出すときは、エイリアスによって表されるコマンドレットに適用されるルールが、コマンドレットが呼び出されるときと同じように厳密に適用されます。コマンドレット名を呼び出す場合と同じように、必須のパラメータとその値を正確に指定する必要があります。
ビルトイン エイリアス
よく使用する多くのコマンドレットには、既定のエイリアスつまりビルトイン エイリアスが割り当てられています。ビルトイン エイリアスは、Exchange 管理シェルを使用して Exchange 2007 を管理するときに必要なタイプ入力を減らすのに役立ちます。
たとえば、Get-ChildItem コマンドレットは、MS-DOS の Dir
コマンドと似ています。Dir
コマンドを使い慣れているのなら、Exchange 管理シェルを使用するときには、ディレクトリの内容を表示するたびに Get-ChildItem を入力するのではなく、Dir
エイリアスを使用することができます。Get-ChildItem コマンドレットと Dir
エイリアスの出力は同じなので、どちらでも同じように使用できます。
表 1 は、ビルトイン エイリアスとそのフル ネームを示したものです。
表 1 ビルトイン エイリアス
エイリアス | コマンド | エイリアス | コマンド | エイリアス | コマンド |
---|---|---|---|---|---|
Ac |
Add-Content |
Iex |
Invoke-Expression |
Write |
Write-Output |
Asnp |
Add-PSSnapin |
Ihy |
Invoke-History |
Cat |
Get-Content |
Clc |
Clear-Content |
Ii |
Invoke-Item |
Cd |
Set-Location |
Cli |
Clear-Item |
Ipal |
Import-Alias |
Clear |
Clear-Host |
Clp |
Clear-ItemProperty |
Ipcsv |
Import-Csv |
Cp |
Copy-Item |
Clv |
Clear-Variable |
Mi |
Move-Item |
H |
Get-History |
Cpi |
Copy-Item |
Mp |
Move-ItemProperty |
History |
Get-History |
Cpp |
Copy-ItemProperty |
Nal |
New-Alias |
Kill |
Stop-Process |
Cvpa |
Convert-Path |
Ndr |
New-PSDrive |
Lp |
Out-Printer |
Diff |
Compare-Object |
Ni |
New-Item |
Ls |
Get-ChildItem |
Epal |
Export-Alias |
Nv |
New-Variable |
Mount |
New-PSDrive |
Epcsv |
Export-Csv |
Oh |
Out-Host |
Mv |
Move-Item |
Fc |
Format-Custom |
Rdr |
Remove-PSDrive |
Popd |
Pop-Location |
Fl |
Format-List |
Ri |
Remove-Item |
Ps |
Get-Process |
Foreach |
ForEach-Object |
Rni |
Rename-Item |
Pushd |
Push-Location |
% |
ForEach-Object |
Rnp |
Rename-ItemProperty |
Pwd |
Get-Location |
Ft |
Format-Table |
Rp |
Remove-ItemProperty |
R |
Invoke-History |
Fw |
Format-Wide |
Rsnp |
Remove-PSSnapin |
Rm |
Remove-Item |
Gal |
Get-Alias |
Rv |
Remove-Variable |
Rmdir |
Remove-Item |
Gc |
Get-Content |
Rvpa |
Resolve-Path |
Echo |
Write-Output |
Gci |
Get-ChildItem |
Sal |
Set-Alias |
Cls |
Clear-Host |
Gcm |
Get-Command |
Sasv |
Start-Service |
Chdir |
Set-Location |
Gdr |
Get-PSDrive |
Sc |
Set-Content |
Copy |
Copy-Item |
Ghy |
Get-History |
Select |
Select-Object |
Del |
Remove-Item |
Gi |
Get-Item |
Si |
Set-Item |
Dir |
Get-ChildItem |
Gl |
Get-Location |
Sl |
Set-Location |
Erase |
Remove-Item |
Gm |
Get-Member |
Sleep |
Start-Sleep |
Move |
Move-Item |
Gp |
Get-ItemProperty |
Sort |
Sort-Object |
Rd |
Remove-Item |
Gps |
Get-Process |
Sp |
Set-ItemProperty |
Ren |
Rename-Item |
Group |
Group-Object |
Spps |
Stop-Process |
Set |
Set-Variable |
Gsv |
Get-Service |
Spsv |
Stop-Service |
Type |
Get-Content |
Gsnp |
Get-PSSnapin |
Sv |
Set-Variable |
List |
Format-List |
Gu |
Get-Unique |
Tee |
Tee-Object |
Table |
Format-Table |
Gv |
Get-Variable |
Where |
Where-Object |
Man |
ExHelp |
Gwmi |
Get-WmiObject |
? |
Where-Object |
Help |
ExHelp |
エイリアスの詳細については、Exchange 管理シェルで以下のコマンドを実行してください。
Get-Help About_Alias
カスタム エイリアスの作成
既定のエイリアスつまりビルトイン エイリアスに加えて、頻繁に使用するコマンドレットの名前の代わりにカスタム エイリアスを定義して使用できます。コマンドレットと、Cmd.exe で同等の機能を持つわかりやすいコマンド名を関連付けるには、Set-Alias コマンドレットを使用します。1 つのコマンドに対して、複数のエイリアスを割り当てることができます。ただし、各エイリアスは、1 つのコマンドにしか割り当てることはできません。たとえば、Alias1
、Alias2
、および Alias3
という 3 つのエイリアスを、Move-Mailbox コマンドレットに割り当てることができます。その後、Move-Mailbox コマンドレットを実行するには、3 つのエイリアスのどれでも使用できます。一方、作成した各エイリアスは、Move-Mailbox コマンドレットに対してのみ割り当てることができます。たとえば、Alias1
を Move-Mailbox コマンドレットと Get-Mailbox コマンドレットの両方に割り当てることはできません。
エイリアスとコマンドレットのペアを新しく作成するには、Set-Alias コマンドレットを実行し、エイリアスの名前と、そのエイリアスを入力すると呼び出されるコマンドレットの名前を指定します。
表 2 は、新しいエイリアスを作成する方法の例をいくつか示したものです。
表 2 カスタム エイリアスの例
エイリアスの説明 | エイリアス コマンド |
---|---|
ファイルの内容を取得する。 |
|
ディレクトリの一覧表示を取得する。 |
|
ファイルを削除する。 |
|
Microsoft ワードパッドに対するエイリアスとして pad を設定する。 |
|
定義されているすべてのエイリアスの一覧を表示する。 |
|
エイリアスの削除
エイリアスを削除するには、エイリアス ドライブからエイリアスを削除します。たとえば、以下のコマンドを使用して Ls
エイリアスを作成します。
Set-Alias Ls Get-ChildItem
後で Ls
エイリアスが必要なくなったなら、以下のコマンドを使用して Ls
エイリアスを削除します。
Remove-Item Alias Ls
エイリアスのインポートとエクスポート
Export-Alias コマンドレットは、現在のエイリアスの一覧を、コンマ区切り (CSV) 形式でファイルに書き出します。コマンド ラインでは、ファイルの名前とパスを指定できます。存在しないパスを指定すると、コマンドレットが自動的にパスを作成します。.txt
または .doc
のいずれかの拡張子を使用してファイルを作成できます。
Import-Alias コマンドレットは、CSV 値を含むテキスト ファイルを読み込んで、Exchange 管理シェルのオブジェクトとして一覧を設定します。Export-Alias コマンドレットと Import-Alias コマンドレットを使用することで、あるコンピュータの Exchange 管理シェルからエイリアスの一覧をエクスポートし、別のコンピュータの Exchange 管理シェルにそれをインポートできます。既存の定義済みエイリアスは両方のコンピュータに存在するので、エイリアス名の重複はすべて無視されてインポートされません。
エイリアスの永続性
Exchange 管理シェル セッションの間に Set-Alias コマンドレットを使用してコマンド ラインから作成したエイリアスは、セッションがアクティブな間だけ使用できます。セッションが閉じられると、エイリアスの定義は失われます。ユーザー定義エイリアスを永続化し、新しい Exchange 管理シェル セッションを開くたびに使用できるようにするには、ユーザー プロファイル ディレクトリの My Documents\PSConfiguration サブフォルダにある Exchange 管理シェルの Microsoft.PowerShell_Profile.ps1 ファイルに、エイリアスの定義を追加する必要があります。
エイリアスの制限
コマンドレットに対してエイリアスを定義し、コマンドレット名の代わりに使用できますが、エイリアスの定義にパラメータを含めることはできません。コマンドレットを呼び出す場合とまったく同じように、エイリアスを呼び出すときに必要に応じてパラメータを指定する必要があります。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。