メッセージ サイズの制限の管理

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2009-07-14

ここでは、Microsoft Exchange Server 2007 組織を通過する個々のメッセージに適用されるメッセージ サイズの制限について説明します。メッセージの合計サイズ、またはメッセージ ヘッダー、メッセージの添付ファイル、および受信者数などメッセージの個々のコンポーネントのサイズを制限できます。制限は Exchange 2007 組織全体にグローバルに適用することも、特定のコネクタまたはユーザー オブジェクトに限定して適用することもできます。

Exchange 2007 組織のメッセージ サイズの制限を計画するときには、以下の点を考慮してください。

  • すべての受信メッセージに対し、どの程度のサイズ制限を設定する必要があるか。
  • すべての送信メッセージに対し、どの程度のサイズ制限を設定する必要があるか。
  • Exchange 2007 組織にメールボックス クォータを設定するかどうか。
  • 設定したメッセージ サイズの制限が、メールボックス クォータのサイズとどのように関連するか。
  • Exchange 2007 組織に、指定した許容サイズを超えるメッセージの送受信を必要とする特別なユーザーがいるかどうか。
  • Exchange 2007 ネットワーク トポロジに、他のメッセージング システムや、異なるメッセージ サイズの制限が指定されている完全に個別のビジネス単位が含まれているかどうか。

メッセージ サイズの制限の種類

個々のメッセージに対して設定可能なサイズ制限は、次の基本的なカテゴリに分類できます。

  • メッセージ ヘッダーのサイズ制限   この制限は、メッセージ内のすべてのメッセージ ヘッダー フィールドの合計サイズに適用されます。メッセージ本文や添付ファイルのサイズは考慮されません。ヘッダー フィールドはテキスト形式であるため、ヘッダーのサイズは各ヘッダー フィールドの文字数とヘッダー フィールドの合計数で決まります。テキストの 1 文字のサイズは 2 バイトです。

    note注 :
    一部のサード パーティ ファイアウォールまたはプロキシ サーバーでは、独自のメッセージ ヘッダーのサイズ制限を適用します。これらのサード パーティ ファイアウォールまたはプロキシ サーバーでは、50 文字を超える添付ファイル名、または US-ASCII 形式ではない文字を含む添付ファイル名を含むメッセージが処理しにくい場合があります。
  • メッセージのサイズ制限   この制限は、メッセージの合計サイズに適用されます。これには、メッセージ ヘッダー、メッセージ本文、およびすべての添付ファイルが含まれます。メッセージ サイズの制限は、受信メッセージおよび送信メッセージのいずれにも設定できます。内部のメッセージ フローでは、Exchange 2007 組織にメッセージが到着したときに、Exchange 2007 がカスタムの X-MS-Exchange-Organization-OriginalSize: メッセージ ヘッダーを使用して元のメッセージのサイズを記録します。指定したメッセージ サイズの制限に照らしてメッセージをチェックする場合、現在のメッセージ サイズと上記の元のメッセージ サイズ ヘッダーの値のうち小さい方の値が使用されます。コンテンツ変換、エンコード、およびエージェント処理のためにメッセージのサイズが変わる場合があります。

  • 添付ファイルのサイズ制限   この制限は、メッセージ内の単一の添付ファイルの最大許容サイズに適用されます。メッセージには多数のファイルを添付でき、メッセージ全体のサイズが大幅に増加することがあります。ただし、添付ファイル サイズの制限は個々の添付ファイルにのみ適用されます。

  • 受信者の制限   この制限は、メッセージの受信者の合計数に適用されます。メッセージの最初の作成時には、受信者は To:Cc:、および Bcc: ヘッダー フィールドに設定されます。メッセージが配信のために送信される際に、メッセージの受信者はメッセージ エンベロープ内の RCPT TO: エントリに変換されます。メッセージの送信時には、配布グループは単一の受信者としてカウントされます。

制限の適用範囲

個々のメッセージに対して設定可能な制限の範囲は、次の基本的なカテゴリに分類できます。

  • 組織における制限   この制限は、組織内に存在するすべての Exchange 2007 サーバーに適用されます。指定されたメッセージ制限は、ハブ トランスポート サーバーの役割がインストールされているすべての Exchange 2007 サーバーに適用されます。エッジ トランスポート サーバーに関しては、指定された制限は特定のサーバーに対して適用されます。
  • グローバル制限 これらの制限は、組織に存在するすべての Exchange 2007 および Exchange Server 2003 サーバーに適用されます。グローバル メッセージ制限は、Active Directory ディレクトリ サービスに格納されています。
    Microsoft Exchange Server 2007 の RTM (Release To Manufacturing) 版では、組織における制限とグローバル制限が重複することがよくあります。組織における制限とグローバル メッセージ制限が重複する場合、最小の値が優先します。Exchange 2007 RTM では、Exchange 2003 サーバー上の Exchange システム マネージャまたは Active Directory Service Interfaces (ADSI) Edit ツールを使用し、グローバル メッセージ制限を変更する必要があります。詳細については、「Exchange 2007 RTM で Exchange 2003 のグローバルなメッセージ サイズの制限を変更する方法」を参照してください。
    Microsoft Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) では、組織における制限とグローバル制限が重複する原因になる条件が削除されました。組織における制限に対して行った変更は、対応するグローバル制限に自動的にコピーされます。Exchange 2007 SP1 では、Exchange 管理シェルで Set-TransportConfig コマンドレットを使用するか、Exchange 管理コンソールでハブ トランスポート サーバーの組織の構成のプロパティを構成して、組織における制限を修正することができます。
  • コネクタにおける制限   この制限は、指定された送信コネクタ、受信コネクタ、または外部コネクタをメッセージ配信のために使用するすべてのメッセージに適用されます。コネクタは、ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーで定義されます。
    Exchange 2007 SP1 では、以下の種類の接続についてメッセージ サイズの制限も設定できます。
    • Active Directory サイト リンク   ハブ トランスポート サーバーでは、Active Directory サイトおよび Active Directory IP サイト リンクに割り当てられているコストを使用して、組織内の各ハブ トランスポート サーバーから組織内のその他すべてのハブ トランスポート サーバーへの最小コストのルーティング パスを決定します。Set-AdSiteLink コマンドレットを使用すると、Active Directory IP サイト リンクに対する Exchange 固有のコストを割り当てることができます。Exchange 固有のコストは、独立した属性です。Active Directory が割り当てたコストの代わりにこれを使用して、最小コストのルーティング パスが決定されます。Active Directory サイト リンクに対して指定されているメッセージ サイズの制限は、最小コストのルーティング パスの選択には影響しません。最小コストのルーティング パスに含まれる Active Directory サイト リンクで最大メッセージ サイズの制限を超えるメッセージは配信されず、値が 5.3.4 の配信状態通知 (DSN) が生成されます。Exchange 2007 でのメッセージ ルーティングの詳細については、「電子メールのルーティング用に Active Directory サイトを使用する計画」を参照してください。
    • ルーティング グループ コネクタ   ルーティング グループ コネクタは、組織で複数のバージョンの Exchange Server を実行している場合に、Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーと Exchange 2003 または Exchange 2000 のブリッジヘッド サーバーとの間でメッセージを送受信するために使用されます。ルーティング グループ コネクタに対して指定されているメッセージ サイズの制限は、最小コストのルーティング パスの選択には影響しません。最小コストのルーティング パスに含まれるルーティング グループ コネクタで最大メッセージ サイズの制限を超えるメッセージは配信されません。値が 5.3.4 の DSN が生成されます。ルーティング グループ コネクタの詳細については、「共存環境でのメッセージ ルーティング」を参照してください。
      Exchange 2007 SP1 の Active Directory サイト リンクおよびルーティング グループ コネクタに対するメッセージ サイズの制限の詳細については、「内部ルーティングのメッセージ サイズの制限を構成する方法」を参照してください。
  • サーバーにおける制限   この制限は、特定のハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーに適用されます。指定されたメッセージ制限は、Active Directory ディレクトリ サービスには格納されません。このメッセージ制限は、それぞれのハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーで個別に設定できます。
    メッセージのサイズ制限はクライアント アクセス サーバーの Microsoft Office Outlook Web Access に適用できます。詳細については、「Outlook Web Access での最大メッセージ サイズの管理方法」を参照してください。
  • ユーザーにおける制限   この制限は、メールボックス、連絡先、配布グループ、パブリック フォルダなどの特定のユーザー オブジェクトに適用されます。

組織における制限

次の表に、組織における制限を示します。

組織における制限

ソース パラメータ Exchange 2007 RTM での既定値 Exchange 2007 SP1 での既定値

Set-TransportConfig

MaxReceiveSize

無制限

10 MB

Set-TransportConfig

MaxSendSize

無制限

10 MB

Set-TransportConfig

MaxRecipientEnvelopeLimit

無制限

5000

組織のすべてのハブ トランスポート サーバーに適用される、ハブ トランスポート サーバー上のトランスポート ルール。

AttachmentSizeOver

未構成

未構成

グローバル制限

次の表に、グローバル制限を示します。

グローバル制限

ソース プロパティ 既定値

Active Directory

  • Active Directory の delivContLength
  • Exchange 2003 の、Exchange システム マネージャの [グローバル設定][受信メッセージのサイズ]

10240 KB (10 MB)

Active Directory

  • Active Directory の submissionContLength
  • Exchange 2003 の、Exchange システム マネージャの [グローバル設定][送信メッセージのサイズ]

10240 KB (10 MB)

Active Directory

  • Active Directory の msExchRecipLimit
  • Exchange 2003 の、Exchange システム マネージャの [グローバル設定][受信者の最大数]

5000

Exchange 2007 RTM のグローバル制限の初期値に影響を与える条件

Exchange 2007 RTM では、組織が Exchange 2003 からアップグレードされ、[受信メッセージのサイズ][送信メッセージのサイズ]、または [受信者の最大数] に数値が指定された場合のみ、グローバル制限の初期値は既定値とは異なります。Exchange 2007 RTM へのアップグレード後、その数値は保持されます。

Exchange 2007 RTM では、Set-TransportConfig コマンドレットを使用した組織における制限への変更はいずれも対応するグローバル制限にはコピーされません。Exchange 2007 RTM では、Exchange 2003 サーバー上の Exchange システム マネージャまたは ADSI Edit ツールを使用し、グローバル メッセージ制限を変更する必要があります。詳細については、「Exchange 2007 RTM で Exchange 2003 のグローバルなメッセージ サイズの制限を変更する方法」を参照してください。グローバル制限および対応する組織における制限には同じ値を設定することをお勧めします。

Exchange 2007 SP1 のグローバル制限の初期値に影響を与える条件

次の一覧は、Exchange 2007 SP1 の既定値とは異なるグローバル制限の初期値をもたらす条件について説明しています。

  • delivContLengthsubmissionContLength、または msExchRecipLimit の既存の数値は、以下の状況で保持されます。
    • 組織が Exchange 2007 RTM からアップグレードされ、Set-TransportConfig コマンドレットの MaxReceiveSize パラメータ、MaxSendSize パラメータ、または MaxRecipientEnvelopeLimit パラメータは Unlimited に設定された場合。
    • 組織が Exchange 2003 からアップグレードされ、[受信メッセージのサイズ][送信メッセージのサイズ]、または [受信者の最大数] に数値が指定された場合。
  • delivContLengthsubmissionContLength、または msExchRecipLimit の値が、次の条件が満たされる場合に Set-TransportConfig コマンドレットの MaxReceiveSize パラメータ、MaxSendSize パラメータ、または MaxRecipientEnvelopeLimit パラメータによって指定される対応する組織における制限の値に一致するように変更される場合。
    1. 組織が Exchange 2007 RTM から Exchange 2007 SP1 にアップグレードされた場合。
    2. delivContLengthsubmissionContLength、または msExchRecipLimit で数値が指定された場合。
    3. MaxReceiveSize パラメータ、MaxSendSize パラメータ、または MaxRecipientEnvelopeLimit パラメータの対応する組織における制限で異なる数値が指定された場合。

Exchange 2007 SP1 では、グローバル制限を直接変更してはいけません。Exchange 2007 SP1 で、対応する組織における制限とは異なる値にグローバル制限を設定すると、イベント ログ エラーが生成されます。Exchange 2007 SP1 で組織における制限またはグローバル制限を修正する場合、Exchange 管理シェルで Set-TransportConfig コマンドレットを使用するか、Exchange 管理コンソールでハブ トランスポート サーバーの組織の構成のプロパティを使用する必要があります。Exchange 2007 SP1 で組織における制限を修正すると、新しい値が対応するグローバル制限に自動的にコピーされます。

コネクタ制限

次の表に、コネクタ制限を示します。

コネクタ制限

ソース パラメータ [バージョン] 既定値

Set-ForeignConnector

MaxMessageSize

Exchange 2007 RTM および Exchange 2007 SP1

無制限

Set-ReceiveConnector

MaxHeaderSize

Exchange 2007 RTM および Exchange 2007 SP1

64 KB

Set-ReceiveConnector

MaxMessageSize

Exchange 2007 RTM および Exchange 2007 SP1

10 MB

Set-ReceiveConnector

MaxRecipientsPerMessage

Exchange 2007 RTM および Exchange 2007 SP1

200

Set-SendConnector

MaxMessageSize

Exchange 2007 RTM および Exchange 2007 SP1

10 MB

Set-AdSiteLink

MaxMessageSize

Exchange 2007 SP1

無制限

Set-RoutingGroupConnector

MaxMessageSize

Exchange 2007 SP1

無制限

サーバー制限

次の表に、サーバー制限を示します。

サーバー制限

ソース パラメータ 既定値

特定のサーバーに対してのみ適用されるエッジ トランスポート サーバーのトランスポート ルール

AttachmentSizeOver

未構成

ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーの Set-TransportServer

PickupDirectoryMaxHeaderSize

64 KB

ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーの Set-TransportServer

PickupDirectoryMaxRecipientsPerMessage

100

クライアント アクセス サーバーの Outlook Web Access Web.config ファイル

maxRequestLength

30000 KB

ユーザー制限

次の表に、ユーザー制限を示します。

ユーザー制限

ソース パラメータ 既定値

Set-DistributionGroup

MaxReceiveSize

MaxSendSize

無制限

Set-DynamicDistributionGroup

MaxReceiveSize

MaxSendSize

無制限

Set-Mailbox

MaxReceiveSize

MaxSendSize

RecipientLimits

無制限

Set-MailContact

MaxReceiveSize

MaxSendSize

MaxRecipientPerMessage

無制限

Set-MailPublicFolder

MaxReceiveSize

MaxSendSize

無制限

Set-MailUser

MaxReceiveSize

MaxSendSize

RecipientLimits

無制限

メッセージ サイズの制限の優先順位

Exchange 組織ではさまざまなレベルで、それぞれのメッセージ コンポーネントに対して最大メッセージ サイズなどのメッセージ サイズ制限を個別に設定することができます。1 つのメッセージ コンポーネントに対して異なるメッセージ サイズの制限が適用される場合、Exchange 2007 では優先順位に従ってそのメッセージ コンポーネントにメッセージ サイズの制限を適用します。

たとえば、次の条件を満たす場合に、受信者はある特定の送信者からのメッセージを受信します。

  • Exchange 2007 組織に対して、組織全体の送受信メッセージのサイズ制限が 10 MB に設定されている。
  • 特定の送信者のメールボックスに対して、送信メッセージのサイズ制限が 20 MB に設定されている。
  • 受信者のメールボックスに対して、受信メッセージのサイズ制限が 20 MB に設定されている。

通常は、メッセージ サイズの制限による制約は最大にしておくことをお勧めします。例外を認めるのは、既に設定されているサイズ制限を超える必要があると証明された場合に限定してください。また、この場合の制限値については、既に設定されているサイズ制限を超える必要があるオブジェクトの値にできるだけ近い値にする必要があります。この方法を使用すれば、メッセージ サイズの制限を超えたトランスポート パイプライン内のメッセージを、できるだけ早く拒否することができます。Exchange 組織レベルでメッセージ サイズの制限を高く設定し、Exchange 組織内にメッセージが入り込むのを許可した後に、メッセージ サイズの制限を超過しているという理由で配信の最終段階でメッセージを拒否することは、システム リソースの浪費になります。

メッセージ配信シナリオにおけるメッセージ サイズの制限

次のセクションの表に、Exchange 2007 RTM および Exchange 2007 SP1 で各種メッセージ サイズ制限を適用する方法を例示するシナリオを示します。

インターネットからエッジ トランスポート サーバーへの送信

範囲 ソース パラメータ Exchange 2007 RTM での既定値 Exchange 2007 SP1 での既定値

エッジ トランスポート サーバー組織

トランスポート構成

MaxSendSize

無制限

10 MB

note注 :
MaxReceiveSize パラメータと MaxEnvelopeReceiveLimit パラメータはエッジ トランスポート サーバーでは使用されません。サーバーによって処理されるメッセージのサイズを制御するには、エッジ トランスポート サーバー上に構成される送信コネクタと受信コネクタのメッセージ サイズの制限を使用します。

匿名の送信者には、インターネットからのメッセージを受け付ける受信コネクタ上で常にメッセージ サイズの制限が適用されます。

受信コネクタでの MaxRecipientsPerMessage 設定の既定値は、受信者数 200 人です。匿名の送信者の場合にこの受信者数を超えると、最初の 200 人の受信者に対するメッセージのみが受け付けられます。ほとんどの SMTP メッセージング サーバーは、受信者の制限が有効になっているかどうかを検出します。SMTP メッセージング サーバーは、そのメッセージがすべての受信者に配信されるまで、200 人の受信者のグループでメッセージを繰り返し再送信します。

エッジ トランスポート サーバーからハブ トランスポート サーバーへの送信

範囲 ソース パラメータ Exchange 2007 RTM での既定値 Exchange 2007 SP1 での既定値

エッジ トランスポート サーバー上のコネクタ

送信コネクタ

MaxMessageSize

10 MB

10 MB

ハブ トランスポート サーバー上のコネクタ

受信コネクタ

MaxRecipientsPerMessage

200

200

ハブ トランスポート サーバー上のコネクタ

受信コネクタ

MaxMessageSize

10 MB

10 MB

ハブ トランスポート サーバー上のコネクタ

受信コネクタ

MaxHeaderSize

64 KB

64 KB

受信者

配布グループ

動的配布グループ

メールボックス

メール連絡先

メールが有効なパブリック フォルダ

メール ユーザー

MaxReceiveSize

無制限

無制限

組織内のすべてのハブ トランスポート サーバー

トランスポート ルール

AttachmentSizeOver

未構成

未構成

組織

トランスポート構成

MaxReceiveSize

無制限

10 MB

組織

トランスポート構成

MaxRecipientEnvelopeLimit

無制限

5000

組織

トランスポート構成

MaxSendSize

無制限

10 MB

X-MS-Exchange-Organization-OriginalSize: という名前の X-Header がメッセージ ヘッダーに挿入されます。以降のメッセージ配信にかかわるすべてのハブ トランスポート サーバーでは、メッセージ サイズにこの値を使用します。Exchange 組織をメッセージが通過する際に、変換、エンコード、およびエージェント処理によりメッセージのサイズが増える場合があります。

同一の Active Directory フォレスト内でのハブ トランスポート サーバーからハブ トランスポート サーバーへの送信

範囲 ソース パラメータ Exchange 2007 RTM での既定値 Exchange 2007 SP1 での既定値

送信者

配布グループ

動的配布グループ

メールボックス

メール連絡先

メールが有効なパブリック フォルダ

メール ユーザー

MaxSendSize

無制限

無制限

受信者

メール連絡先

MaxRecipientPerMessage

無制限

無制限

受信者

メールボックス

メール ユーザー

RecipientLimits

無制限

無制限

受信者

配布グループ

動的配布グループ

メールボックス

メール連絡先

メールが有効なパブリック フォルダ

メール ユーザー

MaxReceiveSize

無制限

無制限

組織内のすべてのハブ トランスポート サーバー

トランスポート ルール

AttachmentSizeOver

未構成

未構成

組織

トランスポート構成

MaxReceiveSize

無制限

10 MB

組織

トランスポート構成

MaxRecipientEnvelopeLimit

無制限

5000

組織

トランスポート構成

MaxSendSize

無制限

10 MB

Exchange 2007 SP1 では、Active Directory サイト リンクまたはルーティング グループ コネクタに最大メッセージ サイズの制限を設定できます。詳細については、「内部ルーティングのメッセージ サイズの制限を構成する方法」を参照してください。

異なる Active Directory フォレスト間でのハブ トランスポート サーバーからハブ トランスポート サーバーへの送信

範囲 ソース パラメータ Exchange 2007 RTM での既定値 Exchange 2007 SP1 での既定値

送信者

配布グループ

動的配布グループ

メールボックス

メール連絡先

メールが有効なパブリック フォルダ

メール ユーザー

MaxSendSize

無制限

無制限

コネクタ

送信コネクタ

MaxMessageSize

10 MB

10 MB

コネクタ

受信コネクタ

MaxRecipientsPerMessage

200

200

コネクタ

受信コネクタ

MaxMessageSize

10 MB

10 MB

コネクタ

受信コネクタ

MaxHeaderSize

64 KB

64 KB

受信者

メール連絡先

MaxRecipientPerMessage

無制限

無制限

受信者

メールボックス

メール ユーザー

RecipientLimits

無制限

無制限

受信者

配布グループ

動的配布グループ

メールボックス

メール連絡先

メールが有効なパブリック フォルダ

メール ユーザー

MaxReceiveSize

無制限

無制限

送信先組織内のすべてのハブ トランスポート サーバー

トランスポート ルール

AttachmentSizeOver

未構成

未構成

送信先組織

トランスポート構成

MaxReceiveSize

無制限

10 MB

送信先組織

トランスポート構成

MaxRecipientEnvelopeLimit

無制限

5000

送信先組織

トランスポート構成

MaxSendSize

無制限

10 MB

特定の受信コネクタが、送信先 Active Directory フォレストで送信元 Active Directory フォレストからのメッセージを受信するように構成されている場合、その特定の受信コネクタには、ExchangeServers 許可グループと ExernalAuthoratative 認証方法が割り当てられている必要があります。この許可グループには、メッセージ サイズのチェックを行わずにメッセージが受信コネクタを通過することを許可する Ms-Exch-Bypass-Message-Size-Limit アクセス許可が含まれます。ただし、送信先 Active Directory フォレストで定義されている組織、トランスポート サーバー、送信者、および受信者の制限はメッセージに適用されます。

詳細については、「フォレスト間コネクタの構成」を参照してください。

メールボックス サーバーからハブ トランスポート サーバーへの送信

範囲 ソース パラメータ Exchange 2007 RTM での既定値 Exchange 2007 SP1 での既定値

送信者

配布グループ

動的配布グループ

メールボックス

メール連絡先

メールが有効なパブリック フォルダ

メール ユーザー

MaxSendSize

無制限

無制限

受信者

メール連絡先

MaxRecipientPerMessage

無制限

無制限

受信者

メールボックス

メール ユーザー

RecipientLimits

無制限

無制限

受信者

配布グループ

動的配布グループ

メールボックス

メール連絡先

メールが有効なパブリック フォルダ

メール ユーザー

MaxReceiveSize

無制限

無制限

組織内のすべてのハブ トランスポート サーバー

トランスポート ルール

AttachmentSizeOver

未構成

未構成

組織

トランスポート構成

MaxReceiveSize

無制限

10 MB

組織

トランスポート構成

MaxRecipientEnvelopeLimit

無制限

5000

組織

トランスポート構成

MaxSendSize

無制限

10 MB

外部コネクタによる送信

範囲 ソース パラメータ Exchange 2007 RTM での既定値 Exchange 2007 SP1 での既定値

送信者

配布グループ

動的配布グループ

メールボックス

メール連絡先

メールが有効なパブリック フォルダ

メール ユーザー

MaxSendSize

無制限

無制限

組織内のすべてのハブ トランスポート サーバー

トランスポート ルール

AttachmentSizeOver

未構成

未構成

コネクタ

外部コネクタ

MaxMessageSize

10 MB

10 MB

組織

トランスポート構成

MaxReceiveSize

無制限

10 MB

組織

トランスポート構成

MaxRecipientEnvelopeLimit

無制限

5000

組織

トランスポート構成

MaxSendSize

無制限

10 MB

ピックアップ ディレクトリによる送信

範囲 ソース パラメータ Exchange 2007 RTM での既定値 Exchange 2007 SP1 での既定値

Server

トランスポート サーバー

PickupDirectoryMaxHeaderSize

64 KB

64 KB

Server

トランスポート サーバー

PickupDirectoryMaxRecipientsPerMessage

100

100

Server

トランスポート ルール

AttachmentSizeOver

未構成

未構成

組織

トランスポート構成

MaxReceiveSize

無制限

10 MB

組織

トランスポート構成

MaxRecipientEnvelopeLimit

無制限

5000

組織

トランスポート構成

MaxSendSize

無制限

10 MB

再生ディレクトリによる送信

範囲 ソース パラメータ Exchange 2007 RTM での既定値 Exchange 2007 SP1 での既定値

Server

トランスポート ルール

AttachmentSizeOver

未構成

未構成

組織

トランスポート構成

MaxReceiveSize

無制限

10 MB

組織

トランスポート構成

MaxRecipientEnvelopeLimit

無制限

5000

組織

トランスポート構成

MaxSendSize

無制限

10 MB

ハブ トランスポート サーバーからエッジ トランスポート サーバー

範囲 ソース パラメータ Exchange 2007 RTM および Exchange 2007 SP1 での既定値

送信者

配布グループ

動的配布グループ

メールボックス

メール連絡先

メールが有効なパブリック フォルダ

メール ユーザー

MaxSendSize

無制限

ハブ トランスポート サーバー上のコネクタ

送信コネクタ

MaxMessageSize

10 MB

エッジ トランスポート サーバー上のコネクタ

受信コネクタ

MaxRecipientsPerMessage

200

エッジ トランスポート サーバー上のコネクタ

受信コネクタ

MaxMessageSize

10 MB

エッジ トランスポート サーバー上のコネクタ

受信コネクタ

MaxHeaderSize

64 KB

エッジ トランスポート サーバーからインターネットへの送信

範囲 ソース パラメータ Exchange 2007 RTM での既定値 Exchange 2007 SP1 での既定値

エッジ トランスポート サーバー組織

トランスポート構成

MaxSendSize

無制限

10 MB

note注 :
: 次のパラメータはエッジ トランスポート サーバーでは使用されません。サーバーによって処理されるメッセージのサイズを制御するには、エッジ トランスポート サーバー上に構成される送信コネクタと受信コネクタのメッセージ サイズの制限を使用します。
• MaxReceiveSize
• MaxEnvelopeReceiveLimit

トランスポート サーバーによって生成されるメッセージ

次の一覧は、ハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーによって生成され、すべてのメッセージ サイズの制限から除外されるメッセージの種類を示しています。

  • システム メッセージ
  • エージェントが生成するメッセージ
  • 配信状態通知 (DSN) メッセージ
  • ジャーナル レポート メッセージ
  • 隔離されたメッセージ

ただし、これらのメッセージにも、組織内の MaxRecipientEnvelopeLimit の制限は適用されます。この制限は、Exchange 管理シェルで Set-TransportConfig コマンドレットを使用して構成されます。

Exchange Server 2003 と Exchange 2007 でのメッセージ サイズの制限の相違点

Microsoft Exchange Server 2003 と Exchange Server 2007 におけるメッセージ サイズの制限の主な相違点は、受信者の制限の取り扱いにあります。Exchange 2007 では、配布グループは 1 人の受信者として扱われます。Exchange 2003 では、展開された配布リストのそれぞれのメンバが 1 人の受信者として扱われます。この変更は、Exchange 2003 で生じる可能性のある、メッセージの不完全配信という状況を回避するために実装されました。

メッセージの不完全配信は、Exchange 2003 で、個々の受信者および配布リストに含まれる受信者の数が指定した受信者の制限を超えた場合に発生します。メッセージの受信者の合計数は、配布リストを展開するまでわかりません。配布リストが展開された後にメッセージ配信が実行され、受信者数が指定した制限に達するまで配信されます。残りの受信者はメッセージを受信しませんが、少なくとも失敗した配信ごとに配信不能レポート (NDR) が送信者に送られます。ただし、配布リストに対する配信不能レポートを無効にしている場合は、残りの受信者はメッセージを受信せず、だれがメッセージを受信できなかったかは送信者にはわかりません。

詳細情報

詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。