パイプライントレースを有効にする方法

[アーティクル]
10/25/2013

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-07-17

ここでは、Exchange 管理シェルを使用して、Microsoft Exchange Server 2007 のハブトランスポートサーバーの役割またはエッジトランスポートサーバーの役割がインストールされているコンピュータのトランスポートパイプラインを電子メールメッセージが通過する際に、電子メールメッセージのパイプライントレースを有効にする方法について説明します。

Exchange 2007 のパイプライントレース、トランスポートパイプライン、およびトランスポートエージェントの詳細については、以下のトピックを参照してください。

パイプライントレース パイプライントレースを使用したトランスポートエージェント問題の診断
Exchange 2007 のトランスポートパイプライン トランスポートのアーキテクチャ
トランスポートエージェント トランスポートエージェントの概要

注 :
Exchange 管理コンソールを使用して、パイプライントレースを管理することはできません。パイプライントレースを管理するには、Exchange 管理シェルを使用する必要があります。Exchange 管理シェルを使用する方法の詳細については、「Exchange 管理シェルの使用」を参照してください。

開始する前に

注意 :
パイプライントレースは、Set-TransportServer コマンドレットの PipelineTracingSenderAddress パラメータを使用して構成されている電子メールアカウントから送信された電子メールメッセージの内容を完全にコピーします。機密情報の望ましくない公開を防止するためには、Set-TransportServer コマンドレットの PipelineTracingPath パラメータで指定するパイプライントレースログファイルの場所に対して、適切なセキュリティのアクセス許可を設定する必要があります。

パイプライントレースは、Set-TransportServer コマンドレットの PipelineTracingSenderAddress パラメータを使用して構成されている電子メールアカウントから送信された電子メールメッセージの内容を完全にコピーします。機密情報の望ましくない公開を防止するためには、Set-TransportServer コマンドレットの PipelineTracingPath パラメータで指定するパイプライントレースログファイルの場所に対して、適切なセキュリティのアクセス許可を設定する必要があります。

注意 :
パイプライントレースを長時間にわたって有効にしないでください。パイプライントレースでは詳細なログファイルが作成され、すぐに蓄積されます。パイプライントレースを有効にしている場合は、使用可能なディスクの空き領域を常に監視してください。

エッジトランスポートサーバーの役割がインストールされているコンピュータで Set-TransportServer コマンドレットを実行するには、そのコンピュータのローカルの Administrators グループのメンバである必要があります。

Set-TransportServer コマンドレットを実行するには、使用するアカウントに次の役割が委任されている必要があります。

Exchange 組織管理者の役割

アクセス許可、役割の委任、および Exchange 2007 を管理するために必要な権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

パイプライントレースの送信者アドレスの構成

パイプライントレースは、ユーザーが Set-TransportServer コマンドレットの PipelineTracingSenderAddress パラメータを使用して指定する電子メールアドレスから送信された SMTP (簡易メール転送プロトコル) 電子メールメッセージに関してのみ、ログファイルを生成します。これ以外の電子メールアドレスから送信されたメッセージに関するログファイルは生成されません。指定する SMTP 電子メールアドレスは、Exchange 組織の内部のものでも外部のものでも構いません。

不在メッセージ、配信状態通知 (DSN) メッセージ、ジャーナルレポート、その他のシステム生成メッセージなど、電子メールサーバーによって生成されるメッセージのログファイルを生成する場合、PipelineTracingSenderAddress パラメータに値 "<>" を指定できます。

注意 :
PipelineTracingSenderAddress パラメータの値を `"<>"` に設定すると、構成しているハブトランスポートサーバーまたはエッジトランスポートサーバーが受信する、電子メールサーバーによって生成されたメッセージがすべてキャプチャされます。組織が受信する電子メールサーバーによって生成されたメッセージの量によっては、サーバーに大幅な負荷がかかり、使用可能なディスクの空き領域がたちまち消費される可能性があります。パイプライントレースを有効にしている場合は、使用可能なディスクの空き領域を常に監視してください。

注意 :

PipelineTracingSenderAddress パラメータの値を "<>" に設定すると、構成しているハブトランスポートサーバーまたはエッジトランスポートサーバーが受信する、電子メールサーバーによって生成されたメッセージがすべてキャプチャされます。組織が受信する電子メールサーバーによって生成されたメッセージの量によっては、サーバーに大幅な負荷がかかり、使用可能なディスクの空き領域がたちまち消費される可能性があります。パイプライントレースを有効にしている場合は、使用可能なディスクの空き領域を常に監視してください。

パイプライントレースの送信者アドレスを指定してから、パイプライントレースを有効にする必要があります。詳細については、後の「パイプライントレースの有効化」を参照してください。

Exchange 管理シェルを使用してパイプライントレースの送信者アドレスを構成し、特定の SMTP アドレスからのメッセージをキャプチャするには、次の操作を行います。

次のコマンドを実行します。
```
Set-TransportServer <Identity> -PipelineTracingSenderAddress <SMTPAddress>
```
たとえば、Server1 コンピュータでパイプライントレース送信者アドレスとして SMTP アドレス chris@contoso.com を構成するには、次のコマンドを実行します。
```
Set-TransportServer Server1 -PipelineTracingSenderAddress chris@contoso.com
```

Exchange 管理シェルを使用してパイプライントレースの送信者アドレスを構成し、電子メールサーバーによって生成されたメッセージをキャプチャするには、次の操作を行います。

次のコマンドを実行します。
```
Set-TransportServer <Identity> -PipelineTracingSenderAddress "<>"
```
たとえば、Server2 コンピュータでパイプライントレース送信者アドレスとして <> を構成するには、次のコマンドを実行します。
```
Set-TransportServer Server2 -PipelineTracingSenderAddress "<>"
```

詳細については、「パイプライントレースを使用したトランスポートエージェント問題の診断」を参照してください。

パイプライントレースログディレクトリの場所の構成

既定では、パイプライントレースログディレクトリは、C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server\TransportRoles\Logs\PipelineTracing です。このディレクトリは、Exchange 2007 コンピュータ上になければなりません。

Exchange 管理シェルを使用してパイプライントレースログの場所を構成するには、次の操作を行います。

次のコマンドを実行します。
```
Set-TransportServer <Identity> -PipelineTracingPath <LocalFilePath>
```
たとえば、パイプライントレースログディレクトリの場所を C:\Pipeline Tracing Logs に設定するには、次のコマンドを実行します。
```
Set-TransportServer Server1 -PipelineTracingPath "C:\Pipeline Tracing Logs"
```

パイプライントレースの有効化

既定では、パイプライントレースは Exchange 2007 を実行するコンピュータで無効になっています。Exchange サーバーごとに、パイプライントレースを有効または無効にできます。

Exchange 管理シェルを使用してパイプライントレースを有効にするには、次の操作を行います。

このトピックの最初の方の「パイプライントレースの送信者アドレスの構成」の説明に従って、パイプライントレース送信者アドレスを構成します。パイプライントレースを有効化する前に、パイプライントレースの送信者アドレスを構成する必要があります。
次のコマンドを実行して、パイプライントレースを有効にします。
```
Set-TransportServer <Identity> -PipelineTracingEnabled <$True | $False>
```
たとえば、Server1 コンピュータでパイプライントレースを有効にするには、次のコマンドを実行します。
```
Set-TransportServer Server1 -PipelineTracingEnabled $True
```

構文およびパラメータの詳細については、「Set-TransportServer」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。

パイプライン トレースを有効にする方法

開始する前に

パイプライン トレースの送信者アドレスの構成

Exchange 管理シェルを使用してパイプライン トレースの送信者アドレスを構成し、特定の SMTP アドレスからのメッセージをキャプチャするには、次の操作を行います。

Exchange 管理シェルを使用してパイプライン トレースの送信者アドレスを構成し、電子メール サーバーによって生成されたメッセージをキャプチャするには、次の操作を行います。

パイプライン トレース ログ ディレクトリの場所の構成

Exchange 管理シェルを使用してパイプライン トレース ログの場所を構成するには、次の操作を行います。

パイプライン トレースの有効化

Exchange 管理シェルを使用してパイプライン トレースを有効にするには、次の操作を行います。

その他のリソース