Update-SafeList

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2008-07-18

Update-SafeList コマンドレットを使用して、Active Directory ディレクトリ サービスのセーフ リスト集約データを更新します。セーフ リスト集約データは、Microsoft Exchange Server 2007 のスパム対策フィルタ処理で使用されます。EdgeSync は、エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータに、セーフ リスト集約データをレプリケートします。

Update-SafeList コマンドレットは、Microsoft Office Outlook ユーザーのメールボックスに格納されているセーフ リスト集約データを読み取り、そのデータをハッシュして Active Directory の対応するユーザー オブジェクトに書き込みます。セーフ リスト集約データには、Outlook ユーザーの差出人セーフ リストと宛先セーフ リストが含まれています。

Type パラメータを使用して、Outlook ユーザーの差出人セーフ リスト、宛先セーフ リスト、またはその両方を更新するかどうかを指定します。ただし、差出人セーフ リストのデータだけがセーフ リスト集約機能に使用され、宛先セーフ リストはセーフ リスト集約機能の動作対象となりません。したがって、Active Directory での記憶域とレプリケーションの増大を抑えるために、Exchange 2007 で Type パラメータの値を SafeRecipients または Both に設定して実行することはお勧めできません。Type パラメータの既定値は SafeSenders です。

セーフ リスト集約の動作の詳細については、「セーフ リスト集約機能」を参照してください。

構文

Update-SafeList -Identity <MailboxIdParameter> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DomainController <Fqdn>] [-IncludeDomains <SwitchParameter>] [-Type <SafeSenders | SafeRecipients | Both>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

解説

Update-SafeList コマンドレットを実行するには、使用するアカウントに次の権限が委任されている必要があります。

  • Exchange 表示専用管理者の役割
  • Exchange 受信者管理者の役割

Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

パラメータ

パラメータ 必須かどうか 種類 説明

Identity

必須

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.MailboxIdParameter

このパラメータを使用して、セーフ リスト集約データを収集する Outlook ユーザー メールボックスを指定します。このパラメータに対する有効な入力は以下の値です。

  • GUID
  • 識別名 (DN)
  • ドメイン\アカウント
  • UPN
  • LegacyExchangeDN
  • SmtpAddress
  • エイリアス

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するには、コマンドの処理内容を確認する必要があります。Confirm パラメータに値を指定する必要はありません。

DomainController

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Fqdn

この構成の変更を Active Directory に書き込むドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定するには、コマンドに DomainController パラメータを含めます。DomainController パラメータは、エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータではサポートされません。エッジ トランスポート サーバーの役割は、ローカルの Active Directory Application Mode (ADAM) インスタンスにのみ書き込みを行います。

IncludeDomains

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

Outlook 内のユーザーによって指定された送信者ドメインを集約されたセーフ リストに含める場合に、このパラメータを使用します。既定では、送信者が指定したドメインは含まれません。

通常は、ドメインを含めることはお勧めしません。これは、ユーザーが大規模なインターネット サービス プロバイダ (ISP) のドメインを指定した場合に、意に反して、悪用またはスプーフィングが可能なアドレスをスパム発信者に提供することになってしまうことがあるためです。

Type

省略可能

Microsoft.Exchange.Management.RecipientTasks.UpdateType

このパラメータを使用して、ユーザー オブジェクトに反映するユーザー生成リストを指定します。このパラメータの有効な値は、SafeSendersSafeRecipients、および Both です。既定値は SafeSenders です。

important重要 :
Exchange 2007 では、宛先セーフ リストのデータはセーフ リスト集約機能の動作対象となりません。Type パラメータに SafeRecipients 値または Both 値を指定することはお勧めしません。

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。WhatIf パラメータに値を指定する必要はありません。

入力の種類

戻り値の種類

エラー

エラー 説明

  

 

例外

例外 説明

 

 

最初の例は、Update-SafeList コマンドレットを使用して、単一のユーザー KimA の差出人セーフ リストのデータを更新する方法を示しています。

2 番目の例は、Exchange 組織内に存在するすべてのメールボックス ユーザーのセーフ リストのデータをすべて更新する方法を示しています。既定では、Exchange 管理シェルは、Exchange サーバーが存在するドメイン内のオブジェクトを取得または編集するように構成されています。したがって、Exchange 組織のすべてのメールボックスを取得するには、$AdminSessionAdSettings.ViewEntireForest の値を $True に設定する必要があります。これにより、Get-Mailbox コマンドレットを実行し、その出力を Update-Safelist コマンドレットにパイプ出力して、Exchange 組織内に存在するすべてのメールボックス ユーザーのセーフ リストのデータをすべて更新することができます。

Caution注意 :
$AdminSessionAdSettings.ViewEntireForest の値を変更すると、現在の Exchange 管理シェルのセッションを閉じるまで、新しい値がそのまま使用されます。意図したスコープ外のオブジェクトを誤って変更まはた取得しないようにするため、タスクの実行後直ちに $AdminSessionAdSettings.ViewEntireForest$False に設定することをお勧めします。
Update-Safelist -Identity KimA

AdminSessionAdSettings.ViewEntireForest = $True
get-mailbox -ResultSize Unlimited | where {$_.RecipientType -eq [Microsoft.Exchange.Data.Directory.Recipient.RecipientType]::UserMailbox } | update-safelist

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。