New-ManagedFolder

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2010-11-29

メッセージング レコード管理 (MRM) 用に新しい管理フォルダを作成するには、New-ManagedFolder コマンドレットを使用します。管理フォルダとは、MRM が適用されている、ユーザーのメールボックス内のフォルダのことです。管理フォルダには次の種類があります。

  • 管理された既定フォルダ (受信トレイなど) は、既定ではユーザーの Microsoft Office Outlook 2007 メールボックス内に表示されます。管理された既定フォルダには、Exchange Server Standard クライアント アクセス ライセンス (CAL) のみ必要です。
  • 管理されたカスタム フォルダは、Exchange 管理者によって MRM 用に作成されます。管理されたカスタム フォルダは、MRM のプレミアム機能です。管理されたカスタム フォルダを持つ各メールボックスには、Exchange Server Enterprise CAL が必要です。

管理フォルダ内のメッセージの保存期間およびジャーナリングは、その管理フォルダに適用される管理コンテンツ設定によって制御されます。

構文

New-ManagedFolder -Name <String> -FolderName <String> [-BaseFolderOnly <$true | $false>] [-Comment <String>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DomainController <Fqdn>] [-LocalizedComment <MultiValuedProperty>] [-LocalizedFolderName <MultiValuedProperty>] [-MustDisplayCommentEnabled <$true | $false>] [-StorageQuota <Unlimited>] [-TemplateInstance <PSObject>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

New-ManagedFolder -Name <String> -DefaultFolderType <Nullable> [-BaseFolderOnly <$true | $false>] [-Comment <String>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DomainController <Fqdn>] [-LocalizedComment <MultiValuedProperty>] [-MustDisplayCommentEnabled <$true | $false>] [-TemplateInstance <PSObject>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

解説

New-ManagedFolder コマンドレットを使用して、Active Directory ディレクトリ サービス内に新しい管理フォルダを作成します。次に、メッセージング レコード管理に新しい管理フォルダを使用するには、次の操作を行います。

  1. フォルダに管理コンテンツ設定を適用します。
  2. フォルダに管理フォルダ メールボックス ポリシーへのリンクを設定します。
  3. メールボックス ポリシーにユーザーのメールボックスへのリンクを設定します。
  4. managed folder assistant を実行して、指定した設定を使用して、新しい管理フォルダをユーザーのメールボックスに配置します。
  5. Microsoft Exchange Server 2007 でメッセージング レコード管理を実装するための手順の詳細については、「メッセージング レコード管理の展開」を参照してください。

既定では、このコマンドレットで、管理されたカスタム フォルダが作成されます。ただし、DefaultFolderType パラメータを使用して、作成する既定のフォルダの種類 (追加の受信トレイ フォルダなど) を指定すると、管理された既定のフォルダの追加コピーを作成することもできます。管理された既定のフォルダのコピーを複数作成する場合は、それぞれに異なるコンテンツ設定を割り当てることができます。たとえば、2 つの受信トレイ フォルダ (InboxSixMonths および InboxOneYear) を作成したとします。次に、New-ManagedContentSettings コマンドレット (または Exchange 管理コンソールの管理コンテンツの設定の新規作成ウィザード) を使用して、1 つ目のフォルダの保存期間を 6 か月、2 つ目のフォルダの保存期間を 1 年と設定したとします。作成する管理された既定のフォルダには、それぞれ一意の名前を割り当てる必要があります (Name パラメータを使用)。ただし、ユーザーに対しては、常に変更前の既定のフォルダ名が表示されます。この例では、ユーザーに InboxSixMonths フォルダと InboxOneYear フォルダのどちらが割り当てられているかにかかわらず、ユーザーに対してユーザーのメールボックスに表示される受信トレイには、受信トレイというラベルが付けられます。ユーザーに対してユーザーのメールボックスに表示されるフォルダ名は、管理されたカスタム フォルダに対して再割り当てすることができますが (Set-ManagedFolder コマンドの FolderName パラメータを使用)、ユーザーに対して表示される管理された既定のフォルダのフォルダ名は変更できません。

開始する前に

New-ManagedFolder コマンドレットを実行するには、使用するアカウントに次の役割が委任されている必要があります。

  • Exchange 組織管理者の役割

アクセス許可、役割の委任、および Exchange Server 2007 の管理に必要な権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

このコマンドは、パイプライン化された入力を受け付けません。

パラメータ

パラメータ 必須 種類 説明

DefaultFolderType

必須

System.Nullable

DefaultFolderType パラメータには、作成する既定のフォルダの種類を指定します (追加の受信トレイ フォルダなど)。既定のフォルダの複数のコピーがある場合は、それぞれに異なるコンテンツ設定を割り当てることができます。たとえば、2 つの受信トレイを作成し、一方にはコンテンツの保存期間を 1 か月に設定し、もう一方にはコンテンツの保存期間を 1 年に設定することができます。複数の管理された既定のフォルダに対して、それぞれ一意の名前を割り当てる必要があります (Name パラメータを使用)。

DefaultFolderType パラメータに値を入力しない場合、管理されたカスタム フォルダが作成されます。次のフォルダの種類を指定できます。

  • Calendar
  • Contacts
  • DeletedItems
  • Drafts
  • Inbox
  • JunkEmail
  • Journal
  • Notes
  • Outbox
  • SentItems
  • Tasks
  • All
  • ManagedCustomFolder
  • RssSubscriptions
  • SyncIssues
  • ConversationHistory

FolderName

必須

System.String

FolderName パラメータには、ユーザーのメールボックスに表示するフォルダ名を指定します。管理された既定のフォルダに対して、FolderName の値を設定することはできません。この文字列には最大 255 文字を使用できます。

note注 :
FolderName パラメータと Name パラメータを混同しないでください。

Name

必須

System.String

Name パラメータには、フォルダの一意の名前を指定します。この値は、管理者がフォルダのハンドルとして使用します。この値はユーザーのメールボックスには表示されません。この文字列には最大 65 文字を使用できます。

note注 :
Name パラメータと FolderName パラメータを混同しないでください。

BaseFolderOnly

省略可能

System.Boolean

BaseFolderOnly パラメータは、管理フォルダ アシスタントによって、管理フォルダのサブフォルダの内容にメールボックス ポリシーが適用されないようにするために使用します。

Comment

省略可能

System.String

Comment パラメータには、Microsoft Outlook 2007 および Outlook Web Access でフォルダと共に表示する既定の管理者コメントを指定します。この文字列には最大 255 文字を使用できます。

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するには、コマンドの処理内容を確認する必要があります。Confirm パラメータで値を指定する必要はありません。

DomainController

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Fqdn

Active Directory からデータを取得するドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定するには、コマンドに DomainController パラメータを含めます。

LocalizedComment

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.MultiValuedProperty

LocalizedComment パラメータには、ローカライズされた管理者のコメントとその言語を指定します。Outlook 2007 の言語設定がこのパラメータ値に指定された言語と一致する場合、既定のコメントではなく、ローカライズしたコメントが表示されます。コメントは ISOLanguageCode:Comment の形式である必要があります (例 : LocalizedComment EN-US:"これは英語でローカライズしたコメントです")。

LocalizedFolderName

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.MultiValuedProperty

LocalizedFolderName パラメータには、ローカライズされたフォルダ名とその言語を指定します。Outlook 2007 の言語設定がこのパラメータ値に指定された言語と一致する場合、既定のフォルダ名ではなく、ローカライズしたフォルダ名が表示されます。コメントは ISOLanguageCode:Comment の形式である必要があります (例 : LocalizedFolderName EN-US:"これは英語でローカライズしたフォルダ名です")。

MustDisplayCommentEnabled

省略可能

System.Boolean

MustDisplayCommentEnabled パラメータが指定され、$true に設定されている場合は、このパラメータにより Outlook 2007 が使用するフラグが設定されて、ユーザーは Outlook 2007 と Outlook Web Access に表示されるフォルダ コメントを最小化できなくなります。パラメータが指定されていない、または $false に設定されている場合、ユーザーはコメントを最小限に抑えることができます。

StorageQuota

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Unlimited

StorageQuota パラメータには、メールボックス フォルダの記憶域サイズ制限を指定します。フォルダ サイズがこの制限を超えると、これ以降アイテムは追加できません。メールボックスのサイズは、キロバイト (KB) またはメガバイト (MB) 単位 (たとえば、100 KB や 5 MB として) で指定できます。

TemplateInstance

省略可能

System.Management.Automation.PSObject

TemplateInstance パラメータに既存のオブジェクトを渡すと、コマンドはそのオブジェクトの構成を使用して、ローカル サーバー上またはターゲット サーバー上にオブジェクトの複製を作成します。

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。WhatIf パラメータで値を指定する必要はありません。

入力の種類

戻り値の種類

エラー

エラー 説明

 

例外

例外 説明

 

最初の例では、New-ManagedFolder コマンドを使用して、最大容量が 1 MB の新しい管理フォルダを作成しています。

2 番目の例では、New-ManagedFolder コマンドを使用して、既定のフォルダ名とコメントは英語で、スペイン語とフランス語にローカライズされたフォルダ名と、スペイン語にローカライズされたコメントを持つ新しい管理フォルダを作成しています。

3 番目の例では、受信トレイの既定のフォルダの新しいインスタンスを作成しています。

New-ManagedFolder -Name NewFolder -FolderName "New Folder" -StorageQuota "1 MB"
New-ManagedFolder -Name MyFolder -FolderName "My Folder" -LocalizedFolderName Spanish:"Mi Carpeta", French:"Mon Dossier" -Comment "My comment" -LocalizedComment Spanish:"Mi comentario", French:"Mon annotation"
New-ManagedFolder -Name AnotherInbox -DefaultFolderType Inbox

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。