Reporting Services の配置モード

新規 : 2006 年 12 月 12 日

SQL Server 2005 Reporting Services では、レポート サーバー インスタンス用に次の 2 つの配置モードがサポートされています。

  • ネイティブ モード (SharePoint Web パーツ対応ネイティブ モードを含む)
  • SharePoint 統合モード
Bb326345.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
SQL Server 2005 Service Pack 2 (SP2) では、Reporting Services レポート サーバーに対して動作モードという考え方が導入されました。このリリースより前では、すべてのレポート サーバーは現在の定義で言うネイティブ モードで動作していました。

ネイティブ モード

ネイティブ モードでは、レポート サーバーはスタンドアロンのアプリケーション サーバーとして、レポートとレポート モデルの表示、管理、処理、配信の機能をすべて提供します。これはレポート サーバー インスタンスの既定のモードです。

すべてのレポート サーバー インスタンスは、ネイティブ モードでインストールされるか、モードの設定なしの状態でインストールされます。既定の構成でレポート サーバーをインストールした場合、レポート サーバーはネイティブ モードで完全に動作します。ファイルのみのオプション ([レポート サーバー インストール オプション] ページの [サーバーを構成せずにインストールする] オプション) を使用してレポート サーバーをインストールした場合、レポート サーバーは構成されていません。後からそのインスタンスに設定するデータベース フラグによって、動作するサーバー モードが決まります。

SharePoint Web パーツ対応ネイティブ モード

Reporting Services には、Windows SharePoint Services 2.0 または 3.0 のインスタンスにインストールおよび登録できる、2 つの Web パーツが用意されています。SharePoint サイトからは、Web パーツを使用して、ネイティブ モードで動作するレポート サーバーに格納され処理されているレポートを検索し表示できます。これらの Web パーツは、Reporting Services の前のリリースで導入されたものです。ネイティブ モードの Web パーツと SharePoint 統合モードの機能との比較の詳細については、「Reporting Services と SharePoint テクノロジのバージョン間での統合レベルの比較」を参照してください。

SharePoint 統合モード

Reporting Services のインストール後、SharePoint 統合モードで動作するようにレポート サーバーを構成できます。このモードでは、レポート サーバーは SharePoint Web アプリケーション配置の一部になります。Windows SharePoint Services 3.0 または Office SharePoint Server 2007 のユーザーは、SharePoint ライブラリにレポートを格納でき、他のビジネス ドキュメントにアクセスするときと同じ SharePoint サイトからこれらのレポートにアクセスできます。

SharePoint 統合モード用に構成されているレポート サーバーには、次の特徴があります。

  • レポート サーバーが SQL Server 2005 SP 2 で動作しており、SharePoint テクノロジの対象インスタンスがバージョン 3.0 で、両方のサーバーがこのモードで動作するための要件を満たしている。詳細については、「Reporting Services を SharePoint 統合モードで実行する要件」を参照してください。
  • レポート サーバー データベースが、統合操作用であることを示すオプションで作成されている。SharePoint 統合モードで動作するレポート サーバー データベースにレポート サーバー インスタンスを接続すると、レポート サーバー プロパティの SharePointIntegratedTrue に自動的に設定されます。このモードでは、レポート サーバーは、SharePointIntegrated モードの設定時に使用されていたカスタム セキュリティ拡張機能と SOAP エンドポイントに切り替わります。
  • レポート サーバー データベースが SharePointIntegrated モードで作成された場合、Windows SharePoint Services のサイト階層はレポート サーバーのコンテンツ階層になる。レポート サーバーには、完全修飾の SharePoint URL のみをパスとして使用できます。相対パスは使用できません。各アイテムのファイル拡張子は必要です。階層および URL の要件の詳細については、「SharePoint サイトへのレポート、モデル、共有データ ソースの配置」を参照してください。
  • レポート サーバーと SharePoint Web アプリケーションが両方とも相互接続用に構成されており、SharePoint データベースに対する権限がレポート サーバーに与えられている。

Report Server のスケールアウト配置と SharePoint 製品およびテクノロジの統合

レポート サーバー スケールアウト配置 (つまり、単一のレポート サーバー データベースを共有する複数のレポート サーバー インスタンス) と SharePoint 製品またはテクノロジを統合する場合は、次の点を考慮してください。

  • スケールアウト配置では、負荷を分散させる必要があります。また、単一のエントリ ポイントを提供する仮想サーバーの URL でアクセスさせることが必要です。そうすることで、SharePoint 3.0 のサーバーの管理にあるサーバー統合機能を構成する際、レポート サーバーのインスタンスに対して単一の URL を指定できます。
    別途ハードウェアまたはソフトウェアの負荷分散ソリューションを使用する必要があります。Reporting Services 自体は負荷分散機能も、仮想サーバーの URL を構成する機能も備えていません。
  • スケールアウト配置は、単一の SharePoint ファームと統合する必要があります。スケールアウト配置に含まれる特定のレポート サーバー ノードと、SharePoint 製品またはテクノロジの特定のインスタンスとを統合することはできません。統合すると、レポート サーバーのバックエンド データベースでデータの破損が発生します。
    サポートされる構成の詳細については、「SharePoint 統合モードでの Reporting Services の配置構成」を参照してください。

モードの切り替え

レポート サーバーのモードは互いに排他的です。既存のレポート サーバーの配置を再設定することでモードを切り替えることができますが、種類の異なるデータベース間でコンテンツを移行するためのサポートされた方法はありません。

モードを切り替えるには、レポート サーバーからレポート サーバー データベースへの接続を変更し、レポート サーバーが特定の動作モードをサポートするデータベースをポイントするようにします。既存のレポート サーバー インスタンスを SharePoint 統合モードで実行するように構成する方法の詳細については、「SharePoint 3.0 統合用の Reporting Services の構成」を参照してください。

複数言語環境における SharePoint 統合レポート サーバーの配置

Windows SharePoint Services および Office Server 製品は、SQL Server 2005 よりさらに多くの言語で使用できます。現在 SQL Server 2005 は、簡体字中国語、繁体字中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ロシア語、スペイン語にローカライズされています。

SharePoint の製品またはテクノロジの配置内で動作するようにレポート サーバーを構成すると、複数の言語が表示されることがあります。ユーザー インターフェイス、ドキュメント、メッセージは次の言語で表示されます。

  • Reporting Services から提供されるすべてのアプリケーション ページ、ツール、エラー、警告、およびメッセージは、SQL Server の言語のうち Reporting Services インスタンスによって使用される言語で表示されます。
  • SharePoint サイトで開くアプリケーション ページ、レポート ビューア Web パーツ、レポート ビルダは、Reporting Services アドインでサポートされている 22 言語のうちの 1 つで表示されます。サポート言語の一覧を表示するには、「SQL Server ダウンロード」にアクセスし、Reporting Services アドインのダウンロード ページを開いてください。
  • SharePoint サイト、SharePoint のサーバーの管理、オンライン ヘルプ、メッセージは、Office Server 製品でサポートされる 39 言語で使用できます。

使用している SharePoint の製品またはテクノロジの言語とレポート サーバーの言語が異なる場合、Reporting Services では言語ファミリの中で最も近い言語が使用されます。近い言語が使用できない場合、レポート サーバーでは英語が使用されます。

Reporting Services の言語サポートの詳細については、msdn.microsoft.com の「Reporting Services の国際化に関する注意点」または SQL Server Books Online の「Reporting Services の国際化に関する注意点」を参照してください。

変更履歴

リリース 履歴

2007 年 9 月 15 日

新しい内容 :
  • Report Server のスケールアウト配置と SharePoint 製品およびテクノロジの統合

参照

処理手順

SharePoint 統合モード用のレポート サーバー データベースを作成する方法 (Reporting Services 構成)
サーバー モードを切り替える方法 (Reporting Services 構成)

概念

Reporting Services を SharePoint 統合モードで実行する要件
SharePoint 3.0 統合用の Reporting Services の構成
レポート サーバー スケールアウト配置の構成
SharePoint 統合モードの Reporting Services のセキュリティ概要

その他の技術情報

SQL Server Reporting Services のインストール

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手