MSExchangeSA 9386 警告と OAB の生成およびアクセスに関する問題のトラブルシューティング方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2008-11-21

ここでは、MSExchangeSA 9386 警告と OAB の生成およびアクセスに関する問題のトラブルシューティング方法について説明します。

イベント ビューアでアプリケーション ログを表示すると、以下のイベントが示される場合があります。

イベントの種類 : 警告

イベント ソース : MSExchangeSA

イベント カテゴリ : OAL Generator

イベント ID : 9386

説明 : OALGen は、オフライン アドレス帳 '/o=Organization/cn=addrlists/cn=oabs/cn=Default Offline Address List' の Version 2 または Version 3 の OAB ファイルを生成するように構成されていますが、使用できるパブリック フォルダ サーバーがありません。Version 4 より前の OAB はパブリック フォルダ サーバーを必要とするため、現時点では生成されません。オフライン アドレス帳システム フォルダのレプリカを含むパブリック フォルダ サーバーがオンラインになっていて、マウントされていることを確認してください。そうでない場合は、Version 4 以外の OAB をすべて無効にしてください。

警告イベント MSExchangeSA 9386 は、オフライン アドレス帳システム フォルダのレプリカが格納されているパブリック フォルダ サーバーに接続できないため、Version 4 より前のバージョンのオフライン アドレス帳 (OAB) が生成できないことを示しています (Microsoft Exchange Server 2007 に含まれる OAB は Version 4 です)。この結果として、一部のバージョンの Microsoft Office Outlook クライアントのユーザーおよび Office Outlook Web Access ユーザーがアドレス帳を表示できなくなります。

このイベントは次の状況で発生する可能性があります。

  • Exchange 組織内にオンライン状態のパブリック フォルダ ストアが 1 つも存在せず、既定のオフライン アドレス帳のプロパティで [パブリック フォルダの配布を有効にする] オプションを有効にしている場合。
  • OAB フォルダが正しく存在していないか、有効なレプリカがない場合。管理者が新しい OAB を作成し、サイトのフォルダ サーバーとしてサーバー "X" 上のパブリック フォルダ データベースを指定した後で、このパブリック フォルダ データベースを誤って削除した場合に、この状況が発生する可能性があります。たとえば、削除前にレプリカを移動するようしたとしても、これは正しくない方法です。また、LDP.exe または AdsiEdit.msc を使用して Active Directory ディレクトリ サービスからこのパブリック フォルダ データベース オブジェクトを削除したり、サーバーをアンインストールしてこのデータベースを Exchange 2007 以前のサーバー上に配置するのも正しくありません。
  • OAB フォルダは作成されたが、階層のレプリケーションまたは保守が行われなかった場合。結果として、Active Directory 内にこの OAB が存在するにもかかわらず、この OAB フォルダが実際には作成されなかった場合です。この場合、Active Directory で、サイトのフォルダ サーバーとして指定されているパブリック フォルダ データベースに、削除されたデータベースが指定されていることになります。つまり、組織内のどこにも OAB フォルダが存在しません。
  • オフライン アドレス一覧生成サーバーとして構成された Exchange 2007 サーバーには、System Attendant メールボックス オブジェクトの無効な homeMDB 属性が含まれているか、またはこの属性がありません。

これらの問題を解決するには、次のいずれかの手順を実行します。

  • Outlook 2007 より前のバージョンの Outlook に対して OAB のサポートが必要でない場合は、「[パブリック フォルダの配布を有効にする] オプションを無効にするには、次の操作を行います。」の手順を実行します。
  • Outlook 2007 より前のバージョンの Outlook に対して OAB のサポートが必要であり、Exchange 組織内にパブリック フォルダを既に展開している場合は、「Outlook 2007 より前のバージョンの Outlook に対してパブリック フォルダの配布を有効にするには、次の操作を行います。」の手順を実行します。
  • Outlook 2007 より前のバージョンの Outlook に対して OAB のサポートが必要であり、Exchange 組織内にパブリック フォルダを展開していない場合は、「パブリック フォルダ データベースを作成し、Outlook 2007 より前のバージョンの Outlook に対してパブリック フォルダの配布を有効にするには、次の操作を行います。」の手順を実行します。
  • homeMDB 属性が存在し、System Attendant メールボックスに対して正しいことを確認するには、「System Attendant メールボックスの homeMDB 属性を確認および修正するには、次の操作を行います。」の手順を実行します。

開始する前に

これらの手順を実行するには、使用するアカウントに Exchange Server Administrators の役割および対象サーバーのローカルの Administrators グループが委任されている必要があります。

Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

手順

[パブリック フォルダの配布を有効にする] オプションを無効にするには、次の操作を行います。

  1. Exchange 管理コンソールを開き、[組織の構成] コンテナを展開し、[メールボックス] サブコンテナを選択します。

  2. 中央のウィンドウで [オフライン アドレス帳] タブを選択します。このタブには、既定のオフライン アドレス帳オブジェクトが表示されます。

  3. [既定のオフライン アドレス帳] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  4. [配布] タブを選択し、[パブリック フォルダの配布を有効にする] チェック ボックスをオフにします。

  5. [OK] をクリックし、この変更を保存します。

Outlook 2007 より前のバージョンの Outlook に対してパブリック フォルダの配布を有効にするには、次の操作を行います。

  1. Exchange 管理コンソールを開き、[組織の構成] コンテナを展開し、[メールボックス] サブコンテナを選択します。

  2. 中央のウィンドウで [オフライン アドレス帳] タブを選択します。このタブには、既定のオフライン アドレス帳オブジェクトおよびプロパティが表示されます。

  3. [既定のオフライン アドレス帳] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  4. [全般] タブで、[生成サーバー] の属性を確認し、書き留めます。

  5. [配布] タブを選択し、[パブリック フォルダの配布を有効にする] チェック ボックスがオンになっていることを確認します。また、[クライアント サポート] で、適切なチェック ボックスがオンになっていることを確認します。

  6. [適用] をクリックし、[OK] をクリックして変更を保存します。

  7. 次に [サーバーの構成] コンテナを展開し、[メールボックス] サブコンテナを選択します。

  8. 中央上部のウィンドウで、前の手順で OAB の [生成サーバー] として指定されていたメールボックス サーバーを選択します。

  9. 中央下部のウィンドウで、パブリック フォルダ データベースが格納されているストレージ グループを見つけ、データベース オブジェクトをクリックします。

  10. データベースの状態のフィールドに [マウント済み] と表示されていることを確認します。データベースの状態が [マウント済み] でない場合は、右側の操作ウィンドウで [データベースのマウント] をクリックします。

  11. データベースがマウントされない場合は、ユーザー インターフェイスに表示されたエラー、およびアプリケーション イベント ログにあるエラーを確認し、エラーの原因を特定してこれらのエラーを解決します。エラーが解決されたら手順 10. を繰り返します。

パブリック フォルダ データベースを作成し、Outlook 2007 より前のバージョンの Outlook に対してパブリック フォルダの配布を有効にするには、次の操作を行います。

  1. 新しいパブリック フォルダ データベースを作成する方法」で説明されている手順を実行します。

  2. このトピック内の「Outlook 2007 より前のバージョンの Outlook に対してパブリック フォルダの配布を有効にするには、次の操作を行います。」の手順を実行します。

System Attendant メールボックスの homeMDB 属性を確認および修正するには、次の操作を行います。

  1. ADSI Edit を起動します。

    以下のコンテナを展開します。

    CN=Configuration,DC=<Domain>,DC=<Domain>,DC=<Domain>/Services/Microsoft Exchange/<OrganizationName>/Administrative Groups/Exchange Administrative Group/Servers/<ServerName>

  2. [Microsoft System Attendant] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  3. [属性] ボックスの一覧で、homeMDB 属性を見つけます。

  4. homeMDB 属性に値が存在し、その値がローカル Exchange サーバー上の有効なメールボックス データベースを指していることを確認してください。

  5. homeMDB 属性が正しくない場合は、以下の手順を実行します。

    1. [Microsoft System Attendant のプロパティ] を閉じます。
    2. <ServerName> コンテナで、[インフォメーション ストア] を展開します。
    3. 有効なメールボックス データベースが置かれているストレージ グループをクリックします。
    4. メールボックス データベースを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
    5. [属性] ボックスの一覧で、[distinguishedName] をクリックし、[表示] をクリックします。
    6. distinguishedName 属性をクリップボードにコピーします。
    7. [キャンセル] を 2 回クリックします。
    8. [Microsoft System Attendant] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
    9. [属性] ボックスの一覧で、[homeMDB] をクリックし、[編集] をクリックします。
    10. [値] ボックスに、クリップボードにコピーした値を貼り付けます。
    11. [OK] を 2 回クリックして ADSI Edit を閉じます。

詳細情報

オフライン アドレス帳の管理の詳細については、「オフライン アドレス帳の管理」を参照してください。

パブリック フォルダの詳細については、「メールボックス サーバーの計画」および「パブリック フォルダの管理」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。