概要
この文書では、Microsoft Windows XP オペレーティング システムのアプリケーション互換性技術を詳細に解説し、広範囲のアプリケーション互換性問題に対処するためにこの技術がどのように使用され拡張されているかの概要を示します。
トピック
はじめに
アプリケーション互換性技術
アプリケーション データベース ファイル
移行互換性技術
互換性フィックス
互換モード
アプリケーションのヘルプ
アプリケーション互換性技術の利用と拡張
まとめ
関連リンク
はじめに
アプリケーションは一般に、特定のオペレーティング システムまたは OS のバージョンのために、高度に最適化されています。アプリケーション互換性問題は、ユーザーがお気に入りのプログラムを、そのアプリケーションが本来対象として設計されたバージョンよりも新しいバージョンの Microsoft Windows オペレーティング システム上で実行したときに発生することがあります。多くの古いアプリケーションを Windows XP へ移行した際には、これが特に顕著になり得ます。これは Windows XP がコンシューマ向け OS ラインアップ (Windows 95、Windows 98、Windows Me) ではなく Windows NTョ と Windows 2000 を基盤にビルドされているからです。
Windows NT と Windows 2000 はビジネス オペレーティング システムであるため、ホーム ユーザーを念頭に置いた多くのアプリケーション開発者は Windows95 とその後継バージョンだけを対象にプログラムを設計しています。したがってそれらのアプリケーションを Windows XP へ移行する際には、オペレーティング システムのアプリケーション プログラミング インタフェース (API) の差異を考慮しなければなりません。こうした差異は Windows XP の新機能のために生じたものもあれば、Windows NT コード ベースのより厳しいプログラミング要件によるものもあります。
旧バージョンの Windows で動作したアプリケーションは、Windows XP 上ではさまざまな理由で正しく動作しない可能性があります。たとえば、アプリケーションが古い形式の Windows データを予期している場合や、個人フォルダや一時フォルダに置かれるユーザー情報が、特定の場所にあったり特定の形式であることを予期している場合が挙げられます。こうした問題の大部分は、Windows 95、Windows 98、または Windows Me のために書かれたアプリケーションに当てはまりますが、Windows NT と Windows 2000 のために書かれたアプリケーションの中にも影響を受けるものがあり得ます。
この問題を解決し、ユーザーが従来のアプリケーションをより快適に利用できるよう、Microsoft は Windows XP にアプリケーション互換性技術を統合しました。この機能はアプリケーションがオペレーティング システム上にインストールされているときには常に使用され、システム アップグレードの流れの中で、あるいは通常の操作時に適用されます。この文書はまず最初にこの技術の詳細を解説し、これがどのように利用され、特に Application Compatibility Toolkit から利用可能な補助ツールによってどのように拡張されるかの概要を紹介します。
アプリケーション互換性技術
Windows XP のアプリケーション互換性技術は大きく 2 つのグループに分かれます。旧バージョン Windows からのアップグレードでアプリケーションの移行を支援する移行互換性技術と、Windows XP オペレーティング システム上でのアプリケーション インストールと動作を合同で支援する互換性フィックス、互換モードおよびアプリケーションのヘルプです。これらの技術は識別情報、すなわちオペレーティング システムがアプリケーションを識別し、適切に動作することを可能にする、アプリケーション固有の情報を利用して働きます。このアプリケーションの識別情報には、ファイル名、サイズ、ファイル内容のチェックサム、ファイルのバージョン、およびその他の類似したデータが含まれます。OS はこの情報を基に、互換性フィックスを管理したり、互換性問題を抱えたユーザーに不可欠なヘルプ情報を供給することができます。
アプリケーション互換性技術が必要な理由
アプリケーション互換性技術が必要な理由のいくつかは、オペレーティング システムのバージョン変更に伴うデータ形式の変更や、ユーザー情報の形式や場所の違いなどで、この文書の冒頭ですでに述べましたが、このほかにも理由が存在します。たとえば Windows が新しいバージョン番号を報告すると実行を拒否するアプリケーションがあります。こうしたケースではこのバージョン チェック部分さえ抜いてしまえば、新バージョンの Windows でもアプリケーションが問題なく動作することがよくあります。また、想定外の巨大リソース (空きディスク容量など) を持つコンピュータでは予期しない値を返す古いバージョンの Microsoft Win32ョ API 関数をアプリケーションが呼び出す可能性もあります。
また、特にコンピュータを Windows 95、Windows 98、または Windows Me からアップグレードするユーザーは、それらのプラットフォームだけを想定して書かれたアプリケーションが Windows XP では許されないハードウェア アクセスのプログラム手法を使っているために、互換性問題に遭遇する可能性があります。ハードウェアへの直接アクセスはシステムの安定性を大きく損ないます。Windows XP では Windows NT から引き継がれた安定性を保持するために、ハードウェア アクセスが正しいチャンネルを通して処理される必要があります。
Windows NT および Windows 2000 のために書かれたアプリケーションは、各 OS が共通のコードをベースにしているため、Windows XP 上で重大な互換性問題を引き起こす可能性は低くなります。しかし、アプリケーションの中には Windows NT の特定バージョンでだけ実行されるよう書かれており、したがって Windows XP で正しく動作するためには互換性フィックスを要するものもあります。
アプリケーション データベース ファイル
これらの技術は、オペレーティング システムがインストールと運用中のアプリケーションと対話するために使用するアプリケーション データベース ファイルと、ほとんど区別がつかないほど一体化しています。アプリケーション ローダーでのすばやいアプリケーション チェック ルーチンを除いて、アプリケーション互換性のインフラストラクチャは、カーネルなどのコア オペレーティング システム コンポーネントとは別に置かれています。このインフラストラクチャは、ローダーの初期データベース クエリによって必要であると見なされた場合にのみ起動されます。これにより、1 種類のアプリケーションでしか必要とされないような特殊な互換性コード パスを、API そのものの中に含める必要がなくなります。互換性フィックスのサポートは割り込みを行わず、オペレーティング システムやインストールされたアプリケーションのパフォーマンスに大きな影響を及ぼしません。
以下のアプリケーション データベース ファイルが使用されます。
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MigDB.inf: Windows 95、Windows 98、およびWindows Me ベースのシステムからの移行をサポートするために使用されます。このファイルには識別情報が含まれ、互換性がないアプリケーション、あるいはシステム アップグレード前にユーザーの介入が必要なアプリケーションにフラグを付けます。
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NTCompat.inf: MigDB と同種の情報を持ち、Windows NT 4.0 および Windows 2000 ベースのシステムからのアップグレードをサポートするために使用されます。
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SysMain.sdb: 識別情報と互換性フィックスを含みます。%Windir%\AppPatch ディレクトリに置かれています。
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AppHelp.sdb: ユーザーにパッチの使用を促したり、Microsoft 製以外のパッチのダウンロード URL を提供したり、より詳しい情報の入手先を示すヘルプ メッセージだけを保管します。このファイルも %Windir%\AppPatch ディレクトリに置かれています。
このように MigDB と NTCompat がWindows XP の移行互換性技術情報を供給する一方、SysMain と AppHelp では Windows XP にアプリケーションをインストールし使用する際に適用される、互換性フィックス、互換モード、および アプリケーションのヘルプ の互換性技術情報が提供されます。
移行互換性技術
上で概説したように、片や Windows 95、Windows 98、および Windows Me ベースのシステムからの移行、もう一方では Windows NT、およびWindows 2000 ベースのシステムからの移行を支援するために、Windows XP はそれぞれ MigDB.inf と NTCompat.inf データベース ファイルを使用して、既知のアプリケーション互換性問題を識別しています。互換性チェック ルーチンは Windows XP セットアップの間に実行され、重大な互換性問題がある場合はセットアップ ルーチンが完了する前にユーザーに警告します。問題のあるアプリケーションはハードウェアの互換性情報とともに、セットアップが生成するアップグレード レポートに一覧されます。どちらのファイルも Windows 2000 セットアップの一部として初めに組み込まれたものが Windows XP 用に更新されています。
互換性フィックス
ここまで述べたように、このオペレーティング システムは識別情報を使用して、各種アプリケーションにどのように対応するか、特に特定アプリケーションに対してどのフィックスまたはメッセージを供給するかを決定しています。SysMain.sdb に含まれた互換性フィックスは、本来 Windows 95、Windows 98、Windows NT 4.0 または Windows 2000 のために書かれたアプリケーションをインストールする際に、一般的なアプリケーション互換性問題に対処します。フィックスは最も一般的な互換性問題にシンプルなソリューションを供給することができます。たとえばフィックスは古いアプリケーションに以前のオペレーティング システムのバージョン名を返し、そのアプリケーションが正しく機能するのを可能にします。またフィックスは特定のアプリケーションで突発することが知られている特定の問題への対処に使用することもできます。こうしたフィックスは、特定の警告無視や、ヒープおよびメモリ解放呼び出しの遅延をオペレーティング システムに許可することができます。
Windows XP リリースの時点で SysMain データベース ファイルにはおよそ 200 の互換性フィックスが組み込まれる予定です。これらは Windows XP 開発中に発見されたほとんどの互換性問題に対処しています。ソフトウェア ベンダ、IT マネージャ、および開発者が既存のフィックスを使用することはできますが、新しいフィックスを作成することは許可されていません。この制限は意図的に設けられており、Microsoft 以外の関係者が潜在的に有害なコードをロード プロセスに混入することにより引き起こされるシステム セキュリティ上のリスクを低減することを目的にしています。
互換モード
「レイヤ」 と称されることもあるこの互換モードの実体は、アプリケーションのために特定のオペレーティング システム環境をエミュレートする互換性フィックスの集合体です。たとえば Windows 95 互換モードには、古い Windows 95 アプリケーションが Windows XP 上で正しく動作するよう適用されたおよそ 50 の最も一般的なフィックスが組み込まれています。この中には次のフィックスが含まれています。
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アプリケーションに Windows 95 のバージョン名を返すフィックス
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Windows 95 / Windows 98 / Windows Me ヒープ マネージャの正確なエミュレーション
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Windows 95 / Windows 98 / Windows Me デスクトップとスタート メニュー フォルダを、対応した Windows XP の Documents and Settings フォルダへリダイレクトする、ファイル パスのフィックス
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Windows 95 / Windows 98 / Windows Me のレジストリ データをエミュレートする仮想レジストリ
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互換モードには 3 種類のモードが用意されています。
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エンド
ユーザー
モード
: プログラム互換性ウィザード (後述) の [
互換性
] タブなどのように、Windows XP の異なったシェル機能で表示されます。ユーザーはこのインターフェイスを通して、Windows 95、Windows 98/、 Windows Me、Windows NT 4.0、Windows 2000、256 色モード、および 640 x 480 画面解像度の 5 つの基本モードにアクセスすることができます。
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システム
モード
: 上記のエンド ユーザー モードのすべてを含み、加えて独立ソフトウェア ベンダ (ISV) やシステム管理者その他の IT プロフェッショナルがアプリケーションの動作を制御するためのいくつかのオプションを備えています。これには Limited User Account セキュリティ モードとプロファイル モードが含まれます。Limited User Account モードは、アプリケーションが特定のユーザー用に、限定されたセキュリティ状況下で動作しなければならない場合に使用します。プロファイル モードは、アプリケーションが Windows XP のユーザー プロファイルとどのように対話するかを決定する際に支援するために使用することができます。これらはすべて、この文書の次のセクションで詳述する QFixApp または CompatAdmin ツールを使用してアクセスおよび設定することができます。
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カスタム
モード
: システム管理者その他の IT プロフェッショナルが CompatAdmin ツール (後述) を使用して特定のアプリケーションまたはアプリケーション セットのために作成します。いったん作成されたカスタム モードはユーザーがインストールするその特定のアプリケーションだけに適用でき、ユーザーはパッケージに含まれたどのフィックスでも使用することができます。
たとえ Windows XP に SysMain からすでに個々の互換性フィックスが適用されていたとしても、ユーザーは互換モードのどれかを適用することができます。互換モードが適用されるとそれに含まれたすべてのフィックスが連結され、アプリケーション実行時に適用されます。これは SysMain データベースや Microsoft またはソフトウェア ベンダからオンラインでフィックスを入手できない場合に、互換性問題に対処するための有用なオプションです。
アプリケーションのヘルプ
ユーザーが互換性のないアプリケーションを実行しようとしていることを識別情報が検出すると、Windows XP は互換性フィックスを起動するか、またはユーザー インターフェイスにヘルプ メッセージを生成することができます。
互換性技術で最後の選択となるこのアプリケーションのヘルプは、フィックスが互換性問題の実行可能 (または入手可能) なソリューションではない場合のために用意されています。その基本的な仕組みはシンプルなものです。オペレーティング システムは SysMain の識別情報を使用し、この情報が OS に代わって AppHelp データベースからどのメッセージを引き出すかを決定し、既知の互換性問題を持つアプリケーションの運用を阻止するか、ユーザーにその問題を知らせます。
より更に正確に言うと、アプリケーションのヘルプ は問題を含むプロセスが実施される直前に、ユーザーに提示するローカルなメッセージを生成します。これによりアイコンで重大度が示された簡潔なメッセージを持つダイアログ ボックスが表示されます。アイコンが感嘆符を持った黄色い三角形なら、アプリケーションの実行は阻止されず、ユーザーはプログラムを実行可能です。
図
1: Windows XP
と互換性のないプログラムを示す、アプリケーションのヘルプ
メッセージ
アイコンが上の図 1 のように赤い×マークだった場合は、アプリケーションの実行が阻止され、ユーザーはプログラムを実行できません。[
詳細
] ボタンをクリックすると、より詳細な情報を参照できます。この詳細情報は Windows XP Help and Support Centerヘルプとサポート センター (下の図 2 を参照) に表示され、そのコンテンツは Microsoft.com (コンピュータがオンラインである場合) か、あるいはローカルの HTML ヘルプ ファイル (%Windir%\help\apps.chm) から取得されます。
図
2:
ヘルプとサポート
センター
に表示された、問題のアプリケーション停止の詳細情報
アプリケーションのヘルプ は、アンチ ウィルスやディスク アクセス ユーティリティなど Windows XP のために書かれていないロー レベル アプリケーションを阻止するために最も頻繁に使用されます。この技術はこれらのアプリケーションのインストールを阻止することによって、システムの整合性に影響を及ぼす重大な問題を避けるために働きます。これによりより更に高いシステムの安定性と満足できるユーザー エクスペリエンス経験がもたらされます。
アプリケーション互換性技術の利用と拡張
ここまで述べたように、Windows XP に組み込まれたアプリケーション互換性技術は、識別情報、フィックスおよびヘルプ コンテンツを含んだデータベース ファイルに依存しています。これらのファイルでは最も普及しているおよそ 1,000 種のアプリケーションが網羅されていますが、カスタム メイドあるいはニッチ (隙間需要型) アプリケーションの多くは必ずしも含まれてはいません。Microsoft はこうしたケースを支援するために、追加のサービスとツールを提供しています。
自動サービスによるコア データベース ファイルのアップデート
Microsoft は Windows XP のアプリケーション データベース ファイルに含まれた互換性情報を補うために、2 つの自動サービスを提供しています。
-
動的な更新
: これは、ユーザーが常に利用可能な最新のドライバと互換性ファイルを入手するのを支援する Windows XP の新しい機能です。これは Windows XP セットアップ プログラムの一部として働き、Windows XP インストール CD に収録されたものよりも新しいドライバやパッチ ファイルが存在するかをチェックします。セットアップ開始時にコンピュータがインターネットに接続することができる場合、この機能は新しいドライバ、ソフトウェア パッチ、およびその他の重要な更新をチェックし、見つかったファイルをセットアップ ルーチンの自動インストールのためにダウンロードします。
-
動的な更新のパッケージは利用可能になるごとに Windows Update Web サイトに掲示されます。これはWindows XP のリリース後しばらく経ってからインストールを行うユーザーや、アプリケーションのフィックスとヘルプ コンテンツが後から利用可能になる可能性がある場合に特に有用です。
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Windows Update : サービスパック、デバイス ドライバ、およびシステム セキュリティ アップデートなどの製品強化用ダウンロードを一か所にまとめた Windows XP のオンライン拡張機能です。新しいアプリケーションをインストールする時点でコンピュータがインターネットに接続しているなら、Windows XP は適用できる互換性フィックスやそのアプリケーションに関連した重大なデータをローカルなデータベース ファイル (SysMain と AppHelp) からだけでなく Windows Update からオンラインで検索することができます。
ユーザー インターフェイスに組み込まれたアプリケーション互換性ツール
Microsoft は Windows XP のユーザー インターフェイスに、プログラム互換性ウィザード と互換性シェル拡張という 2 つのアプリケーション互換性ツールを組み込みました。ユーザーはこれらのツールへ簡単にアクセスし、これを使用してアプリケーション互換性設定を調整することができます。これらは Windows XP よりも後からリリースされるアプリケーションで、SysMain データベースになんの情報もなく、Windows Update もサービスを提供していない場合にユーザーを支援するよう設計されています。
プログラム互換性ウィザード
大規模な企業環境では、ユーザーはしばしば内部の技術サポート グループの支援によってアプリケーション互換性問題を解決することができます。しかし自宅あるいは小さな企業環境では、ユーザー自身がアプリケーション サポートを実行しなければならない場合があります。プログラム互換性ウィザード はこの作業を支援します。
プログラム互換性ウィザード は Windows XP の ヘルプとサポート センター の一部であり、アプリケーション互換性設定を調整するための便利でシンプルなツールを提供しています。このウィザードは SysMain データベース ファイルが提供する互換性フィックスと互換モードを使用します。ユーザーは設定を変更するアプリケーションを、既知の問題を持ったアプリケーション リストから選択するか、ドライブから参照、あるいは CD-ROM ドライブから選択して選ぶことができます。
プログラム互換性ウィザード での互換モード適用は、そのアプリケーションが正しく動作するオペレーティング システムを選択するだけで実行できます。4 つの主要オプションが用意されています。
さらにユーザーには、アプリケーションの互換モードをバイパスするオプションも提供されます。下の図 3 は、プログラム互換性ウィザード に表示された互換モードの各種オプションです。
図
3:
アプリケーションに互換モードを簡単に適用できる、プログラム互換性ウィザード
使用するオプションを選択すると、プログラム互換性ウィザード によってアプリケーションで使用するディスプレイ設定を調整できます。色階調と画面解像度は古いアプリケーションにとってしばしば問題の原因となっています。ウィザードにおいて有効になるフィックスは、アプリケーションに 640 x 480 ピクセルの画面解像度を強制し、あるいはまた階調を 256 色に強制します。これらに加えて、教育タイトルやゲームなどWindows XP のテーマを有効にしていると問題が発生するアプリケーションのために、テーマを停止することも可能です。
ウィザードの最後の部分でユーザーは選択した互換性設定をテストすることができます。互換性設定のテストでアプリケーションが正しく動作した場合、ユーザーはそのアプリケーションが実行されるたびに同じ設定が自動的に適用されるよう、設定を確定することができます。
互換性シェル拡張
Windows XP に慣れたユーザーは、より直接的な方法で基本的なアプリケーション互換性設定を調整することが可能です。プログラム互換性ウィザード が提供するのと同じ機能が、下の図 4 のように実行可能ファイルの [
プロパティ
] ダイアログ ボックスに加えられた [
互換性
] タブから利用できます。
図
4:
実行可能ファイルのそれぞれに
[
互換性
]
タブを追加する互換性シェル拡張
表示される互換性設定は、[
互換モード
] と [
ディスプレイの設定
] という 2 つのグループ ボックスに分けられています。[
互換モード
] グループ ボックスから、ユーザーは実行ファイルが正しく動作するオペレーティング システムを選択できます。これによりこの実行可能ファイルが実行されるときは常にその適切な互換モードが適用されます。[
ディスプレイの設定
] グループ ボックスからは、色階調、画面解像度、Windows XP のテーマに変更を加えることができます。
カスタム アプリケーション互換性データベースの作成ツール
これらのユーザー インターフェイス ツールに加えて、経験豊かなシステム管理者と IT サポート スタッフのために設計された QFixApp と CompatAdmin という 2 つのアプリケーション互換性ツールが用意されています。これらは特に、ローカルとオンラインのどちらのアプリケーション互換性データベースにもカタログ化されていないアプリケーションをサポートする際に役立ちます。どちらのツールも Microsoft からオンラインで入手可能な Application Compatibility Toolkit に含まれています。
QFixApp
QFixApp はオペレーティング システムに組み込まれた互換性フィックスのデータベースにインターフェイスを提供する小さなアプリケーションです。このツールの使い方は比較的簡単で、フィックスを適用する実行可能ファイルを参照し、適用したい互換モードまたはフィックスを選択するだけです (下の図 5 を参照)。これは プログラム互換性ウィザード の半自動的な手順と違い手作業となりますが、アプリケーションに適用される互換性フィックスを正確に把握できる利点があります。QFixApp のもう 1 つの利点は、互換性問題を持つ既知のアプリケーション リストに含まれていないアプリケーションでも利用できることにあります。QFixApp はカスタム アプリケーションに適切なフィックスを適用したいユーザーにとって、非常に有用です。
図
5:
アプリケーションに適用する互換性フィックスを正確に制御できる
QFixApp
QFixApp.exe ツールによってユーザーは実行可能ファイルを選択して、SysMain データベースから利用可能なフィックス (製品出荷時には約 200 のフィックスが同梱) から 1 つ以上を適用することができます。つまりユーザーは QFixApp を使用して、フィックスのどの組合せによって Windows XP 上でのアプリケーション実行が可能になるかを識別することができます。
QFixApp を使用するには、まず互換モードと互換性フィックスのどちらを使用したいするかを決定します。互換モードは [Layers] タブから選択し、フィックスは [Fixes] タブから単独または複数を選択します。アプリケーションが別バージョンの Windows では問題なく動作することがわかっているなら、通常互換モードから開始するのが最適です。選択が終わったら [Run] ボタンをクリックします。これで QFixApp はフィックスの組み合わせのテストを実行します (QFixApp は選択されたフィックスのグループをテストするために、サポート ユーティリティ ShimDBC.exe を使用します)。
CompatAdmin
大規模なネットワーク環境では、Windows XP アプリケーション互換性技術の支援が必要なアプリケーションが数多く存在している場合があります。そして大規模ネットワークの分散された形態により、必要な互換性フィックスの正しいパッケージをユーザーに行き渡らせるのが難しく、時間がかかる可能性があります。これに対して Microsoft は、管理者が互換性フィックスのパッケージを収集して配布するのを支援する、Compatibility Administration Tool (CompatAdmin) を提供しています。
CompatAdmin は Windows XP 互換性フィックス データベースを参照し編集するためのインターフェイスを備えています (下の図 6 を参照)。このツールによりユーザーは実行可能ファイルを選択し、オペレーティング システムで利用できる多数のフィックスから 1 つ以上を適用することができます。アプリケーションを実行するために必要なすべてのフィックスが判定できたら、CompatAdmin を使用して他の Windows XP ベースのコンピュータにそれらのフィックスを配布するためのパッケージを作成することができます。
図
6:
ほかのコンピュータに配布可能な互換性フィックスのパッケージを作成する
CompatAdmin
ツール
CompatAdmin ツールはすでにフィックスを適用されたアプリケーションをシステムまたはネットワーク ドライブから検索し、そのアプリケーションを分析して、使用されたフィックスのグループを識別する機能を備えています。これにより配布する互換性フィックス パッケージの作成プロセスが単純化されます。CompatAdmin には Microsoft がすでに識別した、Windows XP で正しく動作するために 1 つ以上の互換性フィックスを必要とするアプリケーションのリストが含まれています。
CompatAdmin はカスタム互換性データベースの作成とメンテナンスをサポートします。これはこのツールの最も有用な機能の 1 つです。現在のカスタム データベースは CompatAdmin メイン ビューの左下ウィンドウに表示されます。ユーザーが CompatAdmin を起動すると、カスタム データベース エリアに新しい空のデータベースが開かれます。[
データベース
] メニューのオプションを使用して、カスタム データベースに指定のフィックスや下の図 7 のように定義したカスタム互換モードを追加したり削除することができます。
図
7: CompatAdmin
に組み込まれた、カスタム互換モードの作成を支援するウィザード
メニューのオプションは、ユーザーがカスタム データベース ウィンドウと有効なエントリを選択しているときにのみ有効になる場合があります。カスタム データベースに必要なすべての互換性フィックスを追加したら、このデータベースを保存し、この互換性フィックス パッケージを必要とするあらゆる Windows XP ベースのコンピュータに配布することができます。
まとめ
Windows XP は非常に幅広いアプリケーションをサポートしています。この新しいオペレーティング システム上で正しく動作しない可能性のあるアプリケーションのために、Microsoft はさまざまなアプリケーション互換性技術とこれらの技術を拡張するツールを用意しました。
Windows XP のアプリケーション互換性技術は、Windows XP では正しく動作しないアプリケーションを識別し、修正を行うデータベース ファイルの働きによっています。Windows 95、Windows 98、および Windows Me からのアップグレードでは MigDB.inf、そして Windows NT、Windows 2000 からのアップグレードでは NTCompat.inf データベース ファイルを使用しています。Windows XP がインストールされた後は、アプリケーション互換性維持のために SysMain.sdb データベース ファイルが使用され、これには識別情報と互換性フィックスが含まれます。また、現在フィックスが利用できないアプリケーション互換性問題についてユーザーに警告を表示する、AppHelp.sdb データベース ファイルも使用されます。
Windows XP には Help and Support Centerヘルプとサポート センター を通してユーザーがアプリケーションに互換性フィックスをの適用するのを支援する プログラム互換性ウィザード が含まれています。経験豊かなユーザーは、アプリケーションの [
プロパティ
] ダイアログ ボックスから [
互換性
] タブを使用して、実行可能ファイルのプロパティを変更し、互換性フィックスを適用することができます。ネットワーク管理者と IT サポート スタッフは、QFixApp および CompatAdmin ツールを使用してアプリケーションにカスタム互換性フィックスを適用し、ネットワーク上のユーザーにそのパッケージを配布することができます。
関連リンク
Windows XP の最新詳細情報は Microsoft の Windows XP サイトでご覧ください。
http://www.microsoft.com/japan/windowsxp/default.mspx
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Windows XP アプリケーション互換性技術
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