概要
この文書では、Microsoft .NET Messenger Service、Microsoft Exchange 2000 Instant Messaging Server、およびサーバーと Microsoft Windows Messenger を使用したインスタント通信を提供するサービスを構成するセッション開始プロトコル (SIP) 対応のサーバー オプションについて説明します。また、連絡先のオンライン ステータスを監視する方法についても説明します。
トピック
はじめに
Windows Messenger のサーバー ソリューション
Windows Messenger の通信方法
付録: 略語集
まとめ
関連リンク
はじめに
Microsoft Windows Messenger を使用すると、連絡先とすばやくコミュニケーションを確立し、コラボレーションを図ることができます。連絡先 (または 「友人」) のリストは、「ポール」 のように分かりやすい名前と、paul@reskit.com などのアドレスを指定して、作成します。Windows Messenger のプレゼンスの機能を使用すると、連絡先とのコミュニケーションおよびコラボレーションをよりすばやく効率的に行うことができます。プレゼンスによりユーザーは相手を検索したり Rendezvous (ランデブー)機能を使用でき、常にお互いのオンライン ステータス情報を更新することができます。 (強力なプレゼンス機能および Rendezvous 機能は、通常、サーバーまたはサービスによって提供されます。)
Windows Messenger のサーバー ソリューション
ここでは、Windows Messenger 通信およびコラボレーション セッションを簡単にするさまざまなサーバー ソリューションについて説明します。
Windows Messenger クライアントは、クライアント登録、構成および存在確認を行うサーバー コンポーネントを通じてクライアント間の通信を開始します。このサーバー コンポーネントは、Instant Messaging (IM) を使用している場合など、クライアント間通信でブローカーとしても機能します。現在、インターネット対応通信向けのサーバー ソリューション (Microsoft .NET Messenger Service) とエンタープライズ インスタント メッセージ向けのサーバー ソリューション (Microsoft Exchange 2000 IM Server) があります。その他のサーバー ソリューションも計画されています。
.NET Messenger Service
以前は MSN Messenger と呼ばれていた .NET Messenger Service は、ユーザー間通信に必要なプレゼンス サービスと Rendezvous サービスを提供します。Windows Messenger バージョン 4.0 では、プレゼンス、インスタント メッセージング、データ コラボレーションおよびコンピュータ間音声およびビデオ通信がサポートされています。Windows Messenger の次のリリースであるバージョン 4.5 は、Microsoft Windows XP のリリース期間中にリリースされる予定です。これには、コンピュータ電話間の呼び出し、ポケベルへのインスタント メッセージ送信、Windows Messenger から Microsoft Hotmailョ への直接アクセスなどを含む新機能が含まれます。このサービスを使用するには、Passport または Hotmail アカウントが必要です。
.NET Messenger Service を使用するコンピュータ間通信では、データは一般のインターネット上をクリア テキストで送信および受信されます。
注
: データを一般のインターネット上でクリア テキストで送受信する場合、その通信は暗号化や同様のセキュリティ機能で保護されていません。
Exchange 2000 Instant Messaging Server
Microsoft Exchange 2000 Server に IM および Presence サポートが含まれました。この製品は Exchange 2000 Instant Messaging (IM) Server といいます。Exchange 2000 IM Server を使用すると、プレゼンスおよび Instant Messaging を企業環境で使用できるようになります。現在、Exchange 2000 IM Server は MSN Messenger クライアントを使用しています。Windows XP ユーザーの場合、Windows Messenger が MSN Messenger クライアントの代わりとなり、新しい Windows Messenger 通信およびコラボレーション機能すべてがシームレスに提供されます。新規インストールには、Windows Messenger バージョン 4.5 が必要です。この企業向けソリューションには、既存の Exchange 2000 があるか、ない場合は新規インストールする必要があります。
Exchange IM Server を展開すると、ユーザー独自のプレゼンスおよび Rendezvous サービスが実行されます。企業ディレクトリを使用して、組織内の人を連絡先リストに追加することができます。同時に、.NET Messenger Service を使用して外部の人の連絡先を追加することもできます。
注
: 外部連絡先を使用して通信する場合は、一般のインターネット上をクリア テキストで送られることにご留意ください。外部連絡先との通信は、暗号化や同様のセキュリティ機能で保護されていません。
SIP プロキシおよび登録サーバー
Internet Engineering Task Force- (IETF) で定義されたセッション開始プロトコル (SIP) (RFC 2543) と Instant Messaging およびプレゼンスの SIMPLE 拡張機能とを併せて使用すると、サーバーに対するインスタント コミュニケーション機能も提供されます。これらのプロトコルを使用して作成された製品により、独自のリアル タイム通信 (RTC) ソリューションを展開する手段も提供されます。
これらのプロトコルおよび RTC ソリューションは、Windows Messenger クライアントでサポートされます。
リアル タイム通信
RTC は、Windows Messenger でサポートされているライブの個人間通信の多様な形式を統一します。前述したサーバー ソリューションを使用すると、Windows Messenger でサポートされているサービスをさまざまな装置で使えるようになります。
RTC
の固有機能
以下の機能は、RTC 固有の機能です。
プレゼンスは、時間帯ごとにアクセスできる装置を示し、通信のルーティングに関して適した選択を行うために役立つ情報を提供します。
通知機能は、ほかの人がユーザーに連絡を取ろうとしているときや、何らかの形式の情報を受信する必要があるときに、指定したデバイスで警告することによって重要な役割を果たします。
多様な通信機能を使うと、一度に 1 つまたはすべての Windows Messenger サービスを動的に確立できます。
Windows Messenger の通信方法
ここでは、Windows Messenger が複数のサーバーおよびサービスと共に機能して、ユーザーが通信およびコラボレーションできるようにする方法の概要を説明します。
Windows Messenger ユーザーは、さまざまなサーバーやサービスに登録し、連絡先メンバーのオンライン ステータスを調べるプレゼンス機能を利用できます。また、インスタント メッセージ、音声、ビデオなどの通信セッションを確立し、同僚とグループ作業したり、その他の通信機能を使用することもできます。Windows Messenger は、多数のプロトコルをサポートすることでこの機能を提供します。
Windows Messenger でサポートされているメイン サーバー
Windows Messenger でサポートされているメイン サーバーは以下のとおりです。
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.NET Messenger
サービス: Home Edition または Pro を使用している Windows XP のユーザーの多くは、.NET Messenger サービスを使用します。
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Exchange 2000 IM
サーバー: ビジネスや企業で Exchange 2000 IM サーバーを使用すると、グローバルなアドレス帳機能を利用できます。このサーバーは、IM およびプレゼンス機能をサポートします。
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IETF SIP
プロキシ
サーバー: ビジネスおよび企業で、SIP 対応ソリューションを展開し、完全な RTC 機能を利用することができます。ここで使用されるその他のプロトコルには、セッション開始プロトコル (SIP) RFC 2543-http://www.ietf.org/rfc/rfc2543.txt?number=2543 (英語) およびセッション記述プロトコル (SDP) RFC 2327 (SDP)-http://www.ietf.org/rfc/rfc2327.txt?number=2327 (英語)があります。
Windows Messenger は、複数のサーバーおよびプロトコルと同時に使用できます。これは、内部通信に Exchange IM を、外部通信に .NET Messenger を使用している企業環境に適しています。
Windows Messenger でサポートされているメイン サービス
Windows Messenger でサポートされているメイン サービスは以下のとおりです。
プレゼンス
Windows Messenger のプレゼンス機能は、連絡先リスト上の人々のオンライン状態を示します。ユーザーが Windows Messenger にログオンすると、構成された各ネットワークにログオンしようとします。これらのネットワークがそれぞれ異なり、使用するプロトコルが異なっている場合でも、ユーザーの存在は各ネットワーク上に登録されます。このプロセスの一部は、Presence and Rendezvous Server とのリレーションの確立に関係しています。
.NET Messenger および Exchange IM の場合、これは伝送制御プロトコル (TCP) 接続ですが、プレゼンス機能を提供するために TCP 接続上で使用されるプロトコルは異なります。この接続は、IM メッセージの転送などサーバーを経由する通信に使用されます。SIP サーバー ソリューションが使用されている場合、リレーションシップは、通常、ユーザー データグラム プロトコル (UDP) を転送手段として、SIP REGISTER、SUBSCRIBE、および NOTIFY メソッドを使用して確立されます。
ユーザーは、連絡先が使用するアドレスおよびサービスなどの情報を指定することで、連絡先を Windows Messenger に追加します。Windows Messenger は、その連絡先に対して設定されているサービスからの存在の通知および状態のアップデートを登録 (入力) します。
次に、ユーザーが Windows Messenger にログオンするたびに、使用しているプロトコル サポートによって適切なサーバーやサービスに登録されます。サーバーやサービスはユーザーおよび連絡先リストに含まれるすべてのユーザーのオンライン ステータスを更新します。
Windows Messenger ユーザーは、現在オンラインの連絡先にすぐに連絡できます。オンラインの連絡先は緑色の物体で表示されます。
インスタント
メッセージ
インスタント メッセージは、Windows Messenger における通信およびコラボレーションの手段です。IM セッションで初期化および通信に使用されるプロトコルは、使用するサーバーやサービスによって異なります。.NET Messenger や Exchange IM の場合は、IM テキストは TCP 接続で送られます。IM に SIP プロキシ サーバーを使用している場合は、TCP 上で実行されるセキュリティ プロトコルである TCP UDP や Secure Sockets Layer (SSL) を使用してテキストを転送するようにサーバーを構成できます。
開始するクライアントは連絡先との会話の開始の要求をサーバーに送ります。要求はもう一方のクライアントへ転送されます。IM 通信はそれから開始されます。
メッセージ テキストはサーバーに送られてから、もう一方のクライアントに転送されます。メッセージ テキストの区切り方は、サーバーおよび使用されているプロトコルによって異なります。サーバーへの TCP 接続でカプセル化されている HTTP メッセージでは、プロトコルは通常 Hypertext Transfer Protocol (HTTP) または Extensible Markup Language (XML) です。SIP IM を使用している場合は、ピア間で直接メッセージ テキストを送れるように構成できますが、SIP プロキシ サーバー構成を使用している場合はサーバーが必要です。
音声とビデオ
Windows Messenger の通信およびコラボレーションの 1 つの機能である音声とビデオ呼び出しでは、サーバーを経由するセッションが複数必要になります。ボトル ネックの発生を避け、サーバーからの待ち時間の発生を防ぐためには、ピアツーピア セッションが必要です。この場合、サーバーやサービスは、SIP によるセッション セットアップの開始、および SDP によるメディア タイプのネゴシエーションに使用されます。リアルタイム転送プロトコル (RTP) は、UDP 上で実際の音声またはビデオ ストリームに使用されます。
Windows Messenger 4.0 を使用したクライアント A および B 間のオーディオ / ビデオ (AV) 会話をセットアップする手順は、以下のとおりです。
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ユーザー A がユーザー B への AV 呼び出しを開始します。Windows Messenger から Windows Messenger Server へセッションへの招待が送られ、さらにユーザー B に転送されます。
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B の Windows Messenger がユーザー B に着信呼び出しがあることを通知します。ユーザー B は呼び出しを受け入れるかまたは断ることができます。ユーザー B が呼び出しを受け入れると、Windows Messenger からサーバーに受信メッセージが送られ、A の Windows Messenger に転送されます。
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A の Windows Messenger はユーザー A のコンピュータのネットワーク インターネット プロトコル (IP) アドレスと、SIP シグナルに使用される UDP ポート番号を取得します。これは、ユニバーサル プラグ アンド プレイ (UpnP) 対応ゲートウェイ装置が使用されている場合は、ユーザー A の外部 NAT 変換アドレスである場合もあります (Windows XP の Windows Messenger : ファイアウォールとネットワーク アドレス変換デバイスでの動作 を参照してください)。それ以外の場合は、これは A のローカル インターフェイス アドレスになります。このアドレスは、セッションの受け付けに従ってサーバーへ送られます。ユーザー A の Windows Messenger も、このアドレスおよびポートへの着信呼び出しに対するリスニングを準備します。
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サーバーはセッション受け付けをユーザー B のコンピュータ上の Windows Messenger に転送します。Windows Messenger は A の IP アドレスを取得し、このアドレスを使用してオーディオ / ビデオ ストリームのための SIP セッションを要求します。A に SIP INVITE が送られます。この招待で、B は IP アドレスと A からの RTP ストリーム (データ) を受信するポートを指定します。この INVITE は A が B への受け付けメッセージで送った IP アドレスで A に送られます。通常は NAT 変換アドレスではなく、内部アドレスです。B もローカル IP アドレスおよびポート番号に RTP 経由で着信する AV トラフィックのリスニングを開始します。
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A は B へのセッション招待を承認し、会話の内容に応じて、RTP ストリームの動的ポートなどの情報をセッション記述プロトコルで送ります。最終承認が A からB に送られます。これでセッションが確立され、メディアの宛先アドレスがわかり、UDP データ ストリームを A と B の間で送ることができるようになります。
Windows Messenger 4.5 および SIP 対応サービス環境では、前述した手順とは少し異なります。この環境では、最初のセッション招待は行われず、シーケンスは SIP 招待で開始します。このシナリオのシーケンスは次のようになります。
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ユーザー A がユーザー B を呼び出します。これによりセッション生成要求が発生しますが、この場合 B は SIP ピアです。したがって、SIP サーバーに SIP INVITE が送られます。SIP INVITE にはセッションに関する情報のほか、データ ストリームに使用する A のアドレスも含まれています。
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SIP サーバーは B の IP アドレスを解決し、INVITE を B に送ります。B は INVITE を受け取り、呼び出しを受け付けるか拒否するかを確認するダイアログ ボックスが表示されます。ユーザー B が受け入れると、B の AV ストリーム データを含むサーバーから SIP OK
メッセージが A に返されます。
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最終承認が A から B に送られると、AV データを送れるようになります。
アプリケーション共有とホワイトボード
Windows Messenger の通信およびコラボレーションの機能 の 1 つであるアプリケーション共有とホワイトボードは、音声やビデオのセッションと同じように開始します。最初の招待の交換には Rendezvous サーバーが使用されます。その後 SIP 招待と承認が続き、ここでセッション情報が交換されます。AV とアプリケーション共有とホワイトボードとで異なる点は、以下のとおりです。
ファイル送信
ファイル送信は、Windows Messenger の通信およびコラボレーションの機能の 1 つです。クライアントがピアにファイルを送るよう要求するときに使用されるファイル送信は、AV やアプリケーション共有とホワイトボードと同様、SIP 招待や承認の交換をせずに開始します。サーバーを通してセッションが確立されると、ファイル送信は、ポートの固定帯域幅でピア間の TCP 接続を使用して行われます。
リモート
アシスタンス
リモート アシスタンスは、Windows Messenger の通信およびコラボレーションの機能の 1 つです。Microsoft Terminal Services で使用されるプロトコルと同じリモート デスクトップ プロトコル (RDP) を使用します。RDP は TCP 接続上で作成されます。Windows Messenger はサーバーベースのセッション招待ロジックを使用してリモート アシスタンス セッションをセットアップします。これはファイル送信と似ています。SIP INVITE シグナルは、リモート アシスタンスのサポートに音声セッションが追加された場合のみ追加されます。
付録: 略語集
AV - オーディオとビデオ
IM - インスタント メッセージング
ISP - インターネット サービス プロバイダ
NAT - ネットワーク アドレス変換
RDP - リモート デスクトップ プロトコル
RTP - リアルタイム転送プロトコル
SDP - セッション記述プロトコル
SIP - セッション イニシエーション プロトコル
SSL - Secure Sockets Layer
TCP - 伝送制御プロトコル
UDP - ユーザー データグラム プロトコル
UPnP - ユニバーサル プラグ アンド プレイ
まとめ
この文書では、Windows XP での Microsoft Windows Messenger の通信方法を説明しました。特に、Microsoft .NET Messenger Service、Microsoft Exchange 2000 Instant Messaging Server およびサーバーと Windows Messenger を使用したインスタント通信を提供するサービスを構成するためのセッション開始プロトコル (SIP) 対応サーバー オプションについて説明します。連絡先メンバのオンライン状態を調べるために使用される Windows Messenger の機能であるプレゼンスについて、また、インスタント メッセージ、音声とビデオ、アプリケーション共有とホワイトボード、ファイル送信、リモート アシスタンスなどの通信およびコラボレーションのさまざまなモードについても説明しています。
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関連リンク
Windows Messenger、基本プロトコルおよび標準、UPnP と共に機能する方法、NAT および ファイアウォール装置の詳細については、以下のリンクをクリックしてください。
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