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Windows XP Professional の多言語オプションの比較

概要

この文書では、Windows XP Professional のローカライズされたバージョンと Microsoft Windows XP Multilingual User Interface Pack の相似点と相違点について説明します。多くのカスタマが多言語環境では Windows XP Professional のローカライズされたバージョンを採用していますが、Windows XP Multilingual User Interface Pack のローカライゼーションの品質はローカライズされたバージョンと同等で、さらに他の利点も備えています。そのため、多言語ユーザーインターフェイステクノロジは将来の Windows ローカライズバージョンのデフォルトアーキテクチャになっています。

謝辞

Edward Ye、プログラムマネージャ、Microsoft Corporation
Steve Jang、プログラムマネージャ、Microsoft Corporation

トピック

はじめに
多言語データを扱うための Windows のアーキテクチャ
ローカライゼーションのエンジニアリング プロセス
Windows XP Multilingual User Interface Pack の他の利点
Windows XP Embedded に対する特別の考慮点
まとめ
付録 A: Windows XP Professional のローカライズされたバージョン
付録 B: Windows XP Multilingual User Interface Pack の言語
関連リンク集

はじめに

Microsoft は、多言語環境のユーザーのために、常に Windows オペレーティングシステムのローカライズされたバージョンを出荷しています。インターナショナル Windows チームは、英語バージョンのリリース後、予定された期間内に該当するオペレーティングシステムのローカライズされたバージョンをリリースします。この実績と経験により、Windows のユーザーインターフェイスをローカライズするエンジニアリングプロセスは長年にわたり着実に改善されてきました。現在では、Microsoft は Windows XP の 24 のローカライズされたバージョンを出荷しています(全リストについては、付録 A を参照してください)。

Windows 2000 Professional で Microsoft は多言語ユーザーインターフェイステクノロジを導入し、英語版の Windows 2000 Professional を搭載した同じマシンで、複数のローカライズされたユーザーインターフェイスが使えるようにしました。Windows 2000 Professional 用の Multilingual User Interface Pack は、Windows 2000 Professional および Windows 2000 Server と Advanced Server の両方でサポートされ、別のバージョンとしてもリリースされました。インターナショナルな企業カスタマは、Windows 2000 Professional のローカライズされたバージョンと Windows 2000 Multilingual User Interface Version のどちらかを選択することができました。現在、Windows Multilingual User Interface Pack は Windows XP Professional と Windows XP Embedded で利用可能であり、Windows .NET Server ファミリでも利用可能になります。Windows XP Multilingual User Interface Pack は 33 の言語をサポートしており、そのうち 9 言語は新しく加わったものです(詳細なリストについては、付録 B を参照してください)。

Windows XP は多言語ユーザーインターフェイステクノロジを次世代に進化させます。次のバージョンの Windows は、複数の言語スキンをサポートする、言語に依存しない単一のバイナリを使って、このテクノロジをさらに進化させるものと期待されています。

現段階では、多言語ユーザーインターフェイステクノロジはどの程度堅牢なのでしょうか。ローカライゼーションの品質はどれ位良いのでしょうか。ローカライズされたバージョンと比較して、Windows XP Multilingual User Interface Pack はどのような評価なのでしょうか。ローカライズされたバージョンと Multilingual User Interface Pack を備えた英語バージョンでは、アプリケーションの動作が異なるのでしょうか。Multilingual User Interface Pack の配置に関して、どのようなことが懸念されているのでしょうか。

この文書では、Windows XP Professional の多言語データ処理の基本アーキテクチャを調べ、ローカライズされたバージョンのエンジニアリングプロセスと Multilingual User Interface Pack を比較して、これらの疑問に答えます。

多言語データを扱うための Windows のアーキテクチャ

Windows XP Professional 、多言語環境に対応したオペレーティングシステム

Windows は英語を既定のユーザーインターフェイスとして開発されています。最初の設計から、Microsoft Windows NTョ オペレーティングシステムには、Unicode の文字コードシステムによるインターナショナルなサポートが組み込まれました。Unicode は 16 ビットの文字コードで、世界中で一般に使用されているほとんどの言語を表現することができます。Unicode 文字標準は言語ではなく主にスクリプト(書体)をコード化します。つまり、複数の言語が、歴史的に関連して派生した一組の記号を共有する場合、各言語の記号セットの和集合は、1 つのスクリプトとして識別される単一の集合にまとめられます。これらの記号の集合(スクリプト)は記号のインベントリ(目録)として機能し、特定の言語を書くのに利用されます。多くの場合、1 つのスクリプトで複数の言語を書くことができます(たとえば、Latin スクリプト)。他の場合、1 つの言語だけが特定のスクリプトを採用します(たとえば、ハングルは韓国語だけで使用されます)。さらに、言語の表記体系によっては、複数のスクリプトが使用されます。日本語では伝統的に、漢字、ひらがな、カタカナが使用され、さらに現代の日本語では Latinスクリプトまでが混在しています。このエンコードシステムの結果、Windows XP、Windows Embedded、および Windows .NET Server でユーザーは数百の言語で文書の作成、編集、印刷をすることができます。

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1 : 地域と言語のオプション、追加の言語コレクションをインストール

Windows XP では、ほとんどの言語が既定でインストールされています。ユーザーによる直接操作により、または必要なときにアプリケーションにより、コレクションを追加することができます。基本となる言語コレクションは常にインストールされており、東アジアのスクリプトコレクションと複雑なスクリプトコレクションは追加することができます。

Windows XPで使われているファイル名、オブジェクト名、レジストリ内の文字列、その他の内部文字列を含む、基本オペレーティングシステムならびにすべての付属プログラムは Unicode をベースにしているので、言語に依存しないフォーマットを備えています。また、インターナショナルサポートが組み込まれているので、Windows XP は数百の言語に対応した真のグローバルオペレーティングシステムです。Windows XP のどのバージョンも、任意の言語で書かれた Windows アプリケーションをホストすることができます。

Windows では Unicode がサポートされているので、Unicode 互換のソフトウェアを書かない言い訳はまず通用しません。Unicode を使ったコーディングは難しいというのが、よく耳にする誤解です。実際には、Unicode を認識できるコードを書くのは、DBCS を使ったソフトウェアを実装するよりも簡単です。文字列のパラメータを受け取るすべてのシステム関数は、「通常の」 Windows 文字を受け取る形式だけでなく、Unicode 文字で表現された文字列を予想する形式でも使えるように、Win32ョ API は設計されています。Unicode ベースのアプリケーション開発の詳細については、Microsoft Global Software Development Web site (英語) を参照してください。

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2 : 地域と言語のオプション、システムの ANSI コードページを設定

Windows の多言語データの扱い方を理解するには、まず、いくつかの基本概念を定義することが重要です。

ロケールはユーザーの言語とサブ言語に関した一組の選択肢です。言語の一例として「フランス語」をとると、そのサブ言語はカナダ、フランス、ベルギー、スイスなどで話される「フランス語」になるでしょう。ロケール情報には、通貨記号;日付、時間、および数の規範;地域による週や月の表現;国/地域の標準的略記法;および文字のコード化情報が含まれます。

国別の言語サポートには、コアとなるオペレーティングシステムに含まれる IMM/IME、フォント、変換テーブルなどの入力サポートが含まれます。Windows XP には、英語キーボードで打ち込むよりも複雑な入力メカニズムを必要とするユーザーやアプリケーションのための Input Method Manager (IMM) と Input Method Editor (IME) が付属しています。たとえば、アジアの言語の文字入力を必要とするアプリケーションでは IME が使用されます。IMM と IME の機能にアクセスする API は、Windows XP の標準 Win32 API の一部です。Windows XP には、改良された従来からの IME とともに、音声入力や手書き入力などの先端テクノロジをサポートする新しいテキスト入力サービスも用意されています。

キーボードレイアウトはキーコードと文字コードをマッピングします。また、キーボードレイアウトは、言語、キーボードの種類とバージョン、限定機能などを指定します。ユーザーは特定のキーボードレイアウトに切り替えて、物理的に同じキーボードを使って異なった文字コードを発生させることができます。

NLS API は、ロケールに対応したアプリケーションを書くのに役立つ一揃いの API です。プログラマが複数の言語プラットフォームで利用可能なアプリケーションを作成するには、これらの API を使う必要があります。NLS API は、ロケール関連の設定の取得や修正のための機能を提供します。文字列の並べ替え、時間や日付の書式設定、通貨の書式設定、カレンダーの書式設定などのロケールに依存した操作を支援します。さらに、ANSI や DBCS の文字列を使用したアプリケーションのために、コードページ API や文字列変換を提供します。

Windows XP は、Windows 9X や Windows MEのために書かれたアプリケーションとの後方互換性を保つために、非 Unicode 文字 (ANSI や DBCS) をパラメータとしている API を備えています。対応する API は Unicode 文字コードをパラメータとしてとります。基本的には、非 Unicode API は、対応する Unicode API を呼び出す前に、パラメータ内の文字コードを Unicode に変換します。この変換でオペレーティングシステムは、ユーザーまたは管理者によって設定された既定のコードページを使用します。一度に設定可能なのは 1 つのシステム既定コードのみです。

英語版またはローカライズされた Win32 アプリケーションが Windows XP とどのように作用するかを図 3 に示します。

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3 : Win32 Windows XP の相互作用

ロケールを認識しないアプリケーションは、内部で Unicode または ANSI1 文字コードのどちらかを使用します。これらのアプリケーションは、Win32 API の Unicode バージョンまたは ANSI バージョンを呼び出し、オペレーティングシステムのサービスにアクセスします。ただし、Win32 サブシステム自体は Unicode をベースにしており、ANSI API 層は、同じ API の Unicode バージョンを呼び出す前に、単に ANSI 文字を Unicode 文字に変換します。

ANSI Win32 API では、文字を ANSI から Unicode に変換するのに、システム既定コードページが使われます。したがって、ANSI でローカライズされたアプリケーションを Windows XP で実行する場合、システム既定コードページを設定して、コード化のスキームをそのアプリケーションに合致させる必要があります。合致していない場合、ANSI から Unicode への変換エラーにより、アプリケーションは文字化けします。ロケールを認識するアプリケーションが NLS API を使用することもこの図には示されています。

Windows XP 多言語ユーザーインターフェイ

Multilingual User Interface Pack は Windows XP の英語バージョンにインストールされます。英語バージョンと、Multilingual User Interface Pack 付き英語バージョンのあいだにバイナリの違いはありません。英語版 Windows XP は、多言語ユーザーインターフェイスのメカニズムのサポートを備えた形で最終的に構築されています。

多言語ユーザーインターフェイスは、リソースのロード呼び出しを代替パスに切り替えることによって実装されています。Windows XP Multilingual User Interface Pack を使うと、オペレーティングシステムは、実行コードでの英語部分のリソースの代りに、現在の言語設定に固有のローカライズされたリソースをロードします。

英語版 Windows XP におけるリソースのロードを図 4 に示します。

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4 : 英語版またはローカライズされた Windows XP におけるリソースのロード

Windows XP Multilingual User Interface Pack におけるリソースのロードを図 5 に示します。

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5 : Windows XP Multilingual User Interface Pack におけるリソースのロード

このアーキテクチャから、英語版 Windows XP で動作するアプリケーションが Windows XP Multilingual User Interface Pack では動作しないと予想する根拠がないことがわかります。

Microsoft は Windows XP の互換性を高めるために大きな努力をしました。アプリケーションの互換性テクノロジは 2 つのグループに分けられます。

  • Windows の以前のバージョンからアップグレードするときの、移行アプリケーションに対する支援。

  • Windows XP 上でアプリケーションのインストールとオペレーションをサポートする、互換モードとアプリケーションヘルプを含む解決法。

技術資料 「アプリケーション互換性技術」 に詳しく述べられているこれらのテクノロジにより、Windows の以前のどのバージョンに比べても、Windows XP の互換性の評価点ははるかに高くなっています。

ただし、海外市場では、多くのカスタマが Windows NT や Windows 2000 のローカライズされたバージョンでアプリケーションを実行しています。これらのカスタマは、ローカライズされたアプリケーションを Windows XP Multilingual User Interface Pack 上で実行する場合の互換性について懸念を表明しています。この文書は、これらの懸念を緩和し、誤解を解消することを目的にしています。

非 Unicode のアプリケーションは、Windows XP Multilingual User Interface Pack 上でコードページが正しく設定されていないと破綻します。これは、正しい既定システムコードページを設定することにより防ぐことができます。

Windows XP のローカライズ されたバージョン

Windows XP のローカライズされたバージョンは、英語バージョンと全く同じ一揃いのインターナショナル機能および図 1 に示されているのと同じアーキテクチャを備えています。Windows XP のローカライズされたバージョンは、IME、NLS、および Complex Script API にバイナリ互換性のある API を提供しています。機能とアーキテクチャの観点から、Windows XP のローカライズされたバージョンは英語版 Windows XP と同じです。では、両者のあいだの相違点は何でしょうか。

Windows XP のローカライズされたバージョンでは、

  • ユーザーインターフェイスのリソースは完全にローカライズされています。

  • システムのロケール、ユーザーのロケール、キーボードのレイアウトなど、Windows のセットアップ情報が特定の言語/国向けにカスタマイズされています。これは Multilingual User Interface Pack ではポリシー設定になっています。

  • Windows 9.X や Windows 2000 のローカライズされたバージョンからのアップグレードのサポートが用意されています。Multilingual User Interface Pack では英語バージョンからのアップグレードだけをサポートしています。

  • 東アジアバージョンには、追加の各国固有のデバイスドライバが組み込まれています。

Windows のローカライズされたバージョンのエンジニアリングプロセスを見ながら、これらの相違点を調べてみましょう。

ローカライゼーションのエンジニアリング プロセス

Windows XP の英語バージョンとローカライズされたバージョンは同じソースコードから生成されます。これには、いくつかのオペレーティングシステムローダとセットアップ用バイナリ2 を除く、ヘッダーとmake-files が含まれます。ローカライズされたバージョンは、英語バージョンのリリースビルドに適用されるプロセスの中で異なったものになります。

このプロセスはここでは簡略化されており、品質チェックとテストサイクルは含まれていません。

ビルドラボでは英語リソースを使ってソースコードをコンパイルし、English Windows Build を作成します。検証後、このビルドは製造部門とローカライズチームにリリースされます。ローカライズチームはリソース部分をバイナリから抽出し、トークンを変換し、それらをテストしてからビルドラボに戻します。そこで、英語リソースファイルと置き換えられます。ビルドラボはローカライズされた INF ファイルを作成し、ローカライズされたバージョン用の特定のバイナリをコンパイルして、ローカライズされたバージョンを作成します。

ローカライズされた INF ファイルの作成プロセスは非常に簡単です。INF ファイルにはインストールセクションと文字列セクションが含まれています。インストールセクションにはソフトウェアのインストールのためのロジックが含まれており、文字列セクションで定義されている文字列が使用されます。文字列セクションには、セットアップ時にユーザーに対して表示される可能性のあるローカライズ可能な文字列が含まれています。いくつかのセットアップ INF ファイルを除くと、ビルドラボは、インストールセクションだけを含むテンプレート INF ファイルにローカライズされた文字列セクションを付加するだけです。

ここに述べたプロセスは、多くのコアバイナリを再コンパイルしてローカライズバージョンを生成する必要があった初期の Windows の時代からの大きな進歩を表しています。つまり、リソースセクションと INF ファイルだけが変更されるという事実は、Windows XP の実行可能部分は真に世界共通であることを意味します。

Windows XP Multilingual User Interface Pack には 6 枚の CD が含まれています。1 枚の CD には Windows XP の英語バージョンが含まれており、残りの 5 枚には Windows XP Multilingual User Interface Pack のローカライズされたリソースと muisetup プログラムが含まれています。ユーザーは最初に英語バージョンをインストールしてから、その上に Windows XP Multilingual User Interface Pack のリソースをインストールします。

Windows XP Multilingual User Interface Pack を作成するための大部分自動化されたプロセスは、Windows XP のローカライズされたバージョンを作成するのに使われるプロセスに非常によく似ています。ローカライズされたバージョンが一度構築されると、自動化されたプロセスを実行して、ローカライズされたリソースをバイナリから抽出し、それらを Multilingual User Interface Pack リソース DLL としてパッケージしなおします。これらは、カスタマや OEM に出荷される(muisetup を含む)メディアパッケージの一部です。これらのリソースの内容に対しては、ローカライズされたバージョンに対して行われるのと同じテストが行われます。

プロセスの合理化により、Microsoft のインターナショナルチームは、特定の言語用の Multilingual User Interface Pack リソースのビルドを、ローカライズされたバージョン(そこからリソース DLL が作成されます)のリリースからわずか 3 日以内にリリースすることができます。

Windows XP Multilingual User Interface Pack には 33 言語のリソースが含まれています。muisetup.exe も含まれているので、ユーザーまたは管理者はインストールしたい言語を選択して、適切な言語リソースファイルを実行中の Windows XP システムにインストールすることができます。

Windows XP Multilingual User Interface Pack を評価中のカスタマは、通常、ローカライズの程度について懸念を示します。

ローカライズされたバージョンのリソースが Multilingual User Interface Pack の作成に使用されているので、実際の変換には差がありません。ローカライズされたビルド内のすべてのリソースが抽出され、使用されて、Multilingual User Interface Pack のリソースファイルが作成されます。このため、以下の事項に依存する少数の要素を除けは、ほぼ完全なローカライゼーションが達成されます。

  • INF ファイル

  • レジストリに保存される UI 文字列

  • ハイパーターミナルのような ANSI コンポーネント

  • ANSI フォーマットの 16 ビットアプリケーション

Windows 2000 Multilingual User Interface Pack のローカライゼーションの範囲は約 90 パーセントでした。Windows 2000 Multilingual User Interface Pack には英語表示される多くの文字列がありました。最も目につく分野の 1 つは [スタート] メニューでした。そこにはセットアップ時に作成されたファイル名やフォルダ名が直接配置されていました。英語が最初のインストール用言語でしたから、日本のユーザー用インターフェイスを使って Multilingual User Interface Pack を実行していても、これらのファイル名やフォルダ名は英語で表示されました。この不一致は Windows XP で訂正されたため、システムユーザーにとってはるかに優れたローカライゼーションになりました。

Windows XP で追加されたローカライズのほとんどの分野は、Windows XP システムモジュールやアプリケーションを有効にする多言語ユーザーインターフェイスを通して実現されています。具体的には、以下の作業により行われます。

  • ユーザーインターフェイス文字列をレジストリから Windows リソースファイルに移動。

  • ユーザーインターフェイス文字列をカーネルから除去。

  • 多言語ユーザーインターフェイスを使えるシェルを使用して、[スタート] メニューアイテム、デスクトップショートカット、シェルメニューアイテム、ファイルのタイプ名、およびシェルのコマンド(右クリックによるメニューアイテム)をローカライズされた文字列で表示。

  • ユーザーインターフェイスエレメントを表示するとき、システムの既定値の代りに現在やり取りしているユーザーを、 Windows サービスに装わせる。

  • リソースファイルのロード時に(ヘルプを含む)予めコーディングされたファイルパスの使用を禁止し、代わりのリソースパスを使ってリソースファイルをロードできるようにする。

  • (XML や HTML をベースにしたリソースなど)従来とは異なる Win-32 リソースが使用される場合、ユーザーインターフェイスリソースをインストール、ロードするために、各コンポーネント内に特殊なコードを装備。

Windows XP Multilingual User Interface Packでこれらの変更点が実装されたことにより、ローカライゼーションの質がはるかに向上し、ユーザーのエクスペリエンスが大きく改善されました。

ローカライズされたバージョンの機能セットと Windows XP Multilingual User Interface Pack の最大の相違は、特定のローカライズされたバージョンに付属して出荷される各国固有のデバイスドライバです。これらの各国固有のバイナリモジュールの他は、オペレーティングシステムの機能の点で、Windows XP Multilingual User Interface Pack とローカライズされたバージョンは、使用する上で事実上違いはありません。

Windows XP Multilingual User Interface Pack の他の利点

高品質のローカライゼーションに加えて、Windows XP Multilingual User Interface Pack は、以下のことにより、多言語コンピューティング環境の配置と保守をさらに簡素化します。

  • 管理者が世界規模でデスクトップの単一の企業標準を定義するのを支援します。Windows XP Multilingual User Interface Pack は、中央から、(デスクトップの生産性向上ツールや業務アプリケーションを含む)デスクトップ構成の定義、作成、および管理をおこない、適切な言語インターフェイスを使ってそれらを配置する作業をさらに簡素化、効率化し、ユーザーに優れたローカライズエクスペリエンスを提供します。たとえば、東京、アテネ、およびローマに関連オフィスをもつ米国企業は、東京には Windows XP の日本語バージョン、アテネには Windows XP のギリシャ語バージョン、さらにローマには Windows XP のイタリア語バージョンを配置する代りに、各オフィスに Multilingual User Interface Pack 付きの英語版 Windows XP を配置することができます。

  • 管理者がすべてのサポートされている言語環境のサービスパックまたは更新を適用できるようにします。Multilingual User Interface Pack は Windows XP の英語バージョンにインストールされるので、グローバルな組織では、サービスパックや更新の適用は大幅に簡素化されます。各ローカライズされたバージョン用の異なったサービスパック、ツール、およびアプリケーションセットの完成を待ってから、その適用、トラッキング、および保守を行うのではなく、管理者は同じソフトウェアを企業内のすべてのマシンに、場所に関係なく適用することができます。その結果、グローバルなコンピューティング環境の保守に要するコストは大幅に低下します。

  • 異なった言語を話すユーザー間でワークステーションを共有することができます。これにより、言語ごとにデュアルブート構成や専用マシンを用意する必要がなくなり、コストが低下します。さらに、母国語によるシステム環境を従業員に与えることにより、従業員の生産性を高めます。

  • ユーザーはどこにログオンしても母国語のユーザーインターフェイスを利用することができます。Windows XP では、ユーザーの言語設定はユーザープロファイルに保存されます。これにより、ユーザーは、ネットワーク内で、ある Windows XP ベースのマシンから別のマシンに移動しても、一貫した UI 言語とともに、個人の多言語設定およびインターナショナル設定を保持することができます。たとえば、スイスのチューリッヒをベースにしているセールス担当者は、ジュネーブのオフィスでもフランス語の UI を使う必要はなく、ジュネーブとチューリッヒの両方のオフィスマシンでドイツ語の UI のまま仕事をすることができます。

Windows XP Embedded に対する特別の考慮点

Windows XP Embedded は、Windows XP のリリースされた無修正のバイナリをベースにしています。この文書のアーキテクチャに関する前の説明は、Windows XP Embedded にも関係しています。Windows XP Embedded 製品はコンポーネントデータベースとオーサリングツールを用意しており、OEMは専用の高度にカスタマイズされた Windows XP の実行イメージを作成することができます。

Windows XP Embedded システムの詳細説明については、Windows XP Embedded Web site を参照してください。

さらに、Windows XP Multilingual User Interface Pack でサポートされている各言語のリソースファイルは個別の言語コンポーネントにパッケージし直されているので、OEM はこれらの言語コンポーネントをカスタマイズされた構成設定に単に追加することにより、組込み機器のユーザーインターフェイスの言語を変更することができます。

懸念される点

デスクトップ PC 市場やサーバー PC 市場のカスタマが Multilingual User Interface Pack を使った変換の品質について懸念を表明したのと同様、Windows XP Embedded に関心のある産業界のカスタマも疑念を抱きました。

組込み機器業界特有の懸念として、ディスク使用面積が増加する可能性がありました。英語だけの構成を多言語ユーザーインターフェイスを使えるようにした構成と比較すると、追加の言語コンポーネントにより、ディスクの使用面積は確かに増加するでしょう。

もっと公正な比較をするには、多言語ユーザーインターフェイスを使えるようにしたイメージを、組込みオペレーティングシステムのローカライズされたイメージと比較して評価する必要があります。一般に、ローカライズされたイメージ(特に東アジアの言語の場合)は、Multilingual User Interface Pack モジュールを使用していなくてもサイズが大幅に増加します。この増加は大きな構成の場合よりも、最小限構成ではるかに重大になります。ローカライズされたイメージが必要とする最小言語モジュールは一般に残りのコアオペレーティングシステムのイメージ自体よりも大きいからです。たとえば、日本語システムで必要なフォントはサイズが 8 MB になる可能性があります。IME と辞書ファイルを追加すると、ローカライズされたイメージのサイズは対応する英語だけのイメージの 3 倍になります。

このため、多言語ユーザーインターフェイスを使えるようにしたイメージに含まれる追加の英語リソースのサイズは、ローカライズされたイメージのために必要な追加言語モジュールのサイズに比べると、相対的に重要ではありません。このことは、多言語ユーザーインターフェイスモジュールを使っているか否かに関係なく、当てはまります。

また、コアオペレーティングシステムコンポーネントだけを含む小さな構成では、サイズの差はさらに小さくなります。これらのコアコンポーネントではローカライズする必要のある言語リソースは少なく、Multilingual User Interface Pack の少数のコンポーネントだけが必要です。

他の利点

当初の懸念が緩和されると、多言語ユーザーインターフェイステクノロジの利点は、組込み業界においてさらに大きくなります。

Windows XP Embedded の言語コンポーネントは、組込みアプリケーションの実行イメージのローカライズに関するエンジニアリング作業を大幅に減らします。たとえば、ある多国籍 OEM が、ある装置を 5 か国語で出荷したいとします。オペレーティングシステムの 5 つのローカライズされたバージョンをベースにして 5 つの構成を作成した場合、統合化、テスト、パッケージング、およびリリース管理のためのエンジニアリング作業を 5 倍に増加させる必要があるでしょう。他方、言語コンポーネント付きの Windows の単一バージョンを使う場合は、製品の UI をローカライズするために、単に言語コンポーネントを追加するだけで、単一の構成を作成し、妥当性を確認することができます。さらに良いことには、5 つの言語をすべて備えた装置の単一のバージョンをリリースすると、世界中の各地域の配送サイトでスイッチを切り替えるだけで構成を設定することさえ可能になります。

単一の構成の組込み装置を世界中でリリースするということは、世界中の製品サポートのために 1 つのサポート組織を中央に置くだけですむことを意味します。その結果、サポートのエンジニアリングコストが減少するだけでなく、管理コストも減少します。1 つの国における対策が、他のすべての国にも適用できます。

多言語ユーザーインターフェイステクノロジを使うと、同一システムでの言語切り替えが可能になります。OEM はこの機能を利用して、多言語デバイスを制作することができます。この機能は、空港ターミナルなど、個々のユーザーが異なった言語を話す場所に置かれる組込み機器には最適です。

まとめ

Windows XP Multilingual User Interface Pack は、Windows XP の言語固有のローカライズされたバージョンに比べて、いくつかの重要な利点を備えていますが、カスタマはローカライゼーションの質が劣るのではないかと懸念を表明しています。

しかし、Windows XP は世界中共通して使えるオペレーティングシステムで、どの言語のアプリケーションでも実行することができます。さらに、Windows XP にはグローバライゼーション機能が備わっており、ローカライズされたアプリケーションを正しく実行することができます。

Windows XP のローカライズされたバージョンには、Windows XP の英語バージョンと同じ一揃いのインターナショナル機能が備わっています。これらの機能に加えて、ローカライズされたバージョンには特定の言語に適したユーザーインターフェイスが用意されています。それに対して、Windows XP Multilingual User Interface Pack は、同じインストール上で複数の言語のユーザーインターフェイスをサポートします。これは、Windows XP オペレーティングシステムの背後にあるアーキテクチャ、Windows のローカライズされたバージョンを作成するエンジニアリングプロセス、およびWindows のローカライズされたバージョンが提供する高レベルのローカライゼーションの範囲を前提にして、Windows のローカライズされたバージョンが自然に進化したものです。

Windows XP Embedded は、多言語ユーザーインターフェイステクノロジを利用して、組込み実行イメージをローカライズします。多言語ユーザーインターフェイステクノロジは、組込み環境のコンテキストで、特別の価値をもち、さらにデスクトップ/サーバー用 PC 市場における多言語ユーザーインターフェイステクノロジに対する当初の懸念は、組込み環境ではさらに問題ではなくなっています。

付録 A: Windows XP Professional のローカライズされたバージョン

Windows XP Professional の完全にローカライズされたバージョンは 24 あります。

  • Arabic

  • Hebrew

  • Portuguese (Brazil)

  • Hungarian

  • Chinese Hong Kong

  • Italian

  • Chinese Simplified

  • Japanese

  • Chinese Traditional

  • Korean

  • Czech

  • Norwegian

  • Danish

  • Polish

  • Dutch

  • Portuguese (Portugal)

  • Finnish

  • Russian

  • French

  • Spanish

  • German

  • Swedish

  • Greek

  • Turkish

付録 B: Windows XP Multilingual User Interface Pack の言語

Windows XP Multilingual User Interface Pack には 33 の言語が用意されており、このパックは Windows XP Professional の英語バージョンへのアドオンです。

  • Arabic

  • Hebrew

  • Portuguese (Brazil)

  • Hungarian

  • Chinese Simplified

  • Italian

  • Chinese Traditional

  • Japanese

  • Czech

  • Korean

  • Danish

  • Norwegian

  • Dutch

  • Polish

  • English

  • Portuguese (Portugal)

  • Finnish

  • Russian

  • French

  • Spanish

  • German

  • Swedish

  • Greek

  • Turkish

  • 注記 : 以下の言語には付録 A に記載されている正式のローカライズされたバージョンが存在しませんが、対応する地理的領域では唯一のローカライズされたバージョンとして認定され、サポートされています。

  • Bulgarian

  • Romanian

  • Croatian

  • Slovak

  • Estonian

  • Slovenian

  • Latvian

  • Thai

  • Lithuanian

 

関連リンク集

詳細については以下の資料を参照してください。

Windows XP に関する最新情報については、Windows XP Web site を参照してください。

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