Import-Mailbox

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2011-06-21

Import-Mailbox コマンドレットを使用して .pst ファイルからメールボックスにメールボックス データをインポートします。

構文

import-Mailbox [-Identity <MailboxIdParameter>] -PSTFolderPath <LongPath> [-AllContentKeywords <String[]>] [-AllowDuplicates <SwitchParameter>] [-AttachmentFilenames <String[]>] [-BadItemLimit <Int32>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-ContentKeywords <String[]>] [-EndDate <DateTime>] [-ExcludeFolders <MapiFolderPath[]>] [-GlobalCatalog <Fqdn>] [-IncludeFolders <MapiFolderPath[]>] [-Locale <CultureInfo>] [-MaxThreads <Int32>] [-RecipientKeywords <String[]>] [-ReportFile <LocalLongFullPath>] [-SenderKeywords <String[]>] [-StartDate <DateTime>] [-SubjectKeywords <String[]>] [-ValidateOnly <SwitchParameter>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

解説

Import-Mailbox コマンドレットを実行するには、使用するアカウントに次の権限が委任されている必要があります。

  • Exchange サーバー管理者の役割および対象サーバーのローカル Administrators グループ
  • 対象のメールボックスへのフル アクセス

Microsoft Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

メールボックスへのフル アクセスを許可するには、Add-MailboxPermission コマンドレットを使用して、AccessRights パラメータに FullAccess を指定します。

.pst ファイルからデータをインポートするには、次のコンポーネントがインストールされている 32 ビットのコンピュータから Import-Mailbox コマンドレットを実行する必要があります。

  • 32 ビット版の Exchange 管理ツール
  • Microsoft Office Outlook 2003 Service Pack 2 (SP2) 以降

32 ビット版の Exchange 2007 管理ツールのダウンロードの詳細については、Microsoft Exchange Server 2007 管理ツール (32 ビット版) についてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

Import-Mailbox コマンドレットを使用して、フォルダまたは .pst ファイルにデータをインポートできます。インポート元およびインポート先のメールボックスには、以下のバージョンの Exchange を実行しているコンピュータが存在する必要があります。

  • Exchange Server 2007
  • Exchange Server 2003 Service Pack 2 (SP2) 以降のバージョン
  • Exchange 2000 Server Service Pack 3 (SP3) 以降のバージョン

.pst ファイルから他のバージョンの Exchange のメールボックスにデータをインポートするには、Microsoft Exchange Server Mailbox Merge Wizard (ExMerge.exe) を使用する必要があります。

Import-Mailbox コマンドレットを使用して, .pst ファイルから回復用ストレージ グループ (RSG) 内のメールボックスにデータをインポートすることはできません。

また、Import-Mailbox コマンドレットを使用してパブリック フォルダ データベースにデータをインポートすることもできません。

note注 :
Import-Mailbox コマンドレットを使用する場合、MAPI プロファイルを構成する必要はありません。

パラメータ

パラメータ 必須かどうか 種類 説明

PSTFolderPath

必須

Microsoft.Exchange.Data.LongPath

PSTFolderPath パラメータには、データのインポート元の .pst ファイルのパスを指定します。

AllContentKeywords

省略可能

System.String[]

AllContentKeywords パラメータには、インポート処理に含める内容のキーワードを指定します。指定したキーワードがメッセージ本文、添付ファイルのコンテンツ、または件名の中に見つかった場合、そのメッセージがインポートされます。

note注 :
これは、ContentKeywords パラメータと SubjectKeywords パラメータの両方を使用した場合とは異なります。ContentKeywords パラメータと SubjectKeywords パラメータの両方を使用した場合、ContentKeywords パラメータで指定したキーワードがメッセージ本文または添付ファイルのコンテンツの中にあり、さらに SubjectKeywords パラメータで指定したキーワードが件名の中にあるメッセージのみがインポートされます。

AllowDuplicates

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

AllowDuplicates パラメータは、メール アイテムが既存の項目と重複していないかどうかを確認したり、重複アイテムを削除したりすることなく、重複アイテムをコピーするために使用します。AllowDuplicates パラメータは IncludeFolders パラメータと併用することをお勧めします。

AttachmentFilenames

省略可能

System.String[]

AttachmentFilenames パラメータには、添付ファイル用のフィルタを指定します。この文字列にはワイルドカード文字を使用できます。たとえば、"*.txt" と指定すると, .txt という拡張子が付いているアイテムをインポートできます。

BadItemLimit

省略可能

System.Int32

BadItemLimit パラメータには、インポート操作が失敗するまでにスキップする, .pst ファイル内の破損アイテム数を指定します。

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するには、コマンドの処理内容を確認する必要があります。Confirm パラメータに値を指定する必要はありません。

ContentKeywords

省略可能

System.String[]

ContentKeywords パラメータには、インポート処理に含める内容のキーワードを指定します。指定したキーワードがメッセージ本文または添付ファイルのコンテンツの中に見つかった場合、そのメッセージがインポートされます。

EndDate

省略可能

System.DateTime

EndDate パラメータには、対象のメールボックスにインポートする内容をフィルタリングするための終了日を指定します。.pst ファイルのアイテムのうち、日付がこの終了日までのアイテムのみがインポートされます (この日付のアイテムも含まれます)。特定の日付を入力する場合は、ローカル コンピュータで構成されている [地域のオプション] の設定で定義されている短い形式を使用します。たとえば、コンピュータで短い日付形式の mm/dd/yyyy を使用するように構成されている場合、2006 年 3 月 1 日を指定するには「03/01/2006」と入力します。

ExcludeFolders

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Mapi.MapiFolderPath[]

ExcludeFolders パラメータには、インポート処理中に除外するフォルダの一覧を指定します。

GlobalCatalog

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Fqdn

GlobalCatalog パラメータには、対象のメールボックスの検索に使用するグローバル カタログを指定します。

Identity

省略可能

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.MailboxIdParameter

Identity パラメータには、データのインポート先のメールボックス オブジェクトを指定します。次のいずれかの値を使用できます。

  • ADObjectID
  • 識別名 (DN)
  • 従来の Exchange DN
  • GUID
  • ドメイン\アカウント名
  • ユーザー プリンシパル名 (UPN)
  • 電子メール アドレス
  • Alias

Get-Mailbox コマンド オブジェクトがパイプ処理される場合、このパラメータは不要です。

IncludeFolders

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Mapi.MapiFolderPath[]

IncludeFolders パラメータには、インポート処理中に含めるフォルダの一覧を指定します。

Locale

省略可能

System.Globalization.CultureInfo

Locale パラメータには、インポートするメッセージのロケールを指定します。指定したロケールのメッセージだけがインポートされます。

MaxThreads

省略可能

System.Int32

MaxThreads パラメータには、使用するスレッドの最大数を指定します。既定値は 4 です。

RecipientKeywords

省略可能

System.String[]

RecipientKeywords パラメータには、インポート処理に含める内容のキーワードを指定します。指定したキーワードが受信者一覧の中に見つかった場合、そのメッセージがインポートされます。

ReportFile

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.LocalLongFullPath

ReportFile パラメータには、XML レポート ログのパスとファイル名を指定します。

SenderKeywords

省略可能

System.String[]

The SenderKeywords パラメータには、インポート処理に含める内容のキーワードを指定します。指定したキーワードが送信者の中に見つかった場合、そのメッセージがインポートされます。

StartDate

省略可能

System.DateTime

StartDate パラメータには、対象のメールボックスにインポートする内容をフィルタリングするための開始日を指定します。.pst ファイルのアイテムのうち、日付がこの開始日より後のアイテムのみがインポートされます。特定の日付を入力する場合は、ローカル コンピュータで構成されている [地域のオプション] の設定で定義されている短い形式を使用します。たとえば、コンピュータで短い日付形式の mm/dd/yyyy を使用するように構成されている場合、2006 年 3 月 1 日を指定するには「03/01/2006」と入力します。

SubjectKeywords

省略可能

System.String[]

SubjectKeywords パラメータには, .pst ファイル内のアイテムの件名をフィルタリングするためのキーワードを指定します。

ValidateOnly

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

ValidateOnly パラメータは、データをインポートせずにインポート処理を検証するオプションを提供します。ValidateOnly パラメータは、コマンドの前提条件を満たしていることを検証します。

note注 :
このパラメータを指定して Import-Mailbox コマンドを実行した場合、メッセージにフィルタは適用されません。エクスポート元およびエクスポート先のメールボックスが存在するかどうかをチェックするだけです。

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。WhatIf パラメータに値を指定する必要はありません。

入力の種類

戻り値の種類

エラー

エラー 説明

 

最初の例は、C:\PSTFiles\john.pst ファイルから、既存の接続された john@contoso.com のメールボックスにデータをインポートする方法を示しています。

2 番目の例は、C:\PSTFiles にあるすべての .pst ファイルから既存のメールボックスにデータをインポートする方法を示しています。.pst ファイルは <alias>.pst という名前にする必要があります。ここで、alias は、データのインポート先メールボックスのエイリアスです。各 .pst ファイルの 2007 年 1 月 1 日以降に受信されたメッセージのみがメールボックスにインポートされます。

3 番目の例は, .pst ファイルから、Marketing という組織単位に属するユーザーのメールボックスにデータをインポートする方法を示しています。.pst ファイルは <alias>.pst という名前にする必要があります。ここで、alias は、データのインポート先メールボックスのエイリアスです。エイリアスが Marketing という組織単位に属するユーザーに対応する .pst ファイルのみがインポートされます。C:\PSTFiles 内に、Marketing という組織単位に属するユーザーの .pst ファイルがない場合は、エラーになります。

Import-Mailbox -Identity john@contoso.com -PSTFolderPath C:\PSTFiles\john.pst
Dir C:\PSTFiles | Import-Mailbox -StartDate 01/01/2007
Get-Mailbox -OrganizationalUnit Marketing | Import-Mailbox -PSTFolderPath C:\PSTFiles

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。