CCR 環境内のクラスタ化メールボックス サーバーを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードする方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2011-11-17

ここでは、Setup.com を使用して、クラスタ連続レプリケーション (CCR) 環境内のクラスタ化メールボックス サーバーを、Microsoft Exchange Server 2007 RTM (Release To Manufacturing) 版から Microsoft Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) または Exchange 2007 Service Pack 2 (SP2) にアップグレードする方法について説明します。クラスタ化メールボックス サーバーのアップグレードには、コマンド ライン バージョンのセットアップのみが使用できます。グラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) バージョンのセットアップ (Exchange Server 2007 セットアップ ウィザードまたは Setup.exe) を使用して、クラスタ化メールボックス サーバーをアップグレードすることはできません。

以下の手順は、CCR 環境内のクラスタ化メールボックス サーバーをアップグレードする場合にのみ使用します。シングル コピー クラスタ (SCC) 内のクラスタ化メールボックス サーバーをアップグレードする方法の詳細については、「シングル コピー クラスタを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードする方法」を参照してください。

開始する前に

Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードする前、および Exchange 2007 SP1 または SP2 へのアップグレードが正常に完了した後に再度、クラスタ化メールボックス サーバーの完全バックアップを作成することをお勧めします。

この手順を実行するには、使用するアカウントに Exchange サーバー管理者の役割のメンバシップが委任されている必要があります。Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

note注 :
この手順を実行すると、アップグレードの処理中に短時間の停止が発生します。Exchange の Setup /m:upgrade は、クラスタ内のパッシブ ノードのみで実行します。アクティブ ノードでは Setup /UpgradeCms を実行する必要があります。Exchange 2007 SP1 または SP2 をサポートするには、両方のノードを更新する必要がありますが、ノードは一度に 1 つずつアップグレードする必要があります。すべてのノードをアップグレードすることによって、クラスタ化メールボックス サーバーがアップグレードされ、オンラインになります。

以下の手順では、アクティブ ノードとパッシブ ノードの指定が変更されます。そのため、次の手順で参照しやすくするため、元のアクティブ ノードを NodeA、元のパッシブ ノードを NodeB とします。

手順

Setup.com を使用して CCR 環境内のクラスタ化メールボックス サーバーを Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードするには、次の操作を行います。

  1. すべてのクラスタ リソース グループを NodeA に移動することにより、NodeB のアップグレードを準備します。この手順の最初の段階では、クラスタ化メールボックス サーバーはオンライン (実行中) 状態のままで問題ありませんが、この手順の間にオフラインになり、クラスタ内のノード間を移動します。NodeB で、手順 2. ~ 11. を実行します。

  2. パフォーマンス カウンタに対して開いているハンドルを持つすべてのサービスを停止します。停止する必要がある既知のサービスには、パフォーマンス ログと警告、および Microsoft Operations Manager のすべてのエージェントが含まれます。

  3. リモート レジストリ サービスを停止して再起動します。

  4. コマンド プロンプト ウィンドウを開き、Exchange 2007 SP1 または SP2 のインストール ファイルの場所まで移動します。

  5. 次のコマンドを実行します。

    Setup /m:upgrade
    

    セットアップは Exchange 2007 SP1 または SP2 へのアップグレードの前提条件の確認を実行し、これらが完了した後、セットアップは NodeB を Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードします。

  6. セットアップが Exchange 2007 SP1 または SP2 へのアップグレードを完了した後、NodeB を再起動します。

  7. 再起動処理が完了したら、NodeB にログオンして Exchange 管理シェルを開きます。

  8. Stop-ClusteredMailboxServer コマンドレットを使用して、クラスタ化メールボックス サーバーを停止します。たとえば、次のコマンドを使用して、EXCLUS1 という名前のクラスタ化メールボックス サーバーを停止できます。

    Stop-ClusteredMailboxServer EXCLUS1 -StopReason "Upgrade to SP2"
    
  9. Move-ClusteredMailboxServer コマンドレットを使用して、クラスタ化メールボックス サーバーを NodeA から NodeB に移動します。このコマンドレットは、NodeB から実行する必要があります。たとえば、次のコマンドを使用して、EXCLUS1 という名前のクラスタ化メールボックス サーバーを NodeB に移動できます。

    Move-ClusteredMailboxServer EXCLUS1 -TargetMachine NODEB -MoveComment "Upgrade to SP2"
    
  10. コマンド プロンプト ウィンドウで、Exchange 2007 SP1 または SP2 のインストール ファイルの場所まで移動します。

  11. 次のコマンドを実行して、現在 NodeB が所有しているクラスタ化メールボックス サーバーをアップグレードします。

    Setup /upgradecms
    

    セットアップ プログラムによってクラスタ化メールボックス サーバーの前提条件が確認され、これが完了すると、クラスタ化メールボックス サーバーがアップグレードされてオンラインになります。

  12. NodeA で、パフォーマンス カウンタに対して開いているハンドルを持つすべてのサービスを停止します。停止する必要がある既知のサービスには、パフォーマンス ログと警告、および Microsoft Operations Manager のすべてのエージェントが含まれます。

  13. リモート レジストリ サービスを停止して再起動します。

  14. コマンド プロンプト ウィンドウを開き、Exchange 2007 SP1 または SP2 のインストール ファイルの場所まで移動します。NodeA で次のコマンドを実行して、NodeA を Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードします。

    Setup /m:upgrade
    

    セットアップは Exchange 2007 SP1 または SP2 へのアップグレードの前提条件の確認を実行し、これらが完了した後、セットアップは NodeA を Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードします。

  15. セットアップが Exchange 2007 SP1 または SP2 へのアップグレードを完了した後、NodeA を再起動します。

    これでクラスタ化メールボックス サーバーは Exchange 2007 SP1 または SP2 にアップグレードされました。

このアップグレードの手順中に、クラスタ化メールボックス サーバーを所有するノードが変更されます。必要に応じて、クラスタ化メールボックス サーバーを元のノードに移動することができます。Move-ClusteredMailboxServer コマンドレットを使用することで、移動操作を実行することができます。また、Exchange 2007 SP1 または SP2 の機能である、Exchange 管理コンソールの新しいクラスタ化メールボックス サーバーの管理ウィザードを使用して、移動操作を実行することもできます。

詳細情報

Exchange 管理シェルまたは Exchange 管理コンソールを使用して CCR 環境のクラスタ化メールボックス サーバーを移動する方法の詳細については、「CCR 環境のクラスタ化メールボックス サーバーを移動する方法」を参照してください。

Move-ClusteredMailboxServer コマンドレットの詳細については、「Move-ClusteredMailboxServer」を参照してください。Stop-ClusteredMailboxServer コマンドレットの詳細については、「Stop-ClusteredMailboxServer」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。