データ コレクションの用語

データ コレクターを構成、使用、または拡張する前に、この機能に関する用語を理解しておく必要があります。

用語

  • 対象
    データ コレクションをサポートする SQL Server のエディションにおけるデータベース エンジンのインスタンス。サポートされるエディションの詳細については、「SQL Server 2008 の各エディションがサポートする機能」の「管理の容易性」を参照してください。

    対象ルートでは、対象となる階層内のサブツリーを定義します。対象セットは、対象ルートで定義されたサブツリーにフィルターを適用した結果の対象のグループです。対象ルートはデータベース (SQL Server のインスタンス) またはコンピューター インスタンスです。

  • 対象になる種類
    一定の特性と動作を持つ、対象の種類。たとえば、SQL Server インスタンスの対象は、SQL Server データベースの対象とは異なる特性を持ちます。

  • データ プロバイダー
    コレクター型にデータを提供する、対象の種類に固有の既知のデータ ソース。

  • コレクター型
    データの収集および管理データ ウェアハウスへのアップロード用の実際のメカニズムを提供する、SSIS パッケージの論理ラッパー。

  • コレクション アイテム
    コレクター型のインスタンス。コレクション アイテムは、入力プロパティ セットと収集頻度に基づいて作成されます。

  • コレクション セット
    コレクション アイテムのグループ。コレクション セットは、ユーザーがユーザー インターフェイスから操作できるデータ収集の単位です。

  • コレクション モード
    データを収集し、格納する方法。コレクション モードにはキャッシュと非キャッシュがあります。キャッシュ モードは継続的なコレクションをサポートし、非キャッシュ モードは要求時コレクションまたはコレクションのスナップショットで使用されます。

  • 管理データ ウェアハウス
    収集したデータを格納するためのリレーショナル データベース。

データ コレクター コンポーネント間の依存関係およびリレーションシップを次の図に示します。

データ コレクターの機能依存

図に示すように、データ プロバイダーはデータ コレクターの外部にあり、定義することによって対象との暗黙的なリレーションシップを持ちます。データ プロバイダーは特定の対象 (たとえばリレーショナル エンジンなどの SQL Server サービス) に固有で、SQL Server のシステム ビュー、パフォーマンス モニター カウンター、WMI プロバイダーなど、データ コレクターが使用できるデータを提供します。

コレクター型は、対象の種類に固有であり、対象の種類に対するデータ プロバイダーの論理アソシエーションを基にしています。コレクター型は、特定のデータ プロバイダーからデータを収集する方法を (スキーマ化されたパラメーターを使用して) 定義し、データ ストレージ スキーマを指定します。データ プロバイダー スキーマとデータ ストレージ スキーマは、収集したデータを格納するために必要です。また、コレクター型は、管理データ ウェアハウスの場所も示します。管理データ ウェアハウスは、データ収集を実行するコンピューターにも別のコンピューターにも配置できます。

図に示すコレクション アイテムは、特定のコレクター型のインスタンスで、コレクター型の XML スキーマなどの入力パラメーターでパラメーター化されています。すべてのコレクション アイテムは、同じ対象ルートまたは空の対象ルート上で操作する必要があります。これにより、データ コレクターは、異なる対象ルートからではなく、オペレーティング システムまたは特定の対象ルートからコレクター型を結合できます。

コレクション アイテムには、値のスナップショットを取得する頻度を決める、収集の頻度を定義します。コレクション アイテムは、コレクション セットの構成要素ですが、単独では存在できません。

コレクション セットは、サーバー インスタンス上に定義および配置され、互いに独立して実行できます。各コレクション セットは、コレクション セットに含まれる全コレクター型の対象の種類に一致する対象に適用できます。コレクション セットは SQL Server エージェント ジョブによって実行され、定義済みのスケジュールに従ってデータが管理データ ウェアハウスにアップロードされます。

コレクション セット内の別々のインスタンスが収集したデータはすべて同じスケジュールに従って管理データ ウェアハウスにアップロードされます。このスケジュールは、共有の SQL Server エージェント スケジュールとして定義され、複数のコレクション セットから使用できます。コレクション セットは、単一のエンティティとしてオンまたはオフになります。コレクション アイテムは個別にオンまたはオフにできません。

コレクション セットを作成または更新する際に、データの収集および管理データ ウェアハウスへのアップロード用のコレクション モードを構成できます。スケジュールの種類は、コレクションの種類 (キャッシュまたは非キャッシュ) によって決まります。コレクションがキャッシュ モードの場合、データ収集とアップロードはそれぞれ個別のジョブで実行されます。コレクションは、SQL Server エージェントの開始時に開始するスケジュールに基づいて実行され、コレクション アイテムで指定された頻度で実行されます。アップロードは、ユーザーが指定したスケジュールに従って実行されます。

非キャッシュ モードのコレクションの場合、データ収集とアップロードは、2 段階の単一ジョブで実行されます。段階 1 が収集、段階 2 がアップロードです。要求時コレクションにはスケジュールは必要ありません。

コレクション セットが有効になったら、スケジュールに従うか、または要求に応じて、データ収集を開始できます。データ収集を開始すると、SQL Server エージェントがデータ コレクターのプロセスを生成し、生成されたプロセスはコレクション セットの Integration Services パッケージを順番に読み込みます。コレクション型を表すコレクション アイテムは、指定した対象上の適切なデータ プロバイダーからデータを収集します。収集のサイクルが終わると、このデータは管理データ ウェアハウスにアップロードされます。詳細については、「データ コレクタのアーキテクチャと処理」を参照してください。

関連項目

概念