Exchange 2010 の前提条件

適用先 : Exchange Server 2010

ここでは、すべての Microsoft Exchange Server 2010 サーバーの役割に必要な Windows Server 2008 Service Pack 2 (SP2) 以降のバージョンまたは Windows Server 2008 R2 のオペレーティング システムの前提条件をインストールする手順について説明します。また、Exchange 管理ツール用に Windows Vista または Windows 7 のオペレーティング システムの前提条件をインストールする手順についても説明します。

前提条件

  • フォレストの機能レベルが最低でも Windows Server 2003 であり、スキーマ マスターによって Service Pack 1 以降のバージョンの Windows Server 2003 が実行されていることを確認します。Windows の機能レベルの詳細については、「ドメインとフォレストの管理」を参照してください。
  • Service Pack 2 以降のバージョンの Windows Server 2008 または Windows Server 2008 R2 の完全インストール オプションは、Exchange 2010 のサーバーの役割または管理ツールを実行するすべてのサーバーで使用される必要があります。
  • エッジ トランスポート サーバーの役割を除くすべてのサーバーの役割について、まず、内部の適切な Active Directory フォレストおよびドメインに参加する必要があります。
    Bb691354.note(ja-jp,EXCHG.140).gif注 :
    メールボックス サーバーの役割をインストールしていて、そのサーバーをデータベース可用性グループ (DAG) のメンバーにしたい場合は、Windows Server 2008 または Windows Server 2008 R2 の Enterprise Edition を実行している必要があります。Standard Edition では、DAG に必要な機能がサポートされていません。サーバーに Exchange がインストールされている場合は、Windows をアップグレードできません。

実行内容

  • Windows Server 2008 SP2 オペレーティング システムの前提条件をインストールする
  • Windows Server 2008 R2 オペレーティング システムの前提条件をインストールします。
  • Windows Vista SP2 オペレーティング システムの Exchange 管理ツール向けの前提条件をインストールする
  • Windows 7 オペレーティング システムの Exchange 管理ツール向けの前提条件をインストールする

Windows Server 2008 SP2 オペレーティング システムの前提条件をインストールする

  1. Microsoft .NET Framework 3.5 Service Pack 1 (SP1) をインストールします。詳細については、「Microsoft .NET Framework 3.5 Service Pack 1」を参照してください。
  2. Windows Vista x64 および Windows Server 2008 x64 の更新プログラム用に Microsoft .NET Framework 3.5 ファミリの更新プログラムをインストールします。詳細については、「Windows Vista x64 および Windows Server 2008 x64 用 Microsoft .NET Framework 3.5 ファミリの更新プログラム」を参照してください。また、Microsoft サポート技術情報の記事番号 959209 にある「.NET Framework 3. 5 Service Pack 1 を更新が利用可能であります。」も参照してください。
  3. Windows リモート管理 (WinRM) 2.0 および Windows PowerShell V2 (Windows6.0 KB968930.msu) をインストールします。詳細については、「Windows Management Framework」を参照してください。
  4. ハブ トランスポートまたはメールボックス サーバーの役割をホストするサーバーに、Microsoft フィルター パックをインストールします。詳細については、「2007 Office system コンバーター: Microsoft フィルター パック」を参照してください。
  5. 管理者特権でコマンド プロンプトを開き、Exchange 2010 インストール メディアの Scripts フォルダーに移動し、次のコマンドのいずれかを使用して必要なオペレーティング システム コンポーネントをインストールします。
    1. クライアント アクセス、ハブ トランスポート、およびメールボックスの役割が標準インストールされるサーバーの場合:

      sc config NetTcpPortSharing start= auto
      ServerManagerCmd -ip Exchange-Typical.xml -Restart
      
    2. クライアント アクセス サーバー、ハブ トランスポート サーバー、メールボックス サーバー、およびユニファイド メッセージング サーバーの役割をホストするサーバーの場合:

      sc config NetTcpPortSharing start= auto
      ServerManagerCmd -i Desktop-Experience
      ServerManagerCmd -ip Exchange-Typical.xml -Restart
      
    3. クライアント アクセス サーバーおよびハブ トランスポート サーバーの役割をホストするサーバーの場合:

      sc config NetTcpPortSharing start= auto
      ServerManagerCmd -ip Exchange-Typical.xml -Restart
      
    4. ハブ トランスポート サーバーおよびメールボックス サーバーの役割をホストするサーバーの場合:

      ServerManagerCmd -ip Exchange-Typical.xml -Restart
      
    5. クライアント アクセス サーバーおよびメールボックス サーバーの役割をホストするサーバーの場合:

      sc config NetTcpPortSharing start= auto
      ServerManagerCmd -ip Exchange-Typical.xml -Restart
      
    6. クライアント アクセスの役割のみをホストするサーバーの場合:

      sc config NetTcpPortSharing start= auto
      ServerManagerCmd -ip Exchange-CAS.xml -Restart
      
    7. ハブ トランスポートの役割のみをホストするサーバーの場合:

      ServerManagerCmd -ip Exchange-Hub.xml -Restart
      
    8. メールボックスの役割のみをホストするサーバーの場合:

      ServerManagerCmd -ip Exchange-MBX.xml -Restart
      
    9. ユニファイド メッセージングの役割のみをホストするサーバーの場合:

      ServerManagerCmd -ip Exchange-UM.xml -Restart
      
    10. エッジ トランスポートの役割をホストするサーバーの場合:

      ServerManagerCmd -ip Exchange-Edge.xml -Restart
      

上記の前提条件をインストールした後、Exchange 2010 のインストール前に「Microsoft Update」から重要または推奨の更新プログラムをインストールしておくことをお勧めします。

Windows Server 2008 R2 オペレーティング システムの前提条件をインストールします。

  1. ハブ トランスポートまたはメールボックス サーバーの役割をホストするサーバーに、Microsoft フィルター パックをインストールします。詳細については、「2007 Office system コンバーター: Microsoft フィルター パック」を参照してください。

  2. [スタート] メニューから [すべてのプログラム][アクセサリ][Windows PowerShell] の順に移動します。管理者特権で Windows PowerShell コンソールを開き、次のコマンドを実行します。

    Import-Module ServerManager
    
  3. Add-WindowsFeature コマンドレットを使用して、必要なオペレーティング システム コンポーネントをインストールします。

    1. クライアント アクセス、ハブ トランスポート、およびメールボックスの役割が標準インストールされるサーバーの場合:

      Add-WindowsFeature NET-Framework,RSAT-ADDS,Web-Server,Web-Basic-Auth,Web-Windows-Auth,Web-Metabase,Web-Net-Ext,Web-Lgcy-Mgmt-Console,WAS-Process-Model,RSAT-Web-Server,Web-ISAPI-Ext,Web-Digest-Auth,Web-Dyn-Compression,NET-HTTP-Activation,RPC-Over-HTTP-Proxy -Restart
      
    2. クライアント アクセス サーバー、ハブ トランスポート サーバー、メールボックス サーバー、およびユニファイド メッセージング サーバーの役割をホストするサーバーの場合:

      Add-WindowsFeature NET-Framework,RSAT-ADDS,Web-Server,Web-Basic-Auth,Web-Windows-Auth,Web-Metabase,Web-Net-Ext,Web-Lgcy-Mgmt-Console,WAS-Process-Model,RSAT-Web-Server,Web-ISAPI-Ext,Web-Digest-Auth,Web-Dyn-Compression,NET-HTTP-Activation,RPC-Over-HTTP-Proxy,Desktop-Experience -Restart
      
    3. クライアント アクセス サーバーおよびハブ トランスポート サーバーの役割をホストするサーバーの場合:

      Add-WindowsFeature NET-Framework,RSAT-ADDS,Web-Server,Web-Basic-Auth,Web-Windows-Auth,Web-Metabase,Web-Net-Ext,Web-Lgcy-Mgmt-Console,WAS-Process-Model,RSAT-Web-Server,Web-ISAPI-Ext,Web-Digest-Auth,Web-Dyn-Compression,NET-HTTP-Activation,RPC-Over-HTTP-Proxy -Restart
      
    4. ハブ トランスポート サーバーおよびメールボックス サーバーの役割をホストするサーバーの場合:

      Add-WindowsFeature NET-Framework,RSAT-ADDS,Web-Server,Web-Basic-Auth,Web-Windows-Auth,Web-Metabase,Web-Net-Ext,Web-Lgcy-Mgmt-Console,WAS-Process-Model,RSAT-Web-Server -Restart
      
    5. クライアント アクセス サーバーおよびメールボックス サーバーの役割をホストするサーバーの場合:

      Add-WindowsFeature NET-Framework,RSAT-ADDS,Web-Server,Web-Basic-Auth,Web-Windows-Auth,Web-Metabase,Web-Net-Ext,Web-Lgcy-Mgmt-Console,WAS-Process-Model,RSAT-Web-Server,Web-ISAPI-Ext,Web-Digest-Auth,Web-Dyn-Compression,NET-HTTP-Activation,RPC-Over-HTTP-Proxy -Restart
      
    6. クライアント アクセスの役割のみをホストするサーバーの場合:

      Add-WindowsFeature NET-Framework,RSAT-ADDS,Web-Server,Web-Basic-Auth,Web-Windows-Auth,Web-Metabase,Web-Net-Ext,Web-Lgcy-Mgmt-Console,WAS-Process-Model,RSAT-Web-Server,Web-ISAPI-Ext,Web-Digest-Auth,Web-Dyn-Compression,NET-HTTP-Activation,RPC-Over-HTTP-Proxy -Restart
      
    7. ハブ トランスポートまたはメールボックスの役割をホストするサーバーの場合:

      Add-WindowsFeature NET-Framework,RSAT-ADDS,Web-Server,Web-Basic-Auth,Web-Windows-Auth,Web-Metabase,Web-Net-Ext,Web-Lgcy-Mgmt-Console,WAS-Process-Model,RSAT-Web-Server -Restart
      
    8. ユニファイド メッセージングの役割のみをホストするサーバーの場合:

      Add-WindowsFeature NET-Framework,RSAT-ADDS,Web-Server,Web-Basic-Auth,Web-Windows-Auth,Web-Metabase,Web-Net-Ext,Web-Lgcy-Mgmt-Console,WAS-Process-Model,RSAT-Web-Server,Desktop-Experience -Restart
      
    9. エッジ トランスポートの役割をホストするサーバーの場合:

      Add-WindowsFeature NET-Framework,RSAT-ADDS,ADLDS -Restart
      
  4. クライアント アクセス サーバーの役割がインストールされているサーバー上でシステムを再起動した後、管理者としてログオンし、管理者特権で Windows PowerShell コンソールを開き、次のコマンドを実行して Net.Tcp ポート共有サービスが自動的に開始されるよう構成します。

    Set-Service NetTcpPortSharing -StartupType Automatic
    

上記の前提条件をインストールした後、Exchange 2010 のインストール前に「Microsoft Update」から重要または推奨の更新プログラムをインストールしておくことをお勧めします。

Windows Vista SP2 オペレーティング システムの Exchange 管理ツール向けの前提条件をインストールする

  1. Microsoft .NET Framework 3.5 Service Pack 1 (SP1) をインストールします。詳細については、「Microsoft .NET Framework 3.5 Service Pack 1」を参照してください。
  2. Windows Vista x64 および Windows Server 2008 x64 の更新プログラム用に Microsoft .NET Framework 3.5 ファミリの更新プログラムをインストールします。詳細については、「Windows Vista x64 および Windows Server 2008 x64 用 Microsoft .NET Framework 3.5 ファミリの更新プログラム」を参照してください。また、サポート技術情報の記事番号 959209 にある「.NET Framework 3. 5 Service Pack 1 を更新が利用可能であります。」も参照してください。
  3. Windows リモート管理 (WinRM) 2.0 および Windows PowerShell V2 (Windows6.0 KB968930.msu) をインストールします。詳細については、「Windows Management Framework」を参照してください。
  4. 必要なオペレーティング システム コンポーネントをインストールします。
    1. Windows の [コントロール パネル] を開き、[プログラムと機能] アプレットを開きます。
    2. [タスク] 領域で [Windows の機能の有効化または無効化] をクリックします。
    3. [インターネット インフォメーション サービス (IIS)][Web 管理ツール][IIS 6 と互換性のある管理] の順に展開します。
    4. [IIS 6 管理コンソール] のチェック ボックスをオンにし、[OK] をクリックします。

Windows 7 オペレーティング システムの Exchange 管理ツール向けの前提条件をインストールする

  1. 必要なオペレーティング システム コンポーネントをインストールします。
    1. Windows の [コントロール パネル] を開き、[プログラムと機能] アプレットを開きます。
    2. [タスク] 領域で [Windows の機能の有効化または無効化] をクリックします。
    3. [Microsoft .NET Framework 3.5.1] を選択します。
    4. [インターネット インフォメーション サービス (IIS)][Web 管理ツール][IIS 6 と互換性のある管理] の順に展開します。
    5. [IIS 6 管理コンソール] のチェック ボックスをオンにし、[OK] をクリックします。