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 Microsoft 分散ファイル システム
Microsoft 分散ファイル システム

IT Value Card

最終更新日: 12月 17, 2005

IT Showcase ロゴ


この Value Card では、Microsoft Corporation Information Technology グループ (Microsoft IT) が、効率的な帯域幅の使用を保証する新しい最先端のレプリケーション、管理、および圧縮テクノロジが含まれた Microsoft® Windows Server™ 2003 R2 分散ファイル システム (DFS) をどのように使用するかについて説明します。DFS には、DFS 名前空間、DFS レプリケーション (DFS-R)、Remote Differential Compression (RDC) など、豊富なテクノロジのセットが含まれています。

トピック

要約
状況
ソリューション
展開に関する注意事項
利点
得られた教訓
グローバルな Microsoft IT 環境

利点

利点を実現する機能

高速レプリケーション

DFS レプリケーション (DFS-R) の使用により、大きなファイルのレプリケーションが 300% 高速になります。

DFS-R 状態レポートにより報告されるメトリックス。290 MB を超えるファイルで最も顕著な効果を確認できます。

高速圧縮

DFS RDC (Remote Differential Compression) により、圧縮速度が rsync 2.6.2 の 2 ~ 3 倍高速になります。

Microsoft の社内テストで rsync 2.6.2 プロトコルと比較した際に、4 MB のファイルで 2 倍、290 MB のファイルで 3 倍の速さを記録した RDC の圧縮速度。

運用

レプリケーション運用作業の管理時間が 40% 削減されます。

コンテンツの管理時間の 50% 削減。
レプリケーションに関する問題の処理にかかる時間の 30% 削減。

要約

Microsoft Corporation Information Technology グループ (Microsoft IT) では、Microsoft® Windows Server™ 2003 R2 分散ファイル システム (DFS) テクノロジを使用して、世界中に分散している約 140 の支社にあるサーバーの管理を強化します。Windows Server 2003 R2 で新しく導入された DFS を使用することで、Microsoft の社員が常に必要なデータにアクセスできるだけでなく、サイト間のレプリケーションに使用される帯域幅を大幅に削減できます。Windows Server 2003 オペレーティング システムは、Microsoft Windows Server System™ 統合サーバー ソフトウェアの一部です。

状況

Microsoft では、他の多くの企業と同様に、遠隔地の保守には膨大な運用コストがかかり、管理上の課題も多いと考えています。最も難しい課題の 1 つは、アクセス頻度の高いアプリケーション、ツール、レポート、学習教材などの社内コンテンツをユーザーが最も近いサイトから入手できるようにすることです。主な目標は、帯域幅の使用方法を最適化し、今まで複数のユーザーがリモート サイトから広域ネットワーク (WAN) 経由でアクセスしていたデータを、同じネットワーク パイプを使用していったんコピーし、ローカル サーバーから入手できるようにすることです。全世界で運営されている Microsoft の支社 (約 250 台のサーバー) 間でレプリケートされるデータの量と種類が、この目標の実現を困難にしています。

問題の大半は、支社を地域のハブと本社にリンクすることでネットワークが分散するという性質にあります。これらの WAN は、支社の運用効率に悪影響を及ぼします。支社の統合に関する基本的な問題の 1 つは、ファイル システム操作に根本的に依存していることです。UNIX のネットワーク ファイル システム (NFS) や Microsoft の共通インターネット ファイル システム (CIFS) など、大部分のファイル システム プロトコルは、低帯域幅または高レイテンシのネットワークでの動作効率が低下します。これらのプロトコルは、帯域幅には制約が存在しないという基本前提に基づいて開発されました。Microsoft IT には、約 140 の支社をレドモンド、シンガポール、およびダブリンという 3 つの地域にあるハブでリンクするための優れたソリューション、および優れたレプリケーションのレポート処理が必要でした。

ソリューション

Microsoft IT では、Windows Server 2003 R2 オペレーティング システムを展開することにより、支社サーバーの管理を強化しています。このオペレーティング システムの基になるテクノロジでは、社内ネットワークを使用した、支社サーバーのシームレスな統合がサポートされています。Windows Server 2003 R2 を使用すると、ローカル支社サーバーのパフォーマンス、可用性、および生産性に関するメリットを活用できるだけでなく、接続の制限や管理オーバーヘッドを回避することもできます。

主要なイネーブリング テクノロジの 1 つに、新しくデザインし直された DFS があります。この DFS には、帯域幅の効率的な使用を保証する最先端のレプリケーション、管理、および圧縮テクノロジが含まれています。

DFS には、使用される帯域幅を最適化するファイル システム テクノロジが含まれており、サーバー間のファイル レプリケーションの効率を向上するフレームワークが提供されます。DFS は、最新の圧縮アルゴリズムと効果的なレプリケーション メカニズムを利用します。これらは、分散ファイルの一貫性を保持しながら、必要なときにのみファイルが転送され、必要最低限の情報のみがレプリケートされるようにします。

また DFS によって管理が簡素化されるので、支社の全体的な生産性が向上します。DFS の重要な要素を次に示します。

  • DFS 名前空間 : 管理者は DFS 名前空間を使用して、異なるサーバーにある共有フォルダをグループ化し、"名前空間" と呼ばれるフォルダの仮想ツリーとしてユーザーに提供できます。名前空間により、データの可用性の向上、負荷の共有、簡素化されたデータの移行など、多くの利点がもたらされます。
    DFS 名前空間の構成では、ローカル サーバーが使用できなくなると、最も近いサイトを選択してクライアントをフェールオーバーし、優先サーバーにフェールバックします。たとえば、支社とハブの両方にリンク先を持つ DFS リンクでフェールバックを有効にすると、支社のクライアントはサービスが使用できなくなったときに自動的にハブにフェールオーバーされ、そのサービスが再び使用できるようになったときに自動的に支社にフェールバックされます。
    名前空間は、DFS 管理コンソールを使用して管理します。DFS 管理コンソールには、名前空間の階層が表示されます。DFS 管理コンソールには、これまでコマンド ライン インターフェイスから使用できた機能が組み込まれています。DFS 管理コンソールでは、HTML レポートや診断など、Microsoft 管理コンソール (MMC) 3.0 の機能を使用します。
    図 1

    図 1. ユーザーが名前空間のフォルダにアクセスする (1) と、クライアント コンピュータは、名前空間サーバーに接続して参照を受け取ります。クライアント コンピュータは、それぞれの参照の最初のサーバーにアクセス (2) します。

  • DFS-R: DFS-R は堅牢なマルチマスタ ファイル レプリケーション サービスで、前身のファイル レプリケーション サービスと比較して、ファイル サーバーを同期する際の拡張性と効率が格段に優れています。DFS-R を使用すると、支社のデータを他の支社サーバーやハブ サーバーにレプリケートする際に、使用できなくなった支社サーバーのバックアップ ソースとして、これらのうち任意のサーバーを使用できます。DFS-R では、消失または破損したデータベースの自動的な復旧がサポートされます。また、レプリケーションのスケジュールと帯域幅の調整もサポートされています。DFS-R では、RDC という新しい圧縮アルゴリズムを使用します。

  • RDC: RDC は、帯域幅が制限されたネットワーク経由のデータ転送を最適化する、WAN に適した高度な圧縮テクノロジです。RDC は、類似データや冗長データを繰り返し転送するのではなく、ファイル内およびファイル間の変更点 ("差分" といいます) を正確に特定し、その変更点のみを送信して帯域幅を大幅に節約します。RDC はファイル内のデータの挿入、削除、再配置を検出し、DFS-R がファイルの更新時に変更されたファイル ブロックのみをレプリケートできるようにします。また、ファイルの差分を計算し、その差分のみを転送するだけでなく、双方のコンピュータに共通するデータを使用して、クライアントまたはサーバーから類似ファイルをコピーすることもできます。これにより、送信されるデータ量とファイルの転送に必要な総帯域幅がさらに削減されます。古いバージョンから新しいバージョンへの変換には、"ファイルの部分置換" とも呼ばれるローカル差分技術が使用されます。サーバーでファイルの既知の 2 つのバージョン間の差分が計算され、クライアントに送信されます。

Microsoft IT は、140 の支社と 3 つの主要なデータ センターに DFS を展開し、多数のスクリプトが必要な Robocopy という社内複製ツールを置き換えました。Microsoft IT では、ローカル サーバーが使用できなくなった場合に、最も近い支社サーバーか地域データ センターにフェールオーバーするように DFS を構成しました。復元後、ローカル サーバーは主要なデータ ストアとしての役割を自動的に再開します。

DFS 管理コンソール (MMC Version 3.0 のプラグイン) は、構成およびサーバーに使用されます。

図 2

図 2. DFS 管理コンソールには、名前空間の階層が表示されます。

展開に関する注意事項

DFS 名前空間のすべての機能を有効にするには、サーバーおよびクライアントを次のように構成する必要があります。

  • 名前空間の管理タスクが実行されているサーバーでは、Windows Server 2003 R2 を実行している必要があります。

  • 新しい名前空間機能を利用するには、名前空間をホストするすべてのサーバーで、Windows Server 2003 SP1 または Windows Server 2003 R2 を実行している必要があります。

  • 新しい名前空間機能を利用するには、すべてのドメイン コントローラで、Windows Server 2003 SP1 または Windows Server 2003 R2 を実行している必要があります。

  • 名前空間は、NTFS ファイル システム ボリューム上に作成する必要があります。

  • 名前空間にアクセスするクライアントは、サポートされているクライアント オペレーティング システムならばどれでも実行できますが、クライアント フェールバック用に構成できるのは、次のオペレーティング システム、Service Pack、および適切なクライアント フェールバックの修正プログラムを実行しているクライアントのみです。Windows® XP Service Pack 2 と Windows XP のクライアント フェールバックに関する修正プログラム、Windows Server 2003 SP1 と Windows Server 2003 のクライアント フェールバックに関する修正プログラム。

注 : 管理者は、サーバーが配置されているサイトの場所に関係なく、参照一覧の先頭または末尾に特定のサーバーを移動できます。たとえば、データ保護に使用するサーバーの優先順位を、すべてのサイトの中で最下位に指定できます。このサーバーは、そのサーバーをローカルに使用するクライアントにとっても、最終手段として使用するサーバーになります。

利点

Windows Server 2003 R2 と DFS の展開は、帯域幅の使用率の大幅な削減や、ローカル サーバーをサービス キャッシュとして使用する機能など、Microsoft IT に多くの利点をもたらしました。

帯域幅の使用率の大幅な削減

Microsoft IT では、DFS-R によって帯域幅の使用率が大幅に削減されることを確認しました。たとえば、以前は 3 MB の Microsoft PowerPoint® プレゼンテーション グラフィック プログラムのタイトルのみを変更すると、ファイル全体をレプリケーションするため、ネットワーク経由で送信するのに 1 分以上かかっていました。DFS-R の差分ベースの RDC を使用すると、タイトルの変更部分だけが送信されるので、レプリケーションには 1 秒もかかりません。Microsoft IT の社内パフォーマンス テストでは、Microsoft の以前のカスタム ソリューションに比べて、帯域幅が 37 ~ 95% 削減されました。削減される帯域幅は、ファイル内で変更されたデータの量とファイルの種類によって異なりました。概ね、イメージ ファイルの削減量は、ドキュメント、スプレッドシート、および PowerPoint プレゼンテーションに比べて少なくなりました。

また、Microsoft IT によるテストでは、特に大きなファイルの場合に rsync テクノロジよりも RDC を使用した方が高速に処理が実行されました。具体的には、RDC を使用すると、rsync 2.6.2 プロトコルを使用した場合に比べて、4 MB のファイルを圧縮するときに 2 倍、290 MB のファイルを圧縮するときに約 3 倍の速さで処理が実行されました。

サービス キャッシュ

DFS を使用した場合、支社のサーバーは一意な状態を保持しないサービス キャッシュとして実行され、システム バックアップを必要としません。サーバーで障害が発生しても、支社の機能に影響はありません。リモート クライアントは、ローカル支社サーバーから最も近いサイトの別のサーバーにフェールオーバーされ、サービスの復元後に優先サーバーにフェールバックされます。

正確な事前対応型のレポート作成

以前のソリューションには、レプリケーションの進捗状況や、処理が成功したか失敗したかを監視および報告するメカニズムが存在しなかったため、各サーバーにログオンし、きわめて詳細なログ ファイルを調べる必要がありました。DFS-R には、レプリケーション トポロジやサーバーの状態に関するさまざまなパラメータを提供する事前対応型のレポートが含まれています。レプリケーション トポロジのすべてのサーバーに関するレポートが 1 つのダッシュボードに表示されるため、運用チームのメンバは、問題の識別とトラブルシューティングに必要なデータを 1 つの Web ページから入手できます。

ファイル間レプリケーション

リモート サーバーにファイルをコピーする前に、DFS のファイル間レプリケーションにより、そのリモート サーバー上の別の場所に既に同じファイルが存在するかどうかが確認されます。ファイルが見つかった場合は、ネットワーク経由でレプリケートするのではなく、ローカルにコピーされるので、帯域幅の使用方法の最適化に役立ちます。

サーバーの管理時間の削減

Microsoft IT が実施した DFS の展開により、支社でのサーバーの管理時間が 40% 削減されました。また、新しいコンテンツのホスト、古いコンテンツのアーカイブ、サーバーの追加と削除などの作業にかかる時間も、約 50% 削減されました。日常のレプリケーションに関する問題の処理にかかる時間は 30% 削減されました。Microsoft IT では、Tier 2 サポートの規模を 1 人分縮小し、その 1 人を他の作業に割り当てることができました。

得られた教訓

ドメイン コントローラと名前空間サーバーで Windows 2000 Server オペレーティング システム、Windows Server 2003 R2、Windows Server 2003 SP1、および Windows Server 2003 (SP1 未適用) が同時に実行されている場合、DFS 名前空間を使用することはできますが、サーバーのオペレーティング システムによっては、一部の機能が無効になるか制限されます。混合モードの動作の例を次に示します。

  • ドメイン コントローラまたは名前空間サーバーで Windows Server 2003 (SP1 未適用) が実行されている場合、対象サーバーの優先順位やクライアント フェールバックをサポートする参照を提供することはできません。

  • ドメイン コントローラまたは名前空間サーバーで Windows 2000 Server が実行されている場合、対象サーバーの優先順位やクライアント フェールバックをサポートする参照を提供できないだけでなく、参照にかかるコストが低い順に対象サーバーを並べ替えることもできません。これらの名前空間サーバーとドメイン コントローラで、名前空間の各対象サーバーのサイトを検出できるようにするには、追加の構成が必要です。

  • DFS 管理スナップインから、Windows Server 2003 SP1 または Windows Server 2003 R2 を実行していない名前空間サーバーに接続した場合、新しい構成設定 (クライアント フェールバックや対象サーバーの優先順位など) を有効にすることはできません。

グローバルな Microsoft IT 環境

Microsoft は、大規模かつ複雑で、常に変化する企業です。Microsoft IT グループの任務は他とは大きく異なります。ビジネスの生産性を維持する世界有数のユーティリティを稼動することに加えて、Microsoft の最良の顧客となることが Microsoft IT の主要な任務です。これを実現するため、すべてのエンタープライズ ソフトウェアを、ベータ版の開発の初期段階で社内全体に展開することによってテストして、製品グループに有益なフィードバックを行うことで、予測可能で信頼できるサービスを顧客、クライアント、およびパートナーに提供できるようにします。次のデータは、どのような環境でこの任務が遂行されているのかを示しています (数値は概算です)。

  • 約 90,000 名の IT ユーザー

  • 300,000 台を上回るコンピュータおよびデバイス

  • 全世界で 400 か所を超えるサポート対象サイト

  • グローバルな基幹業務 (LOB) アプリケーション (たとえば、Siebel、Clarify、MS Sales、World-Wide Sales および Marketing Database)

  • グローバルな仮想ヘルプ デスク

  • 7 か所でグローバルに実行されている Microsoft Exchange Server

  • Exchange Server を実行している 110 台のサーバー

  • 38 台のメールボックス サーバー

  • 毎日 300 万通を超える社内電子メール メッセージ

  • 毎日 880 万通を超える社外電子メール メッセージ

  • 毎日 680 万通を超えるブロックされた電子メール メッセージ

  • 毎月 750 万セッションを超えるリモート接続

For More Information

http://www.microsoft.com/worldwide
の最寄りの Microsoft オフィス、または
http://www.microsoft.com/japan/technet/itsolutions/msit/ にアクセスしてください。

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