Update-Recipient

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2007-07-18

Identity Lifecycle Manager (ILM) 2007 で、アドレス一覧 (GAL) 同期管理エージェントによって作成される受信者オブジェクトに Microsoft Exchange Server 2007 属性を追加するには、Update-Recipient コマンドレットを使用します。このコマンドレットを使用して変更する受信者オブジェクトは、Exchange 2007 サーバーに存在していなければなりません。

構文

Update-Recipient -Identity <RecipientIdParameter> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-Credential <PSCredential>] [-DomainController <Fqdn>] [-Server <ServerIdParameter>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

解説

吸収や合併、または法的要請によって、複数の Exchange フォレスト トポロジに Exchange を展開しなければならない場合があります。それには、受信者オブジェクトを異種 Active Directory ディレクトリ サービス フォレスト間で同期する必要があります。複数の Exchange フォレスト トポロジの詳細については、「複雑な Exchange 組織の計画」を参照してください。

Microsoft が提供する GAL 同期管理エージェントは、受信者オブジェクトとの同期を目的としています。Microsoft Identity Integration Server (MIIS) 2003 に含まれていたバージョンの GAL 同期管理エージェントは、Exchange Server 2003 と連携するように設計され、受信者更新サービス (RUS) に依存していました。この RUS は既に廃止されており、Exchange 2007 では必要ありません。このため、ILM 2007 に含まれている GAL 同期管理エージェントは RUS なしで機能するように設計されています。

ILM 2007 GAL 同期管理エージェントは、同期プロセスの一環として両方の Active Directory フォレストで受信者オブジェクトを作成します。受信者オブジェクトの作成後、管理エージェントは Update-Recipient コマンドレットを使用して Exchange 2007 に必要な属性を追加し、これらの受信者の準備を行います。

note注 :
MIIS 2003 を使用している場合、GAL 同期管理エージェントによって作成されたメール連絡先の準備プロセスを完了させるには、さまざまなコマンドレットを実行しなければなりません。MIIS 2003 で作成されたメール連絡先の準備の詳細については、「フォレスト間のトポロジで Exchange 2007 を展開する方法」を参照してください。Update-Recipient コマンドレットを使用すると、この作業をより効率的に行えます。準備プロセスは、Update-Recipient コマンドレットを、MIIS 2003 GAL 同期管理エージェントが作成した受信者オブジェクトに対して実行するだけで完了します。

Update-Recipient コマンドレットを実行するには、使用するアカウントに次の権限が委任されている必要があります。

  • Exchange 受信者管理者の役割

アクセス許可、役割の委任、および Exchange 2007 を管理するために必要な権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

パラメータ

パラメータ 必須 種類 説明

Identity

必須

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.RecipientIdParameter

Identity パラメータは、受信者を識別します。次のいずれかの値を使用できます。

  • GUID
  • ドメイン\アカウント
  • ユーザー プリンシパル名 (UPN)
  • LegacyExchangeDN
  • SMTP (簡易メール転送プロトコル) アドレス
  • Name
  • エイリアス

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するには、コマンドの処理内容を確認する必要があります。Confirm パラメータで値を指定する必要はありません。

Credential

省略可能

System.Management.Automation.PSCredential

Credential パラメータには、Active Directory へのアクセスに使用するユーザー名とパスワードを指定します。

Credential パラメータを使用した場合は、続行するためにアカウントのパスワードの入力を求められます。

DomainController

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Fqdn

この構成の変更を Active Directory に書き込むドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定するには、コマンドに DomainController パラメータを含めます。

Server

省略可能

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.ServerIdParameter

Server パラメータには、選択した操作を実行するサーバーを指定します。

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。WhatIf パラメータで値を指定する必要はありません。

入力の種類

戻り値の種類

エラー

エラー 説明

 

最初の例は、Update-Recipient コマンドレットを使用して、John Smith のメールボックスを表すメール連絡先に Exchange 2007 の属性を追加する方法を示しています。

2 番目の例は、特定の組織単位 (OU) ですべての連絡先を更新する方法を示しています。この例は、contoso.com と fabrikam.com の 2 つのフォレストで受信者が同期していること、そして fabrikam.com ドメイン内の同期している受信者はすべて、contoso.com ドメインにある fabrikam.com Users という特定の OU に格納されていることを前提としています。

Update-Recipient -Identity "John Smith"
Get-MailContact -OrganizationalUnit "contoso.com/fabrikam.com Users" | Update-Recipient

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。