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ディスクの最適化による最大限の Windows 2000 パフォーマンスの維持

最終更新日: 2004年11月30日

Michael Kessler


トピック

はじめに はじめに
断片化の種類 断片化の種類
最適化の分析 最適化の分析
最適化の安全性 最適化の安全性
Windows 2000 ディスク デフラグ ツール Windows 2000 ディスク デフラグ ツール
まとめ まとめ
関連情報 関連情報

はじめに

オペレーティング システムには信頼性とパフォーマンスを最大限に保つ能力が必要不可欠です。Windows® 2000 オペレーティング システムでは、この能力はディスク デフラグ ツールと呼ばれるビルトイン システム ツールにより実現されています。ディスク デフラグ ツールは米国 Microsoft Corporation と Executive Software International 社が共同開発したソフトウェアです。本資料では、ディスクの断片化と最適化、およびディスク デフラグ ツールがディスクの効率を維持する方法について詳しく述べます。

断片化の種類

断片化はファイル/フォルダの作成と削除、ソフトウェアのインストール、インターネットからのファイルのダウンロードなどによって生じます。コンピュータでは、必ずしもファイルやフォルダ全体がディスク上の同一の領域に保存されるわけでありません。ディスクにアクセスし最初に見つかった利用可能な領域に保存されます。ディスクの大部分が既に使用されている場合、その後に作成されるファイルやフォルダはボリューム内の複数の箇所に分割して保存されます (ここで言うディスクとボリュームは同義です)。ファイルまたはフォルダを削除すると、それによってできる空き領域は、ランダムに後続の新しいファイルやフォルダの保存に使用されます。これが断片化の生じる仕組みです。ボリュームの断片化が進めば、それだけファイルの読み書きの速度が遅くなります。ディスクの断片化には、主にファイルの断片化と空き領域の断片化の 2 種類があります。

ファイルの断片化

ファイルのすべての部分がディスクの同一の場所に保存される状態を "連続している" と表現します。もしファイルが連続していない場合、それを断片化と言い、そのファイルはディスクのあちこちに分割されて保存されています。Windows NT® と Windows 2000 では、ファイルの種類がファイル アロケーション テーブル (FAT) 形式であっても、NTFS ファイル システム (NTFS) 形式であっても断片化が生じます。

ファイルが断片化すると、ディスク ヘッドがディスク上を何度も移動しながら、あちこちに散在するファイルの断片を読み取るため、ディスクの読み出し速度が低下します。ファイルの断片化はシステムのパフォーマンスが徐々に低下していく大きな原因です。ファイルの読み込みが遅くなったり、再起動の時間が長くなったら、それはほぼ確実に断片化によるものです。

空き領域の断片化

一部の領域だけが満杯になったディスクには、空き領域と呼ばれる使用されていない部分があります。この場合、数個の未使用部分が連続して存在する状態が理想です。空き領域があることは良いことですが、それが断片化しては手放しに喜べません。空き領域の断片化とは、ファイル領域が小さな断片に分割されていて、連続していない状態を意味しています。空き領域が断片化すると、ディスク 、ファイルの書き込みの際にディスク ヘッドはデータを書き込める領域を何度も移動しながら見つけなければならず、ファイルの書き込み速度が低下します。また、空き領域の断片化によってファイルも断片化する可能性が高くなります。書き込まれるファイルが空き領域よりも大きければ、ファイルは複数の箇所に分割して保存されざるを得ないからです。

最適化の分析

最適化とは、ファイルの不連続部分をディスクの連続したセクタに書き込み直し、データへのアクセス速度とディスクからの読み出し速度を上げる処理のことです。FAT と NTFS ディスクは時間が経つにつれ断片化が進んでパフォーマンスが悪化するため、システム パフォーマンスの最大化にとって断片化の解消は必要不可欠な作業です。

断片化の分析について

システムはどのくらい断片化するものでしょうか? 1999 年 6 月に American Business Research Corporation (本社 : カリフォルニア州アーバイン) が行った断片化の分析の結果、デフラグ ツールを使用しない 100 社のうち、50% の会社でサーバー ファイルが 2,000 ~ 10,000 個に断片化し、別の 33% の会社でファイルが 10,333 ~ 95,000 個に断片化していることが判明しました。このとき、すべてのケースで、サーバーとワークステーションに深刻なパフォーマンスの低下が生じていました。

定期的なディスク分析と最適化の実行

たとえコンピュータが新しくてもディスクの断片化は避けられません。オペレーティング システムの読み込みによってファイルと空き領域の断片化が発生するからです。試しに新しいコンピュータにオペレーティング システムをロードし、その直後にディスク デフラグ ツールの分析機能 (詳細は後述) を実行してみてください。これが本当であるがおわかりいただけます。

個人ユーザーの場合、オペレーティング システムがマシンに読み込まれた直後にディスク デフラグ ツールを実行し、その後は手動で定期的に実行するのが良いでしょう。最適化を実行する頻度やタイミングは、普段行っている作業の種類によって違いますが、日々コンピュータを使用していれば、そのたびに断片化が進行していることを忘れないようにしてください。ファイルの圧縮/解凍を行った後や、オペレーティング システムやアプリケーションをインストールした後は、最適化を検討すべきタイミングと言えます。一般に、中程度以上の使用を続ける場合は、週に 1 度は最適化を実行してください。あまり頻繁に使用しないユーザーなら、もう少し間隔をあけてもかまいません。

最適化を実行すべきかどうかの判断は、ディスク デフラグ ツールのディスク分析機能を利用して行います。ディスクの分析が終わると、ダイアログ ボックスが現れ、そこにボリューム上の断片化したファイルとフォルダのパーセンテージと、推奨される処理が表示されます。ボリュームの分析は定期的に行い、ディスク デフラグ ツールが最適化を推奨している場合は、それに従って最適化を実行してください。

ディスクの最適なパフォーマンスを得るには、ディスクの分析と最適化を定期的な間隔で行うこと。これはすべての Windows 2000 ベースのサーバーとワークステーションに該当する推奨事項です。

最適化の安全性

Microsoft では、オペレーティング システム稼働中にデータの損失、システムのクラッシュや破損を伴わず、安全にファイルを移動できるように、Windows NT の開発段階で最適化用アプリケーション プログラミング インターフェース (API) を開発し、Windows NT に組み入れました。Windows 2000 では最適化用 API をさらに拡張し、テストと認定を行い、Windows 2000 で作成されたファイルの最適化が安全に実行できるようになっています。

ディスク デフラグ ツールが実行する処理

データの損失、システムのクラッシュや破損を防ぐため、Windows 2000 ディスク デフラグ ツールはファイル システムと API と相互運用することができます。

ディスク デフラグ ツールは次の処理を行うことにより、ディスクを最適化し、効率的な動作を実現します。

  1. ディスク全体を調べ、各ファイルの断片化状態と断片の位置を確認します。

  2. 断片化したファイルを連続した領域にコピーします。

  3. コピーとオリジナルの内容がまったく同一であることを確認します。

  4. マスタ ファイル テーブル (MFT) を更新し、ファイルのコピー先の位置を登録します。

  5. 元の領域を解放し、空き領域として再区分します。

注意事項

  • データの移動を管理しているのはディスク デフラグ ツールではなく、ファイル システムです。

  • 最適化用 API はマスタ ファイル テーブル、ページング ファイル、FAT ディレクトリ、排他的に開かれているファイル (たとえば Windows レジストリ) の最適化はサポートしていません。

  • Windows 2000 では NTFS ディレクトリを最適化することができます。

ディスク最適化プロセスの重要な要素

ディスクの稼働効率を維持するためには、マスタ ファイル テーブル、ページング ファイル、ハイバネート ファイル、およびディレクトリについて理解し、これらを適切に管理する必要があります。

マスタ ファイル テーブル
NTFS にはマスタ ファイル テーブル (MFT) と呼ばれるファイルが存在します。MFT はディスク上にあるすべてのデータとその属性情報の対応をマッピングしたインデックス ファイルです。NTFS ディスク上の各ファイルには少なくとも 1 つの対応するエントリが MFT 内に保管されています。また MFT 自体もエントリとして登録されています。MFT の各エントリには、サイズ、日付と時刻のスタンプ、セキュリティ属性、データの位置に関する情報が含まれています。

MFT 自体が断片化してしまうと、ディスク デフラグ ツールでは最適化できません。しかし、MFT はディスク上のすべてのファイル アクセスの際に常時使用されているため、それ自体が徐々に断片化していき、結果的にディスクのアクセス時間が増大し、パフォーマンスを低下させます。NTFS ではこの問題を最小化するために、ディスク総領域の 8 分の 1 があらかじめ MFT 専用の領域として確保されています。このディスクの領域内 (MFT ゾーン) であれば、MFT はサイズが増大していっても、できる限り、断片化していない連続した領域に保存されます。

ページング ファイル
ページング ファイルは、Windows 2000 がデータをディスクとランダム アクセス メモリの間でスワップするために使用するディスク領域です。要求されるメモリ量が RAM の物理量よりも大きな場合、仮想メモリ マネージャは RAM に格納されている最も古いデータをページング ファイルに書き込みます。これにより、RAM をより優先度が高いものに割り当てることができます。ページング ファイルが断片化した場合、ディスク上での入出力時間が増大するため、パフォーマンスは大きく低下します。

Windows 2000 が起動されると、MFT とページング ファイルには排他的にディスクの空き領域が割り当てられます。最適化用 API は安全な最適化を保証しますが、MFT やページング ファイルは安全に移動できないため、これらの安全な移動はサポートしていません。これは重要な性質です。そのため、MFT とページング ファイルの最適化は、Windows 2000 が稼働していないときに行うことをお勧めします。しかし、そのような最適化は日常的な操作の範囲を逸脱しているため、MFT とページング ファイルの最適化には、マシン起動時に実行されるサード パーティのエンタープライズ向け最適化ツールの使用が一般的方法です。

ハイバネーション ファイル
ハイバネーション ファイルはコンピュータの電源が切られてもメモリの内容を保存しておくためのディスク領域です。ハイバネーション ファイルの場所はブート プロセスの非常に早い段階で決定されるため、このファイルを移動することはできません。しかし、マシン起動時に実行されるサード パーティのエンタープライズ向け最適化ツールを使用すれば、安全に最適化できます。

ディレクトリ
ディレクトリも断片化します。断片化するとファイルへのアクセスが遅くなります。NTFS ディスク上の Windows 2000 ディレクトリは、オペレーティング システム稼働中に最適化することができます。しかし、FAT ディレクトリはマシン起動時しか最適化できません。

Windows 2000 ディスク デフラグ ツール

ディスク デフラグ ツールは、FAT 16、FAT 32、および NTFS をサポートしているコンパクトな手動システム ツールです。このツールは断片化の程度を示す 2 つの分析画面 — 最適化前のディスクの状態を表示する "分析の表示" と最適化後のディスクの状態を表示する "最適化の表示"— で構成されています。個人ユーザーにとって、ディスク デフラグ ツールはディスクのパフォーマンスを最適に保つために格好のツールです。

ディスク デフラグ ツールの使用

ディスク デフラグ ツールでは簡便なインターフェースを使って、 2 つのディスク管理オプション、つまり、分析と最適化を利用できます。

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図 1: [分析] オプションと [最適化] オプション

分析と最適化
分析機能はユーザーが選択したディスクの状態を検査する診断ツールで、診断の結果、ディスクを最適化すべきかどうかを表示します。分析後、ボリューム (C:) の最適化が不要なことが判明すると、下図のようなメッセージ ボックスが表示されます。ディスクの最適化が必要な場合にも、その旨がメッセージ ボックスに表示されます。ここで [最適化] ボタンを押せば、自動的に最適化処理が開始されます。

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図 2: 分析メッセージ ボックス

ボリュームを分析または最適化する場合、ディスク デフラグ ツールは一度に 1 つのボリュームしか処理できません。また、ボリュームは手動クリックで選択する必要があります。ボリュームと実行する処理を選択すると、インターフェース画面にディスクの現在の断片化状況を示すマップが表示されます。

ディスク デフラグ ツールの操作
ディスク デフラグ ツールの詳しい使い方を次に示します。

  1. [スタート] をクリックして、[プログラム] - [アクセサリ] - [システム ツール] の順にポイントし、[ディスク デフラグ ツール] をクリックします。

  2. 断片化状況を調べたいボリュームを選択します。

  3. [分析] をクリックして、最適化の必要の有無を表示するメッセージ ボックスが現れるまで待ちます。

  4. 最適化の必要がある場合は、[最適化] をクリックします。


    ディスク デフラグ ツールがボリュームを最適化している際にほかの作業を行うことはできますが、推奨はされていません。これは最適化処理がシステム全体の応答速度を低下させるためです。ディスク デフラグ ツールの実行は、1 日の作業の最後に実行することをお勧めします。

  5. 最適化処理が完了したら、次に最適化するボリュームを選択します。すべてのボリュームが最適化するまで同様の作業を繰り返します。

色分け表示マップについて

ディスク デフラグ ツールでは、さまざまな種類のファイルや空き領域の配置状況が、色分けして表示されます。断片化しているファイルは赤で、連続しているファイルは青で、MFT やページング ファイルなどのシステム ファイルは緑で示されます。色分け表示により、上記の各要素がボリュームのどのくらいの容量を占め、ディスクのどの位置にあるのかが、おおよそ判断できます。

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図 3: 色分け表示マップ

この色分けされたマップはディスクの状態の "あらまし" を示しているに過ぎません。実際には、幅 1 ピクセル (72 ピクセル = 1 インチ) の線は普通、数千個のクラスタを表しており、そのクラスタ自体に断面化ファイル、連続ファイル、空き領域、システム ファイルなどが混在している可能性があります。これを考慮し、デフラグ ツールのアルゴリズムは、各ピクセル幅の線に相当するディスク セクションに最も多くの割合で存在しているファイル要素を基に、その線の表示色を決定しています。このような近似的な色表示のため、ディスク デフラグ ツールの表示はディスクの実際の状態とは若干の誤差があります。

たとえば、ピクセル幅の線が 1000 個のクラスタを表している場合、その 51 パーセントが連続していて 49 パーセントが空き領域である場合、その部分は青で表示されます。その結果、ほぼ半分を占める空き領域の存在は表示されず、Windows エクスプローラの表示よりも、空き領域が少なく見えることになります。しかし、ディスクの最適化が正常に終了した後では色分けマップの表示はディスクの状態を以前よりも正確に反映し、空き領域の量も正確に表示されるようになります。

最適化の実行に必要とされる十分なディスク空き領域

最適化対象のディスクの断片化がかなり進んでいると、最適化処理の実行に必要とされる空き領域が十分に存在しない可能性があります。これは、ファイルを最適化する際、断片化したファイルを最適化された新しい場所にコピーしてからでないと、そのファイルが元あったクラスタが解放されないためです。

また、ディスクを最適化した後でも、ディスク デフラグ ツールから "このボリュームを最適化することを推奨します" というメッセージが表示されることがあります。これは、最適化ルーチンを効率よく実行できるだけの十分な空き領域が存在しなかったことを意味します。このような場合、次のどちらかの対策を実行します。

  • 大きなファイルを一時的に別のディスクへ移動させます。

  • 不要なファイルを削除します。

必要な空き領域の計算
「マスタ ファイル テーブル」セクションに示したように、MFT ゾーンにはディスク全体の 8 分の 1 の領域が割り当てられます。このエリアは空き領域としてマークされますが、Windows 2000 が MFT 専用に確保している領域です。そのため、ディスク デフラグ ツールを実行しても、この MFT ゾーンにファイルを移動して最適化作業を進めることはできません。したがって最適化に利用可能な空き領域は、Windows エクスプローラに表示される空き領域から約 12% を差し引いた領域と計算してください。効果的な最適化を行うには、NTFS でフォーマットされたディスクに最低約 30% の空き領域があることが推奨されています。

まとめ

ファイルの断片化は、オペレーティング システムの処理速度とパフォーマンスに悪影響を及ぼします。最大限の Windows 2000 パフォーマンスを維持するには、定期的に (中程度以上の頻度でコンピュータを使用する場合は週に 1 度) ディスクの断片化状態を分析し、必要に応じて最適化を実行しましょう。

ディスク デフラグ ツールは主にスタンド アローン コンピュータとアドミニストレータの権限が与えられているユーザーを想定して設計されています。このため、ネットワーク環境でのディスク最適化は想定されていません。ネットワークの制御、自動スケジュール、複数のパーティションの同時最適化、MFT とページング ファイルの最適化といった高度な機能が必要なアドミニストレータの方は、サードパーティのネットワーク対応デフラグ ツールの採用をご検討ください。

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