クライアント アクセスまたはハブ トランスポート サーバーを異なるサイトに移動する方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2009-01-14

ここでは、クライアント アクセス サーバーまたはハブ トランスポート サーバーを Active Directory サイトから別の Active Directory サイトに移動する方法について説明します。

開始する前に

この手順を実行するには、使用するアカウントに以下が委任されている必要があります。

  • Exchange Server 管理者の役割およびハブ トランスポート サーバーとクライアント アクセス サーバーのローカルの Administrators グループのメンバシップ
  • サイト メンバシップを変更するための Domain Admins グループおよびローカルの Administrators グループのメンバシップ

Microsoft Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

クライアント アクセス サーバーに対してネットワーク負荷分散 (NLB) が有効になっている場合は、手順を開始する前に、NLB アレイからクライアント アクセス サーバーを削除する必要があります。新しいサイトで NLB を有効にする場合は、新しいサイトに移動した後でクライアント アクセス サーバーをアレイに追加する必要があります。

Microsoft Internet Security and Acceleration (ISA) Server 2006 などのリバース プロキシ サーバーを使用している場合は、手順を開始する前にリバース プロキシ サーバーからクライアント アクセス サーバーへのトラフィックを停止し、クライアント アクセス サーバーを新しいサイトに移動した後でトラフィックを再開する必要があります。

メールボックス サーバーの役割を持つサイトでは、少なくとも 1 つのハブ トランスポート サーバーの役割がインストールされている必要があります。ハブ トランスポート サーバーを異なるサイトに移動する場合は、移動後も元のサイトで少なくとも 1 台のコンピュータにハブ トランスポートの役割がインストールされていることを確認します。

移動先サイトでは、グローバル カタログ サーバーであり、Windows Server 2003 Service Pack (SP1) 以降のバージョンを実行している少なくとも 1 つのドメイン コントローラが必要です。

手順

ハブ トランスポート サーバーを異なる Active Directory サイトに移動するには、次の操作を行います。

  1. Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーの [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。次に、「Services.msc」と入力し、[OK] をクリックします。

  2. サービスの一覧で、[Microsoft Exchange Transport] を右クリックし、[一時停止] をクリックします。

  3. 5 分待ちます。

  4. Exchange 管理シェルで、次のコマンドを入力します。

    Get-Queue
    

    有害キューを除くすべてのキューの MessageCount が 0 であることを確認します。状態が "再試行" のキューを書き留めます。これらのキューのメッセージは、後の手順で再送信します。キューの詳細については、「キューの管理」を参照してください。

  5. Microsoft 管理コンソール (MMC) で、[Microsoft Exchange Transport] を右クリックし、[停止] をクリックします。

  6. MMC で、[Microsoft Exchange Transport] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  7. [全般] タブで、[スタートアップの種類] ボックスの一覧の [無効] を選択し、[OK] をクリックします。

  8. 移動するハブ トランスポート サーバーが送信元サーバーとして指定されている各送信コネクタで、別のハブ トランスポート サーバーも送信元サーバーとして指定されていることを確認します。送信元サーバーを表示、追加、または削除するには、Exchange 管理コンソールで、[組織] を展開し、[ハブ トランスポート] を選択します。次に、[送信コネクタ] タブをクリックします。各コネクタを右クリックし、[プロパティ] を選択します。[プロパティ] ダイアログ ボックスで、[送信元サーバー] タブを選択します。

    note注 :
    移動するハブ トランスポート サーバーを、コネクタの送信元サーバーの一覧からも削除することをお勧めします。
  9. 移動するサーバーの各受信コネクタに対して、最初のハブ トランスポート サーバーの移動後にメッセージを受信する、別のハブ トランスポート サーバー上に受信コネクタがあることを確認します。

  10. 移動するサーバーの各受信コネクタで、コネクタのスコープが特定の IP アドレスまたは IP 範囲に設定されている場合、そのアドレスまたは範囲がサーバーの移動後も有効であることを確認します。

  11. Exchange 管理コンソールで、移動するハブ トランスポート サーバーに対するサブスクリプションを持つエッジ トランスポート サーバーを判断するには、[組織] を展開し、[ハブ トランスポート] を選択します。次に、[エッジ サブスクリプション] を選択します。これらのエッジ トランスポート サーバーは、後の手順で再講読する必要があります。

  12. ハブ トランスポート サーバーをシャットダウンします。

  13. Exchange 組織内の別のコンピュータで、Active Directory サイトとサービスを開くには、コマンド プロンプト ウィンドウから以下を実行します。

    %systemroot%\system32\dssite.msc
    
  14. [Active Directory サイトとサービス] で、[Sites] を展開し、[Subnets] を展開します。次に、ハブ トランスポート サーバーがあるサブネットを右クリックし、[プロパティ] を選択します。

  15. [全般] タブの [サイト] ボックスの一覧で、ハブ トランスポート サーバーの移動先となるサイトを選択し、[OK] をクリックします。

  16. ハブ トランスポート サーバーの電源を入れます。

  17. サイト メンバシップがレプリケートされたことを確認するには、次のコマンドを実行します。

    Get-ExchangeServer
    
  18. [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。次に、「Services.msc」と入力し、[OK] をクリックします。

  19. サービスの一覧で、[Microsoft Exchange Transport] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  20. [全般] タブで、[スタートアップの種類] ボックスの一覧の [自動] を選択し、[OK] をクリックします。

  21. MMC で、[Microsoft Exchange Transport] を右クリックし、[開始] をクリックします。

  22. 手順 4. で書き留めた、状態が "再試行" のメッセージをキューから再送信するには、次のコマンドを実行します。

    Retry-Queue <Identity of queue> -Resubmit:$true
    

    到達不能キュー内のメッセージを再送信するには、次のコマンドを実行します。

    Retry-Queue Unreachable -Resubmit:$true
    
  23. 次のコマンドを実行して、すべてのキューの "状態" が "アクティブ" または "準備完了" であること、および MessageCount が 100 未満であることを確認します。

    Get-Queue
    
  24. 手順 11. で識別したエッジ トランスポート サーバーを再講読します。詳細については、「Exchange 組織でのエッジ トランスポート サーバーの購読」を参照してください。

クライアント アクセス サーバーを異なる Active Directory サイトに移動するには、次の操作を行います。

  1. サーバーまたはサーバーが配置されているサイトがエラー状態にあり、クライアント アクセス サーバーに接続しているコンピュータがない場合は、手順 3. に進みます。

  2. 移動するクライアント アクセス サーバーで、次のコマンドを実行して、クライアント アクセス サーバー経由でトラフィックがプロキシされないように仮想ディレクトリのプロパティを構成します。

    set-owavirtualdirectory "<OWA virtual directory name>" -externalurl $null -internalurl $null
    set-activesyncvirtualdirectory "<ActiveSync virtual directory name>" -externalurl $null -internalurl $null
    set-webservicesvirtualdirectory "<web services virtual directory name>" -externalurl $null -internalurl $null -internalurlnlbbypass $null
    set-oabvirtualdirectory "<OAB virtual directory name>" -externalurl $null -internalurl $null
    
  3. クライアント アクセス サーバーをシャットダウンします。

  4. Exchange 組織内の別のコンピュータで、Domain Admins グループのメンバであるアカウントを使用して Active Directory サイトとサービスを開くには、コマンド プロンプト ウィンドウから以下を実行します。

    %systemroot%\system32\dssite.msc
    
  5. [Active Directory サイトとサービス] で、[Sites] を展開し、[Subnets] を展開します。次に、クライアント アクセス サーバーがあるサブネットを右クリックし、[プロパティ] を選択します。

  6. [全般] タブの [サイト] ボックスの一覧で、クライアント アクセス サーバーの移動先となるサイトを選択し、[OK] をクリックします。

  7. 別のサイトの別のコンピュータから Active Directory サイトとサービスを表示して、サイト メンバシップの変更がレプリケートされたことを確認します。

  8. クライアント アクセス サーバーの電源を入れます。

  9. クライアント アクセス サーバーの移動先のサイトを自動検出するためにサイトの類似性を構成するには、次のコマンドを実行します。

    Set-ClientAccessServer -Identity "ServerName" -AutodiscoverServiceInternalURI "https://internalsitename/autodiscover/autodiscover.xml" AutodiscoverSiteScope "SiteName"
    
  10. 移動したクライアント アクセス サーバーで、次のコマンドを実行して、Microsoft Office Outlook Web Access を構成します。

    set-owavirtualdirectory "<OWA virtual directory name>" -externalurl https://<FQDN for external access>/owa -internalurl https://<FQDN of Client Access server>/owa
    
  11. 組織内の Exchange 2007 サーバーで、次のコマンドを実行して、ActiveSync を構成します。

    set-activesyncvirtualdirectory "<ActiveSync virtual directory name>" -externalurl https://<FQDN for external access>/Microsoft-Server-ActiveSync -internalurl https://<FQDN of Client Access server>/Microsoft-Server-ActiveSync
    
  12. 移動したクライアント アクセス サーバーで、次のコマンドを実行して、Exchange Web サービスを構成します。

    set-webservicesvirtualdirectory "<web services virtual directory>" -externalurl https://<FQDN for external access>/ews/exchange.asmx -internalurl https://<FQDN for external access>/ews/exchange.asmx -internalurlnlbbypass https://<FQDN of the Client Access server>/ews/exchange.asmx
    
  13. 移動したクライアント アクセス サーバーで、次のコマンドを実行して、オフライン アドレス帳仮想ディレクトリを構成します。

    set-oabvirtualdirectory "<OAB virtual directory name>" -externalurl https://<FQDN for external access>/ -internalurl https://<FQDN for external access>/
    
  14. 移動したクライアント アクセス サーバーで、次のコマンドを実行して、Outlook Web Access、ActiveSync、および Exchange Web サービスの接続をテストします。

    Test-OWAConnectivity
    Test-ActiveSyncConnectivity
    Test-WebServicesConnectivity
    
  15. 組織内の Exchange 2007 サーバーで、次のコマンドを実行して、必要なサービスのみが開始されていることを確認します。

    Test-ServiceHealth
    

構文およびパラメータの詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。