ユーザー グループごとに Office 2010 の異なる構成を作成する

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2011-11-16

この記事では、要件の異なるユーザー グループごとに Microsoft Office 2010 の異なる構成を作成する場合に必要な情報と具体的な方法について説明します。ここで説明するどちらかの方法を使用すると、グループごとにカスタマイズした Office 2010 の独自の構成を作成できます。

第 1 の方法では、Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用してグループごとにセットアップ カスタマイズ .msp ファイル を作成し、次にそのカスタマイズ .msp ファイルを指定してコマンド ラインでセットアップを実行します。第 2 の方法では、インストールをカスタマイズする Config.xml ファイルとセットアップ カスタマイズ .msp ファイルを使用し、セットアップ プログラムとインストール用の全カスタマイズ ファイルが含まれる独自のインストール フォルダーを用意してから、そのインストール フォルダーからセットアップを実行します。

Office 2010 では、アーキテクチャ別に 2 種類の OCT を使用できます。1 つは 32 ビット版 Office 2010 用、もう 1 つは 64 ビット版 Office 2010 用です。64 ビット版の OCT は、Office 2010 の 64 ビット版クライアント エディションをサポートし、32 ビット版の OCT と同じユーザー インターフェイス、機能、および構成可能な設定を備えています。32 ビット版と 64 ビット版の OCT の実行には同じコマンドを使用します。たとえば、32 ビット版 OCT を実行するには、x86 (32 ビット) フォルダーから setup.exe /admin コマンド ラインを実行します (例、\\server\share\Office14\x86\setup.exe /admin)。64 ビット版 OCT を実行するには、x64 (64 ビット) フォルダーから setup.exe /admin コマンド ラインを実行します。64 ビット版 Office 2010 の詳細については、「64 ビット版の Office 2010」を参照してください。

通常、Office 2010 の企業展開の最初の手順は、ネットワーク インストール ポイントを作成することです。これを行うには、Office の CD からすべてのソース ファイルをネットワーク上の共有の場所にコピーします。このネットワーク インストール ポイントからユーザーにセットアップを実行してもらうことも、このインストール ポイントを開始点として、ハードディスク イメージやカスタム CD を作成したり、Microsoft System Center Configuration Manager などの展開管理ツールを使用して Office を配布したりすることもできます。詳細については、「Office 2010 のネットワーク インストール ポイントを作成する」を参照してください。

この記事の内容

  • ユーザー グループごとのカスタム構成を作成する

  • 独自のインストール フォルダーを使用してユーザー グループごとのカスタム構成を作成する

ユーザー グループごとのカスタム構成を作成する

ここで説明する方法では、OCT を使用して、グループごとに独自のセットアップ カスタマイズ ファイル (.msp ファイル) を作成します。次に、セットアップのコマンド ラインでカスタマイズ ファイルを指定して、対象ユーザー用に Office をインストールします。

ユーザー グループごとのカスタマイズを構成するには

  1. Office のネットワーク インストール ポイントを作成します。詳細については、「Office 2010 のネットワーク インストール ポイントを作成する」を参照してください。

  2. ネットワーク インストール ポイントのルートに、セットアップ カスタマイズ ファイルのフォルダーを作成します。

    注意

    カスタマイズ ファイルを Updates フォルダーに配置しないでください。このフォルダーにあるカスタマイズ ファイルはインストール時に自動的に適用されることになります。その代わり、手順 5. で説明するように、コマンド ラインで指定するカスタマイズ ファイルのみが使用されるようにセットアップに指定します。

  3. ネットワーク インストール ポイントからセットアップを実行して、OCT を起動します。/admin コマンド ライン オプションを指定します (例、\\server\share\setup.exe /admin)。詳細については、「Office 2010 の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。

  4. 1 番目のユーザー グループに使用するカスタマイズを行います。

    1. [ファイル] メニューの [上書き保存] をクリックします。

    2. セットアップ カスタマイズ ファイルに一意の名前を指定します。作成したフォルダーにファイルを保存します。

    3. これらの操作を繰り返して、ユーザー グループごとに独自のセットアップ カスタマイズ ファイルを作成します。

  5. 各グループ内のユーザー用にセットアップを実行します。/adminfile コマンド ライン オプションを使用して、該当するセットアップ カスタマイズ ファイルを指定します。たとえば、経理部のユーザー用に Office をインストールするには、\\server\share\setup.exe /adminfile \\server\share\custom\accounting.msp を実行します。詳細については、「ネットワーク インストール ポイントからセットアップを実行する」を参照してください。

独自のインストール フォルダーを使用してユーザー グループごとのカスタム構成を作成する

ここで説明する方法では、Config.xml とセットアップ カスタマイズ .msp ファイルを使用して、ユーザー グループごとのカスタマイズを作成します。また、メインのネットワーク インストール ポイントとは別のインストール フォルダーを使用し、そこに、Setup.exe、Config.xml、Osetup.dll、およびセットアップ カスタマイズ .msp ファイルを含めます。それ以外の必要なインストール ファイルは、Office 2010 のメインのネットワーク インストール フォルダーに含めます。セットアップは、独自のインストール フォルダーから実行します (または、ユーザーに実行させます)。

前述の方法との主な相違点は、独自のインストール フォルダーを使用する点です。特定のユーザー グループ用に独自のインストール フォルダーを使用する利点は、Setup.exe に複雑なコマンドやネットワーク パスを指定しなくても、管理者 (またはその対象グループのユーザー) が独自のインストール フォルダーからセットアップを実行することによって、カスタマイズされた構成を取得できることです。

独自のインストール フォルダーを使用してユーザー グループごとのカスタム構成を作成し、インストールするには

  1. Office 2010 のメインのネットワーク インストール フォルダーとは別のフォルダーを作成します。たとえば、GroupCustomOfficeInstallFolder というフォルダーを作成します。

  2. その新しいフォルダーに、Setup.exe、Config.xml、および Osetup.dll のコピーを作成します。これらのファイルは、メインのネットワーク インストール フォルダーにあります。

    Setup.exe はフォルダーのルートにあります。Config.xml ファイルおよび Osetup.dll はコア製品フォルダー core_product_folder_name.WW フォルダー (ProPlus.WW など) にあります。

  3. テキスト エディターを使用して Config.xml を開き、次の操作を行います。

    • 次の例のように、DistributionPoint 要素の Location 属性を編集して、メインのネットワーク インストール フォルダーから Office 2010 のインストール ファイルを取得することを指定します。Config.xml の詳細については、「Office 2010 の Config.xml ファイル」を参照してください。

      <DistributionPoint Location=\\share\PrimaryOffice2010NetworkInstallationFolder />
      
    • OCT を使用して 1 つ以上のセットアップ カスタマイズ ファイル (.msp ファイル) を作成した場合は、次の例のように、Config.xml ファイルの SetupUpdates 要素の CheckForSUpdates 属性と SUpdateLocation 属性を編集して、セットアップ時に新しいフォルダー内のセットアップ カスタマイズ ファイルが検出されるようにします (既定では、セットアップ時には Updates フォルダー内でセットアップ カスタマイズ ファイルが検索され、複数見つかった場合はアルファベット順にファイルが実行されます)。

      <SetupUpdates 
         CheckForSUpdates="Yes"  
         SUpdateLocation="<\\share\GroupCustomOfficeInstallFolder\Updates>"  
      />
      

    重要

    • Config.xml を編集するには、メモ帳などのテキスト エディターを使用します。Microsoft Word 2010 などの汎用の XML エディターは使用しないでください。

    • セットアップ カスタマイズ ファイルを作成する方法の詳細については、「Office 2010 の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。

  4. 新しく作成した GroupCustomOfficeInstallFolder フォルダーから Setup.exe を実行します。ユーザー用にドライブをマップするか、次のようにコマンド ラインを使用して、セットアップを実行できます。

    \\share\GroupCustomOfficeInstallFolder\setup.exe
    

Config.xml ファイルを使用すると、次の項目を構成できます。

  • ネットワーク インストール ポイントへのパスを指定する。

  • インストールする製品を選択する。

  • ログ記録、セットアップ カスタマイズ ファイルとソフトウェア更新プログラムの場所などのセットアップ オプションをカスタマイズする。

  • インストールする言語を追加または削除する。

  • ユーザー名、会社名などのインストール オプションを設定する。

  • Office をインストールせずにローカル インストール ソース (LIS) をユーザーのコンピューターにコピーする。

詳細については、「Office 2010 の Config.xml ファイル」を参照してください。

他の Office 展開と同様に、組織内のユーザーに Office を展開する前に、非運用環境でカスタマイズと展開をテストしてください。