Office 2013 製品の更新プログラムを配布する

 

適用先: Office 2013

トピックの最終更新日: 2016-12-16

概要: Windows インストーラー ベース (MSI) の Office 2013、Project 2013、および Visio 2013 のソフトウェア更新プログラムのプロセスと、更新プログラムの展開方法について説明します。

対象ユーザー: IT 担当者

Microsoft は、Office の新リリースの後、アプリケーションのセキュリティ、パフォーマンス、および信頼性の向上に役立つ一連のソフトウェア更新プログラムを提供します。この記事には、Windows インストーラー ベースの Office に使用できるソフトウェア更新プログラムのタイプの一覧と、Office 2013、Project 2013、および Visio 2013 クライアントのソフトウェア更新プログラムの展開に使用される展開方法の説明が含まれています。

この記事の内容

  • Windows インストーラーのバージョン

  • 既存の Office 2013 インストールを保守する

  • エンタープライズ展開ツールを使用して更新プログラムを展開する

  • 更新戦略を選択する

次の表に記載されているタイプのソフトウェア更新プログラムがリリースされます。

Office のソフトウェア更新プログラムの種類

更新プログラム 定義

サービス パック

修正プログラム、セキュリティ更新プログラム、重要な更新プログラム、およびソフトウェア更新プログラムのテスト済みの累積的なセット。サービス パックには、お客様から要求された限られた数の設計変更や機能が含まれている場合もあります。サービス パックは、製品の新しいベースライン バージョンを表します。

セキュリティ更新プログラム

製品に固有のセキュリティ関連の脆弱性に対して広範囲にリリースされる修正。セキュリティ関連の脆弱性は、その深刻度に基づいて評価され、深刻度は、Microsoft セキュリティ情報に、緊急、重要、警告、注意で示されます。

一般的な更新プログラム

特定の問題について広範囲にリリースされる修正。セキュリティに関連しない非常に重要な問題を解決します。

修正プログラム

製品内の問題を解決する 1 つ以上のファイルで構成される 1 つの累積パッケージ。修正プログラムは、特定のお客様の状況に対処し、そのお客様の組織以外には配布されない場合があります。

Office の累積的な更新プログラムは、2 か月ごとにリリースされます。Office の最新の累積的な更新プログラムで定期的に更新される、総合的な KB 記事があります。修正プログラムと累積的な更新プログラムは、Windows Software Update Services や Microsoft Update では展開できないことに注意してください。

Office 2013 および関連製品の最新の更新プログラムの詳細については、「Office のダウンロード & 更新プログラム」を参照してください。

ソフトウェア更新プログラムは、更新プログラムで変更される全ファイルを置き換える、完全なファイルの更新プログラム としてリリースされます。全ファイルがインストールされるため、完全なファイルの更新プログラムでは通常、元の Office インストール ソースにアクセスする必要はありません。

Office 製品のサービス パックは、インストールされている製品に対する更新プログラムとしてのみ使用でき、ベースの Office システム製品には統合されません。

Windows インストーラーのバージョン

Office 2013 の更新プログラムの展開に必要な Windows インストーラーの最小バージョンは、Windows インストーラー 3.1 です。Windows インストーラー 4.5 は、Windows Server 2008 Service Pack 2 (SP2) でリリースされたことに注意してください。Windows インストーラー 5.0 は、Windows Server 2008 R2 および Windows 7 でリリースされました。Windows インストーラーの詳細については、MSDN の Web サイトの以下のリソースを参照してください。

既存の Office 2013 インストールを保守する

Office 2013 の展開機能によって、更新戦略の選択プロセスが簡素化されます。すべての更新プログラムをクライアントに直接配布し、既存の Office 2013 システムのインストールに最新のソフトウェア更新プログラムが適用されている状態にします。

ユーザーは、複数の完全なファイルの更新プログラムをクライアント コンピューターに直接適用できます。たとえば、完全なファイルのセキュリティ更新プログラムを適用した後に、完全なファイルの重要な更新プログラムなどを連続して適用できます。完全なファイルの更新プログラムでは、更新プログラムの影響を受けるすべてのファイルが完全に置き換えられます。ユーザーは、ソースにアクセスできない場合でも、ほとんどの場合、更新プログラムを適用できます。Office 2013 のセットアップでは、既定のインストール プロセスの一部として、ユーザーのコンピューターにローカル インストール ソースが作成されます。セットアップでは、Office 2013 のすべての製品が 2 段階の手順でインストールされます。最初に、圧縮されたインストール ソース ファイルがユーザーのコンピューターにコピーされます。次に、Windows インストーラーが呼び出され、ローカル インストール ソースから実際のインストールが実行されます。インストール後も、ソフトウェア更新プログラムの適用など、元のソースへのアクセスが必要なセットアップ保守操作で、ローカル インストール ソースをそのまま使用できます。

Office 2013 および製品の更新プログラムをインストールするには、管理者権限または管理者特権が必要です。管理者特権とは、コンピューターにログインしているアカウントまたはコンピューターで動作しているプロセスのうち、すべての管理者権限またはアクセス許可を持っているアカウントまたはプロセスを指します。企業環境では、更新プログラムの展開に、Microsoft System Center 2012 Configuration Manager などのソフトウェア配布ツールを使用することをお勧めします。System Center 2012 Configuration Manager では、管理者特権を使用します。Office 2013 の展開の詳細については、「Office 2013 の展開方法」を参照してください。

注意

Office 2003 では、大規模組織は、通常、製品を管理者インストール ポイントからインストールしていました。ローカル インストール ソースからの製品のインストールはオプションでした。Office 2013、Office 2010、および Office 2007 には、管理者インストール オプションは存在しません。ローカル インストール ソースが必須です。すべての更新プログラムはクライアントに直接適用されるため、ネットワーク ソースは変更されません。クライアント インストールは元のソースと同期されたままになります。

更新プログラムをローカルに配布する

ユーザーが Office 2013 をインストールすると、インストール ファイルはローカル コンピューターの隠しフォルダーにコピーされます。Windows インストーラーではこのローカル インストール ソースを使用して、まず Office をインストールし、次に Office の修復と更新を行います。ローカル インストール ソースの詳細については、「Office 2013 のセットアップ アーキテクチャの概要」の「必須のローカル インストール ソース」を参照してください。

ほとんどの場合、特に次のような場合には、ローカルな更新戦略を使用することをお勧めします。

  • ソフトウェア更新プログラムを異なるユーザー グループに、または異なる時間に配布する場合。

  • ネットワーク帯域幅に制限がある場合。

  • 移動中のユーザーなど、ネットワーク アクセスが制限されている、またはネットワーク アクセスの信頼性が低いユーザーをサポートする場合。

ローカル インストール ソースは常に使用できるため、オフライン ユーザーは、ソースへのアクセスが必要なあらゆる操作を実行できます。

サポートされるベースライン

Office 2013 の最初のリリースは、製品の初期ベースラインを表し、後続の各サービス パックは、新しいベースラインを表します。

完全なファイルの更新プログラムは、通常、最新の 2 つのベースラインに基づいてサポートされます。たとえば、Service Pack 1 (SP1) に更新したユーザーにとっては、Office 2013 Service Pack 2 (SP2) が使用可能になった後にリリースされた更新プログラムを展開できます。

注意

以前のベースラインは、最新のサービス パックのリリース後、12 か月間のみサポートされます。たとえば、SP1 のソフトウェア更新プログラムは、Office 2013 SP2 のリリース後 12 か月間サポートされます。12 か月の期間が経過すると、完全なファイルの更新プログラムの対象は、SP2 で更新されたクライアント コンピューターのみになります。Microsoft サポート ライフサイクルの詳細については、「Microsoft サポート ライフサイクル ポリシー」を参照してください。

エンタープライズ展開ツールを使用して更新プログラムを展開する

次のいずれかの方法を使用して、ソフトウェア更新プログラムを企業環境内のユーザーに配布できます。

  • マイクロソフトの更新プログラム

  • Windows Server Update Services

  • System Center 2012 Configuration Manager

  • Microsoft Self-Extractor ファイル

  • Updates フォルダー

    注意

    Updates フォルダーの方法を使用するのは、Office 2013 の初期インストールを実行するときにソフトウェア更新プログラムを展開する場合のみです。

マイクロソフトの更新プログラム

Microsoft Update (Windows 7 を実行しているコンピューター上の Windows Update) を使用すると、インターネットに直接接続しているユーザーは、自分のコンピューターを管理し、最新のソフトウェア更新プログラムをダウンロードできます。ユーザーは、更新プログラムの確認と取得を定期的に実行するように自動スケジュールを設定できます。Microsoft Update を使用することをお勧めします。Microsoft Update は、Windows や Office などの Microsoft 製品向けの、一元的で自動化されたソフトウェア更新ソリューションです。Microsoft Update の詳細については、「Windows Update」のホームを参照してください。

Active Directory で管理された環境では、Office アプリケーションから Office.com および Microsoft Update へのアクセスを、[[ファイル] タブ | ヘルプにあるコマンドを無効にする] グループ ポリシー設定を使用して制御できます。この設定は、グループ ポリシー管理コンソールの Microsoft 管理コンソール (MMC) スナップインの ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office 2013\ユーザー インターフェイスの項目を無効にするノードにあります。

[[ファイル] タブ | ヘルプにあるコマンドを無効にする] ポリシーでは、ユーザーが Microsoft ダウンロード センターで更新プログラムを検索することや、また Office のソフトウェア更新プログラムを提供する Microsoft Update サイトを直接使用することを防止できません。グループ ポリシーおよびグループ ポリシー設定の構成方法の詳細については、「Office 2013 のグループ ポリシーの概要」を参照してください。

Windows Server Update Services

Windows Server Update Services (WSUS) は無償のツールであり、これを使用して、マイクロソフト製品の最新の更新プログラムを組織のネットワーク内に展開できます。WSUS は、Microsoft Update に接続して最新のソフトウェア更新プログラムを取得し、更新プログラムを組織の WSUS サーバーと同期します。自動または手動の同期を構成できます。プライマリ WSUS サーバーを使用すると、ネットワーク上の他の WSUS サーバーを更新できます。

WSUS の詳細については、「Windows Server Update Services 3.0 SP2 のステップ バイ ステップ ガイド」を参照してください。

System Center 2012 Configuration Manager

System Center 2012 Configuration Manager は、複雑で変化の早いビジネス環境で多数のクライアントを管理する中規模および大規模の組織向けに設計されたソフトウェア配布ツールです。System Center 2012 Configuration Manager は、Office を最初に展開する以外に、Microsoft Windows クライアントの混在環境に製品の更新プログラムを配布する際にも使用できます。

System Center 2012 Configuration Manager を使用して Office を保守する場合、展開プロセスを厳密に制御できます。たとえば、Office をインストールする前に、System Center 2012 Configuration Manager を使用して、クライアント コンピューターのソフトウェア要件を照会することや、特定の条件を満たすコンピューターのみにインストールを行うことができます。

System Center 2012 Configuration Manager の詳細については、「Configuration Manager」および「Configuration Manager のソフトウェアの更新」を参照してください。

Microsoft Self-Extractor ファイル

Microsoft Self-Extractor は、ソフトウェア インストールの更新プログラムと、修正プログラムを、Microsoft Self-Extractor パッケージと呼ばれる自己解凍式の実行可能ファイルに結合するために使用します。管理者は, .exe ファイルをダブルクリックするか, .exe ファイルをコマンド プロンプトで実行することで、これらのパッケージをインストールできます。この展開オプションは、System Center 2012 Configuration Manager または WSUS がない場合に便利です。

コマンド プロンプトで .exe ファイルを実行してパッケージをインストールする場合、スイッチを使用してパッケージ展開およびログ記録のオプションを指定できます。また, .exe ファイルは、[スタート] メニューの [検索] ボックスを使用するか、[スタート]、[ファイル名を指定して実行] の順にクリックして実行することもできます。

注意

製品の修正プログラムの .exe ファイルから .msp ファイルを抽出して実行することは推奨されません。不適切な .msp ファイルを適用すると、コンピューターにインストールされている製品に修正プログラムが適用されていない場合、エラーが発生します。また、必要な .msp ファイルがすべて適用されるまで、製品が完全に更新されない場合があります。パッケージには、適用できる修正プログラムを正確に判断して必要な修正プログラムのみをインストールする検出ロジックが含まれています。
Office の初期インストール中に更新プログラムを適用する場合は, .msp ファイルを Updates フォルダーに抽出し、Office 製品と共にインストールする必要があります。.msp ファイルのみが処理されます。

初期インストールで展開される更新プログラムに Updates フォルダーを使用する方法の詳細については、「Office 2013 の初期インストールでソフトウェア更新プログラムを展開する」を参照してください。

以下のセクションでは、Microsoft Self-Extractor ファイルの使用方法について説明します。

  • Microsoft Self-Extractor のコマンド ライン スイッチ

  • フォルダー内のすべての Microsoft Self-Extractor パッケージを展開する

  • サンプル バッチ ファイル

  • サンプル スクリプト

Microsoft Self-Extractor のコマンド ライン スイッチ

パッケージに使用できるスイッチを確認するには、次のいずれかのヘルプ スイッチを使用します。

/?

/h

/help

次の表に、Microsoft Self-Extractor でサポートされているコマンド ライン スイッチを示します。

コマンド ライン スイッチ

スイッチ 説明

/extract:[ path ]

パッケージの内容を path フォルダーに抽出します。パスが未指定の場合、[参照] ダイアログ ボックスが表示されます。

/log:[ path of log file ]

更新プログラムのインストールの詳細ログを有効にします。パス情報に加えて、ファイル名も含める必要があります。このコマンドでは、フォルダーは作成されないため、既存のフォルダー名を使用する必要があります。指定したファイル名の他に、実行する各 .MSI ファイルに対して別々のログ ファイルが作成されます。

/lang: lcid

パッケージで複数のロケールが使用できる場合、ユーザー インターフェイスを指定したロケールに設定します。

/quiet

パッケージをサイレント モードで実行します。

/passive

ユーザーの操作を要求せずに更新プログラムを実行します。

/norestart

コンピューターの再起動が必要な場合に、ユーザーに確認メッセージを表示しません。

/forcerestart

更新プログラムの終了時に、コンピューターを強制的に再起動します。

/?

/h

/help

ヘルプ メッセージを表示します。

コマンド ライン スイッチの詳細については、Microsoft サポート技術情報の記事、「912203: Microsoft Self-Extractor を使用して作成されたソフトウェア インストール パッケージ、更新プログラム パッケージ、修正プログラム パッケージでサポートされているコマンド ライン スイッチについて」を参照してください。

フォルダー内のすべての Microsoft Self-Extractor パッケージを展開する

このセクションに含まれているバッチ ファイルと Visual Basic スクリプトの例を使用して、フォルダーに含まれているすべての Microsoft Self-Extractor パッケージを展開できます。バッチ ファイルとスクリプト コードは、1 つのインストールが失敗しても後続のインストールが続行できるように記述されています。バッチ ファイルもスクリプトも例を示すことが目的であり、実際のシナリオに応じて構成が必要な場合があることに注意してください。

サンプル バッチ ファイル

次のバッチ ファイルでは、まず、既存のログ ファイルが削除され、次に、バッチ ファイルを配置したディレクトリ内に含まれているすべての Microsoft Self-Extractor ファイルがインストールされます。

@echo off

del %temp%\oupdates.txt /q

for /f "delims=-; tokens=1,2,3,4,5" %%i in ('dir /b *kb*.exe') do echo %%j-%%i-%%k-%%l-%%m >> %temp%\oupdates.txt

for /f "delims=-; tokens=1,2,3,4,5" %%i in ('type %temp%\oupdates.txt') do %%j-%%i-%%k-%%l-%%m /log:%temp%\officeupdates.log /passive /norestart

サンプル スクリプト

次の Visual Basic スクリプトは、上記のバッチ ファイルに類似した機能を提供します。このスクリプトでは、スクリプトを配置したフォルダーに含まれているすべての Microsoft Self-Extractor ファイルがインストールされます。このコードでは、Microsoft Self-Extractor パッケージをサイレント モードでインストールすることが指定されており、ログ ファイルが C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Temp\<officeupdate>.log などのユーザーの %temp% 一時フォルダーに生成されるようにするためにログが有効にされます。これらのスイッチは、Microsoft Self-Extractor ファイル以外の実行可能 (.exe) ファイル用ではありません。このため、Self-Extractor ファイルが含まれているフォルダーには、他の種類の .exe ファイルを配置しないことをお勧めします。

Dim wShell 'As WshShell

Dim fso 'As FileSystemObject

Dim f 'As File

Dim sLogName 'As String

Dim sPatchFolder 'As String

Dim sPatchCmd 'As String

Const kTempFolder = 2

On Error Resume Next

sPatchFolder = Replace(Wscript.ScriptFullName, Wscript.ScriptName, "")

Set fso = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")

Set wShell = CreateObject("WScript.Shell")

For Each f In fso.GetFolder(sPatchFolder).Files

If UCase(Right(f.Name, 4)) = ".EXE" Then

sLogName = fso.GetSpecialFolder(kTempFolder) & "\" & Left(f.Name, Len(f.Name) - 3) & "log"

sPatchCmd = f.Path & " /quiet /norestart /log:" & sLogName

wShell.Run sPatchCmd, 0, True

End If

Next

Office 2013 の初期インストール に、Microsoft Self-Extractor ファイルを使用してソフトウェア更新プログラムを展開する場合、メモ帳などのテキスト エディターを使用して、このセクションの Visual Basic スクリプトとバッチ ファイルのサンプルを、特定の要件に応じて変更できます。カスタマイズが終了したら、ファイルを保存します。これで、このスクリプトまたはバッチ ファイルを実行し、新しい Microsoft Self-Extractor パッケージを続けてインストールできます。この場合、基本的な手順は、以下に示すようになります。この手順では、Office Professional Plus 2013 プレビューの更新プログラム (2012 年 7 月 27 日) を例として使用しています。この情報は、Office の他の更新プログラムにも当てはまります。

注意

すべての Office 2013 スイート で、マウス、キーボード ショートカット、またはタッチを使用してタスクを実行できます。Office 製品およびサービスでキーボード ショートカットとタッチを使用する方法については、「キーボード ショートカット」と「Office タッチ ガイド」を参照してください。

フォルダーに含まれているすべての Microsoft Self-Extractor パッケージを展開する

  1. ソフトウェア更新プログラム ファイルをダウンロードします。たとえば、Office Professional Plus 2013 プレビューの更新プログラム (2012 年 7 月 27 日) をダウンロードします。

  2. ダウンロードした .exe ファイル (この例では outlook2013-kb2737132-fullfile-x86-glb.exe) をハード ディスク ドライブに保存します。保存するフォルダーは、Microsoft Self-Extractor パッケージの展開に使用するスクリプトまたはバッチ ファイルが含まれているのと同じフォルダーにします。たとえば、ファイルを C:\Office2013Updates に保存します。

  3. カスタマイズしたバッチ ファイルまたはスクリプト (フォルダー内のすべての Microsoft Self-Extractor パッケージを展開するのサンプルに基づく) を実行し、C:\Office2013Updates フォルダーに含まれているすべての Microsoft Self-Extractor ファイルをインストールします。

Updates フォルダーを使用して更新プログラムのインストールを Office 2013 製品の初期インストールに組み込む方法の詳細については、「Office 2013 の初期インストールでソフトウェア更新プログラムを展開する」を参照してください。

Updates フォルダー

Office 2013 の初期インストールを展開するときに、サービス パック、修正プログラムなど、Office 2013 のソフトウェア更新プログラムも展開する必要がある場合、セットアップでそれらの更新プログラムを初期インストール プロセスの一部として適用できます。Office 2013 製品の更新プログラムのリリース後に Office 2013 をインストールする場合は、それらの更新プログラムを Updates フォルダーに格納することをお勧めします。Updates フォルダーには、インストール ポイントに存在するあらゆる Office 関連製品の更新プログラムを格納できます。Updates フォルダーでは、各製品につき 1 つのセットアップ カスタマイズ Setup customization .msp file ファイルのみがサポートされます。セットアップ カスタマイズ .msp ファイルは、Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用して作成します。

初期インストール中に、セットアップでは、インストール中の Office 2013 製品に関連する .msp ファイルが Updates フォルダーにあるかどうかを確認し、インストール中に 1 つのセットアップ カスタマイズ .msp ファイルのみを適用します。最初の .msp ファイルをインストールする順序は、Windows の並べ替え順序を使用して決定されます。Updates フォルダー内の残りの製品更新プログラム ファイルは、インストールの最後にインストールされます。カスタマイズ .msp ファイルを Office の更新プログラムと共にインストールする場合は、カスタマイズ .msp ファイルが最初にインストールされるようにファイル名を変更する必要があります。たとえば、Custom.MSP1_Custom.MSP に変更します。

セットアップでは、初期展開中に、Updates フォルダーに通常存在するカスタマイズ .msp ファイルを特定し、セットアップ プロセスの開始時に、カスタマイズ .msp ファイルを検出し、製品の Windows インストーラー (MSI) ファイルのインストール時に, .msp ファイルを Microsoft Windows インストーラーに直接渡します。このため、製品の更新プログラムが適用される前に、管理者が指定したオプション状態や他の設定が適切に確立されます。その結果、ユーザーは、最新の更新プログラムを Office と共に受け取ります。

重要

Updates フォルダーは、Office 2013 の初期インストール中にソフトウェア更新プログラムを展開する場合にのみ使用できます。1 つのセットアップ カスタマイズ .msp ファイルと複数の製品更新プログラム ファイルが混在する場合、展開フェーズでは、セットアップ カスタマイズ .msp ファイルのみが適用され、製品更新プログラム ファイルはインストールの完了後に適用されます。前述のとおり、プロダクト キー (KMS キー、MAK キーなど) や quiet モードの設定などの変更が正しく適用されるように、セットアップ カスタマイズ .msp ファイルを最初に展開する必要があります。
Updates フォルダーは、Office の初期インストール後に製品の更新プログラムを展開する際には使用できません。

以下のセクションでは、Updates フォルダーの使用方法について説明します。

  • Office 2013 の初期インストールでソフトウェア更新プログラムを展開する

  • Windows インストーラー修正プログラム (.msp) ファイルのテストと確認を行う

  • Config.xml ファイルを変更して更新プログラムに別の場所を指定する

  • SetupUpdates の構文

  • Config.xml の SetupUpdates 要素を使用する

Office 2013 の初期インストールでソフトウェア更新プログラムを展開する

管理者は、Updates フォルダーを使用して、Office 2013 製品の初期インストールに更新プログラムのインストールを組み込むことができます。このフォルダーに含まれている Windows インストーラー修正プログラム ファイルのみが、初期インストール中にインストールされます。このため、これらの修正プログラムを Microsoft Self-Extractor パッケージから抽出する必要があります。この方法は、カスタマイズ修正プログラムのインストールにも使用できます。

Office カスタマイズ ツールを使用してセットアップ カスタマイズ .msp ファイルを作成する場合は、カスタマイズ ファイルの名前を変更して、ファイルが最初にインストールされるようにすることをお勧めします。Setup.exe は、インストール中に 1 つの .msp ファイルのみを処理し、フォルダーに含まれている他の修正プログラムはすべて、インストールの最後に続けて処理されます。カスタマイズ修正プログラム名の先頭に "1" を付加すると、ファイルが最初に処理されるようにすることができます。

次の手順では、Office Professional Plus 2013 プレビューの更新プログラム (2012 年 7 月 27 日) を例として使用します。この手順では、更新プログラム パッケージ (この例では outlook2013-kb2737132-fullfile-x86-glb.exe) のインストール方法を示しており、Updates フォルダーに更新プログラムを挿入するために必要な手順が重点的に解説されています。この情報は Office の他の更新プログラムにも当てはまります。

注意

次の手順は、Office 2013 の初期インストールのみに関するものです。Office 2013 の初期インストール後に Microsoft Self-Extractor ファイルを使用してソフトウェア更新プログラムを展開する方法の詳細については、「フォルダー内のすべての Microsoft Self-Extractor パッケージを展開する」を参照してください。

Updates フォルダーを使用してソフトウェア更新プログラムをインストールする

  1. Office 2013 の ISO イメージをダウンロードして DVD に書き込み、コンテンツをネットワーク上の場所にコピーします。詳細については、「ネットワーク インストール ポイントから Office 2013 を展開する」を参照してください。

  2. Office カスタマイズ ツールを使用して、インストールに必要な変更を加えます。セットアップ カスタマイズ .msp ファイルを Updates フォルダーに保存します。前述のとおり、ファイル名が "1" で始まるようにしてください。カスタマイズの詳細については、「Office 2013 の Office カスタマイズ ツール (OCT) リファレンス」を参照してください。

  3. Config.xml ファイルを変更するには、インストール中の製品の製品フォルダーのルートにある Config.xml ファイルを使用します。ファイルの変更には、メモ帳などのテキスト エディターを使用します。たとえば、インストール オプション (ネットワーク インストール ポイントのパス、インストールする製品、カスタム セットアップ オプションなど) や、インストールする言語を指定できます。詳細については、「Office 2013 の Config.xml ファイル参照」を参照してください。

    Config.xml のカスタマイズが完了したら、Config.xml ファイルを保存します。次の例に示すように、セットアップの /config コマンド ライン オプションを使用して、Config.xml ファイルの場所を指定できます。

    \\server\share\setup.exe /config \\server\share\ProPlus.WW\config.xml

    ここで、\\server\share は、Office 2013 のソース ファイルが含まれているネットワーク上の場所です。

  4. Office Professional Plus 2013 プレビューの更新プログラム (2012 年 7 月 27 日) をダウンロードします。

  5. .msp 修正プログラムを Microsoft Self-Extractor ファイル (この例では outlook2013-kb2737132-fullfile-x86-glb.exe) から抽出するには, .exe ファイルを実行し、/Extract:[extract folder path] スイッチを使用します。たとえば、コマンド プロンプトで次のように入力します。

    outlook2013-kb2737132-fullfile-x86-glb.exe /extract:"c:\ExtractFiles"

    このコマンドによって, .msp ファイルの抽出が開始されます。抽出プロセスが開始される前に、マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項が表示されます。ライセンス条項に同意すると、指定した場所 (この例では C:\ExtractFiles) にファイルが抽出されます。パスに引用符を使用する必要はありません。ただし、引用符を使用するとコマンド ラインが読みやすくなります。また、引用符を使用することで、スペースを含むパスの問題を回避することもできます。

  6. Windows インストーラー修正プログラム (.msp) ファイルを Updates フォルダーにコピーします。

  7. インストールする他のすべての Office 2013 更新プログラム パッケージについて、このプロセスを繰り返します。Windows インストーラー修正プログラム ファイルの名前は一意です。したがって、ファイルが誤って上書きされるリスクはありません。上書きされると、インストールに問題が発生する可能性があります。追加の言語パックを製品を展開する場合、その言語パックのサービス パックが Updates フォルダーに追加されます。

    前の手順を完了すると、製品を展開できます。

注意

一部の状況では、お客様は Microsoft Self-Extractor ファイルを使用して更新プログラムをインストールできない場合があります。"このパッケージのインストールが失敗しました" に類する一般的なエラー メッセージが表示される場合があります。この場合、お客様は次の方法を使用して更新プログラムをインストールできます。

.msp ファイルを使用して、特定のソフトウェア更新プログラムをインストールする

  1. .msp 修正プログラムを Microsoft Self-Extractor ファイル (この例では Office2013-kbxxxxxxx-fullfile-x86-glb.exe) から抽出するには, .exe ファイルを実行し、/extract:[extract folder path][extract folder path] スイッチを使用します。たとえば、コマンド プロンプトで次のように入力します。

    Office2013-kbxxxxxxx-fullfile-x86-glb.exe /extract:"c:\UpdatesToInstall"

  2. UpdatesToInstall ディレクトリに移動します。コマンド プロンプトで次のように入力します。

    cd c:\updatestoinstall

  3. C:\UpdatesToInstall フォルダーに抽出された .msp ファイルごとに、msiexec /update [update.msp] コマンドを実行します。たとえば、コマンド プロンプトで次のように入力します。

    msiexec.exe /update clview.msp /l*v "clview.log"

    .msp ファイルの抽出後に, .msp ファイルをダブルクリックして更新プログラムをインストールすることもできます。ただし, .msp をダブルクリックすると、追加のログは提供されません。

    複数の .msp ファイルを同時にインストールすることもできます。これを行うには、ファイル名をセミコロン (;) で区切ります。たとえば、コマンド プロンプトで次のように入力します。

    msiexec.exe /update clview.msp;access.msp /l*v "updates.log"

Windows インストーラー (.msp) ファイルのテストと確認を行う

Office 2013 のネットワーク インストール ポイント上にある Updates フォルダーに .msp ファイルをコピーする前に、更新プログラムをテストし, .msp ファイルのリストを確認する場合、まず、更新プログラムをテスト コンピューターにインストールし、Visual Basic スクリプトを使用して .msp ファイルを目的のフォルダーに抽出した後に, .msp ファイルを目的のフォルダーから Updates フォルダーにコピーすることができます。この方法について、次の手順で詳細に説明します。

.msp ファイルをテスト コンピューターから抽出して Updates フォルダーにコピーする

  1. ユーザーのコンピューターにインストールするすべての Office 2013 アプリケーションをテスト コンピューターにインストールします。

  2. マイクロソフトの更新プログラムを を実行し、必要なすべての Office 2013 更新プログラムをテスト コンピューターに適用します。

  3. アプリケーションが期待どおりに動作することを確認します。

  4. 次の Visual Basic スクリプトを "CollectUpdates.vbs" として保存します。次に、このスクリプトを実行して、テスト コンピューターにインストールされた更新プログラム ファイルを目的のフォルダーに抽出します。このスクリプトでは %Temp%\Updates が目的のフォルダーとして使用されます。ここで、%Temp% は、Windows の一時フォルダーです。

    Dim oMsi,oFso,oWShell

    Dim Patches,SumInfo

    Dim patch,record,msp

    Dim qView

    Dim sTargetFolder,sMessage

    Const OFFICEID = "000-0000000FF1CE}"

    Const PRODUCTCODE_EMPTY = ""

    Const MACHINESID = ""

    Const MSIINSTALLCONTEXT_MACHINE = 4

    Const MSIPATCHSTATE_APPLIED = 1

    Const MSIOPENDATABASEMODE_PATCHFILE = 32

    Const PID_SUBJECT = 3 'Displayname

    Const PID_TEMPLATES = 7 'PatchTargets

    Set oMsi = CreateObject("WindowsInstaller.Installer")

    Set oFso = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")

    Set oWShell = CreateObject("Wscript.Shell")

    'Create the target folder

    sTargetFolder = oWShell.ExpandEnvironmentStrings("%TEMP%")&"\Updates"

    If Not oFso.FolderExists(sTargetFolder) Then oFso.CreateFolder sTargetFolder

    sMessage = "Patches are being copied to the %Temp%\Updates folder." & vbCrLf & "A Windows Explorer window will open after the script has run."

    oWShell.Popup sMessage,20,"Office Patch Collector"

    'Get all applied patches

    Set Patches = oMsi.PatchesEx(PRODUCTCODE_EMPTY,MACHINESID,MSIINSTALLCONTEXT_MACHINE,MSIPATCHSTATE_APPLIED)

    On Error Resume Next

    'Enum the patches

    For Each patch in Patches

       If Not Err = 0 Then Err.Clear

        'Connect to the patch file

        Set msp = oMsi.OpenDatabase(patch.PatchProperty("LocalPackage"),MSIOPENDATABASEMODE_PATCHFILE)

        Set SumInfo = msp.SummaryInformation

        If Err = 0 Then

            If InStr(SumInfo.Property(PID_TEMPLATES),OFFICEID)>0 Then

                'Get the original patch name

                Set qView = msp.OpenView("SELECT `Property`,`Value` FROM MsiPatchMetadata WHERE `Property`='StdPackageName'")

                qView.Execute : Set record = qView.Fetch()

                'Copy and rename the patch to the original file name

                oFso.CopyFile patch.PatchProperty("LocalPackage"),sTargetFolder&"\"&record.StringData(2),TRUE

            End If

        End If 'Err = 0

    Next 'patch

    oWShell.Run "explorer /e,"&chr(34)&sTargetFolder&chr(34)

  5. 必要なすべての .msp ファイルが目的のフォルダー (%Temp%\Updates) に入っていることを確認します。

  6. すべての .msp ファイルを、テスト コンピューターの %Temp%\Updates から Office 2013 ネットワーク インストール ポイントの Updates フォルダーにコピーします。

Config.xml ファイルを変更して更新プログラムに別の場所を指定する

管理者は、Config.xml ファイルの SetupUpdates 要素を使用して、Updates フォルダー以外のフォルダーで更新プログラムを検索するようにセットアップを指定できます。

SetupUpdates の構文

Config.xml のSetupUpdates では、次の構文が使用されます。

<SetupUpdates [CheckForSUpdates="Yes" | "No"] [SUpdateLocation="path-listpath-list"]/>

次の表に SetupUpdates の各属性を示します。

SetupUpdates の属性

属性 説明

CheckForSUpdates

セットアップは SUpdateLocation のパス一覧を使用して、セットアップ カスタマイズ ファイルを検索します。既定値は Yes です。

値を No に設定した場合、セットアップは、SUpdateLocation のパス一覧を使用したセットアップ カスタマイズ ファイルの検索を行いません。

SupdateLocation=" path-list "

セミコロンで区切られた、フォルダーへの完全修飾パスの一覧を指定します。

セットアップは、指定されたすべてのフォルダーで、インストール中の製品用に作成されたセットアップ カスタマイズ ファイルを検索し、見つかったファイルをファイル名のアルファベット順に適用します。セットアップのコマンド ラインでセットアップ カスタマイズ ファイルを指定した場合は、そのファイルが最初に適用され、SetupUpdates 要素で指定されたフォルダー内で見つかったファイルはその後で適用されます。

カスタマイズ ファイルは製品固有です。セットアップは、インストールする製品に関連するカスタマイズ ファイルのみを適用します。ただし、同じ製品に対する複数のカスタマイズ ファイルが Updates フォルダーに格納されている場合、セットアップは、すべてのファイルをアルファベット順でユーザーの構成に適用します。

Config.xml の SetupUpdates 要素の使用

管理者は、Config.xml の SetupUpdates 要素を使用して、更新プログラムに別の場所を指定できます。

Config.xml の SetupUpdates 要素を使用する

  1. メモ帳などのテキスト エディター ツールで Config.xml ファイルを開きます。

  2. 次の構文例のように、SetupUpdates 要素で使用するオプションを入力します。

    <SetupUpdates CheckForSUpdates="Yes" SUpdateLocation="\\server1\share;\\server2\share" />

    この場合、path-list には、セミコロンで区切られた、フォルダーへの完全修飾パスの一覧が指定されています ("\\server1\share;\\server2\share")。

  3. Config.xml ファイルを、編集前にそのファイルが格納されていたフォルダーと同じフォルダーに保存します。

Config.xml ファイルの SetupUpdates 要素の詳細については、「Office 2013 の Config.xml ファイル参照」の「SetupUpdates 要素」を参照してください。

更新戦略を選択する

次の表に、実際の組織に推奨されるソフトウェア更新プログラム ソリューションの判断に役立つ基準を示します。

適切なソフトウェア更新プログラム ソリューションの判断基準

お客様の種類 ニーズ 推奨ソリューション

大規模企業

高度なソフトウェア更新プログラムの管理

System Center 2012 Configuration Manager

Updates フォルダー (初期インストール専用)

注意

各種ユーザー グループごとにカスタマイズが異なる場合は, .msp ファイルごとに別の場所を指定することをお勧めします。

Microsoft Updates のみの配布

Windows Server Update Services

中規模企業

高度なソフトウェア更新プログラムの管理

System Center 2012 Configuration Manager

Updates フォルダー (初期インストール専用)

注意

各種ユーザー グループごとにカスタマイズが異なる場合は, .msp ファイルごとに別の場所を指定することをお勧めします。

Microsoft Updates のみの配布

Windows Server Update Services

小規模企業

1 台以上の Windows ベースのコンピューターがあり、1 人以上の IT 管理者がいる環境での Microsoft Updates の配布

Windows Server Update Services

他のすべてのシナリオ

マイクロソフトの更新プログラム

Microsoft Self-Extractor ファイル

Updates フォルダー (初期インストール専用)

注意

Updates フォルダーは .msp ファイルに対してのみ適用できます。

コンシューマー

すべてのシナリオ

マイクロソフトの更新プログラム

関連項目

Office 2013 のセットアップ アーキテクチャの概要
Office 2013 の Config.xml ファイル参照
Office 2013 の Office カスタマイズ ツール (OCT) リファレンス