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Outlook 2007 で Unicode オプションを構成する

更新日: 2009年12月

適用対象: Office Resource Kit

 

トピックの最終更新日: 2009-12-04

Microsoft Office Outlook 2007 では、Unicode が全面的にサポートされます。Outlook を Unicode モードで使用することは、多言語要件を満たす必要のある組織や、(Outlook の Unicode 形式のファイルは、非 Unicode 形式のファイルに比べて許容容量が大きいため) 大規模な Outlook ファイルを必要とするユーザーにとって特に有利です。

Outlook で Unicode サポートを利用する際に有利な点は、Outlook の実行時にチェックされる特定の条件に応じて変化します。Unicode を使用するための条件が満たされており、ユーザーが Unicode モードで実行している場合、Exchange Server と共に使用することで、Outlook 全体 (電子メール メッセージ、アドレス帳など) を通じて Unicode が使用されます。

Unicode を使用するための条件が満たされている場合、Unicode への移行が重要な組織では、ユーザーを Unicode に移行できます。Outlook で Unicode を使用するかどうかの決定が行われる方法、および Unicode への移行を実施する際の推奨事項については、このトピック後半の「Outlook ユーザーに Unicode モードを強制する」を参照してください。

新しい PST ファイルには、既定で Unicode 形式が使用されます。グループ ポリシー設定を使用して新しい PST ファイルに Unicode 形式を適用することもできます。

Outlook グループ ポリシー テンプレート (Outlk12.adm) を使用して、Unicode をカスタマイズし、強制することができます。または、Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用して既定の設定を構成することもできます。その場合はユーザーが設定を変更できます。OCT の設定は、OCT の [ユーザー設定の変更] ページの対応する場所にあります。

Outlook テンプレートおよびその他の ADM ファイルは、Microsoft ダウンロード センターの「2007 Office system 管理用テンプレート (ADM)」からダウンロードできます。

グループ ポリシーを使用して新しい PST ファイルに Unicode 形式を強制するには

  1. グループ ポリシーに Office Outlook 2007 テンプレート (Outlk12.adm) を読み込みます。

  2. Unicode 形式をカスタマイズするには、ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Outlook 2007\その他で、[PST 設定] をダブルクリックします。

  3. [優先する PST モード (Unicode/ANSI)] をダブルクリックします。

  4. [有効] をクリックしてポリシーの設定を有効にします。

  5. [新しい PST の既定の形式を選択してください] ボックスの一覧で、[常に Unicode PST にする] を選択します。

  6. [OK] をクリックします。

グループ ポリシーを使用して Outlook に Unicode モードを強制するには

  1. グループ ポリシーに Office Outlook 2007 テンプレート (Outlk12.adm) を読み込みます。

  2. ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Outlook 2007\ツール | アカウント設定で、[Exchange の設定] をダブルクリックします。

  3. [Exchange Unicode モード - アーカイブ形式を無視する] をダブルクリックします。

  4. [有効] をクリックしてポリシーの構成を有効にします。

  5. [アーカイブ PST の既存の形式を無視する] チェック ボックスをオンにして、[OK] をクリックします。

  6. [Exchange Unicode モード - OST 形式を無視する] をダブルクリックします。

  7. [有効] をクリックしてポリシーの構成を有効にします。

  8. [既存の OST 形式によってメールボックスのモードを決定するかどうかを選択してください] ボックスの一覧で、[形式とモードが一致しない場合、新しい OST を作成する] を選択します。ユーザーは新しい OST ファイルの名前を入力するように求められます。

    – または –

    ダイアログ ボックスを表示してユーザーが新しい OST の作成を延期できるようにするには、[形式とモードが一致しない場合に新しい OST の作成についてユーザーに確認する] を選択します。ユーザーは、新しい OST ファイルを今すぐ作成するか、後で作成するかを決定するように求められ、(ファイルを今すぐ作成するように選択した場合は) 新しい OST ファイルの名前を入力するように求められます。

    – または –

    ユーザーへの確認を表示しないようにするには、[OST 形式でモードを決定する] を選択します。

  9. [OK] をクリックします。

Unicode に関して構成できる設定項目は、以下のとおりです。

Unicode の構成の詳細情報

Unicode および Unicode 構成オプションの詳細については、以下のセクションを参照してください。

Unicode モードまたは非 Unicode モードを選択する

Unicode モードを使用するか非 Unicode (ANSI) モードを使用するかを決定するために、Outlook は、いくつかの要件とオプションを評価します。Unicode モードを使用するための要件の 1 つとして、ユーザーは Exchange 2000 以降のアカウントを持っている必要があります。Outlook は、ユーザーのオフライン ストア (OST) ファイルおよび既定のアーカイブ ファイルの Unicode 形式または ANSI 形式もチェックします。最後に、配信場所 (ある場合) として使用されるユーザーの PST ファイルの形式がチェックされます。

Caution注意
Unicode モードと非 Unicode モード (ANSI) を切り替えると、多言語テキスト フィールドのデータが消失する場合や、テキストが正しく表示されなくなる場合があります。このため、Unicode モードで Outlook を使用しているユーザーは、Unicode モードを使用し続ける必要があります。

組織のユーザーに Outlook での Unicode の使用を推進する場合は、ユーザーが Unicode モードで実行できるように Outlook を展開することができます。展開オプションの 1 つは、Outlook が Unicode モードの使用を許可する際にチェックする条件に合う環境を構築することです。ANSI を使用するオプションが設定されていない限り、条件を満たしていれば、既定で Unicode が使用されます。もう 1 つのオプションは、Outlook を Unicode で実行するために必要な場合に、新しい Unicode 形式のユーザー ファイルを自動的に作成するオプションを設定することによって、(適切なバージョンの Exchange Server でサポートされる限り) Outlook で必ず Unicode を使用するように指定することです。これらのアプローチを組み合わせて使用することもできます。

Exchange キャッシュ モードと Unicode 展開を調整する

Outlook 2003 で Exchange キャッシュ モードを展開する予定の場合、ユーザーを Unicode モードに移行するためのオプションを最初に構成および展開することができます。Exchange キャッシュ モードは、ユーザーの OST ファイルとオフライン アドレス帳 (OAB) ファイルが、Exchange Server データと同期します。Unicode オプションをユーザーに展開する場合、OST ファイルと OAB ファイルの同期が必要になることもあります。

たとえば、Outlook ファイルは、以下の Unicode 展開シナリオのように、Exchange Server と同期されます。

  • 新しいオフライン Outlook プロファイルを展開する場合 (現在のオフライン ユーザーを Unicode モードに移行する場合など)、Outlook では、新しいプロファイルの一部としてユーザーの新しいファイルが作成された後、OST ファイルと OAB ファイルが同期されます。

  • Unicode 形式の OAB を使用する Exchange 2003 に Outlook ユーザーを移行する場合、新しい OAB がダウンロードされます。

このようなシナリオでは、組織への Unicode オプションの展開が完了するまで、Exchange キャッシュ モードの展開を待機することができます。これは、Exchange Server の負荷と、ユーザーが各自のコンピュータにデータをダウンロードするための時間を最小化するのに役立ちます。

Outlook による Unicode モードの使用を促進する

メッセージングや他の Outlook 機能で Unicode を使用すると、Outlook 2003 のインストール時にユーザー全員に Unicode モードへの移行を強制しなくてもよいという利点があります。Unicode モードの使用を積極的に促進するために、Outlook を Unicode モードで実行できるように構成したメッセージング環境を構築することができます。

Outlook では、チェックしたすべての条件が満たされている場合に Unicode モードが既定で使用されるため、以下のような順序で要件が満たされていることを確認してください。

Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用して、ユーザーに展開する新しい Outlook プロファイルを作成します。既定では、新しいオフライン プロファイルにより、ユーザー用の新しい OST ファイルと新しい既定のアーカイブ ファイルが作成されます。両方のファイルで新しい Unicode ファイル形式が使用されます。

  • 新しい Outlook プロファイルで、ユーザーの Exchange アカウントが Exchange Server 2000 以降に存在することを確認します。

  • Outlook をユーザーに展開します。

    Outlook は、組織の標準的な Office 展開方法に基づいて展開できます。

新しい Outlook プロファイルの作成とカスタマイズを行う場合、OCT を使用すると簡単です。

ユーザーの新しい Outlook オフライン プロファイルを作成するには

  1. OCT の [Outlook: 既定プロファイルのカスタマイズ] ページの [Outlook] で、[新しいプロファイル] をクリックします。

  2. [プロファイル名] ボックスに新しい Outlook プロファイルの名前を入力し、[次へ] をクリックします。

  3. [Outlook: Exchange 設定の指定] ページで、[Exchange Server 接続を構成する] をクリックします。

  4. [ユーザー名] ボックスでは、既定のユーザー名のシステム変数をそのまま使用するか、別の変数を入力します。

  5. [Exchange Server] ボックスに Exchange Server の名前を入力します (Exchange Server 名は、ユーザーがアップグレード後に初めて Outlook を起動したときに、正しい Exchange Server 名に置き換えられます)。

  6. [詳細設定] をクリックします。

  7. 新しい OST ファイルを展開するために、[Microsoft Exchange Server] ページの [オフラインで使用できるようにする] チェック ボックスをオンにして、[OK] をクリックします。

  8. [次へ] をクリックします。

  9. OCT で必要なすべてのカスタマイズを終了したら、[完了] をクリックしてセットアップ カスタマイズ ファイルを作成します。

  10. ユーザーのコンピュータを新しいプロファイルで更新します。

  11. セットアップ カスタマイズ ファイルを使用して新しいプロファイルでユーザーのコンピュータを構成する方法の詳細については、「ユーザーのコンピュータで 2007 Office system のセットアップを実行する」を参照してください。

Outlook ユーザーに Unicode モードを強制する

組織のユーザー全員が各自のプロファイルを変更することなく、Office Outlook 2007 のインストール時に Outlook の Unicode モードに移行することが重要な場合があります。Unicode へのユーザーの移行を強制的に行うには、ユーザーが Outlook モードで実行しているかどうかを判断するために Outlook がチェックする条件を確実に満たすようにするか、必要に応じて新しい Outlook ファイルを作成および同期することで、Unicode ファイル形式がユーザーのプロファイルで必ず使用されるよう Outlook の設定を調整します。

Unicode モードを使用するための最初の条件は、ユーザーが Outlook を Exchange Server 2000 以降と組み合わせて使用していることです。

次に、Outlook では、ファイル形式が Unicode または非 Unicode (ANSI) のいずれであるかを判断するために、ユーザーの OST ファイルの形式がチェックされます。OST ファイルの形式が ANSI である場合、Outlook は ANSI モードで実行されます。ただし、Outlook によるファイル形式のチェック時にユーザーが ANSI 形式の OST ファイルを保持していた場合は、新しい Unicode 形式の OST ファイルを自動的に作成して Exchange Server と同期するように、ポリシーを設定することができます。ポリシーを定義して、新しい OST ファイルが Exchange Server と同期されることを通知するダイアログ ボックスをユーザーに表示して、その段階で更新作業を続行するかどうかをユーザーに確認できるようにします。または、ユーザーに作業を延期するオプションを提供することなく、必ず新しい OST ファイルが作成されるように設定することもできます。

その後、Outlook では、ユーザーの既定のアーカイブ ファイル (存在する場合) のファイル形式がチェックされます。これについても同様に、新しい Unicode 形式の既定のアーカイブ ファイルを自動的に作成するためのポリシーを設定できます (ユーザーは、この設定後も ANSI 形式のアーカイブ ファイルにアクセスできます)。新しい Unicode 形式の OST ファイルを管理するポリシーとは異なり、新しい既定のアーカイブ ファイルの作成をユーザーが延期するためのオプションを提供することはできません。

Outlook では、ユーザーのメール配信場所が PST ファイルである場合、ファイル形式が Unicode かどうかを判断するために配信 PST ファイルがチェックされます。ただし、Outlook でユーザーの PST ファイルが ANSI 形式であると判断されても、新しい Unicode 形式の PST ファイルを作成して既存の PST ファイルと置き換えるように設定することはできません。このシナリオのように、Outlook の配信先が ANSI 形式の PST ファイルである場合に、ユーザーに Unicode モードを適用する必要がある状況では、代わりに新しい PST ファイル (既定で Unicode 形式) を配信場所に設定して新しいプロファイルを作成し、ユーザーに展開します。

ユーザーによる変更の指定がないまま、新しい配信 PST ファイルを自動的に使用するように Outlook を設定すると、ユーザーに既存のメールがなくなったと思われる可能性があります。古いメールはまだ元の PST ファイルにありますが、そのファイルはユーザーのプロファイルには既に存在しないため、既定ではアクセスできません。ユーザーがその情報にアクセスするには、各自のプロファイルに古い PST ファイルを手動で追加する必要があります。PST ファイルをユーザー プロファイルから削除すると、ユーザーからデータ消失と考えられる可能性があるため (実際にはデータは存在しますが、ユーザーが直ちに表示したりアクセスしたりできる場所にはありません)、新しい Unicode 形式の PST に自動的に切り替えるオプションはありません。

新しい Unicode 形式のファイルを作成および設定するポリシーを実装する場合は、処理時間を慎重に検討する必要があります。Outlook が新しい Unicode 形式の OST ファイルと既定のアーカイブ ファイルを作成および同期する場合、ユーザーは、サーバー データがダウンロードされるまで待機する必要があります。また、新しいポリシーが効力を持つ前に、ユーザーが Exchange Server と同期済みであることを確認する必要があります。同期されていないローカルの変更内容 (ユーザーの送信トレイにある電子メール メッセージ、連絡先情報の更新内容など) は、すべて失われます。

デスクトップにドラッグされる Outlook メッセージに Unicode 形式を使用する

Microsoft Windows のドラッグ アンド ドロップ機能を使用して Outlook アイテムを Windows デスクトップにドラッグすると、自動的に作成されるファイルの形式は、既定で Unicode になります。Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用して既定のオプションを構成し、メッセージ形式に Unicode ではなく ANSI を使用することができます。

Outlook グループ ポリシー テンプレート (Outlk12.adm) を使用して、このオプションをカスタマイズし、強制することができます。または、Office カスタマイズ ツールを使用して既定の設定を構成することもできます。その場合はユーザーが設定を変更できます。OCT の設定は、OCT の [ユーザー設定の変更] ページの対応する場所にあります。

Outlook テンプレートおよびその他の ADM ファイルは、Microsoft ダウンロード センターの「2007 Office system 管理用テンプレート (ADM)」からダウンロードできます。

Outlook からデスクトップにドラッグされるメッセージ ファイルに Unicode 形式を使用するには

  1. グループ ポリシーに Office Outlook 2007 テンプレート (Outlk12.adm) を読み込みます。

  2. ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Outlook 2007\ツール | オプション\その他\詳細で、[電子メール メッセージをファイル システムにドラッグしたときは Unicode 形式を使用する] をダブルクリックします。

  3. [無効] をクリックして、ファイル システムにドラッグされる電子メール メッセージに Unicode 形式ではなく ANSI 形式を使用するように強制します。

  4. [OK] をクリックします。

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このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なブックに収められています。

入手できるすべてのブックの一覧については、「2007 Office リソース キットのダウンロード可能なコンテンツ」を参照してください。