2007 Office system をインストールする前にセットアップをカスタマイズする

更新日: 2008年2月

適用対象: Office Resource Kit

 

トピックの最終更新日: 2008-10-31

2007 Microsoft Office system では、Windows インストーラで処理していた以前のバージョンのプロセスも含め、セットアップによってインストール全体を制御します。セットアップの既定の動作をカスタマイズすることによって、インストール プロセスを制御できます。たとえば、ユーザーの操作なしにインストールを実行したり、ユーザーの代わりにプロダクト キーとマイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項を処理したり、組織名や別のインストール先を指定したりすることができます。

セットアップでインストール プロセスを管理する方法をカスタマイズするには、Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用してセットアップ カスタマイズ ファイル (MSP ファイル) を作成します。セットアップは、ユーザーがコンピュータに Office をインストールするときにこのファイルを適用します。

Office のセットアップをカスタマイズするには

  1. Office CD のすべてのファイルとフォルダをネットワーク上のフォルダにコピーして、ネットワーク インストール ポイントを作成します。

  2. ネットワーク インストール ポイントのルートから、次のコマンドを実行して Office カスタマイズ ツールを起動します。

    setup.exe /admin

  3. 構成する製品を選択し、[OK] をクリックします。

  4. 左側のウィンドウで、[インストール先と組織名] をクリックします。

  5. [既定のインストール先] ボックスに、ユーザーのコンピュータ上の既定のインストール先のパスを入力します。フォルダ キーワード [ProgramFilesFolder] を含む相対パスを入力できます。

  6. [組織名] ボックスに、このカスタマイズ ファイルを使って Office をインストールするすべてのユーザーの既定の組織名を入力します。

  7. 左側のウィンドウで、[追加のネットワーク ソース] をクリックし、[追加] をクリックします。

  8. [ネットワーク サーバー] ボックスに、ネットワーク上に作成したバックアップ ソースのパスを入力します。ユーザーのローカル インストール ソースと元のネットワーク インストール ポイントのどちらも使用できない場合に、セットアップはこれらのレプリケートされたインストール ポイントのいずれかを使用して、ソースを必要とする処理を行います。ソースは必要な数だけ追加できます。

  9. 左側のウィンドウで、[使用許諾契約とユーザー インターフェイス] をクリックします。

  10. [プロダクト キー] ボックスに、有効な 25 文字のボリューム ライセンス キーを入力し、[「使用許諾契約書」の条項に同意します] チェック ボックスをオンにします。セットアップ カスタマイズ ファイルでこの情報を提供する場合、インストール時または Office アプリケーションを最初に起動したときに、ユーザーに対してプロダクト キーやマイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項への同意を求めるメッセージは表示されません。

  11. 自動モードで (ユーザーの操作なしに) Office をインストールするには、右側のウィンドウで、[表示レベル] を [基本] または [なし] に設定します。表示設定の詳細については後で説明します。

    [!メモ] 企業展開では、ファイルが使用されている場合も、サイレント インストールを実行し、情報の入力を求める画面をユーザーに表示せず、インストールでユーザー操作を待機しないように、[表示レベル] を [なし] に設定することをお勧めします。[表示レベル] を [なし] に設定すると、[入力項目を表示しない] オプションおよび [完了通知を表示する] オプションは無視されます。また、マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項に自動的に同意します。管理者は、2007 Office system のインストール時に Office アプリケーションが実行されていないことも確認する必要があります。
    [表示レベル] を [基本] に設定し、[入力項目を表示しない] オプションを選択すると、使用中の Office ファイルがある場合に確認のメッセージがユーザーに対して表示されることがあります。[表示レベル] を [なし] に設定すると、このような場合でも確認のメッセージは表示されません。[入力項目を表示しない] オプションでは、使用中のファイルについてのメッセージは非表示になりません。[表示レベル] を [なし] に設定した場合にのみ表示されなくなります。

  12. 追加のカスタマイズを行い、[ファイル] メニューの [保存] をクリックし、ネットワーク インストール ポイントのルートにある Updates フォルダにセットアップ カスタマイズ ファイルを保存します。

カスタマイズは、ネットワーク インストール ポイントで利用できる、指定した製品のすべての言語バージョンに適用されます。多くのカスタマイズは、特定の言語に依存しないコア製品に適用されます。ただし、このツールの機能ツリーには、言語固有の機能のサブセットも含まれます。言語固有の機能に対するカスタマイズは、ユーザーがその言語をインストールするときに適用されます。それ以外の場合は無視されます。

[!メモ] 通常、ログ記録のオプションをカスタマイズする必要はありません。既定では、セットアップは標準ログ ファイルを作成し、ユーザーのコンピュータの %Temp% フォルダにテキスト ファイル形式で保存します。インストールに失敗した場合、セットアップは、エラーの原因となったパッケージ以降について、同じ場所に詳細ログ ファイルを作成します。ログ記録オプションを変更するには、メモ帳で Config.xml ファイルを開き、<Logging> 要素を変更します。詳細については、「2007 Office system の Config.xml ファイル」を参照してください。

自動モードで Office をインストールする

組織全体に Office を展開する場合、ユーザーに対してセットアップのユーザー インターフェイスを表示する程度を決定します。既定では、セットアップは対話形式で実行され、インストール中にユーザーに対して選択肢が表示されます。カスタマイズした構成を配布している場合は、ユーザーがセットアップに対して実行できる操作を制限することをお勧めします。インストールはユーザーの操作を必要とせずに実行され、カスタマイズした設定は既定ですべてのユーザーに対して設定されます。表示オプションの詳細については、「2007 Office system の Office カスタマイズ ツール」の「使用許諾契約とユーザー インターフェイス」を参照してください。

Microsoft Systems Management Server などの展開ツールを使用して、ユーザーがネットワークにログオンしていないときに Office を展開する場合は、表示レベルを [なし] に設定して、セットアップのユーザー インターフェイスを表示せずに Office をインストールします。

[!メモ] 自動モードで Office をインストールする場合は、有効なプロダクト キーを入力する必要があります。プロダクト キーが入力されていない場合、セットアップはエラーをログに記録して、終了します。ユーザーに代わってライセンス条項に同意していない場合でも、セットアップはインストールを完了します。ただし、自動モードで Office をインストールすることによって、暗黙的にライセンス条項に同意したことになります。

Windows インストーラの DISPLAY プロパティと PIDKEY プロパティは、2007 Office system では機能しません。その代わりに、このトピックで既に説明したように、OCT で表示設定を指定し、プロダクト キーを入力することによって、セットアップを直接カスタマイズします。

セットアップはインストールを制御するためのより重要な役割を果たしているので、Windows インストーラの多くのプロパティは必要ではなくなりました。実際、Windows インストーラの一部のプロパティはブロックされ、Office カスタマイズ ツールを使用して設定しようとするとエラーになります。2007 Office system で使用できるセットアップのプロパティの一覧、およびブロックされるプロパティやサポートされないプロパティとそれらに対応する新しいメカニズムの一覧については、「2007 Office system のセットアップのプロパティ」を参照してください。

最初のインストールに続けて追加の Office 製品のインストールを実行するには、追加のセットアップのインスタンスを実行するように、Config.xml ファイルを編集します。インストールを続けて実行する場合も、自動モードの表示レベル ([基本] または [なし] の表示設定) が必要です。詳細については、「2007 Office system のインストールで任意のコマンドを実行する」を参照してください。