グラフ作成での変更点

更新日: 2009年1月

適用対象: Office Resource Kit

 

トピックの最終更新日: 2009-01-07

ここでは、Microsoft Office 2003 から 2007 Microsoft Office system において変更されたグラフ作成機能の一覧を示します。

グラフ作成の軸

説明 : 既定で目盛りは軸の外側に表示されます。以前のバージョンでは、東アジアの言語では軸の内側に表示され、その他のすべての言語では軸の外側に表示されていました。

変更の理由 : 新しいバージョンでは一貫性が向上し、東アジア地域のユーザーは内側か外側かを選択できます。

移行パス : 目盛り位置を軸の内側に設定します。

グラフ機能

**説明 :**2007 Microsoft Office system では一部のグラフ機能が削除されました。削除された機能を使用しているグラフは、2007 Office system では表示が異なります。オブジェクト モデルのプロパティを使用するコードでは、同様の動作が行われない可能性があります。削除された機能には、3-D グラフ上でマーカー以外の目盛り線を 2-D で表示する機能、グラフ内の図形に関する Excel 固有の図形プロパティ、グラフに合わせてサイズを変更しないロック フォーム コントロールがあります。

変更の理由 : この変更により、グラフは、今後追加される機能を適用しやすくなります。

コピーと貼り付け

**説明 :**Microsoft Office PowerPoint 2007 または Microsoft Office Word 2007 からグラフをコピーして、Office PowerPoint 2007、Office Word 2007、または Microsoft Office Excel 2007 以外のプログラムに貼り付けると、そのグラフは画像として貼り付けられます。グラフを Office Excel 2007 からコピーする場合は問題にはなりません。

変更の理由 : グラフは OfficeArt と統合されたため、OfficeArt プログラムでホストする必要があります。Office Excel 2007 の場合は Office Excel 2007 からファイル全体をコピーして他のプログラムへ貼り付けることができますが、Office PowerPoint 2007 と Office Word 2007 の場合はできません。

**移行パス :**Office Excel 2007 にグラフを貼り付けた後、そのグラフを Office Excel 2007 から他のプログラムにコピーします。

Excel 2007

**説明 :**2007 Office system でグラフを作成するには、Office Excel 2007 がアドバタイズされている必要があります。Office Excel 2007 がアドバタイズされていない場合は、[グラフの挿入] ボタンは無効になっています。グラフのコンテキスト エクスペリエンスにある [データの表示] ボタンおよび [データ ソース] ボタンは無効になっています。Office Excel 2007 を所有していないユーザーは、新しいグラフを作成したり既存のグラフ データを編集したりできません。たいていの場合、既存のグラフの書式設定は変更できます。Microsoft Graph は引き続き存在しますが、エントリ ポイントは削除されています。

変更の理由 : Office Excel 2007 を使用してグラフを統合すると、2007 Office system 全体で一貫したグラフ作成操作を使用できます。統合されたグラフ作成機能は Office PowerPoint 2007 および Office Word 2007 の固有の機能ですが、グラフのデータは Office Excel 2007 に存在します。

**移行パス :**Office Excel 2007 がインストールされている Office PowerPoint 2007 または Office Word 2007 で開かれたグラフは、自動的にアップグレードされます。Office Excel 2007 がインストールされていない場合は、グラフはアップグレードされません。グラフ作成を有効にするには、スタンドアロンの Office PowerPoint 2007 または Office Word 2007 を 2007 Office system に切り替えてください。

グラフ : データ記憶域

**説明 :**Office PowerPoint 2007 または Office Word 2007 のグラフのデータは、グラフ データシートではなく、Office Excel 2007 に格納されます。

**変更の理由 :**Office Excel 2007、Office PowerPoint 2007、Office Word 2007 の間でグラフの一貫性が保たれるようになりました。

移行パス : グラフのデータは Office Excel 2007 で編集できます。

グラフ : 凡例とタイトル

**説明 :**Office PowerPoint 2007 または Office Word 2007 のグラフでデータがない場合は、タイトルまたは凡例が表示されません。Office 2003 では、データがない場合でもタイトルまたは凡例が表示されます。

**変更の理由 :**Office Excel 2007、Office PowerPoint 2007、Office Word 2007 の間でグラフの一貫性が保たれるようになりました。

グラフ : Lotus 1-2-3 ファイル

説明 : グラフに Lotus 1-2-3 形式のファイルをインポートできないようになりました。

変更の理由 : ユーザーからのフィードバックでは、この機能を使用するユーザーは少数です。Lotus 1-2-3 形式ファイルに関するすべてのサポートも Office Excel 2007 では削除されます。

統合

説明 : 3-D グラフをグループ解除しても、プロット エリア全体は引き続き 1 つのグループとして存在します。

変更の理由 : グラフはリアル 3-D で描画されるようになりました。リアル 3-D の描画をグループ解除して、一連の 2-D 図形にすることはできません。

移行パス : OfficeArt に存在し、グラフに存在しない機能を適用する場合は、通常グラフのグループ解除が使用されていましたが、新しいバージョンでは、これらの機能の多くをグラフ内で直接適用できます。また、Microsoft Graph を使用することもできます。

操作性

説明 : グラフのユーザー インターフェイスが再設計されました。

変更の理由 : グラフが OfficeArt と統合され、ユーザー インターフェイスができる限り OfficeArt と一貫性を持つようになりました。Office Excel 2007、Office PowerPoint 2007、Office Word 2007 のユーザー インターフェイスが変更され、それに合わせてグラフも変更されています。

移行パス : 以前のトピックと新しいトピックの対応については、ヘルプを参照してください。グラフのダイアログで Dialog.Show を使用しているマクロについては、再作成が必要になることがあります。

グラフの選択

説明 : グラフの選択時に、グラフが自動的に前面に表示されなくなりました。

変更の理由 : OfficeArt の他の機能と動作を統一するために変更されました。

ユーザー インターフェイス : パターン塗りつぶし

説明 : パターン塗りつぶし (格子、チェッカーボードなど) のユーザー インターフェイスがなくなりました。

変更の理由 : グラフは OfficeArt と統合され、この機能は OfficeArt から削除されました。

移行パス : 代わりに網かけまたはグラデーションを使用します。

画像として電子メールで送信するグラフ

説明 : ワークシート上のグラフは電子メールで画像として送信できません。

移行パス : グラフの画像をコピーし、電子メール メッセージに貼り付けます。

Web ページとしての発行

説明 : ワークシート上のグラフは Web ページとして発行できません。

移行パス : グラフ シートを使用するか、またはオブジェクト モデルの Chart.Export メソッドを使用します。

サイズ変更

説明 : 図形を含むグラフのサイズを変更したときの動作が Office 2003 の場合と異なります。

変更の理由 : グラフが OfficeArt と統合されたため、Office 2003 のグラフの動作を再実装できませんでした。

凡例

説明 : グラフ内で名前が割り当てられていない系列には、凡例の系列名に "系列1"、"系列2" などが表示されます。

変更の理由 : 以前は、グラフやユーザー インターフェイスのさまざまな場所で、系列名に異なる文字列が使用されていました。これらの文字列が統一されています。

移行パス : 系列名が凡例またはグラフ上のその他の場所に表示される場合、系列の名前を設定します。

マクロ : Chart.Pictures

説明 : Chart.Pictures コレクションを使用するマクロは実行されない可能性があります。

変更の理由 : この機能は Chart.Shapes コレクションと重複しています。

移行パス : 代わりに Chart.Shapes コレクションを使用します。

マクロ : XLM

説明 : XLM マクロはサポートされなくなりました。

変更の理由 : XLM は非推奨ですが、削除はされていません。

移行パス : VBA 内の XLM マクロを書き換えます。

プログラミング : 非表示、非推奨のオブジェクトとプロパティ

説明 : グラフで、OfficeArt を基にした新しい書式設定オブジェクトを使用できます。以前の書式設定オブジェクトとプロパティは非表示に設定され、使用は推奨されていません。非表示、非推奨のオブジェクトとプロパティは、Border、Caption、Characters、Fill、Font、HorizontalAlignment、Interior、Orientation、ReadingOrder、Shadow、VerticalAlignment の各プロパティと、ChartFillFormat オブジェクトおよび ChartColorFormat オブジェクト、Chart 3-D プロパティなどです。

変更の理由 : グラフは OfficeArt と統合され、オブジェクト モデルも OfficeArt に合わせて変更されました。

移行パス : 書式設定機能を使用するには、新しいオブジェクトとメソッドに切り替えます。リストされているオブジェクトとメソッドは現在も使用できますが、将来のバージョンでは削除される可能性があります。

プログラミング : Null の戻り値

説明 : Excel 2003 では、オブジェクトのコレクションの設定値が混在している場合、オブジェクト モデルの一部のプロパティは Null 値を返しました。Office Excel 2007 では、プロパティはそのコレクションの既定の設定値を返します。たとえば、自動データ ラベルとカスタム データ ラベルが混在している場合、DataLabels.AutoText は False の値を返します。凡例のフォントが混在している場合、Legend.Font.Name は新しい凡例エントリのフォント名を返します。

変更の理由 : この変更により、オブジェクト モデル内部の一貫性が向上します。さらに、戻り値 Null を処理するコードが不要になります。

移行パス : このプロパティを使用しているマクロを変更して、値が混在するケースを検出できるようにします。

プログラミング : グラフのプロパティ

説明 : Chart.ChartGroups 以外の ChartGroups を返すグラフ プロパティは推奨されません。

変更の理由 : これらのプロパティはほとんど使用されていませんでした。

移行パス : マクロで Chart.ChartGroups が使用されるように変更します。ChartGroups をループ処理して、適切なグラフの種類を検出します。

プログラミング : Excel 5.0 のオブジェクト モデル

説明 : Excel 97 以降、Excel 5.0 の図形用の VBA オブジェクト モデルは非表示になっていました。このオブジェクト モデルをグラフ上の図形で使用することはできなくなりました。

変更の理由 : この機能は以前のバージョンでは非表示になっていました。

移行パス : Excel 97 で使用可能となった図形オブジェクト モデルを使用します。

ビジュアル : 3-D グラフのパターン塗りつぶし

説明 : 3-D グラフのパターン塗りつぶしは 3-D グラフの表面に描画されます。以前のバージョンでは、塗りつぶしは画面に対する表面の角度に関係なく描画されていました。

変更の理由 : グラフはリアル 3-D で描画されるようになりました。このため、視覚的な錯覚を利用した描画はできません。

移行パス : パターン塗りつぶしは他の種類の塗りつぶしに変更できます。または、グラフを 2-D のグラフ タイプに変更できます。

ビジュアル : リアル 3-D 表示

説明 : 3-D グラフには適切な陰影が付けられます。このため、色は以前のバージョンと正確に一致しない場合があります。

変更の理由 : グラフはリアル 3-D で描画されるようになりました。

ビジュアル : データ ラベルと凡例マーカー

説明 : 以前のバージョンでは、データ ラベルに凡例マーカーを表示できましたが、この機能はサポートされなくなりました。

**変更の理由 :**2007 Office system にはこの機能を実装できませんでした。

ビジュアル : 目盛り

**説明 :**2007 Office system では、(y) 軸の目盛りが [自動] に設定されているグラフの目盛りが変更される場合があります。

変更の理由 : グラフで OfficeArt の文字列を使用するようになり、軸目盛りの設定で文字列のサイズと折り返しに関する情報が使用されます。

移行パス : 目盛りを固定値に設定します。

ビジュアル : グラフの既定の色と書式設定

**説明 :**Office Excel 2007 では、グラフの色とその他の書式設定の既定値が変更されます。Excel 2003 ファイルから開かれたグラフは変更されません。

**変更の理由 :**Office Excel 2007 では、グラフの既定の書式設定は、ドキュメントのテーマおよび個別のグラフのスタイルに応じて設定されます。この変更の結果、ドキュメントの他の部分と調和した視覚的に目を引くグラフを作成できます。さまざまな書式設定を変更する必要はありません。

移行パス : グラフを作成するマクロでは、以前と異なる結果になります。多くの場合、新しいグラフのほうが改善されています。的確な表示が必要な場合は、的確に表示されるようにマクロを修正する必要があります。

ビジュアル : グラフの既定のサイズ

**説明 :**Office Excel 2007 では、グラフの既定のサイズが変更されました。

**変更の理由 :**Office Excel 2007 の既定のレイアウトはグラフに応じて異なります。

移行パス : グラフは任意のサイズに変更できます。

ビジュアル : 文字列の折り返し

説明 : グラフ上の文字列の折り返しは、以前のバージョンでの折り返しと異なる場合があります。文字列の折り返しが変更されたことによって、ごくまれに、以前は文字列が重ならなかったグラフ上の場所で文字列が重なる場合があります。また、以前は文字列が省略されて省略記号 (...) が付けられていた部分で、省略が行われない場合もあります。

変更の理由 : ユーザーのフィードバックでは、画面でも印刷されたページでも文字列が同じように表示されることが求められていました。また、2007 Office リリースのあるプログラムから別のプログラムにグラフを移動したとき、グラフ内の文字列の表示が変更されないようにすることが要望として挙げられていました。新しいバージョンでは、グラフで OfficeArt 文字列が使用されます。OfficeArt 文字列は、画面とプリンタ、およびプログラム間で一貫性があります。

**移行パス :**2007 Office system では、グラフは Office 2003 のグラフとできる限り一致するように描画されます。ピクセル単位で正確なグラフ レイアウトが必要なマクロでは、以前のバージョンとは若干異なる結果になる場合があります。

ビジュアル : 円柱グラフと円錐グラフ

説明 : 境界線付きの円柱グラフと円錐グラフの表示が変更されます。以前のバージョンの Excel では、円柱と円錐の輪郭、および円の縁が描画されていました。境界線のみがあり、塗りつぶされていない円錐グラフまたは円柱グラフはまったく表示されない場合があります。

変更の理由 : 新しいバージョンでは、グラフはリアル 3-D で描画されるため、円形の図形に輪郭を描画できません。

ビジュアル : ラスタ フォントとプリンタ フォント

説明 : グラフで、ラスタ フォントおよびプリンタ フォントがサポートされなくなりました。TrueType フォントと PostScript フォントは引き続きサポートされます。

変更の理由 : グラフが OfficeArt と統合されました。グラフには、ラスタ フォントとプリンタ フォントのサポートを再実装できませんでした。また、ラスタ フォントとプリンタ フォントはほとんど使用されていませんでした。

移行パス : ファイルで TrueType フォントが使用できるように変更します。ラスタ フォントまたはプリンタ フォントを使用するように構成されているファイルは、類似の TrueType フォントを使用して描画されます。

ビジュアル : 3-D 積み上げグラフの負の値

**説明 :**Office Excel 2007 では、負の値を持つ 3-D 積み上げ面グラフまたは 100% 積み上げ面グラフの表示が変更されます。

変更の理由 : 新しい動作では、他の種類の積み上げグラフとの一貫性が向上します。

移行パス : Excel 2003 の動作を再現するには、負の数字を正の数字に変更します。

ビジュアル : N/A 値のデータ ラベル

説明 : 円グラフとドーナツ グラフでは、N/A 値のデータ ラベルが表示されません。

ビジュアル : 負の色の反転

説明 : 単色塗りつぶしに負の色がある場合、反転を設定する方法はありません。

移行パス : 以前のバージョンのグラフは、引き続き正しく開きます。

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