以前のバージョンの Office および他のプログラムを利用して作業する

更新日: 2006年12月

適用対象: Office Resource Kit

 

トピックの最終更新日: 2008-08-11

互換性の問題を最小限に抑えるための最適な方法は、単一のファイル形式に基づいて環境を標準化することですが、多くの組織では 2007 Microsoft Office system を段階的に展開する必要があったり、他の企業とのグループ作業が必要であったりします。このような理由から、Microsoft Office Excel 2007、Microsoft Office Word 2007、および Microsoft Office PowerPoint 2007 には、以前のバージョンの Office との互換性を保証する機能が含まれています。Microsoft Office 互換機能パックを使用して下位互換性を保つことによって、以前のバージョンの Office で新しいファイル形式のファイルを開いたり、保存したりすることができるようになります。さらに、新しいファイル形式の公開性によって、Office 以外のプログラムとの互換性も向上しています。

下位互換性のために Microsoft Office 互換機能パックを使用する

2007 Microsoft Office system にアップグレードするユーザーのニーズを満たすために、Microsoft では Office XP および Office 2003 用の更新プログラムや互換機能パックを提供して、ユーザーが 2007 Office リリースの XML ファイルを開いたり、保存したりできるようにしています (Office 2000 用の変換ツールは、2007 Office system Beta 2 では使用できません)。詳細については、「Word/Excel/PowerPoint 2007 ファイル形式用 Microsoft Office 互換機能パック」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=77512\&clcid=0x411) を参照してください。

Microsoft Office 互換機能パックでサポートされていない機能

2007 Office system の一部の機能は、以前のバージョンの Office ではサポートされていません。ユーザーが変換されたファイルを以前の Office アプリケーションで開いたときに、一部のデータが失われる可能性があります。このような場合は、新しいファイル形式を使用して作成されたファイルをユーザーが編集または保存するときに、ユーザーに通知されます。

OMPM Office ファイル コンバータ

Office Migration Planning Manager (OMPM) Office ファイル コンバータを、Microsoft Office 互換機能パックと組み合わせて使用することによって、ファイルの変換作業を一括して実行できます。詳細については、「Word、Excel、および PowerPoint のファイルを 2007 Office system に移行する」を参照してください。

ビューア

2007 Office system ビューアを使用すると、コンピュータに 2007 Office system または Microsoft Office 互換機能パックをインストールしていないユーザーと、2007 Office リリースのファイルを共有できるようになります。ユーザーは、ビューアを使用してファイルの表示や印刷を行うことができますが、編集操作を行うことはできません。ダウンロード可能なこれらのファイルは、Office リソース キットの Web サイトで入手できます。

各ビューア (Office Word 2007、Office Excel 2007、および Office PowerPoint 2007 用に 1 つずつ) は、独立した MSI パッケージであり、個別にインストールする必要があります。

このビューアは、以前のバージョンの Office アプリケーションと共に使用することができます。

既定の保存オプションを設定する

グループ ポリシーを使用して、Microsoft Office Word 2007、Microsoft Office Excel 2007、および Microsoft Office PowerPoint 2007 の既定のファイル保存オプションを変更することができます。詳細については、「グループ ポリシーを使用して既定のファイル保存オプションを設定する」を参照してください。

互換モードを使用する

2007 Office system では、以前のバージョンの Office との下位互換性を保つために、互換モードと呼ばれる新しい機能が用意されています。互換モードでは、以前のバージョンの Office プログラムでは表示できない 2007 Office system の機能がすべて無効になります。また、互換モードでは、以前のバージョンの Office で使用されていたファイル形式で保存した場合に適切に変換されない機能も無効になります。無効になる機能の一覧は、アプリケーションおよび選択した内容によって異なります。

互換モードでは、次の処理が行われます。

  • 混在環境でのユーザーの操作性を最適化してグループ作業を容易にする。

  • 以前のファイル形式の制限事項によるデータの損失を制限する。

互換モードはドキュメントごとに設定されます。たとえば、ユーザーが互換モードをオンにした PowerPoint 2003 ファイルと、互換モードをオフにした Office PowerPoint 2007 ファイルの 2 つのファイルを同時に開いた場合、互換モードは最初のファイルについては有効になり、もう 1 つのファイルについては無効になります。

[!メモ] 既定では、以前のバージョンの Office のファイルを使用しているときには互換モードがオンになります。

互換モードの詳細については、「2007 Office system の互換モード」を参照してください。

互換性チェック

互換性チェックは、ドキュメントを以前の形式で保存したり、互換モードに切り替えたりしたときに、ドキュメント内の機能が失われたり、低下したりする場合に表示されるダイアログ ボックスです。このダイアログ ボックスには、影響を受けるすべての機能が一覧で表示され、ユーザーは操作を取り消したり、保存を続行したり、互換モードに切り替えたりすることができます。

互換性チェックは、以下の場合には表示されません。

  • ドキュメント内に識別可能な問題がない場合。

  • ユーザーがドキュメントで互換性チェックを無効にした場合。

ユーザーがファイルを保存するときに互換性チェック ツールを実行しないことを選択していた場合でも、[ファイル] メニューから手動で互換性チェックを実行することによって再び有効にすることができます。

互換性チェックのダイアログ ボックスに表示される互換性の問題の一覧は、以下のようにグループ化されています。

  • 軽微な問題。内容の視覚的な外観の変更が小さいか、従来の Office アプリケーションで内容を編集する方法が若干異なります。

  • 重大な問題。バイナリ形式で保存した場合に、機能のデータが失われるか、機能が大幅に低下します。2007 Office system のユーザーは、いつでもファイルの互換性チェックを実行して、どのような問題が存在するかを確認することができます。

ファイルの印刷と表示に関する考慮事項

2007 Office system のアプリケーションでは、以前のバージョンの Office で作成されたドキュメントのレイアウトやサイズ設定が保持されます。これによって、ページ区切りの問題、テキストや画像の整列の問題、およびグラフやオブジェクトのサイズの問題が発生する可能性が小さくなります。ただし、以下の項目に依存する問題が発生する可能性があります。

  • プリンタのハードウェアおよび構成。

  • 新しいファイル形式のファイルを以前のバージョンの Office で印刷または表示する場合の下位互換性。

プリンタのハードウェアおよび構成

プリンタのハードウェアおよび構成が、画面およびプリンタへのドキュメントの出力に影響する場合があります。ファイルの印刷レイアウトは、フォント、グラフィック、画像、およびプリンタ ハードウェアの構成によって決まります。製造元や機種の異なるプリンタで印刷した場合、通常、若干出力が異なるため、ページ区切り、余白、および色が変更される可能性があります。通常使うプリンタを特定のプリンタに設定してサイズの大きいドキュメントを書式設定する場合、ページ区切りや余白の設定が意図せずに変更される可能性を小さくするために同じプリンタを使用してください。

2007 Office system では、テキストやグラフィックの印刷機能が向上しています。以前のファイル形式でも、新しいファイル形式でも、2007 Office system でファイルを印刷した場合には、これらの機能向上の恩恵を受けることができます。ただし、印刷品質はプリンタでサポートされている機能や解像度によって異なります。

下位互換性

ユーザーが 2007 Office system でファイルを作成し、以前のバージョンの Office で開く場合、一部のグラフィック コンテンツは、オートシェイプ (Office アプリケーションに含まれている既製の図形) ではなく画像に変換されます。これは、以前のバージョンの Office では 2007 Office system の新しいグラフィック効果を表示できないからです。開いたとき、ファイルはアプリケーションでサポートされているバイナリ ファイル形式に変換されます。新しいファイルを以前のバージョンの Office で印刷する場合の印刷品質は、そのバージョンの制限による影響を受けます。

さらに、下位互換性が Office PowerPoint 2007 プレゼンテーションの表示に影響する場合があります。一部のアニメーションは、以前のバージョンの PowerPoint でサポートされていない場合、変換時に変更または削除されます。たとえば、2007 Office system で図形に色の効果が適用されている場合に、その効果が以前のバージョンでサポートされていないために変換時に削除されることがあります。アニメーションがほとんど使用されていないプレゼンテーションでは、あまり影響はありません。

他のプログラムとの互換性

新しいファイル形式のファイルについては、Office アプリケーションを使用せずに以下の操作を行うことができます。

  • 内容を表示する。

  • 内容を削除する。

  • 内容を編集する。

  • 内容を置換する。

  • ファイル間で内容をコピーする。

  • ファイル名の拡張子を調べてファイルのセキュリティのレベルを識別する。

  • 検索ツールを使用してファイルの内容を調べる。

  • Visual Basic for Applications (VBA) やオブジェクト モデルを使用せずに、プログラムによってファイルの内容を検索および操作する。

新しいファイル形式は独自の形式ではありません。すべてのユーザーが無料で使用することができます。サードパーティの開発者は、Office アプリケーションや関連する Office オブジェクト モデルを使用せずに、XML ファイルを操作するプログラムを作成できます。XML スキーマ定義は、インターネットで無料でダウンロードすることができます。

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入手可能なドキュメントの詳細な一覧については、「2007 Office リソース キットのダウンロード可能なブック」を参照してください。