アップグレード前のスキャン ツールを実行する (Office SharePoint Server)

この記事の内容 :

  • アップグレード前のスキャン ツールにより報告される問題

  • アップグレード前のスキャン ツールをインストールして実行する

アップグレードを実行する前に、アップグレード前のスキャン ツールを使用してサイトをスキャンし、エラーを修正する必要があります。このツールを正しく実行せずに環境をアップグレードしようとすると、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行しようとしたときに、ウィザードが終了し、ツールを実行するように指示するメッセージが表示されます。アップグレード前にサーバー管理者がアップグレード前のスキャン ツールを実行し、アップグレードをスケジュールする前に解決できる問題はすべて解決しておくことを強くお勧めします。

注意

アップグレード前のスキャン ツールを、何度も実行する必要が生じる場合があります。たとえば、ツールを使用してサーバー ファームの評価を行うが、アップグレードは数週間行わないという場合は、アップグレードを行う直前にツールを再実行して新しいサイトをスキャンし、その間に新たな問題が発生していないことを確認する必要があります。また、最初のスキャンで見つかった問題を解決した後で、ツールを再実行する必要があります。そうしなければ、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行しようとしたときに、プレスキャンが実行されていないことを示すエラー メッセージが表示されることがあります。

アップグレード前のスキャン ツールにより報告される問題またはエラーの詳細については、Microsoft Web サイトのブログ エントリ (英語) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=106424&clcid=0x411) を参照してください。

アップグレード前のスキャン ツールにより報告される問題

このツールによって報告される各 SharePoint サイトの問題には、以下のオブジェクトの存在が含まれます。

  • カスタマイズされたサイト テンプレート   アップグレード後に再びカスタマイズを確認できるように、特定のサイトでどのサイト テンプレートがカスタマイズされているのかを把握しておく必要があります。

  • 切り離されたオブジェクト   リスト アイテム、リスト、ドキュメント、Web サイト、サイト コレクションなどのオブジェクトは、切り離されている場合があります。つまり、オブジェクトが存在するが、特定のサイトに関連付けられていない場合があります。切り離されたオブジェクトは以前のバージョンでは動作しないため、アップグレード後も動作しません。一括アップグレードを実行すると、切り離されたアイテムは存在しますが、動作しません。段階的なアップグレードを実行すると、切り離されたアイテムは新しいサイトにコピーされません。アップグレードを行う前に、切り離されたオブジェクトをクリーンアップすることをお勧めします。

    ヒント

    フロントエンド Web サーバーの Administrators グループのメンバが、サポート技術情報の記事 918744「Windows SharePoint Services 2.0 と SharePoint Portal Server 2003 のコンテンツ データベースを修復するために、使用できる新しいコマンドライン操作の説明」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=69958&clcid=0x411) に記載されている手順に従って作業することにより、アップグレード前に切り離された項目を回復させることができます。

  • カスタム Web パーツ   アップグレードを行う前に、カスタム Web パーツの存在を適切なサイト管理者または開発者に報告して、管理者または開発者に調査を行う時間を与えます。

    注意

    特に複雑なカスタム Web パーツは、アップグレード後に再構築および再展開する必要があります。

  • インストールされていない言語に基づいたサイトまたはインストールされていないコントロールを使用しているサイト   現在フロントエンド Web サーバーにインストールされていない言語テンプレート パックに基づいた Web サイト、または現在フロントエンド Web サーバーにインストールされていないコントロール (Microsoft Office Web コンポーネントなど) を使用している Web サイトがデータベース内にある場合は、アップグレード前にその言語パックまたはコントロールをインストールしてください。

アップグレード前のスキャン ツールで収集した情報を使用して、以下のことを決定します。

  • 一括アップグレードと段階的なアップグレードのどちらを実行するか。

    アップグレード方法を決定する (Office SharePoint Server)」には、実行するアップグレードの種類を決定するのに役立つ情報が記載されています。この決定を行う際には、アップグレード前のスキャン ツールによって生成されたレポートを検討することが重要です。通常、重大な問題が見つかった場合は、問題を解決できるように、一括アップグレードではなく、段階的なアップグレードを使用します。

  • カスタマイズされたサイトを含むサイト コレクションの一部をアップグレードするか、すべてをアップグレードするか。

  • アップグレード後にカスタマイズを再適用または再実行する必要があり、そのため他のサイトよりレビュー段階に長い時間を要する可能性があるのはどのサイトか。

    重要

    アップグレード前のスキャン ツールを実行すると、サイト内のすべてのリストおよびライブラリのメタデータが更新されます。これは、アップグレード前のスキャン ツールの実行後に、環境内のリストおよびライブラリが更新済みとして表示されることを意味します。この処理では、個々のリスト アイテムおよびドキュメントの日付は変更されません。

アップグレード前のスキャン ツールをインストールして実行する

  1. Microsoft ダウンロード センター (英語) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=92383&clcid=0x411) からアップグレード前のスキャン ツールをダウンロードしてインストールします。

    注意

    このツールを実行するには、ローカル コンピュータの Administrators グループのメンバである必要があります。

  2. コマンド ラインで、2 つのファイルが含まれているフォルダに移動し、以下のコマンドを実行して、サーバー ファーム内のすべてのサーバーをスキャンします。

    prescan.exe /c preupgradescanconfig.xml /all
    

    アップグレード前のスキャン ツールを使用して、環境内のすべての Web サイトをスキャンしたり (/all パラメータを使用)、特定の URL をスキャンしたり (/vURL パラメータを使用) することができます。範囲を指定するパラメータを指定しない場合は、すべての Web サイトがスキャンされます。

    注意

    スキャンを行うときに preupgradescanconfig.xml ファイルを使用しないと、アップグレード前のスキャン中に、SharePoint Portal Server 2003 で使用されたテンプレートがカスタム テンプレートとして間違って識別される場合があります。このファイルには、Windows SharePoint Services 2.0 に基づくカスタム テンプレートではなく、SharePoint Portal Server 2003 で使用される標準のテンプレートとしてポータル サイト テンプレートを識別するための、追加のロジックが含まれています。

    新しいバージョンを既にインストールしているものの、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードをまだ実行していない場合は、%PROGRAMFILES% \Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\12\BIN フォルダから、アップグレード前のスキャン ツールを実行できます。

    スキャンの実行には、環境内のコンテンツの量に応じて、数分間から数時間かかります。

  3. スキャンが完了すると、コマンドライン ウィンドウに概要レポートが表示されます。

エラーがあった場合や、サイトでアップグレードに関する問題が見つかった場合は、レポート全体を調べて詳細を確認することができます。レポートは、PreupgradeReport_uniqueID_Log.txt (uniqueID は数字の文字列) という名前のファイルで、ツールを実行したユーザーのコンピュータ上の一時ディレクトリ (たとえば、%SYSTEMDRIVE%:\Documents and Settings\User1\Local Settings\Temp) にあります。同じディレクトリ内に prescan.log というファイルもあります。この prescan.log ファイルには、アップグレード前のスキャン ツールが実行された時刻 (1 回または複数回) が記録されます。

アップグレード前のスキャン ツールを実行した後で、レポートを調べ、問題を見つけて解決することができます (問題を見つけるには、レポート内で "error" を検索します)。アップグレード前のスキャン テストに関連のある結果を、アップグレード チームの他のメンバと共有することもできます。たとえば、カスタマイズしたサイト テンプレート、カスタム Web パーツなどの問題は、アップグレードのスケジュールを立てる前に適切なサイトの所有者、Web 作成者、または開発者に報告し、問題に関する調査および準備作業を行う時間を与えることができます。たとえば、作成者または開発者は、アップグレードの開始前に、特に複雑な Web パーツを再構築した方がよいと判断する場合があります。これにより、サイトの所有者は、サイト テンプレートおよびコア Active Server Page Extension (ASPX) ファイルへの変更など、サイトに対して行われたすべてのカスタマイズを確認し、潜在的な問題を記録することができます。

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