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個人用サイトのベスト プラクティス

この記事は、Microsoft Office SharePoint Server 2007 の一連のベスト プラクティス記事の 1 つです。ここでは、Office SharePoint Server 2007 に基づいた個人用サイトの一般的な特徴とベスト プラクティスについて説明します。その他の記事については、「ベスト プラクティス」を参照してください。Office SharePoint Server 2007 のベスト プラクティスの詳細およびリソースについては、「Best Practices Resource Center for SharePoint Server 2007 (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=125981&clcid=0x411) を参照してください。

1. 個人用サイトを小さな "チームのグループ作業サイト" と見なす

個人用サイトの最も一般的な用途の 1 つは、個人が作業中の資料を格納するための場所としての使用です。そのため、チームのグループ作業サイトのベスト プラクティスの多くは個人用サイトにも適用できます。

詳細については、「チーム グループ作業サイトに関するベスト プラクティス」を参照してください。

2. 個人用サイトのコンテンツ データベースを計画する

組織に必要な個人用サイトの合計数は具体的に予測できるため、必要なコンテンツ データベースの数を見積もることができます。個人用サイトを組織に公開する前に、コンテンツ データベースを事前に作成しておきます。そうすることで、個人用サイトのサイト コレクションを作成するときに、自動的にコンテンツ データベースに分散させることができます。

詳細については、「個人用サイト アーキテクチャを設計する」および「My Site Pages and Architecture (英語)」を参照してください。

3. 個人用サイトのストレージ クォータを計画する

組織に必要な個人用サイトの合計数を具体的に予測できるため、利用可能なストレージ領域に基づいて各個人用サイトに割り当てられるストレージ領域を見積もることができます。個人用サイトを組織に公開する前に、個人用サイトのルートの Web アプリケーションのサイト クォータを適切に設定します。そうすることで、個人用サイトのサイト コレクションを作成するときに、正しいサイト クォータが適用されるようになります。

詳細については、「Web アプリケーションの設定を構成する」および「Scaling My Sites; How Many My Sites per Content DB? (英語)」を参照してください。

4. パフォーマンスを計画する

個人用サイトに関連するサイト、フォルダ構造、ドライブのストレージ、および処理のボリュームの増加は (最小限の大きさで、プロファイルの画像を格納するだけに使用しているとしても)、バックアップと復元のプロセス、および SSP ファームの他の部分の可用性に影響する場合があります。従業員が 100,000 人以上の大規模な組織では、検索 SSP とは別のファームに個人用サイトを配置することを検討する必要があります。SSP あたりの個人用サイト数は、最大で 150,000 を推奨します。

従業員が地理的に分散している大規模な組織では、個人用サイト ファームを複数準備し、地域別に配置することをお勧めします。従業員が分散していない場合は、同じデータ センター内に複数の個人用サイト ファームを配置することを推奨します。こうすることで、ファームあたりのコンテンツ データベースの数を最小限にし、サイトの所有者から地理的に近い場所に個人用サイトを配置できます。また、個人用サイトのファームを複数にすることで、特定のファームに更新プログラムおよび Service Pack を展開する際に必要な労力と時間も減らすことができます。

詳細については、「Planning and Designing SharePoint Products and Technology Solutions for Geographically Dispersed Sites (英語)」を参照してください。

5. 個人用サイトのカスタマイズ ポリシー

サイト定義はカスタマイズしないでください。適切に設計されていないカスタマイズは、サーバーのパフォーマンスに深刻な影響を与え、貴重な CPU およびメモリ リソースを不必要に消費することがあります。

代わりに、機能を設計し、機能ステープルを利用してサイト定義にその機能をアタッチすることをお勧めします。

詳細については、「SharePoint の機能」および「ホチキス止め機能」を参照してください。

6. 管理性を計画する

個人用サイトをホストする専用の Web アプリケーションを必ず作成し、その Web アプリケーションのルートを個人用サイトのホストの場所に設定します。こうすることで、Web アプリケーションのポリシーを利用したセキュリティの定義、コンテンツ データベースの管理の簡略化、外部アクセスのためのゾーンの作成、ユーザーによるルートの参照許可および個人用サイトへの自動リダイレクトの許可ができるようになります。

詳細については、「MOSS 2007 - Structuring Web Applications with a level of fault isolation (英語)」および「個人用サイトのホストの場所を作成する」を参照してください。

7. コンテンツ ソースを構成してインデックス処理のスケジュールを最適化する

個人用サイトでは、ローカルの Office SharePoint Server 2007 サイトのコンテンツ ソースが既定で使用されるのではなく、ユーザー プロファイルごとに別々のコンテンツ ソースが使用されます。サイト コレクションの数が多い可能性があるため、個人用サイトのフル クロールには時間がかかることがあります。個人用サイトのコンテンツ ソースを個別に作成することで、クロールの種類、クロールの頻度など、独立したクロール構成にすることができます。

注意

最新の Service Pack (現在は Service Pack 1) をインストールします。その Service Pack 以降に公開された最新の修正プログラムも適用してください。Microsoft Office SharePoint Server 2007 Service Pack 1 (SP1) では、増分クロールで個人用サイトでのすべての変更を取得するには、修正プログラムを適用する必要があります。

詳細については、「コンテンツ ソースを管理する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

8. 個人用サイトを事前に準備しない

完全な Active Directory ディレクトリ サービス プロファイルのインポートを行うと、個人用サイトを作成していない場合でも、各従業員のユーザー プロファイル ページが作成されます。プロファイル ページを作成することで、基本的な従業員情報を検索結果として公開することができます。

ユーザーがオンデマンドで各自の個人用サイトを作成できるようにすることを推奨します。個人用サイトを事前に準備すると非常に時間がかかり、数日または数週間かかる場合があります。メリットはあまりなく、ストレージと管理作業の面で負担が大きくなる可能性があります。

個人用に設定されたサイトを、一般的なユーザーが必要とする可能性があるもの (個人の人事データ、対象の売上データ、タスク リスト、その人の職務に関連するニュースまたはお知らせなどの Web パーツ) に対するミニポータルとして使用することを決定した場合は、各ユーザーの個人用サイトを事前に準備することを推奨します。個人用サイトの UI を利用した個人用に設定されたサイトを使用することで、ユーザーは関連する情報を収集するために多数の異なるサイトを移動する必要がなくなり、組織内の個人用サイトの活用につながります。

Security noteセキュリティに関するメモ

個人用サイトを完全に無効にする場合でも、ユーザー プロファイル データを使用してユーザーの検索ができるという利点があります。ユーザーが個人用サイトを作成できなくても、自分のプロファイルを更新できるように、個人用設定の権限を構成することができます。この柔軟性を利用して、個人用サイトの機能を組織内の一部のユーザーのみに提供することができます。

注意

TechNet、MSDN、および、Microsoft サポート サイトなどでは、"個人用サイト (My Site)" は "Personal Site" または "My Site personal site" とも呼ばれています。そのような場合に、"個人用サイト (Personal Site)" と "個人用設定サイト (Personalization Site)" を混同しないように注意してください。後者は、複数のユーザーを対象とした、集中管理されているロール固有のサイトです。

詳細については、「Managing My Site Creation and Usage (英語)」を参照してください。

9. 個人用サイトの機能の効果的なロールアウトを計画し、継続的な採用を推奨する

全員が初日から個人用サイトを利用できるようにします。こうすることで、早期導入者から次々と採用を広めることができます。創造的な情報伝達計画を実行します。いくつかのアイデアを以下に示します。

  • 組織内の役職に基づいて、個人用サイトの試用に興味のありそうなパイロット ユーザーの小さなグループに電子メールの招待状を送信します。組織の大きさによっては、このパイロット グループは数十人または数百人の規模になります。これらのユーザーに、電子メール署名に各自の個人用サイトへのリンクを追加するように促します。こうすることで個人用サイトの認知度が高まり、間もなく必要な数の個人用サイトを立ち上げることができます。

  • 開始してから数か月後に、イントラネット ポータル ホーム ページのストーリーで個人用サイトの機能の宣伝をします。

  • なるべく早い時期に、新入社員のオリエンテーションの際に研修の一環として自分のプロファイルを記入させる規定を作ります。そうすることで、すべての新入社員の個人用サイトが作成されます。

  • 知名度の高い役員にブログを書くように働きかけることで、 個人用サイトに対する認識を高め、採用を促します。ブログのトピックとしては、年間のビジネス計画、企業の戦略、風説への対応などが考えられます。多くの参加者に、何をし、どのように考えているかについて日常的に投稿することを奨励することで、ブログに対する偏見を取り除くことができます。

    注意

    ブログ エントリを検索インデックスに組み込むために、増分クロールを頻繁に行う必要があります。詳細については、「コンテンツ ソースを構成してインデックス処理のスケジュールを最適化する」を参照してください。

このような活動を通じて、ユーザー自身の個人用サイトの作成を奨励し、それによって組織内を活性化させます。

10. 個人用サイトを使用するときと、チームのグループ作業サイトを使用するときの違いに関するユーザー教育を行う

個人用サイトの下にサブサイトを作成すること、チームのグループ作業環境にサイトを作成することの違いをユーザーが理解していない可能性があります。

一般に、企業向きのブログの場合、または単独プロジェクトの場合でも、ユーザーは個人用サイトの下にサブサイトを作成するだけでかまいません。プロジェクト作業をユーザーのグループに所属して実行する場合は、チームのグループ作業環境で作成する方が適しています。

個人用サイトのユーザーに、Office Online の「My Site (英語)」、「Customizing sites and pages (英語)」、および「Web パーツでページをカスタマイズする」の各トピックについて連絡します。

詳細については、「Governance Resource Center for SharePoint Server 2007 (英語)を参照してください。

11. 個人用設定サイトを使用してユーザーの個人用サイトのコンテキスト内にロール固有のコンテンツを提供する

Office SharePoint Server 2007 には、個人用設定サイトを作成するためのテンプレートが用意されています。個人用設定サイトでは、ページ上で他の Web パーツに接続できる現在のユーザーによるフィルタ Web パーツを使用して、サイトを訪れたユーザーごとに個人用に設定されたコンテンツを表示します。

各ユーザーが管理する個人用サイトとは異なり、個人用設定サイトは大勢の読者のために中央機関がカスタマイズし、制御するように設計されています。

構成の詳細については、「個人用設定サイトを構成する」を参照してください。特定の例については、「Role-Based Templates for SharePoint My Sites (英語)」を参照してください。

12. サイトの名前付け形式としてドメインおよびユーザー名を使用する

複数のドメインがある組織で、異なるドメインで同じ名前のユーザー アカウントが存在する可能性がある場合は、サイトの名前が競合することによるリスクと混乱を回避することが重要です。長期的には、個人用サイトの設定ページで、[ドメインおよびユーザー名] 設定を選択することをお勧めします。現在組織に存在するドメインが 1 つだけの場合でも、このオプションを選択すると、将来の合併時や買収時に作業を簡略化できます。

詳細については、「個人用サイトの設定を構成する」を参照してください。