エンド ユーザーの検索操作性を計画する (Office SharePoint Server)

この記事の内容 :

  • クエリ実行時にユーザーに対して表示される内容を計画する

  • 検索結果に表示される内容を計画する

検索管理者は、エンド ユーザーの検索操作性を入念に計画することによって、検索結果の関連性および表示方法を向上させることができます。この種の計画の目標は、ユーザーが必要な情報を迅速に見つけることができる検索操作性を実現することです。この記事には、共有サービス プロバイダ (SSP) 管理者およびサイト コレクション管理者が、エンド ユーザーの検索操作性を最適化するための情報が記載されています。

この記事の最初のセクションの内容は次のとおりです。

  • 検索クエリを実行するための検索ユーザー インターフェイスについて説明します。

  • ユーザー設定範囲を計画する方法について説明します。これには、ユーザーが各検索クエリに含まれるコンテンツをフィルタするために使用する既定の範囲に関する情報も含まれます。管理者は、この情報を使用して、組織でユーザー設定範囲の作成が必要になる時期を判断できます。このサブセクションでは、必要なユーザー設定範囲を計画する方法についても説明します。

  • 高度な検索およびプロパティを使用して検索結果をフィルタする方法について説明します。管理者は、この情報を使用して、ユーザーが最適な環境で高度な検索を実行できるようにするためのキーワードとプロパティの管理オプションを理解できます。

  • 範囲付きでプロパティ検索を使用する場合の利点について説明します。これには、クロールされたプロパティと管理プロパティの関連性、およびクロールされるプロパティを計画する方法が含まれます。

この記事の 2 番目のセクションでは、検索結果ページと、管理者が制御でき、検索結果でユーザーに対して表示される内容に影響する機能について説明します。このセクションの内容は次のとおりです。

  • キーワードおよびおすすめコンテンツを計画する方法について説明します。これには、効果的なキーワードや特定の組織のおすすめコンテンツを計画する方法、および類義語とキーワードの関連付けによってエンドユーザーの操作性を向上させる方法が含まれます。

  • 管理者が特定のサイトの関連性のランク付けを管理し、検索結果の関連性を向上させる方法について説明します。

  • 複数のソースを検索し、検索結果を単一の検索結果ページに統合する際に使用できる、新しいフェデレーション ロケーション機能について説明します。この機能を実行するには Microsoft Office Servers インフラストラクチャ更新プログラム が必要です。詳細については、「Infrastructure Update for Microsoft Office Servers をインストールする (Office SharePoint Server 2007)」を参照してください。

  • 検索結果でのリンクの表示を管理する方法について説明します。

  • 検索ベースの通知を計画する方法について説明します。

この記事で説明する機能によって、管理者はエンド ユーザーの検索操作性の多くの部分を制御できるようになります。通常の運用時にも常に検索クエリの効果を評価することをお勧めしますが、初期展開の前に適切な計画をすることによって、当初から効果的な検索クエリを作成することができ、将来の管理コストを抑えることができます。

クエリ実行時にユーザーに対して表示される内容を計画する

ユーザーが検索しているコンテンツを見つけることができるようにするという目標を実現するために、構成の選択肢を効果的に計画するには、最初に、ユーザー インターフェイスでユーザーに対して表示される内容を考慮する必要があります。

検索ユーザー インターフェイス レベル

エンド ユーザーの検索操作性を計画する方法を理解するには、エンド ユーザーがクエリ実行時に使用するユーザー インターフェイスに慣れることが重要です。ご存知のように、このユーザー インターフェイスは単純です。このユーザー インターフェイスの中心は、ユーザーが検索クエリを入力できる検索ボックスです。検索ボックスは、サイト コレクションおよび検索センターのすべての非管理ページに用意されています。たとえば、既定で検索ボックスはサイト レベルおよびリスト レベルで表示されます。以下のセクションでは、サイト コレクションの各レベルでの検索ユーザー インターフェイスについて説明します。

サイト レベルの検索ユーザー インターフェイス

Office SharePoint Server のサイト レベルの検索ボックス

サイト レベルの検索ボックス (図中の 2) は、Web サイト ページの右上隅のテキスト ボックスで、ユーザーは検索クエリを入力できます。ユーザーがクエリを入力した後、[検索開始] ボタン (図中の 3) をクリックするとクエリが実行されます。専門的な知識があるユーザーは、[高度な検索] リンク (図中の 4) をクリックして、高度な検索ページでクエリを作成できます。高度な検索ページについては、後で説明します。

ユーザーがユーザー インターフェイスの検索ボックスを見たときに疑問に思うと予想される最初の点は、"実行されるクエリの対象はコンテンツのどの部分か" ということです。検索ボックスの左にある [検索範囲] の一覧 (図中の 1) で、実行するクエリの対象となる、コンテンツ インデックス内の情報の本体を指定します。

注意

検索範囲 (範囲とも呼ばれる) は、インデックス内で検索クエリの対象となる項目を定義します。検索範囲により、特定のクエリで検索ページに表示される項目を絞り込むことができます。

これによって、ユーザーはコンテンツ インデックス内のコンテンツのサブセットに対してクエリを実行でき、検索結果の関連性が向上します。

リスト レベルの検索ユーザー インターフェイス

リストおよびライブラリ レベルの検索ユーザー インターフェイスは、サイト レベルの検索ユーザー インターフェイスと同様に機能します。ただし、[このリスト] と呼ばれる追加の既定の範囲を使用できます。リスト レベルの検索ボックスは、すべてのサイト コレクションの各リストおよびライブラリの右上隅にあります。[検索範囲] の一覧は既定では [すべてのサイト] に設定されていますが、ユーザーは一覧から別の範囲を選択できます。

検索センターの検索ユーザー インターフェイス

検索センターは、ユーザーが検索クエリを実行するための、一元化され高度なカスタマイズが可能なユーザー インターフェイスを提供します。検索センターは、検索クエリを入力するための検索ボックスと、ユーザーが高度な検索クエリを作成できる高度な検索ページへのリンクで構成されています。既定では、検索ボックスの範囲は [すべてのサイト] に設定されており、ユーザーはインデックス内のすべてのコンテンツを検索できます。ただし、組織内の人を検索するための範囲として [人] タブが別に用意されています。管理者はタブを追加してユーザー設定範囲に関連付けることができ、ユーザーはこのユーザー設定範囲を使用してコンテンツの異なるサブセットに対してクエリを実行できます。

Office SharePoint Server 2007 検索センター

ユーザーは、トップ リンク バー (図中の 1) にある [検索] タブをクリックして、検索センターを表示します。サイト レベルの検索ボックスと同様に、検索センターの検索ボックス (図中の 3) は、ユーザーが検索クエリを入力できるテキスト ボックスです。次に、ユーザーは [検索開始] ボタン (図中の 4) をクリックしてクエリを実行します。既定では、範囲として [すべてのサイト] が選択されていますが、ユーザーは [] タブなど、使用可能なタブを選択して、異なる検索範囲を使用できます。

専門的な知識があるユーザーは、[高度な検索 ] リンク (図中の 5) をクリックして、高度な検索ページでクエリを作成できます。検索センターでは、サイト レベルの検索ボックスと同じ高度な検索ページを使用しています。高度な検索ページについては、後で説明します。

サイト レベルの検索ボックスとは異なり、既定では、検索センターの検索ボックスの左側には、別の範囲を選択するための [検索範囲] の一覧がありません。その代わりに、ユーザーは検索する範囲に対応するタブ (図中の 2) をクリックします。既定では、Office SharePoint Server 2007 の検索センターには、[すべてのサイト] と [人] の 2 つの範囲が用意されています。

注意

検索センターのサイト所有者は、検索ボックス Web パーツを編集することで、検索ボックスの隣に [検索範囲] 一覧を追加できます。

次の表に、Office SharePoint Server 2007 で使用可能な既定の範囲と、その範囲を選択できるレベルを示します。

検索範囲 ユーザーが検索できる対象 レベル カスタマイズ可能かどうか

すべてのサイト

インデックス内のすべてのコンテンツを検索します。

検索センター

トップ レベル サイト

サブサイト

リストとライブラリ

人を検索します。

検索センター

トップ レベル サイト

サブサイト

リストとライブラリ

このサイト : *サイト名*

現在のサイトとそのすべてのサブサイトを検索します。

トップ レベル サイト

サブサイト

リストとライブラリ

×

このリスト : *リスト名*

現在のリストを検索します。

リストとライブラリ

×

注意

[すべてのサイト] の範囲は、各サイト コレクションのすべてのレベルにおける既定の範囲です。ただし、ユーザーは使用可能な別の範囲を選択できます。

ユーザー設定範囲を計画する

ユーザー設定範囲を作成して既定の範囲を補完することが必要になる時期を判断するには、既定の範囲について理解している必要があります。ここでは、Microsoft Office SharePoint Server 2007 で提供されている既定の範囲について説明します。ユーザー設定範囲と範囲ルールを使用して、インデックス内の特定のコンテンツを、クエリ可能なコンテンツのセットにグループ化することができます。たとえば、特定の Web サイトのセットを検索したり、特定のユーザーによって作成されたすべての Word 文書、特定の時期に作成されたすべての Word 文書、またはこれらのパラメータの任意の組み合わせを検索することができます。

SSP レベルで作成する範囲は、その SSP を使用するすべてのサイト コレクションで共有されるので、共有範囲と呼ばれます。サイト コレクションの管理者は、使用する共有範囲およびその表示方法を決定します。

サイト コレクション レベルでユーザー設定範囲を作成することもできます。これによって、ユーザー設定範囲が作成されたサイト コレクションでのみユーザー設定範囲を使用できます。このレベルで作成された範囲は、サイト コレクション レベルの範囲と呼ばれます。

範囲のシナリオ

大規模な組織のコンテンツおよびサイト構造の計画中に、人事部がすべての従業員に関連するコンテンツを複数の SharePoint サイトおよび基幹業務アプリケーションで配布している大きな部署であることが判明しました。そこで、SSP 管理者は人事部に関連するコンテンツの共有範囲を作成します。

人事部サイトのサイト コレクション管理者は、この共有範囲を使用し、サイト コレクション レベルで追加の範囲を作成します。サイト コレクション レベルの範囲は、企業のポリシーと新規採用の情報に関するものです。これは、これらの情報がサイト コレクションに関連する中心的な概念であるからです。他のサイト コレクションを検索するユーザーは、これほど具体的な範囲を必要としないので、サイト コレクション レベルの範囲は共有範囲としては意味を持ちません。

サイト コレクション管理者は、共有サービス管理者によって定義された共有範囲を使用するか、またはサイト コレクションで使用する共有範囲をコピーしてそれらの共有範囲を修正することができます。その後、検索ボックスのドロップダウン リスト、高度な検索ページなど、各範囲を含む表示グループを選択できます。

注意

サイト コレクションの管理者は、共有範囲の変更や削除はできませんが、共有範囲をコピーしてそのコピーを変更することはできます。

要約すると、SSP 管理者およびサイト コレクション管理者は、最初に、組織で必要な範囲を作成します。次に、サイト コレクション管理者は、範囲を表示グループに関連付けて、表示グループに関連付けられた検索ボックスで範囲を使用できるようにします。サイト コレクション管理者は、1 つ以上のグループを表示グループに関連付けることができます。表示グループの詳細については、後で説明します。

検索範囲を計画するときには、情報アーキテクチャを参照し、ユーザーが検索しようとしている幅広いコンテンツ セットを特定します。(詳細については、「サイトの情報アーキテクチャを決定する」を参照してください。) これらのコンテンツ セットの中には複数のサイトの情報アーキテクチャにまたがるものもあれば、サイト コレクション内の情報のサブセットに収まるものもあります。サイト コレクション管理者は、サイト コレクションのユーザーのニーズに基づいて、共有範囲を実装するか、特定のサイト コレクション用のサイト コレクション レベルの範囲を実装するかを決定します。特定のサイト コレクション内でのみ関連するコンテンツは、サイト コレクション レベルでの範囲計画用に残しておく必要があります。

共有範囲を計画する

一部のサイト コレクションは特定の SSP に関連付けられており、その SSP で行う設定はその SSP に関連するすべてのサイトに影響します。SSP 管理者は、同じ SSP を使用するすべてのサイトの共有範囲を管理します。SSP 管理者は以下のタスクを実行できます。

  • 共有範囲を作成および管理する。

  • 共有範囲に範囲ルールを追加する。

  • 共有範囲を削除する。

  • 範囲に加えられた変更を更新する。

共有サービスの同じ組み合わせを使用しているすべてのサイト コレクションの管理者は、共有範囲を表示して使用できます。

以下の共有範囲は、SSP ごとに自動的に作成され、既定で検索センターで使用できます。

  • すべてのサイト

サイト コレクションの範囲を計画する

計画段階では、各サイト コレクションの管理者は、サイト内の情報アーキテクチャに基づいて範囲を作成します。サイト コレクション管理者は、新しい範囲、共有範囲のコピー (共有範囲のコピーはサイト コレクション レベルの範囲になります)、またはその両方を作成することができます。たとえば、サイト コレクション管理者は、サイト コレクションを使用している担当者の役に立つ共有範囲を選択し、サイト コレクション範囲を作成してこれらの範囲を補足することで範囲を追加できます。

サイト コレクション管理者が実行できる、範囲に関連する操作を以下の表に示します。

サイト コレクション管理者は、共有範囲でこれらの操作を実行できます。 サイト コレクション管理者は、サイト コレクション レベルの範囲で、これらの操作を実行できます。
  • 検索範囲を表示する方法 (検索ドロップダウン、詳細検索、または両方) を選択する。

  • 共有範囲をコピーし変更して、サイト コレクションの範囲として使用する。

  • ステータスを表示する。たとえば、含まれる範囲ルールや表示される範囲リストでの順序。

  • 検索範囲を表示する方法 (検索ドロップダウン、詳細検索、または両方) を選択する。

  • サイト コレクション レベルの範囲を作成する。

  • サイト コレクション レベルの範囲を編集する (下記の詳細を参照)。

  • 範囲ルールを追加する。

  • サイト コレクション レベルの範囲を削除する。

  • ステータスを表示する。たとえば、含まれる範囲ルールや表示される範囲リストでの順序。

サイト コレクションの管理者は、共有範囲に対して直接一致ルールの作成や追加はできませんが、共有範囲をサイト コレクション範囲としてコピーし、そのコピーを変更することはできます。

注意

サイト コレクション管理者が共有範囲をコピーすると、そのコピーは、サイト コレクション管理者が他のサイト コレクション レベル範囲で実行できる操作を実行するために使用できるサイト コレクション レベル範囲になります。

新しいサイト コレクション レベル範囲を作成または編集するときは、以下の項目を指定できます。

  • 一意のタイトル。

  • 範囲の説明 (オプション)。

  • 表示グループ (範囲グループとも呼ばれます)。サイト コレクションの管理者は、範囲を表示グループに割り当て、サイトでの表示場所を決定できます。既定では、Office SharePoint Server 2007 には、検索ボックス ドロップ ダウン リストと [詳細検索] ページの表示グループがあります。サイト コレクション管理者は、1 つ以上の範囲を表示グループに割り当てることができます。

  • 結果ページ。この範囲の使用時に、既定の検索結果ページを使用して検索結果を表示したり、別のページを指定することができます。別のページを使用する場合は、最初にその検索結果ページを作成する必要があります。

サイト コレクション範囲が存在しない場合、各サイト コレクションは既定ですべての共有範囲にアクセスできます。

表示グループを計画する

表示グループを使用して、特定の検索ボックスに範囲を割り当てることができます。サイト コレクション管理者は、複数のオプションを使用して既存の表示グループを構成したり、1 つ以上の新しい表示グループを作成したりすることできます。一般にサイト所有者は、表示グループの特定のニーズを確認します。たとえば、特定のチーム サイトのユーザーが複数のドキュメント ライブラリに分散しているコンテンツを頻繁に検索する必要があるとします。検索しているコンテンツの本体を絞り込むためには、現在、各ライブラリの検索ボックスなど、別々の検索ボックスで個別に検索を実行するか、検索結果を抽出する詳細なクエリを作成する必要があります。この頻繁な検索を実行できる簡単な方法をユーザーに提供するために、サイト コレクション管理者は表示グループを作成し、適切な範囲を表示グループに割り当てます。次に、サイトの所有者はこの表示グループを特定の検索ボックス (サイトのカスタム検索ページ上の検索ボックスなど) に関連付けます。ユーザーは、この検索ボックスを使用して、範囲 (この場合はドキュメント ライブラリ) 別に定義されたコンテンツを検索します。Office SharePoint Server 2007 には、既定で以下の 2 つの表示グループが用意されています。

  • 検索ドロップダウン[すべてのサイト] 範囲と [人] 範囲はこの表示グループに割り当てられ、この表示グループは既定で検索ボックスで使用されます。

  • 詳細検索[すべてのサイト] 範囲はこの表示グループに割り当てられ、この表示グループは既定で [詳細検索] ページで使用されます。

サイト コレクション管理者は、以下の操作を実行できます。

  • 範囲を表示グループに追加する。

  • 表示グループから範囲を削除する。

  • 新しい表示グループを作成し、必要な範囲を割り当てる。

  • [検索範囲] の一覧で表示される順序を変更する。

  • [検索範囲] の一覧で既定で選択される範囲を指定する。

サイトの所有者は以下の操作を実行できます。

  • さまざまな表示グループを検索センター サイトの検索ボックスおよび [詳細検索] ページに割り当てる。

  • 検索ボックスおよび詳細検索ボックス Web パーツを使用して新しい検索ページを作成し、使用したい表示グループに割り当てる。

範囲ルールを計画する

範囲ルールを範囲に追加して範囲を定義します。範囲ルールは、範囲に関連付けるコンテンツおよび関連付けないコンテンツを定義します。特定の範囲に追加された範囲ルールは、範囲の程度を定義します。

各範囲ルールは、コンテンツのプロパティ、場所、およびソースを定義する範囲ルールの種類に基づいています。以下の表は、共有検索範囲とサイト コレクション レベル検索範囲に使用可能な範囲ルールの種類を示しています。

範囲ルールの種類 共有検索範囲に使用可能 サイト コレクション レベル検索範囲に使用可能 コンテンツのテスト基準

Web アドレス (https://server/site)

場所

プロパティ クエリ
(作成者 = John Doe)

単一のプロパティ

コンテンツ ソース

×

特定のコンテンツ ソース

すべてのコンテンツ

コンテンツ インデックス内のすべてのコンテンツ

すべてのコンテンツ範囲ルールの種類は、すべてのクロールされたコンテンツを範囲に関連付けるため、最も簡素です。SSP 管理者は、その他の 3 つの範囲ルールの種類ごとに、コンテンツを範囲に関連付ける範囲ルールの動作を指定できます。これらの動作を以下の一覧で説明します。

  • 包含   別のルールで削除されない限り、このルールに一致したアイテムが検索結果に表示されます。ルールを組み合わせると、この動作は OR 論理演算子と同様です。

  • 必須   他のルールと一致する項目が検索結果に表示されるには、このルールにも一致する必要があります。この動作は AND 論理演算子と同じです。

  • 除外   このルールに一致する項目は、他のルールに一致する場合でも検索結果から除外されます。この動作は AND NOT 論理演算子と同じです。

多くの場合、範囲は 1 つの範囲ルールに基づいています。ただし、複数のルールを含む範囲を使用することが適切な場合があります。特定のテーマまたは論理的に関連する一連のコンテンツを基に範囲を作成できます。このために、複数の場所、プロパティ、または論理的に関連する場所とプロパティの組み合わせを含めたり、除外したりすることができます。ルールの論理的な組み合わせにより、範囲に含めるまたは除外するコンテンツを決定します。

場所に基づく範囲ルールを使用する

Web アドレス範囲ルールの種類を使用することで、コンテンツの場所 (Web アドレスや UNC パス) に基づいてルールを作成できます。コンテンツの検索など、以下のような複数の使用シナリオでこの種類のルールが必要です。

  • ドキュメント ライブラリのグループ。

  • 会社のアーカイブを検索するときなど、1 つの大規模なドキュメント リポジトリにある一連のフォルダ内。

  • 特定の主題の外部サイト。

  • 組織内の他のサーバー。

各 Web アドレス範囲ルールには、1 つのフォルダ、ドメイン名、またはサーバー名で定義される 1 つの場所が含まれています。範囲内で利用できるようにしたいコンテンツのセットに応じて、すべての関連する場所が範囲内に含まれ、すべての無関係な場所が除外されるまで一致するルールを追加します。情報アーキテクチャおよびサイト構造計画を検証し、各範囲に含める場所の決定に役立てます。

管理プロパティに基づく範囲ルールを使用する

範囲ルールは、プロパティ クエリ範囲ルールの種類を使用して 1 つの管理プロパティの特定の値に基づくことができます。このような範囲ルールを作成する前に、次の点を確認してください。

  • 管理プロパティは既定の管理プロパティであるか、SSP 管理者が作成した管理プロパティなので、使用したい管理プロパティが存在している。

  • 範囲内で使用できるように管理プロパティが構成されている。複数の管理プロパティが作成されますが、既定では 2、3 の管理プロパティのみが範囲内で使用できるように構成されます。検索範囲内で使用できるのは、SSP 管理者が範囲内で特に利用できるようにした管理プロパティのみです。

    注意

    SSP 管理者は、特定のプロパティの [管理プロパティの編集] ページを使用して、プロパティを範囲内で使用できるようにすることができます。

範囲ルールを作成した後、プロパティ クエリに一致するコンテンツの各項目は特定の値に対してテストされ、ルールに基づいて含められるか、除外されます。プロパティに基づくルールは、Contains (次の値を含む) などの他の演算子に対してではなく、Is exactly (完全一致) 演算子を使用してのみクエリできます。

たとえば、営業ポータル サイトのサイト コレクション管理者は SalesOffice 管理プロパティを使用し、各範囲のルールの値を関連する営業所の値に設定することで、営業所ごとに範囲を作成することができます。この管理プロパティは範囲を定義するために使用されるため、この範囲を使用すると、検索結果には営業所のコンテンツのみが含まれます。

組織で SSP の管理プロパティを計画するときは、範囲を考慮してください。特定のコンテンツ セットの範囲を作成するには、そのコンテンツのプロパティで、範囲ルールに含めることができる、管理プロパティにマッピングされるプロパティがあることを確認する必要があります。

コンテンツ ソースに基づく範囲ルールを使用する

SSP 管理者が追加のコンテンツ ソースを作成する複数の理由があります。一般に、これらは他のコンテンツとは異なるスケジュールでコンテンツをクロールするために作成されます。多くの場合、SSP 管理者は異なる SharePoint ファームまたはファイル共有などにあるコンテンツをクロールするために個別のコンテンツ ソースを作成します。ユーザーの検索対象 (例、ファイル アーカイブ) のコンテンツを既に含むコンテンツ ソースが存在する場合、SSP 管理者は範囲ルール (コンテンツ ソースの種類) を含む共有範囲を作成し、ユーザーがコンテンツのその部分を検索できるようにすることができます。

特定のコンテンツ ソースに基づく範囲ルールを含むことができるのは、共有範囲のみです。この範囲ルールの種類は、サイト コレクション レベルの範囲では使用できません。コンテンツ ソースの計画は、一連のコンテンツが別々のコンテンツ ソースにある場合に管理しやすいコンテンツのセットを識別するときに役立ちます。

計画するコンテンツ ソースごとに、コンテンツ ソースを使用してインデックスが付けられたコンテンツを共有範囲内にグループとしてまとめることがサイト コレクションを使用する担当者にとって適切かどうかを検討してください。この場合、そのコンテンツ ソース用の範囲ルールを追加できます。

また、コンテンツ ソースをユーザーが検索するより小さなコンテンツの集団に分割できるかどうかについても検討してください。分割できる場合は、範囲ルールを組み合わせて他の範囲ルールの種類のコンテンツ ソースを指定し、より狭い範囲を作成できます。

コンテンツ ソースの作成の詳細については、「コンテンツのクロールを計画する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

[すべてのコンテンツ] 範囲ルールの種類を使用する

[すべてのコンテンツ] 範囲ルールの種類を使用して範囲ルールを作成すると、コンテンツ インデックス内のすべてのコンテンツをその範囲で利用できます。狭い範囲を作成したい場合は、[すべてのコンテンツ] 範囲ルールの種類を使用する範囲に範囲ルールを追加し、範囲から特定のコンテンツを除外できます。

動作を除外する範囲ルールを使用してコンテンツを除外する

[すべてのサイト] 共有範囲をコピーして、コンテンツ インデックス内のすべてのコンテンツを含める開始点として使用することができます。次に、検索結果からコンテンツを除外する範囲ルールを追加して、広範でありながら検索結果の特定のセットを除外する範囲を作成できます。サイト上のコンテンツのすべてのサブセットを含むルールを持つ複雑な検索範囲を作成するよりも、除外ルールを含む [すべてのサイト] 共有検索範囲のコピーを使用する方が簡単な場合があります。

[すべてのサイト] 共有範囲のコピーを使用して開始するか、別の範囲を使用して開始するかに関係なく、検索結果からコンテンツを除外する理由がコンテンツを含める理由とは大幅に異なるために、コンテンツを含める範囲ルールを追加する別の手順として、コンテンツを除外する範囲ルールの追加を検討したい場合もあります。

範囲の計画の例

Contoso Corporation には、IT サービス部門、顧客サービス部門、および営業部門があります。これら 3 つの部門はそれぞれ独自のサイト コレクションを持っていて、会社のニュースと人材情報を提供するための中心ポータル サイトもあります。クロールされたすべてのコンテンツは 1 つのコンテンツ インデックス内にインデックス付けされます。

各部門のコンテンツが異なるため、SSP 管理者は 3 つの部門のサイト コレクションごとに別々のコンテンツ ソースを作成します。これにより、各コンテンツ ソースを異なるスケジュールでクロールできます。また、SSP 管理者は人材と会社のニュース コンテンツを含む中心ポータル サイト コレクションをクロールするために使用する 4 番目のコンテンツ ソースも作成します。

既定では、各サイト コレクションからインデックス付けされたすべてのコンテンツは、すべてのサイト コレクションで利用可能な [すべてのサイト] 共有範囲に含まれます。 SSP 管理者は部門のサイト コレクションごとに別々の共有範囲を作成し、次に共有範囲ごとに範囲ルールを作成します。これらの共有範囲はサイト コレクションの共有範囲ごとの適切なコンテンツ ソースを含んでいます。

たとえば、顧客サービス部門の場合、SSP 管理者は顧客サービスという範囲を作成し、範囲ルールをその範囲に追加します。範囲ルールを追加するとき、SSP 管理者は範囲ルールの種類として [コンテンツ ソース] を選択して、利用可能なコンテンツ ソースの一覧から顧客サービス コンテンツ ソースを選択し、次にそのコンテンツ ソースを使用してクロールされたすべての項目を含める包含動作を選択します。

注意

既存のすべてのコンテンツ ソースは、コンテンツ ソースに基づいて範囲ルールを作成するときに、[範囲ルールの追加] ページの [コンテンツ ソース] の一覧に表示されます。

以下の表に、Contoso Corporation の SSP 管理者が作成した共有範囲を示します。

共有範囲 含まれるコンテンツ

サービス部門

サービス部門コンテンツ ソースを使用してクロールされた IT サービス サイト コレクション上のすべてのコンテンツ。

顧客サービス

顧客サービス コンテンツ ソースを使用してクロールされた顧客サービス サイト コレクション上のすべてのコンテンツ。

営業

営業コンテンツ ソースを使用してクロールされた営業サイト コレクション上のすべてのコンテンツ。

中心ポータル

顧客サービス コンテンツ ソースを使用してクロールされた中心ポータル サイト コレクション上のすべてのコンテンツ。

SSP 管理者が作成した共有範囲に加え、既定の [すべてのサイト] 範囲には、インデックス内のクロールされたすべてのコンテンツが含まれています。[すべてのサイト] 共有範囲は、既定ですべてのサイト コレクションで利用できます。

各部門のサイト コレクション管理者は、[すべてのサイト] 共有範囲と、自分のサイト コレクションのコンテンツを含む共有範囲を使用することを決定しますが、共有範囲であっても中心ポータル範囲を使用することを計画しません。このオプションは、中心ポータル サイト コレクションの [検索範囲] ドロップ ダウン リストからのみ利用できます。

各部門のサイト コレクション管理者は、SSP 管理者がサイト コレクション用に作成した共有範囲のコピーを作成します (共有範囲のコピーはサイト コレクション レベル範囲になります)。次に、各サイト コレクション管理者は範囲ルールをサイト コレクション レベル範囲に追加して、ユーザーがこれらの範囲を使用するときにクエリする最も重要なコンテンツのセットのみを対象とします。

たとえば、営業サイト コレクションのサイト コレクション管理者は、マーケティング ドキュメントや他のコンテンツの管理プロパティ、関連するチーム サイトおよびドキュメント ライブラリを基に各製品ラインに関連するコンテンツの範囲を作成します。

ワークシートでの作業

範囲、範囲ルール、および表示グループに関する決定は、「Microsoft® Office SharePoint® Server 2007: エンドユーザーの検索操作性の計画ワークシート」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=81039&clcid=0x411) の「範囲を計画する」セクションに記録してください。

高度な検索

多くの場合、ユーザーはキーワード フレーズを検索ボックスに入力し、[検索開始] ボタンをクリックするか、Enter キーを押してクエリを実行します。この方法では、一部のユーザーは検索結果の最初の数ページで求めている結果を得ることができないために検索をあきらめます。ただし、経験の豊富なユーザーは自分が探しているコンテンツを対象とする詳細なクエリを使用して検索を再試行します。

かなり経験の豊富なユーザーは、詳細な検索クエリを検索ボックスで作成できます。たとえば、Bob Smith が作成した、「negotiate」という単語を含むコンテンツを検索するには、次のクエリを検索ボックスに入力できます。

negotiate author:smith

ただし、ほとんどのユーザーはこのような詳細なクエリの作成に必要な構文に慣れていません。このため、ほとんどのユーザーは [高度な検索] ページを使用して詳細なクエリを作成します。このページでは、構文を使用して検索するコンテンツを限定することができます。次の表では、キーワードに関連する、[高度な検索] ページ上のオプションを説明します。

このオプションを使用してドキュメントを検索する 機能

これらの単語すべて

ユーザーが入力するすべてのキーワードを含むコンテンツを検索するが、これらのキーワードは特定の順序でコンテンツに存在する必要はない。

完全一致のフレーズ

ユーザーが入力する単語を正確な順序で含むコンテンツを検索する。

これらの単語のいずれか

ユーザーが入力する単語のいずれかを含むコンテンツを検索する。

除外対象の語句

ユーザーが入力する語句をまったく含まないコンテンツを検索する。

また、[高度な検索] ページを使用して検索を特定の言語またはドキュメントの種類に絞り込むことができます。最終的に、プロパティ制限を使用して、選択したプロパティの値が入力した値と一致するかどうかに基づいて検索結果を抽出することができます。たとえば、作成者プロパティを選択し、次の内容を含む包含演算子を選択し、値を入力して [検索] をクリックします。

既定では、作成者、タイトルなど、管理プロパティと呼ばれる複数のプロパティが用意されています。ただし、ほとんどの既定の管理プロパティは範囲内で利用できません。SSP 管理者は範囲で利用できるようにする管理プロパティを選択し、組織のニーズに合わせて追加のプロパティを作成できます。SSP 管理者が範囲内で使用できるようにした管理プロパティはすべてのサイト コレクションで利用できます。

検索のプロパティを計画する

効果的に検索できるようにサイト コレクション内のコンテンツを編成する 1 つの方法は、共通のテーマを持つコンテンツを同じ場所にグループ化することです。このようにして、サイト レベルおよびリスト レベルの既定の範囲の利点をコンテンツの検索に活用できます。たとえば、特定のプロジェクトのすべての情報を格納するサイトを作成できます。このサイト内では、別々のドキュメント ライブラリおよびリストを作成してそのプロジェクトに関連する異なる種類の情報を格納できます。ユーザーは既定の [このサイト] 範囲を使用してサイト内のすべてのコンテンツを検索するか、[このリスト] 範囲を使用して、サイト内の特定のリストまたはライブラリにあるコンテンツを検索できます。SSP 管理者やサイト コレクション管理者は、ユーザーのニーズに応じてカスタム範囲を作成し、コンテンツの異なる部分を検索できます。

この方法は、組織でコンテンツを効果的に編成する相対的に簡単な方法ですが、特に大量のコンテンツを検索しているときなど、すべての組織のニーズを満たしません。これは、以下の理由によります。

  • 必ずしも共通のテーマを持つすべてのコンテンツを同じ場所に編成することはできない。

  • 共通のテーマを持つすべてのコンテンツを展開時に同じ場所に編成した場合でも、時間の経過によりサイト コレクション間に分散される可能性がある。

適切な場合は、場所別にコンテンツを編成し、プロパティを使用することでこの組織を補足することをお勧めします。

管理プロパティおよびクロールされたプロパティ

コンテンツがクロールされる場合、クローラはそのメタベース コンテンツに関連付けられたプロパティもクロールします。クロールされたプロパティには、組織が使用するファイル、データベース、および基幹業務アプリケーションに格納されたコンテンツのメタデータが含まれています。クロールされたプロパティでは、作成者、タイトル、電子メール アドレスなど、種々の情報を表すことができます。

以前のバージョンの Microsoft SharePoint 製品とテクノロジでは、一部のプロパティを他の共通のプロパティにマッピングして、プロパティの重複を減らすことができましたが、無関係の多数のプロパティができるため、検索結果が紛らわしくなりました。このため、無関係の多数のプロパティから関連するプロパティを検索することが困難でした。

Office SharePoint Server 2007 は、SSP 管理者が管理プロパティを作成できるようにすることでこのような混乱を軽減しました。その後、管理者は、クロールされたプロパティ (コンテンツのクロール時にクローラが収集しプロパティ ストアに追加するプロパティ) を検索クエリが使用する管理プロパティにマッピングできます。

管理プロパティとクロールされたプロパティとの関係は、シンプルでありながらも強力な関係です。SSP 管理者は、1 つ以上のクロールされたプロパティ (クローラで検出されたプロパティ) を管理プロパティ (範囲ルールとクエリで使用できるプロパティ) にマップできます。多くのクロールされたプロパティは同じ種類のメタデータを含んでおり、クロールされたプロパティは多くの場合直感的ではない名前を持っているため、このマッピングは重要です。たとえば、既定では、"メール : 6" と "オフィス : 4" という名前のクロールされたプロパティは作成者という名前の管理プロパティにマップされます。この理由は、これら 2 つのクロールされたプロパティの値に作成者の名前が含まれているためです。クロールされたプロパティの管理プロパティに対するこのマッピングは、管理を容易にしてユーザーに利点があります。範囲の作成時に作業するプロパティが少ないため、管理者にも利点があります。数が少なく、覚えやすい直感的なプロパティ名を持つこともできるため、検索ボックスで詳細なクエリを作成するエンド ユーザーの役に立ちます。

管理プロパティには、以下の利点があります。

  • ユーザーは管理プロパティを使用して、検索結果をフィルタ処理するクエリを検索ボックスで作成できます。

  • [高度な検索] ページでプロパティを使用し、エンド ユーザーが検索結果を簡単にフィルタ処理できるようにすることができます。

  • サイト所有者は、[高度な検索] ページをカスタマイズして異なる管理プロパティを使用できます。

  • SSP 管理者とサイト コレクション管理者は、クエリに基づいて検索結果をフィルタ処理するルールを持つカスタム範囲を作成できます。エンド ユーザーは、詳細なクエリを作成する方法を学ぶ必要なしに、詳細なプロパティ ベースのクエリからの利点を受けることができます。

既定では、複数の管理プロパティが作成され、クロールされたプロパティにマップされます。SSP 管理者は、クロールされたプロパティをさらに既存の管理プロパティに追加して、新しい管理プロパティを作成できます。

クエリにプロパティを使用する

クロールされたプロパティの値が検索クエリに影響を与えるように、クロールされたプロパティを管理プロパティにマッピングする必要があり、ユーザーはその管理プロパティに対して検索を実行する必要があります。大量のクロールされたプロパティの値を含めると、検索の関連性およびパフォーマンスで悪影響が生じる可能性があります。

実際に管理プロパティを範囲で使用する場合にのみ、管理プロパティを範囲で使用できるようにします。管理プロパティを [高度な検索] ページで使用する場合や、検索ボックスのクエリの一部として使用する場合は、管理プロパティを範囲で使用できるようにする必要はありません。

Office SharePoint Server 2007 の初期展開を計画している管理者は、展開で使用されるすべての SSP の検索サービス用に計画した管理プロパティの初期セットを記録する必要があります。

これらのクロールされたプロパティの多くは、ビジネス データ アプリケーションのプロパティ、Microsoft Office Word、Office Excel ドキュメントなど、コンテンツ タイプのアプリケーションで表示されるプロパティを確認することで見つけることができます。

テスト サーバーにアクセスできる場合、優先度の高いコンテンツをクロールし、表示されるクロールされたプロパティを使用して計画に役立てることができます。

管理プロパティとその実装方法を慎重に計画すると、サイト上のコンテンツを検索しやすくすることができます。展開を計画するときは、管理プロパティの数を最小限度に維持することをお勧めします。これは、どのプロパティが組織で最も有用かを入念に検討し、これらを開始点として展開することを意味します。必要に応じて、展開後に追加の管理プロパティをいつでも作成できます。

管理プロパティを計画する

潜在的な管理プロパティを特定する実践的な方法は、既存のコンテンツとその優先度の高いメタデータを検証することです。Office SharePoint Server 2007 の展開をアクティブ化する前にテスト ファームにアクセスできる場合は、コンテンツをクロールして、表示されるクロールされたプロパティを確認し、これらのプロパティを使用して情報アーキテクチャの部分を特定します。ただし、ほとんどの組織は展開をステージングする前に書類上で情報アーキテクチャを計画することから利益を受けます。その理由は、この計画が計画に焦点を当てること、および想定よりも十分編成されていないコンテンツとプロセスを特定することに役立つためです。

役に立つ一連の管理プロパティを作成する鍵は、最も重要な概念を決定し、ユーザーが検索時に関連コンテンツを検索できるようにする管理プロパティにマップできるコンテンツ内でプロパティを見つけることです。多くのプロパティをマッピングすると、検索データベースのサイズが増加し、それに伴ってパフォーマンスが低下します。このため、マッピングが適切であることに確信がある場合にのみプロパティをマップすることが適切です。

最初にコンテンツをクロールせずに、コンテンツのプロパティを検出することは困難です。したがって、各サイト コレクションのコンテンツを十分理解していない限り、管理プロパティの計画まで待機することをお勧めします。その後テスト サーバー上で、該当するすべてのコンテンツをクロールして、クロールされたプロパティのリストを取得し、管理プロパティの作成時に情報アーキテクチャと比較できます。コンテンツをクロールした後でもプロパティをマップすることが困難な場合があります。これは、プロパティを使用するコンテンツの種類やアプリケーションの特定作業は複雑なためです。特定のプロパティの特性とコンテンツが不明な場合は、テスト環境でマッピングをセットアップし、このプロパティの検索を実験することができます。

最も有用な管理プロパティの多くは、Office SharePoint Server 2007 のインストール時に自動的に作成されます。他の管理プロパティの計画時には、これらの管理プロパティを出発点として使用してください。

  • 作成者

  • 説明

  • サイト名

  • 種類

  • ファイル サイズ

  • 最終更新日

  • URL

  • タイトル

プロパティを使用して効果的に検索するには、まずクロールされたプロパティに値を割り当てる必要があることを念頭に置いてください。たとえば、作成者という管理プロパティにマップするプロパティを含むドキュメントがあり、そのドキュメントのプロパティに値が割り当てられていない場合、特定の作成者の作成者プロパティを使用してクエリすると、ドキュメントは検索結果に表示されません。

管理プロパティの重複を避ける

プロパティの中には、きわめて基本的で、コンテンツ タイプによっては別のプロパティとして表示されるものがあります。この例には、ドキュメントの作成者プロパティやタイトル プロパティがあります。

計画中にこれらの基本的なプロパティを使用して実行できる最も重要なことは、1 つの管理プロパティ セットを作成し、クロールされたプロパティを管理プロパティのセットにある同じ意味のプロパティとマッピングすることで重複を減らすことです。[作成者] プロパティの場合、1 つの [作成者] 管理プロパティを使用して、作成者のクロールされたプロパティのそれぞれの固有な外観をマッピングできます。

1 つ以上のクロールされたプロパティを 1 つ以上の管理プロパティにマッピングできます。

ヒント

各作成者プロパティを個別の管理プロパティとして追加すると、データベースに余分な管理プロパティを追加することになり、ユーザーの操作性は低下します。したがって、そのようなプロパティの追加には意味がありません。

複数のクロールされたプロパティに優先順位を付けて、クロール中に複数のプロパティが見つかった場合に、管理プロパティを使用したクエリに対して、最も優先順位の高いプロパティを使用することができます。クロールされたプロパティに優先順位を付けない場合、クエリには、管理プロパティにマッピングされるすべてのクロールされたプロパティの値が使用されるため、管理プロパティは複数値を持つことになります。つまり、検索結果には、クエリに一致するマッピングされたプロパティの値を含むコンテンツすべての結果が返されます。1 つの値のプロパティに推奨される方法は、最も一般的なプロパティを管理プロパティとして選択し、マップされたプロパティに発生頻度別に優先順位を付けることです。最も頻繁にクロールされたプロパティを特定するのは必ずしも簡単ではありませんが、1 つの戦略としては、通常使用されるアプリケーションに関連付けられているプロパティに優先順位を付けることが挙げられます。

正確ではないマッピングは検索結果の関連性を実際に低下させる可能性があるため、プロパティをマップするときは、正しく一致しないプロパティや無関係なプロパティをマップしないように注意してください。可能な場合は、初期展開の前に管理プロパティの検索をテストし、通常の操作中の検索クエリでのデータ使用方法を検証して、マップしたプロパティを綿密に調整してください。

情報アーキテクチャの主要概念を表すプロパティを追加する

管理プロパティにマップされた、クロールされたプロパティに加え、既定では、他のクロールされたプロパティは既存の管理プロパティでまだ取得されていない情報アーキテクチャの概念に明確にマップできる場合があります。たとえば、ある企業では、顧客サービスを情報アーキテクチャ内の主要なビジネス プロセスとして特定できます。情報アーキテクチャの顧客サービスに関連付けられた主要概念には、顧客、顧客サービス担当者、および顧客サービス地域が含まれる場合があります。

情報アーキテクチャの概念ごとに、管理プロパティにマップできる、この概念を表すクロールされたプロパティがあるかどうかを自分で確認してください。プロパティがある場合は、そのプロパティを管理プロパティとします。

シナリオ

基幹業務アプリケーションは、顧客データや従業員データを追跡します。これらのデータのプロパティは、ビジネス データ カタログに登録され、ビジネス データ コンテンツ ソースの一部としてクロールされた後、管理プロパティの潜在的候補になります。個別のデータ アプリケーションの顧客サービス担当者 (ID) プロパティ、または顧客サービス担当者だけが使用するアプリケーション タイプの作成者プロパティなど、これらの管理プロパティにマップされる必要があるアプリケーションのクロールされたプロパティを特定する場合もあります。このプロパティまたはそれに関連付けられた用語を使用する検索クエリには、顧客サービス担当者 ID 管理プロパティにマップされたいずれかのクロールされたプロパティを含むすべての項目の検索結果が含まれます。

情報アーキテクチャで特定された各主要ビジネス プロセスは潜在的管理プロパティの特定に使用できる、一連の関連付けられたファイルの種類やビジネス データ アプリケーションを持ちます。

情報アーキテクチャの多くの概念はプロパティで表現されませんが、これらの概念はサイト構造の計画や他の検索機能の実装の間に役に立ちます。情報アーキテクチャで示されている概念は、その概念の管理プロパティが存在することまたは存在する必要があることを意味しないため、情報アーキテクチャは見落とされていた管理プロパティを特定できます。

ビジネス データ プロパティを計画する

ビジネス データ検索の計画の一部として、SSP 管理者はビジネス アプリケーションのプロパティを管理プロパティにマップする必要があります。これらのプロパティは、アプリケーションのビジネス データを検索結果に表示するための管理プロパティとして選択される必要があります。前述の顧客サービスの例では、検索で使用する管理プロパティにビジネス データ プロパティをマッピングする方法を解説しています。ビジネス データ検索の計画の詳細については、「ビジネス データ検索を計画する」を参照してください。

ワークシートでの作業

クロールされたプロパティと管理プロパティに関する決定は、「Microsoft® Office SharePoint® Server 2007: エンドユーザーの検索操作性の計画ワークシート」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=81039&clcid=0x411) の「管理プロパティを計画する」セクションにある表に記録してください。

検索範囲に管理プロパティを使用する

各管理プロパティは、検索範囲ルールのプロパティとして公開できます。検索範囲の計画の詳細については、この記事で前述の「検索範囲を計画する」セクションを参照してください。

新しいファイル タイプ用のプロパティの統合を計画する

Office SharePoint Server 2007 では、ドキュメントがクロール化される際に検出されるプロパティに基づき、プロパティ カテゴリを使用して、クロールされたプロパティをグループ化します。

ファイルの種類に関連付けられたプロパティ カテゴリについては、「メタデータを管理する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=81062&clcid=0x411) を参照してください。コンテンツのクロールの詳細については、「コンテンツのクロールを計画する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

検索結果に表示される内容を計画する

Office SharePoint Server 2007 には、検索結果でユーザーに表示される内容を SSP 管理者やサイト コレクション管理者が制御できる複数の設定があります。さまざまな方法で検索結果を制御できますが、展開中の前に、次のことをお勧めします。

  • キーワード、おすすめコンテンツ、および類義語を計画する。

  • 検索結果の上位に適切なサイトが表示されるように、最も関連性のあるサイトおよび関連性のないサイトを見極める。

  • フェデレーション ロケーションとフェデレーション Web パーツを使用するかどうかを計画する。この機能を実行するには Microsoft Office Servers インフラストラクチャ更新プログラム が必要です。詳細については、「Infrastructure Update for Microsoft Office Servers をインストールする (Office SharePoint Server 2007)」を参照してください。

  • リンクの外観を計画する。

  • 検索ベースの通知をユーザーが使用できるかどうかを計画する。

キーワード、おすすめコンテンツ、および類義語を計画する

キーワード (キーワード フレーズともいう) は、クエリを作成するときにユーザーが検索ボックスに入力する単語です。検索ボックスに「widget」という単語を入力して [検索開始] ボタンをクリックするなど、簡単なキーワード検索を実行する場合、Office SharePoint Server 2007 はそのキーワードを含む、選択した範囲内のすべてのコンテンツの検索結果を表示します。

Office SharePoint Server 2007 では、サイト コレクション管理者はインデックスにある同じ名前のキーワード フレーズに直接関係するキーワードと呼ばれるエンティティを作成できます。サイト コレクション管理者は、1 つ以上の単語を使用してキーワードを作成できます。たとえば、キーワードは "OOF" などの 1 つの単語であったり、"out of office" など、特定の順序で入力する必要がある単語のグループです。

キーワード (キーワード フレーズともいう) の名前に加え、サイト コレクション管理者は次の 1 つ以上オプションで構成されるキーワードを作成できます。

  • 検索結果に表示されるキーワードの定義

  • 1 つ以上の類義語

  • 1 つ以上のおすすめコンテンツ (SSP 管理者が特定のキーワードに対してきわめて関連性が高いものとして指定する URL)

注意

上記のいずれのオプション情報も含まないキーワードを作成できますが、作成しても検索結果の関連性は向上しません。

キーワードを使用すると、サイト コレクション管理者はエンド ユーザー クエリの関連性を向上させることができます。任意のサイト コレクションの検索結果を変更して、特定のコンテンツを昇格させ、特定の検索用語を使用するクエリに応じて目立つように表示させることができます。キーワードは、サイト コレクション レベルで計画、実装、および管理されますが、計画と実装が組織全体で一貫していることが適切です。

キーワード定義は、各サイト コレクションの高い優先順位の概念に関する情報に簡単にアクセスできる適切な方法です。サイト コレクション管理者は、概念ごとにキーワードを作成して、キーワードの定義が検索結果の横にある [検索のおすすめコンテンツ] Web パーツに表示されるようにすることができます。たとえば、特定の製品ライン専用の営業ポータルでは、製品ラインの主要アイテムの定義を提供できます。これらの定義を使用して、販売員が製品をよく理解できるようにしたり、これらの定義を顧客用の社外向けポータル サイトの検索結果に表示したりできます。

キーワードの例

サイト コレクション管理者は、チームのメンバが休暇を取る時期を追跡するために使用するカレンダーをエンド ユーザーが見つけるのが困難であることを知っています。ユーザーは、カレンダーを検索すると、クエリにより複数のページの無関係な検索結果が作成され、最初の数ページを確認してあきらめてしまうと報告しています。

サイト コレクション管理者は、次の項目を含む "oof" という名前のキーワードを作成することを決定します。

  • キーワード定義 : これは、不在 (out of office) の頭字語

  • 類義語 : time off (休暇)

  • おすすめコンテンツ : カレンダーへの URL およびおすすめコンテンツの説明

次に、サイト コレクション管理者は、カレンダーの検索時に新しいキーワード "oof" またはその類義語 "time off" を使用するようにエンド ユーザーに依頼します。

次のページは、このシナリオで検索センターからキーワード "oof" を検索したときにエンドユーザーに表示される、既定の検索結果ページの例を示しています。既定では、おすすめコンテンツとキーワードの説明は検索センターを使用して実行した検索の検索結果ページのみに表示されます。

Office SharePoint Server のエンドユーザー検索

上の図では、エンド ユーザーが実行したクエリが示されています (図中の 1)。機能を強調表示しているキーワードは、コンテンツ内のキーワードも太字で示しています (図中の 2)。サイト コレクション管理者がこのキーワードに割り当てた説明は、既定で検索結果ページの右上隅に表示されます (図中の 3)。各キーワードは定義に関連付けることができます。また、URL を定義に含めることができます。これは、次のことに役立ちます。

  • 計画中に定義ソースを識別する。

  • 計画中に、各サイト コレクションのキーワードで使用されるすべての定義の用語集を設計する個別の手順を含める。

  • キーワードを定義に関連付ける専用のキーワードを作成する。

[おすすめコンテンツ] (図中の 4) が存在する場合、キーワードの説明のすぐ下に表示されます。おすすめコンテンツは、URL 以上に役立ちます。おすすめコンテンツにはタイトルもあり、オプションで説明を含めることができます。この例では、サイト コレクション管理者はおすすめコンテンツに "不在のページ" という名前を付けます。管理者がおすすめコンテンツに割り当てた説明は、名前のすぐ下に表示され、その下におすすめコンテンツの URL が表示されます。

検索用語に関連付けられた概念の特定のドキュメント、サイト、および専門知識を持つ人は、おすすめコンテンツの一般的な使用例です。コンテンツの計画中に各おすすめコンテンツのタイトルと説明を検討し、それぞれのおすすめコンテンツの関連性と使用性を向上することは重要です。最大で 25 件のおすすめコンテンツを管理インターフェイスの各キーワードに関連付けることができ、さらに多くをオブジェクト モデルに関連付けることができますが、おすすめコンテンツを過剰に使用しないことが適切です。効果的なコンテンツ計画により、キーワードごとに検索結果の数と検索の関連性のつり合いをとるおすすめコンテンツの適切な数を特定できます。

注意

おすすめコンテンツの URL はサイト コレクション管理者によりハード コードされるため、任意の URL にすることができます。この URL はクロールされていないコンテンツをポイントすることもできます。

2 つ以上のキーワードに同じおすすめコンテンツを使用できます。おすすめコンテンツが既に存在する場合は、そのプロパティを再度入力して冗長なおすすめコンテンツを生じる可能性なしに、任意のキーワードに追加できます。また、おすすめコンテンツを使用するすべてのキーワードについて、おすすめコンテンツの URL と説明を変更することもできます。これは、計画中にテスト サイトを使用している場合や初期展開の前に特に役立ちます。

類義語について

類義語とは、特定のキーワードに密接に関連している 1 つ以上の単語です。たとえば、キーワード "car" の有効な類義語には、"auto"、"automobile"、または "SUV" があります。車を検索している一部のユーザーは車の代わりにこれらの単語のいずれかを検索ボックスに入力すると予想されるため、これらの単語はこの特定のキーワードに対してすべて有効な類義語です。サイト コレクション管理者は、キーワードごとに 1 つ以上の類義語を定義できます。類義語の目的は、キーワードの使用時に表示される検索結果ページ上に同じキーワード定義とおすすめコンテンツを表示することです。前述の例に続いて、類義語 "out of office" を使用する検索クエリをエンド ユーザーが実行すると、キーワード "oof" を使用して検索クエリを実行したときに表示されるいくつかのキーワードの説明とおすすめコンテンツが表示されます。違いは、単語 "oof" を含むコンテンツの代わりに、語句 "out of office" を含むコンテンツのみの検索結果が表示されることです。

類義語は、同じ概念とコンテンツに複数の検索用語が使用される場合に役立ちます。これにより、検索結果は複数の検索用語にわたって分散されることなく統合されます。サイト コレクション管理者がキーワードを作成し、類義語を追加したときに更新される一覧を類義語辞典といいます。Office SharePoint Server 2007 の類義語辞典は、Microsoft Office SharePoint Portal Server 2003 の類義語辞典と互換性があります。

情報アーキテクチャを使用してキーワードを特定する

情報アーキテクチャのコンテンツを分析して用語の一覧を作成し、その一覧を基に、関連性の高い特定コンテンツに結びつくキーワードを作成できます。

関連するコンテンツとは、ユーザーが特定のキーワードを使用して検索を行った場合に、最初にまたは最も目立つように表示される具体的なコンテンツです。以下に、主要な各ビジネス概念またはコンテンツ領域に対応した関連するコンテンツの例を示します。

  • ドキュメント

  • サイト

  • 定義

  • 承認済み用語または正式用語 (同じ事項を意味するが、検索クエリに含まれていなかった用語)

おすすめコンテンツとキーワードをドキュメントに関連付けると、ユーザーは、主要なビジネス プロセスでグループ作業を行うために必要な主要ドキュメントを進んで参照するようになります。たとえば、企業では、経費明細書用の特別なテンプレートと、そのテンプレートを検索結果の最上位に表示させるキーワード "経費明細書" を設定できます。このキーワードがない場合、各従業員は、該当する URL を同僚にたずねたり、企業の Web サイトを参照したりして時間を浪費する可能性があります。おすすめコンテンツとして経費明細書テンプレートに対応した URL に関連付けられているキーワードがあれば、すぐにテンプレートを見つけて経費を入力できます。

サイトのキーワードは、大規模な組織内の関連情報に対応するサイトの場所を特定する際に便利です。たとえば、"休日" というキーワードを、従業員の有給休暇に関する情報を持つ、人事サイトの URL を含むおすすめコンテンツに関連付けることができます。おすすめコンテンツには、会社の休日情報を提供するページ自体の URL を含めることができます。

他の担当者を見つけることに役立つキーワードは、組織全体で共有する重要な知識を持っている担当者や組織内の重要な担当者について知っている担当者間のグループ作業を推進します。たとえば、"CEO" などの役職を会社の最高経営責任者に関連付けたり、担当者の個人用サイトを、"化学部門" など、組織や専門分野に関連するキーワードのおすすめコンテンツにすることができます。

キーワードのセキュリティに関する考慮事項

Office SharePoint Portal Server の以前のバージョンとは異なり、キーワードとおすすめコンテンツはセキュリティ権限により影響を受けません。また、サイト コレクションのすべての読者は、検索結果に表示されるサイト コレクションのすべてのおすすめサイトとキーワードを確認できます。おすすめコンテンツのリンク先のページを表示するアクセス権を持たないユーザーは、そのページに進むことができません。ただし、ユーザーは検索結果ページのおすすめコンテンツの説明とコンテンツへの URL を確認できます。これにより、表示したくない一部のユーザーに情報が公開される場合があります。

キーワードは、すべてのユーザーに高い優先順位の結果を提供する手段です。

アクセス権に基づいて特定のユーザーをコンテンツの対象にする場合は、対象ユーザーおよび対象 Web パーツをサイト コレクションの特定の場所で使用できます。

組織全体のキーワードを計画する

キーワードを事前に計画して、組織全体でキーワードの一貫性を確保することが重要です。キーワードはサイト コレクション レベルで実装されますが、可能な限りサイト コレクション全体でキーワードの一貫性を確保する必要があります。

適切なキーワード計画の例

Contoso Corporation には、セールス部門とマーケティング部門用に 2 つのサイト コレクションがあります。それぞれのサイト コレクションに、別の管理者が割り当てられています。これらのサイト コレクションのユーザーは、企業の顧客リストを見つけるのに多くの時間を要しているので、両サイト コレクションの管理者はそれらのサイト コレクションにキーワードを作成することにしました。このキーワードと、おすすめコンテンツを関連付けることで、ユーザーはすぐに顧客リストを表示することができるようになります。

エンド ユーザーがどちらのサイト コレクションでも一貫した方法で顧客リストを探せるように、両サイト コレクション管理者は協力して、キーワードとおすすめコンテンツの定義方法を決める必要があります。

ヒント

組織全体でキーワードの一貫性を計画するには、サイト コレクション管理者間の適切なグループ作業が必要です。可能な場合は、サイト コレクション全体で、キーワードおよびおすすめコンテンツが一貫した方法で定義されるようにしてください。

複数のサイト コレクション間で、同じコンテンツをポイントするキーワードとおすすめコンテンツの使用方法を統一することにより、エンド ユーザーが混乱する事態を避けることができます。たとえば、セールス部門のサイト コレクション管理者が "スーパーのリスト" というキーワードを作成し、マーケティング部門のサイト コレクション管理者が "マスタ リスト" というキーワードを作成した場合、両方のサイト コレクションを使用するエンド ユーザーは、キーワード検索時にそれぞれの検索結果ページで表示されるおすすめコンテンツが違うため、混乱してしまいます。というのも、セールス部門のサイト コレクションを主に使用する従業員は、"スーパーのリスト" というキーワードに慣れており、もう一方のサイト コレクションでもそのキーワードが使えるものと考えるためです。

小規模な組織では、コンテンツ計画作成チームは小さいチームであり、1 つのサイト コレクションについて編成される可能性があります。また、キーワードの計画は 1 人または 2 人で編成される可能性があります。一方、大規模な組織では大きな計画作成チームが役立つ可能性があります。各レベルでビジネス計画者と管理者を含めて、すべてのビジネス ニーズに対応する必要があります。

コンテンツがクロールされていない場合でも、おすすめコンテンツが検索結果に表示されます。これが、初期展開中にキーワードを計画して、すべてのコンテンツ ソースをクロールする前に、展開の初期段階で優先度の高いコンテンツを利用可能にするもう 1 つの理由です。関連する IFilter が検索になかったり、他の技術的な理由によりコンテンツをクロールできないまれなケースでは、クロールされていない場合でも、おすすめコンテンツを使用してコンテンツを見つけやすくすることができます。

組織の各レベルの主要担当者がサイト コレクションのキーワードを計画します。これらの担当者は、計画しているサイト コレクション上のコンテンツに適応させた同一の全体コンテンツ プランを使用します。展開の前に開始され、展開後も時間の経過と共に続行されるキーワードの計画時に、各コンテンツ計画者は互いに連絡を取って計画全体の一貫性を維持できます。

展開前にすべてのキーワードが計画されるわけではありません。コンテンツ計画作成チームの役割は、組織の検索クエリに最も関係している優先度の高い概念を特定することです。これにより、検索クエリは展開の最初の日からユーザーにとって関連性のあるものになります。計画作成チームは、計画作成チームの一員であるか、そうではない担当者をキーワードごとに特定できます。展開後、サイト コレクション管理者はクエリ ログに記録されている一般的な検索用語を特定した後、キーワード リストを拡張することができます。

計画段階では、キーワード リスト管理者はキーワードがクエリにどのように一致するかを考慮する必要があります。キーワードは、検索用語の文字列全体と正確に一致する必要があり、リスト内のコンテンツの検索時に +、- などの特殊な構文を使用しないようにする必要があります。これにより、同じ検索クエリのキーワードの複数のリストが返されなくなり、検索結果が合理化されます。

キーワード管理を計画する

キーワード管理の細部は、サイト コレクションの日常の操作に最も関連していますが、展開の計画時に考慮する価値がある管理のいくつかの側面があります。特に、オプションの連絡先および発行プロパティはサイト コレクション管理者がプロパティに割り当てることができます。

ヒント

展開の前に計画をすればするほど、日常の操作中に必要な管理が少なくなります。

前述の「キーワード、おすすめコンテンツ、および類義語を計画する」セクションでリストされているプロパティに加えて、各プロパティには次のオプションのプロパティがあります。

  • 開始、終了 (有効期限)、および確認の日付

  • 連絡先

キーワードは、検索結果で有効になる前に承認を受ける必要があるようにすることができます。また、特定の時間を経過すると開始または期限切れになるように設定することもできます。初期計画中に特定された優先度の高いキーワードは、初期展開中にサイト コレクションを使用している担当者に関連するコンテンツを除き、一時的なキーワードとなることはあまりありません。

キーワードごとの連絡先は、有効期限が設定されている場合にキーワードの期限が切れたときの問い合わせ先担当者です。各サイト コレクションのコンテンツ管理者は、初期展開後にキーワードをだれが管理するかを考慮する必要があります。また、サイト コレクション レベルの計画プロセスで少なくとも同じ担当者を含める必要があります。

ただし、計画プロセスの一部は将来のキーワードに関する決定をだれが行うかを予想することです。計画プロセス中にこれらの決定を行うと、サイト コレクションの通常の操作への移行を改善することができ、キーワードの一貫した効率的な使用を将来促進できます。

オブジェクト モデルを使用することで、サイト コレクション間で Excel スプレッドシートとしてキーワードをインポートおよびエクスポートすることもできます。これにより、一部のおすすめコンテンツを他のサイト コレクションに展開する場合、一度計画してすべての関連するサイト コレクション上に展開できます。また、これにより部署またはプロジェクト レベルのサイト コレクションのキーワード管理者は、共有サービス環境で中心サイト コレクションのおすすめコンテンツを推奨することもできます。

キーワードの管理の詳細については、『Office SharePoint Server 2007 操作ガイド』を参照してください。

ワークシートでの作業

キーワードに関する決定は、「Microsoft® Office SharePoint® Server 2007: エンドユーザーの検索操作性の計画ワークシート」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=81039&clcid=0x411) の「キーワード」セクションに記録してください。

検索結果の関連性を計画する

検索しているコンテンツの本文が大きくなればなるほど、特定のクエリについて複数の検索結果が表示される可能性が高くなります。これは、特に詳細なクエリではなく基本的なキーワード クエリを使用する場合に当てはまります。エンド ユーザーの快適な操作環境を促進するために、最も関連するコンテンツへのリンクが検索結果ページに可能な限り早く表示されるようにします。

Office SharePoint Server 2007 では、SSP 管理者はインデックスが付けられた Web ページの関連性設定を割り当てることができます。特定の Web ページに関連付けられたそれぞれの関連性の設定により、特定ページへのリンクが検索結果ページ上で何番目に表示されるかが決まります。関連性の設定が割り当てられたページは、権限のあるページと呼ばれます。

権限のあるページの設定は、検索結果に優先度を付ける 1 つの要素にすぎません。検索関連性の詳細については、「エンタープライズ検索の関連性アーキテクチャの概要」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=93736&clcid=0x411) を参照してください。

権限のあるページの設定は SSP レベルで構成され、その SSP を使用して実行されるすべてのクエリに適用されます。SSP 管理者は、サイトを以下の権限のあるページの 4 つのレベルのいずれかに割り当てることができます。

  • 最も権限のあるサイト

  • 2 番目に権限のあるサイト

  • 3 番目に権限のあるサイト

  • ランクを下げるサイト

Web ページは、各レベルに比例する関連性の重みを使用して権限の程度に応じて重みが付けられます。既定では、Web アプリケーションのすべてのトップ レベル ページは最も権限があるページとして自動的に追加されます。これらのページを他の権限のあるページに移動したり、権限のあるページの設定から完全に削除したりすることができます。

権限のあるページ レベルが割り当てられていないサイトには、権限のあるサイトからそのサイトまでのクリック ディスタンスに基づいて重みが付けられます。クリック ディスタンスとは、権限のあるページからコンテンツ アイテムまでのリンク数です。詳細については、「エンタープライズ検索の関連性アーキテクチャの概要」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=93736&clcid=0x411) の「クリック ディスタンス」セクションを参照してください。

[ランクを下げるサイト] の設定に割り当てられたサイトは、他のすべての関連性の重み要因を考慮した後、一般に検索結果の最後に表示されます。

つまり、これらのページは、多くの場合検索結果ページで権限があるページとして指定されていないページの後に表示されます。この設定は、あまり関係のない情報を含むサイトに使用することをお勧めします (例、アーカイブ サイト)。

権限があるページの設定を計画する場合、各サイトの目的を考慮し、そのサブサイトを確認します。権限のあるサイトを重要度で 3 つのレベルにグループ化し、関連性が少ないと思われるサイトをランクを下げるサイトとしてグループ化します。

以下に、権限があるページの設定を計画する際の推奨事項を示します。

  • 優先度の高いビジネス プロセスの中心にある SharePoint サイトとビジネス アプリケーションは一般に最も権限があるサイトになります。

  • グループ作業やアクションを推進するサイトは、単に参考にすぎないサイトよりも権限があるサイトになる可能性があります。

  • 参考になるが、高い優先順位のビジネス プロセスの中心にないサイトやグループ作業に使用されるサイトは、第 2 または第 3 のレベルの権限があるサイトになる可能性があります。

  • 外部サイトは、組織でそのサイトのコンテンツを制御できないため、通常権限が少なくなります。

  • 権限があるページの設定をすべてのサイトに割り当てる必要はありません。最も権限のある、または関連性が低い少数のサイトについて関連性を選択し、ユーザーからのフィードバックとクエリ ログの情報に基づいて、通常の運用中に権限があるページの設定を調整することをお勧めします。

ワークシートでの作業

権限のあるページに関する決定は、「Microsoft® Office SharePoint® Server 2007: エンドユーザーの検索操作性の計画ワークシート」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=81039&clcid=0x411) の「権限のあるページ」セクションに記録してください。

フェデレーション ロケーションとフェデレーション Web パーツを使用するかどうかを計画する

注意

このセクションで提供されている情報は、Microsoft Office Servers インフラストラクチャ更新プログラム を含む Office SharePoint Server 2007 に適用されます。詳細については、「Infrastructure Update for Microsoft Office Servers をインストールする (Office SharePoint Server 2007)」を参照してください。

フェデレーションは Search Server 2008 で初めて導入された新機能であり、Office SharePoint Server 2007 では Microsoft Office Servers インフラストラクチャ更新プログラム をインストールすることによって使用することができます。これは、他のエンド ユーザーの検索操作性と共に計画できます。フェデレーションによってエンド ユーザーは、複数のソースを検索するクエリを発行し、検索結果を単一のページで確認できます。たとえば、以下のようなソースから検索することができます。

  • 会社のエンタープライズ コンテンツ リポジトリ

  • 会社で使用するインターネット検索エンジンまたはサブスクリプション サービス

  • 別の部門または世界の他の地域の Office SharePoint Server 2007 によってインデックス作成されたエンタープライズ ドキュメント

エンド ユーザーがクエリを発行すると、Office SharePoint Server 2007 は新機能のフェデレーション Web パーツを使用して、インデックス作成された結果と共に、検索結果を書式設定し表示します。

ユーザーがフェデレーション ロケーションを検索する際の操作性を計画するときは、社内ユーザーの検索ニーズと習慣に目を向けます。"ユーザーが生産性を上げるために最も必要とするコンテンツは何か" や、"どんなクエリを現在使用しているか" について検討します。フェデレーション ロケーションを絞り込み、社内の情報関連の重要な問題を解決してください。

フェデレーションを使用する場合は、多数のフェデレーション ロケーションを追加し、ユーザーのあらゆるニーズを満たそうとしがちですが、そうすると、多くの場合、フェデレーション検索結果ががらくたの山として無視されることになります。

フェデレーション検索結果をクエリに対する有用な回答にするために、フェデレーション ロケーションでは特定のクエリ書式とトリガ ルールを照合することができます。フェデレーション ロケーションにトリガ ルールを作成すると、そのロケーションに関連付けられた Web パーツにより、指定したパターンまたはプレフィックスに一致するクエリだけに検索結果が表示されます。

たとえば、あなたが widget という製品を製造する Contoso 社の従業員であるとします。従業員はこの widget の 10 桁の ID を使用して、1 日に何度も検索する必要があります。widget は Office SharePoint Server 2007 でクロールできないデータベースに登録されています。Contoso 社員が widget を検索できるようにするには、widget のデータベースを検索するフェデレーション コネクタを作成します。ただし、あらゆるクエリに widget の情報が返されるとユーザーの負担になるため、10 桁のクエリを認識するパターンを使用してフェデレーション ロケーション用のトリガを作成します。これで、ユーザーが widget の ID を検索すると、widget データベースからの結果がフェデレーション検索結果の上位に表示されます。

トリガとトリガ ルールの使用方法の詳細については、「トリガとクエリ テンプレートを操作する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

フェデレーション検索結果 Web パーツまたは上位フェデレーション検索結果 Web パーツを使用して、検索結果ページにフェデレーション検索結果を追加し構成することができます。既定では、検索結果ページには 2 つのフェデレーション検索結果 Web パーツと 1 つの上位フェデレーション検索結果 Web パーツが含まれます。検索結果ページの Web パーツにフェデレーション ロケーションとそのプロパティを設定します。

フェデレーションの詳細については、「他の場所から返される結果をフェデレーション検索する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

リンクの外観を計画する

SSP 管理者は、サーバー名マッピングを使用して、特定の URL または URL の範囲が検索結果に表示される方法を変更できます。サーバー名マッピングは、その SSP によってクロールされるすべてのコンテンツについて SSP レベルで設定され、対象のコンテンツ ソースでフル クロールが実行されると適用されます。サーバー名マッピングは、以下のシナリオで使用できます。

  • サーバー上にローカル アドレスを表示するリンクにより生じるアクセスの問題や潜在的なセキュリティ脆弱性を防止したい。たとえば、コンテンツがクロールされる方法によっては、サーバー上のローカル パスが URL に表示される場合があります。

  • 検索結果に複雑な URL が表示されないようにするために、これらの URL をよりわかりやすいサーバー名に置き換えたい。

  • セキュリティ上の理由から、サーバー、共有名など、コンテンツの元のソースの名前を非表示にしたい。

前述の一覧で説明されている表示の問題の 1 つがある場合のみ、サーバー名マッピングを使用します。ほとんどの場合、初期展開前のサーバー名マッピングの計画は最小限度に抑えられます。

ワークシートでの作業

権限のあるページに関する決定は、「Microsoft® Office SharePoint® Server 2007: エンドユーザーの検索操作性の計画ワークシート」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=81039&clcid=0x411) の「権限のあるページ」セクションに記録してください。

検索ベースの通知を計画する

SSP 管理者は、検索ベースの通知を特定の SSP に対してアクティブ化するかどうかを決定できます。検索ベースの通知がアクティブ化され、サーバーが電子メールを送信するように構成されている場合、エンド ユーザーは検索結果ページの上部にある [通知] リンクをクリックして、どのような種類の変更の通知を受けたいか、または通知を電子メールで受信する頻度を指定できます。検索ベースの通知を許可すると、検索ベースの通知が処理されるたびに、各検索ベースの通知のクエリが実行されるため、システムはメール サーバー上の追加のリソースを使用し、クエリ サーバー上の負荷が増加します。初期展開の計画時には、通知に使用可能なリソース、サイトを使用しているユーザーが通知を生産的に使用する確率を検討してください。検索ベースの通知は、既定ではアクティブになっています。

ヒント

共有サービス プロバイダで、検索ベースの通知を非アクティブ化している場合、すべてのサイト所有者は、検索結果ページの上部にある [通知] リンクを削除するようお勧めします。

運用中、コンテンツ インデックス全体をリセットする際、検索ベースの通知が自動的に無効になります。これは、コンテンツ インデックス全体をリセットすることで、検索ベースの通知がすべて送信されるのを避けるためです。その後、管理者は検索ベースの通知を再び有効にする必要があります。

ワークシートでの作業

検索ベースの通知に関する決定は、「Microsoft® Office SharePoint® Server 2007: エンドユーザーの検索操作性の計画ワークシート」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=81039&clcid=0x411) の「検索ベースの通知」セクションに記録してください。

このブックをダウンロードする

このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なブックに収められています。

入手できるすべてのブックの一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。