SQL Server のインスタンス間でコンテンツ データベースを移動する (Windows SharePoint Services 3.0)

Microsoft SQL Server 2005 のインスタンス間、Windows SharePoint Services 3.0 を実行している任意のサーバーから Windows SharePoint Services 3.0 を実行している他の任意のサーバーへ、または Windows SharePoint Services 3.0 Web アプリケーション間でコンテンツ データベースを移動できます。

重要

ここでは、コンテンツ データベースの移動についてのみ説明しており、Windows SharePoint Services 3.0 に関連付けられているその他のデータベースの移動については説明していません。

重要

コンテンツ データベースを切断して再接続すると、次回そのコンテンツ データベース内のコンテンツをクロールするときに、フル クロールが (増分クロールを要求しても) 行われます。フル クロールでは、コンテンツが前回クロールされているかどうかに関係なく、クローラがアクセスするすべてのコンテンツが再クロールされるため、増分クロールに比べ、完了するまでに大幅に時間がかかります。

Windows SharePoint Services 3.0 インフラストラクチャ更新プログラムを実行している場合は、ビルトイン ツールを使用してデータベースを復元または再接続する際に、各コンテンツ データベースの識別子 (ID) が保持されます。ビルトイン ツールを使用した場合の既定の変更ログ保持動作は、以下のとおりです。

  • ファームを復元するときに、すべてのデータベースの変更ログが保持されます。

  • データベースを再接続するときに、コンテンツ データベースの変更ログが保持されます。

  • コンテンツ データベースのみを復元するときは、コンテンツ データベースの変更ログは保持されません。

データベース ID と変更ログが保持される場合、クロール ルールにより定義された定期スケジュールに基づいて、検索がクロールを継続します。変更ログが保持されない場合、スケジュールされた次のクロール時にフル クロールが検索により実行されます。

詳細については、「コンテンツ データベースを移動する (Windows SharePoint Services 3.0)」と「Windows SharePoint Services 3.0 を保護および復元する」を参照してください。

別のファームに復元する場合は、復元プロセス中に、そのデータベース アクセス アカウントをデータベース サーバー上の Administrators グループのメンバにする必要があります。これは、このアカウントでデータベースのセキュリティ設定を複製する際に必要になります。このアクセス レベルは、復元プロセスの完了後に削除できます。

SQL Server のインスタンス間でコンテンツ データベースを移動する

移動プロセスでは、Windows SharePoint Services 3.0 ツールおよび SQL Server 2005 ツールを使用します。SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトまたは Stsadm コマンドライン ツールのどちらかを使用できます。次の手順では、両方のツールの手順について説明します。このプロセスには次の段階があります。

  1. Windows SharePoint Services 3.0 ツールを使用して、Windows SharePoint Services 3.0 Web アプリケーションからコンテンツ データベースを削除します。コンテンツ データベースを削除してもデータベースは削除されず、データベースと Web アプリケーションとの関連付けだけが削除されます。このタスクはデータベースのコンテンツがそのまま保持されるという点で SQL Server のデータベースのデタッチに似ています。

    注意

    コンテンツ データベースの正確な名前を記録します。複数の Web アプリケーションから複数のコンテンツ データベースを移動またはコピーする場合は、各 Web アプリケーションにどのコンテンツ データベースが関連付けられているかを記録します。

  2. SQL Server 2005 ツールを使用して、移行元のインスタンスからデータベースをデタッチします。

  3. 移行元のディレクトリから移行先のディレクトリへ .mdf ファイルおよび .ldf ファイルをコピーまたは移動します。

  4. SQL Server 2005 ツールを使用して、移行先のインスタンスにデータベースを再接続します。

  5. Windows SharePoint Services 3.0 ツールを使用して、コンテンツ データベースを移行先の Windows SharePoint Services 3.0 Web アプリケーションに追加します。必ず厳密に同じ名前を使用してコンテンツ データベースを再接続してください。そうしない場合は、Windows SharePoint Services 3.0 によって新しいデータベースが作成されます。

  6. Windows SharePoint Services 3.0 ツールを使用して、新しく再接続したコンテンツ データベースのフル クロールを実行します。

重要

この手順を実行するには、ローカル コンピュータの Administrators グループのメンバである必要があります。少なくとも SQL Server 2005 での以下のロールが必要です。

データベースをデタッチするための、SQL Server 2005 または SQL Server のインスタンスを実行している移行元のサーバー上にあるデータベースの db_owner 固定データベース ロール。

データベースを接続する場合は、SQL Server 2005 または SQL Server のインスタンスを実行している移行先サーバー上の dbcreater 固定サーバー ロール。

注意

コンテンツ データベースの正確な名前を記録します。複数の Web アプリケーションから複数のコンテンツ データベースを移動またはコピーする場合は、各 Web アプリケーションにどのコンテンツ データベースが関連付けられているかを記録します。

サーバーの全体管理を使用して SQL Server のインスタンス間でコンテンツ データベースを移動する

  1. サーバーの全体管理の [アプリケーション構成の管理] ページにある [SharePoint Web アプリケーション構成の管理] セクションで、[コンテンツ データベース] をクリックします。

    注意

    コンテンツ データベースの正確な名前を記録します。複数の Web アプリケーションから複数のコンテンツ データベースを移動またはコピーする場合は、各 Web アプリケーションにどのコンテンツ データベースが関連付けられているかを記録します。

  2. [コンテンツ データベースの管理] ページで、移動するコンテンツ データベースをクリックします。

    注意

    コンテンツ データベースが表示されない場合、別の Web アプリケーションに関連付けられている可能性があります。別の Web アプリケーションを選択するには、[Web アプリケーション] メニューの [Web アプリケーションの変更] をクリックします。

  3. [コンテンツ データベース設定の管理] ページの [コンテンツ データベースの削除] セクションで、[コンテンツ データベースの削除] チェック ボックスをオンにし、[OK] をクリックします。

    注意

    コンテンツ データベースを削除してもデータベースは削除されません。データベースと Web アプリケーションの関連付けのみが削除されます。

  4. 移動するコンテンツ データベースごとに、手順 2. ~ 3. を繰り返します。

  5. SQL Server 2005 Management Studio で、移行元の SQL Server のインスタンスを開いてから、[データベース] ノードを展開します。

  6. デタッチするコンテンツ データベースを右クリックして、[タスク] をポイントし、[デタッチ] をクリックします。移動するコンテンツ データベースごとに、この操作を繰り返します。

    注意

    この手順を使用して、コンテンツ データベースのみを移動できます。その他のデータベースをデタッチしないでください。

  7. Windows エクスプローラで、コンテンツ データベースの .mdf ファイルと .ldf ファイルの場所を参照します。

  8. ファイルを選択し、宛先のディレクトリにコピーまたは移動します。

  9. SQL Server 2005 Management Studio で、移行先の SQL Server のインスタンスを開きます。

  10. [データベース] ノードを右クリックし、[タスク] をポイントして、[アタッチ] をクリックします。

  11. [データベースのアタッチ] ダイアログ ボックスで, .mdf ファイルと .ldf ファイルの転送先を参照し、接続するデータベースの .mdf ファイルを選択して、[OK] をクリックします。

  12. 移動するコンテンツ データベースごとに、手順 10. ~ 11. を繰り返します。

  13. サーバーの全体管理の [アプリケーション構成の管理] ページにある [SharePoint Web アプリケーション構成の管理] セクションで、[コンテンツ データベース] をクリックします。

  14. [コンテンツ データベースの管理] ページで、[コンテンツ データベースの追加] をクリックします。

  15. [コンテンツ データベースの追加] ページで、転送されたコンテンツ データベースの正確な名前を入力し、[OK] をクリックします。

  16. 追加するデータベースごとに、手順 14. ~ 15. を繰り返します。必ず、各データベースの [Web アプリケーション] メニューから正しい Web アプリケーションを選択します。

  17. Stsadm の Spsearch 操作を使用して、移動したコンテンツ データベースのフル クロールを開始します。そのためには、SharePoint 製品とテクノロジがインストールされているドライブで、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft shared\Web server extensions\12\Bin に移動します。コマンド プロンプトで次のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

    stsadm -o spsearch -action fullcrawlstart

    Spsearch 操作の詳細については、「Spsearch : Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

Stsadm コマンドライン ツールを使用して SQL Server のインスタンス間でコンテンツ データベースを移動する

  1. SharePoint 製品とテクノロジがインストールされているドライブで、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft shared\Web server extensions\12\Bin に移動します。

  2. 次のコマンドを入力して Enter キーを押します。

    stsadm -o deletecontentdb -url <URL 名> -databasename <データベース名> -databaseserver <データベース サーバー名>

    deletecontentdb 操作の詳細については、「Deletecontentdb : Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

    注意

    移動するコンテンツ データベースごとに、この操作を実行する必要があります。コンテンツ データベースを削除しても、データベースは削除されません。この操作では、データベースと Web アプリケーションとの関連付けのみが削除されます。

  3. SQL Server 2005 Management Studio で、移行元の SQL Server のインスタンスを開いてから、[データベース] ノードを展開します。

  4. 移動するコンテンツ データベースを右クリックして、[タスク] をポイントし、[デタッチ] をクリックします。移動するコンテンツ データベースごとに、この操作を繰り返します。

    注意

    この手順を使用して、コンテンツ データベースのみを移動できます。その他のデータベースをデタッチしないでください。

  5. Windows エクスプローラで、コンテンツ データベースの .mdf ファイルと .ldf ファイルの場所を参照します。

  6. .mdf ファイルと .ldf ファイルを選択して、移行先のディレクトリにコピーまたは移動します。

  7. SQL Server 2005 Management Studio で、移行元の SQL Server のインスタンスを開きます。

  8. [データベース] ノードを右クリックし、[タスク] をポイントして、[アタッチ] をクリックします。

  9. [データベースのアタッチ] ダイアログ ボックスで, .mdf ファイルと .ldf ファイルの転送先を参照し、接続するデータベースの .mdf ファイルを選択して、[OK] をクリックします。

  10. 移動するコンテンツ データベースごとに、手順 8. ~ 9. を繰り返します。

  11. コマンド ラインを開き、ディレクトリを %COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft shared\Web server extensions\12\Bin に変更します。

  12. 次のコマンドを入力して Enter キーを押します。

    stsadm -o addcontentdb -url <URL 名> -databasename <データベース名> [-databaseserver <データベース サーバー名>] [-databaseuser <データベース ユーザー名>] [-databasepassword <データベース パスワード>] [-sitewarning <サイトの警告数>] [-sitemax <サイトの最大数>]

    addcontentdb 操作の詳細については、「Addcontentdb : Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

    注意

    移動するコンテンツ データベースごとに、このコマンドを実行する必要があります。

  13. Stsadm の Spsearch 操作を使用して、移動したコンテンツ データベースのフル クロールを開始します。これを行うには、次のコマンドを入力して Enter キーを押します。

    stsadm -o spsearch -action fullcrawlstart

    Spsearch 操作の詳細については、「Spsearch : Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

関連項目

概念

コンテンツ データベースを移動する (Windows SharePoint Services 3.0)
Windows Internal Database から SQL Server のインスタンスにコンテンツ データベースを移行する (Windows SharePoint Services 3.0)