更新プログラムの格納場所を決定する

更新プログラムが何に対して有用なのかを示すメタデータは WSUS データベースに格納されますが、更新プログラム自体は格納されません。更新プログラムは、論理的に 2 つの部分に分けることができます。更新プログラムが何に有用なのかを示すメタデータ部分と、コンピュータに更新プログラムをインストールするために必要なファイルです。メタデータには使用許諾契約書 (EULA) も含まれますが、通常、メタデータのサイズは、実際の更新プログラムのサイズよりかなり小さくなります。ここでは、更新プログラムの格納場所について説明します。

更新プログラムの格納場所には 2 つの選択肢があります。更新プログラムは、ローカルの WSUS サーバーに格納するか、または Microsoft Update を直接利用する方法です。それぞれのオプションの効果については、次の項で概要を説明します。複数の WSUS サーバーをチェーン化している場合は、チェーン内の各 WSUS サーバーに同じ更新プログラムの格納オプションを使用する必要があります。これらのオプションはセットアップ時に選択しますが、WSUS をインストールした後でも変更できます。詳細な手順については、「詳細な同期のオプションを構成する」を参照してください。

ローカルに格納する

更新プログラムのファイルは、WSUS サーバーにローカルに格納できます。この方法を使用すると、クライアント コンピュータは WSUS サーバーから更新プログラムを直接ダウンロードするため、インターネット接続上の帯域幅を節約できます。このオプションには、ダウンロードする更新プログラムを十分に格納できるディスク領域が必要です。更新プログラムをローカルに格納する場合のハード ディスク領域の最小要件は 6 GB ですが、推奨は 30 GB です。ローカルの格納は既定のオプションとして選択されています。

注意

30 GB という推奨容量は、Microsoft が特定の製品に関してリリースした更新プログラムの数や、WSUS 管理者が選択した製品の数など、不定要素の数に基づく推定値にすぎません。ほとんどの場合は 30 GB あれば機能しますが、最悪のケースでは、30 GB 以上のディスク領域が必要となる場合があります。そのような場合は、Windows Server Update Services 操作ガイドの回復方法に関するガイダンスを参照してください。Windows Server Update Services 操作ガイドは、Microsoft の Web サイトにある Windows Server Update Services のページ (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=47374) で入手できます。

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リモートに格納 (Microsoft Update を直接利用する)

必要に応じて、更新プログラム ファイルを Microsoft Update のサーバーにリモートに格納しているかのように運用できます。WSUS では、Microsoft Update を使用して、組織全体に承認された更新プログラムを配布できます。これは次の図に示すように、クライアント コンピュータのほとんどが低速な WAN 接続を介して WSUS サーバーと接続している一方、インターネット接続の帯域幅が広いか、またはクライアント コンピュータの台数が少ない場合に特に効果があります。

Microsoft Update から承認された更新プログラムをダウンロードするクライアント

図「Microsoft Update から承認された更新プログラムをダウンロードするクライアント」に示すシナリオでは、クライアント コンピュータが Microsoft Update から更新プログラムをダウンロードできるように WSUS を構成します。WSUS サーバーと Microsoft Update との同期時は、利用可能な各更新プログラムについて記述するメタデータのみがダウンロードされます。この構成では、クライアント コンピュータに更新プログラムをインストールするファイルは WSUS にダウンロードされず、格納もされません。

管理者はネットワーク上のクライアント コンピュータに対して通常どおり更新プログラムを承認できますが、実際の更新プログラムを取得するタイミングになると、各クライアントがインターネットに接続して Microsoft のサーバーから更新プログラムをダウンロードします。これらのサーバーは、Microsoft が一般への更新プログラムの配布に使用しているものと同じものです。更新プログラムは、クライアントがインターネットを介して Microsoft から取得しますが、どの更新プログラムの配布を承認するかは、依然管理者が決定します。このシナリオの利点は、分散化されたクライアントが低速の WAN 接続を使用して更新プログラムをダウンロードする必要がないという点です。WAN リンクは、WSUS が承認を配布する場合のみ使用されます。

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