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 BitLocker ドライブ暗号化の技術概要
BitLocker ドライブ暗号化の技術概要

更新日: 2009年1月

適用対象: Windows Server 2008, Windows Vista

Windows® BitLocker™ ドライブ暗号化 (BitLocker) とは、クライアント コンピュータ用の Windows Vista® Enterprise と Windows Vista® Ultimate、および Windows Server® 2008 で使用可能なデータ保護機能です。BitLocker では、Windows Vista と密接に統合されたソリューションが提供されます。このため、パーソナル コンピュータの紛失、盗難、不適切な廃棄によるデータの盗難や、情報の漏えいを防ぐことができます。

紛失した、または盗難に遭ったコンピュータのデータは、第三者がソフトウェア攻撃ツールを実行したり、そのコンピュータのハードディスクを別のコンピュータに移したりすることで、不正にアクセスされる可能性があります。BitLocker では、Windows Vista のファイルとシステムに対する保護が強化されるため、データに不正にアクセスされる危険を回避できます。また、BitLocker で保護されたコンピュータが廃棄またはリサイクルされる際に、そのデータにアクセスできないようにすることもできます。

このドキュメントでは、BitLocker の詳細に加えて、企業のコンピュータにおける BitLocker のライフ サイクルについて説明します。このドキュメントの情報は、BitLocker を搭載する Windows のバージョンに適用されます。サーバー固有の情報については、「サーバーに BitLocker を実装する」を参照してください。

この技術概要に含まれるトピック

この技術概要では、次のトピックについて説明します。

BitLocker の概念

BitLocker では、次の 2 つの主要データ保護対策を組み合わせることにより、紛失した、または盗難に遭ったコンピュータのデータに対する不正アクセスを防止することができます。

  • ハード ディスク上の Windows オペレーティング システムのボリューム全体を暗号化します。

  • 初期ブート コンポーネントおよびブート構成データの整合性を確認します。

最も安全な形で実装された BitLocker では、トラステッド プラットフォーム モジュール (TPM) バージョン 1.2 の高性能なセキュリティ機能が使用されます。TPM とは、ハードウェア コンポーネントの 1 つです。通常、比較的新しいコンピュータには、コンピュータの製造元によって TPM がインストールされています。TPM は BitLocker と連携してユーザー データを保護し、Windows Vista を実行しているコンピュータが、システムのオフライン中に改ざんされないようにします。

また、BitLocker には、ユーザーが暗証番号 (PIN) を入力するか、起動キーを含むリムーバブル USB デバイス (フラッシュ ドライブなど) をコンピュータに挿入するまで、通常の起動プロセスをロックするオプションが用意されています。これらの付加的なセキュリティ対策により、多要素認証を実現できます。また、正しい PIN または起動キーが入力されるまで、コンピュータを起動したり休止状態から再開できないようにすることもできます。

TPM バージョン 1.2 が実装されていないコンピュータでも、BitLocker を使用して Windows オペレーティング システムのボリュームを暗号化できます。ただし、この実装方法では、コンピュータを起動したり休止状態から再開したりするたびに、ユーザーが USB 起動キーを挿入する必要があります。また、TPM と連携して起動前に行われるシステム整合性の検証は実行されません。

オフライン データ保護の強化

BitLocker は、システムのオフラインの間、次の方法でデータを保護します。

  • Windows オペレーティング システムのボリューム全体を暗号化します。これには、ユーザー データ ファイルおよびシステム ファイル、休止状態のファイル、ページ ファイル、および一時ファイルが含まれます。

  • Microsoft 以外のアプリケーションも完全に保護されます。つまり、暗号化されたボリュームにインストールされるため、自動的に保護の対象となります。

システム整合性の検証

BitLocker では、TPM によって、初期ブート コンポーネントおよびブート構成データの整合性が検証されます。このため、これらのコンポーネントが改変されておらず、かつ暗号化されたドライブが元のコンピュータに存在する場合にのみ、暗号化されたボリュームへのアクセスが許可されます。

BitLocker は、次の方法で起動プロセスの整合性を検証します。

  • 初期ブート ファイルの整合性が維持されていることを確認し、ブート セクタ ウイルスやルートキットなどによってそれらのファイルに悪意のある変更が加えられていないことを確認するための方法を提供します。

  • ソフトウェア ベースのオフライン攻撃を防ぎ、保護を強化します。代替ソフトウェアでシステムを起動できた場合でも、Windows オペレーティング システムのボリュームの複合化キーにアクセスすることはできません。

  • システムが改ざんされた場合、システムをロックします。監視対象のファイルが改ざんされた場合、システムは起動しません。システムが通常の起動を行わないことで、ユーザーは改ざんが行われたことに気付きます。システムのロックアウトが発生した場合、簡単な回復プロセスが開始されます。

BitLocker の利点

BitLocker は、使いやすく、企業環境に簡単に実装することができます。また、コンピュータの廃棄やリサイクルを簡単に行うことができます。

使いやすさ

日常の作業で、ユーザーが BitLocker の保護機能を意識することはほとんどありません。ハードウェア障害、ハードウェアの変更、またはセキュリティ侵害などによってシステム ロックアウトが発生すると、簡単で効率的な回復プロセスが開始されます。

企業環境への実装

BitLocker は Windows Vista と密接に統合されており、シームレスで管理しやすいデータ保護ソリューションを企業に提供します。たとえば、企業の既存の Active Directory® ドメイン サービス (AD DS) インフラストラクチャを使用して、回復キーをリモートに保管しておくことができます。BitLocker には、セットアップと管理を行うためのウィザードがあります。また、スクリプトをサポートする Windows Management Instrumentation (WMI) インターフェイスによって、高い管理性と拡張性が提供されています。また、BitLocker には初期ブート プロセスに統合された回復コンソールがあります。これにより、ユーザーやヘルプ ディスク担当者は、ロックされたコンピュータに再びアクセスできるようになります。

BitLocker のスクリプトの記述に関する詳細については、Win32_EncryptableVolume に関するページ (http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=85983) (英語の可能性あり) を参照してください。

コンピュータの廃棄またはリサイクル

BitLocker を使用すると、コンピュータを簡単に廃棄またはリサイクルすることができます。暗号化されたボリュームのデータにアクセスできないようにするには、ボリュームへのアクセスに必要な BitLocker キーを削除します。

BitLocker のセキュリティに関する考慮事項

セキュリティ対策は、リスク管理の 1 つの手段にすぎないため、BitLocker を使用しても、すべての攻撃からコンピュータを保護できるわけではないことを理解することは重要です。たとえば、コンピュータの盗難または紛失前に、悪意のあるユーザーや、ウイルス、ルートキットなどのプログラムがコンピュータにアクセスしたため、そのコンピュータが脆弱になっている可能性があります。この場合、後からその脆弱性を利用して、暗号化されたデータにアクセスされる危険性があります。また、USB 起動キーをコンピュータから抜き忘れたり、PIN や Windows ログオン パスワードが第三者に漏れると、BitLocker による保護が機能しなくなる可能性があります。

TPM のみの認証モード (起動キーや PIN を使用しない) は、基本的なレベルのデータ保護でセキュリティ ポリシーを満たす必要がある組織で、最も透過的なユーザー エクスペリエンスを実現します。TPM のみのモードは、最も簡単に展開、管理、および使用できます。また、このモードはコンピュータを無人で使用する場合や、無人で再起動する必要がある場合により適しています。

ただし、TPM のみのモードは、最低限のデータ保護を提供するにすぎません。このモードでは、初期ブート コンポーネントを変更する一部の攻撃に対する保護が提供されますが、実現される保護レベルはオペレーティング システム、ハードウェア、または BIOS のセキュリティの脆弱性の程度により異なります。ただし、PIN や USB 起動キーを併用することで、これらの攻撃を受けにくくすることができます。組織の部署が、モバイル コンピュータで非常に機密性の高いデータを扱う場合、それらのコンピュータで BitLocker に加えて多要素認証を使用することを検討してください。

BitLocker のセキュリティに関する考慮事項の詳細については、モバイル PC のデータ暗号化ツールキットに関するページ (http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=85982) (英語の可能性あり) を参照してください。

サーバーに BitLocker を実装する

支社のサーバーのように、共有環境や潜在的に保護されていない環境にある Windows Server 2008 サーバーでも、BitLocker を使用することにより、クライアント コンピュータと同じレベルのデータ保護を実現することができます。Windows Server 2008 で使用可能なこの追加機能により、IT 管理者はオペレーティング システムのボリュームと、同じサーバー上の他のデータ ボリュームの両方を暗号化することができます。

既定では、BitLocker は Windows Server 2008 と共にインストールされません。BitLocker は、Windows Server 2008 の [サーバー マネージャ] ページから追加してください。BitLocker のインストールが完了したら、このドキュメントの後のセクションで説明されているセットアップ処理およびメンテナンス処理を実行します。サーバーへのインストール後、システムを再起動する必要があります。WMI を使用して、BitLocker をリモートで有効にすることができます。

PIN のサポート

通常 PIN 機能は、起動を高速化する必要のあるサーバーや、再起動にユーザーが介入できないサーバーでは使用されません。多くのサーバー環境では、稼働時間とリモート管理は重要な問題になっています。交代勤務の始業時に社員がサーバーを起動する支社では BitLocker と PIN 認証を有効にすることが可能です。この場合は、起動時に責任者が PIN を入力します。

起動キーのサポート

USB 起動キーはサーバーでもサポートされています。ただし、データをより強力に保護するには、起動後にサーバーから抜き忘れないようにする必要があります。このため、データを最大限に保護するためには、各サーバーの起動時にユーザーが起動キーを挿入し、また次に必要になるときまでキーを抜いておく必要があります。

拡張ファームウェア インターフェイスのサポート

BitLocker は、Windows Server 2008 でインストールされる 64 ビット プロセッサ アーキテクチャを使用する拡張ファームウェア インターフェイス (EFI) サーバーでサポートされています。

データ ボリューム

オペレーティング システムのボリュームとシステム ボリューム以外のボリュームは、データ ボリュームと呼ばれます。データ ボリュームの BitLocker 暗号化は、Windows Server 2008 でのみサポートされています。Windows Server 2008 のデータ ボリュームは、オペレーティング システムのボリュームと同じ方法で暗号化されます。オペレーティング システムでは、BitLocker で保護されたデータ ボリュームを通常のボリュームとして読み取ることができます。

自動ロック解除

BitLocker を構成して、マウントされたデータ ボリュームのロックを、起動中に自動的に解除することができます。これは、データ ボリュームのボリューム マスタ キーを外部ラッピング キーによって暗号化し、外部ラッピング キーのプレーンテキストのコピーを暗号化されたオペレーティング システムのボリュームのレジストリに格納することで実現されます。外部ラッピング キーは暗号化されたオペレーティング システムのボリュームに格納されるので、BitLocker だけでなく Windows Server 2008 オペレーティング システム自身によっても保護されます。オペレーティング システムが回復モードになっても、データ ボリュームは保護された状態のままです。

自動ロック解除を有効にして BitLocker を無効にすると、次に示すような、オペレーティング システムのボリュームの場合と同様の処理が実行されます。

  • ユーザーがオペレーティング システムのボリュームを復号化すると、BitLocker によって保護されたデータ ボリュームが復号化され、レジストリからすべての自動ロック解除キーが削除されます。

  • ユーザーが BitLocker を一時的に無効にした場合、オペレーティング システムのボリュームとデータ ボリュームは暗号化されたままになります。ただし、BitLocker を有効な状態に戻すまで、オペレーティング システムのボリュームを保護するキーはアクセス可能な状態になります。

スクリプト可能な WMI インターフェイスを使用することにより、システム管理者は各サーバーの自動ロック解除を有効または無効にすることができます。データ ボリュームを最大限に保護するため、オペレーティング システムのボリュームで BitLocker が有効であり、そのボリュームが暗号化されていない限り、自動ロック解除を有効にすることはできません。

クラスタ構成

BitLocker では、クラスタ構成はサポートされていません。

データ ボリュームの回復

データ ボリュームの回復手順は、オペレーティング システムのボリュームの回復手順に似ています。障害が発生する前に、回復キーのコピーを別のメディアに保存しておきます (セットアップ時を推奨)。データ ボリュームが別のサーバーに移動された場合や、オペレーティング システムがデータ ボリュームの自動ロックを解除するための外部ラッピング キーを見つけることができない場合、ユーザーは回復キーを含むメディアを挿入する必要があります。

BitLocker コントロール パネルと WMI プロバイダで、データ ボリュームを回復することができます。

ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアの要件

BitLocker を使用するには、コンピュータが BitLocker Windows Vista システム ロゴの要件で指定されている特定の要件を満たしている必要があります。

  • BitLocker で、TPM によるシステム整合性チェックを実行するには、コンピュータに TPM バージョン 1.2 が実装されている必要があります。コンピュータに TPM が実装されていない場合、BitLocker を有効にするには、起動キーをリムーバブル USB デバイス (フラッシュ ドライブなど) に保存する必要があります。TPM 非対応コンピュータで BitLocker を使用する方法の詳細については、「起動キーのみのシナリオ (TPM なし)」を参照してください。

  • また、TPM を実装するコンピュータには、Trusted Computing Group (TCG) 準拠の BIOS が搭載されている必要があります。この BIOS は、オペレーティング システム起動前の信頼チェーンを確立します。また、この BIOS は、TCG 指定の Static Root Trust Measurement (STRM) をサポートしている必要があります。TPM を実装しないコンピュータでは、TCG 準拠の BIOS は必要ありません。

  • コンピュータが TPM 対応であるかどうかに関係なく、システムの BIOSでは USB Mass Storage Device Class がサポートされている必要があります。つまり、オペレーティング システムが起動する前に USB フラッシュ ドライブの小さなファイルを読み込む機能が必要です。USB の詳細については、USB Web サイトの USB Mass Storage Bulk-Only および Mass Storage UFI Command 仕様に関するページ (http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=83120) (英語の可能性あり) を参照してください。

  • ハード ディスクは、少なくとも次の 2 つのボリュームにパーティションで区切られている必要があります。

    • Windows Vista オペレーティング システムとそのサポート ファイルを含むオペレーティング システムのボリューム (またはブート ボリューム)。NTFS ファイル システムでフォーマットされている必要があります。BitLocker は、このボリュームで有効化されます。

    • BIOS がプラットフォームを起動した後に、Windows を読み込むために必要なファイルを含むシステム ボリューム。BitLocker は、このボリュームでは有効化されません。BitLocker が機能するには、システム ボリュームが暗号化されていること、オペレーティング システムのボリュームとは異なるボリュームで構成されていること、および NTFS ファイル システムでフォーマットされていることが必要です。システム ボリュームには、最低 1.5 GB の領域が必要です。

BitLocker のアーキテクチャ

BitLocker を使用すると、コンピュータのオフライン中に、他者がハード ディスク上のオペレーティング システムのボリュームに不正にアクセスするのを防ぐことができます。これを実現するため、BitLocker ではフルボリューム暗号化と、TPM によって提供されるセキュリティ強化機能が使用されます。TPM が実装されているコンピュータでは、多要素認証もサポートされます。

BitLocker では、TPM を使用して、重要な初期ブート コンポーネントのシステム整合性チェックが実行されます。TPM は、複数の初期ブート コンポーネントおよびブート構成データから測定値を収集および格納し、コンピュータの指紋ともいうべきシステム識別子を作成します。BIOS を変更する、マスタ ブート レコード (MBR) を変更する、またはハードディスクを別のコンピュータに移動することなどして、初期ブート コンポーネントが変更されたり改ざんされたりすると、BitLocker では暗号化されたボリュームのロックを解除できなくなり、コンピュータで回復モードが開始されます。TPM によってシステムの整合性が検証されたら、BitLocker によって保護されたボリュームのロックが解除されます。次に、オペレーティング システムが起動し、システム保護はユーザーおよびオペレーティング システムに引き継がれます。

図 1 は、BitLocker で保護されたボリュームがフルボリューム暗号化キーで暗号化され、さらにそのフルボリューム暗号化キーがボリューム マスタ キーで暗号化される様子を示しています。ボリューム マスタ キーを保護すると、ボリュームのデータを間接的に保護することになります。つまり、ボリューム マスタ キーを追加することにより、信頼チェーンの上位キーが紛失または破損した場合に、システムを再びキーをかけられた状態にすることができます。このシステムに再びキーをかける機能によって、ボリューム全体の復号化と暗号化を繰り返す手間を省くことができます。

BitLocker キー保護機能のアーキテクチャ

BitLocker によって、保護されているオペレーティング システムのボリュームへのアクセスが許可されると、保護ボリュームでデータの読み書きが行われるたびに、Windows Vista ファイル システム スタック内のフィルタ ドライバによって、ディスク セクタが透過的に暗号化および復号化されます。コンピュータが休止状態の場合は、休止ファイルが暗号化されて保護ボリュームに保存されます。コンピュータが休止状態から再開すると、暗号化された休止ファイルは復号化されます。通常は、保護されたボリュームが BitLocker によってセットアップ中に暗号化された後は、暗号化と復号化が日常のシステム パフォーマンスに与える影響が最小限に抑えられます。

BIOS を更新する際などに BitLocker を一時的に無効にした場合でも、オペレーティング システムのボリュームは引き続き暗号化された状態になります。ただし、ボリューム マスタ キーは、ハード ディスクに保存されている暗号化されていない "クリア キー" によって暗号化されます。暗号化されていないクリア キーはアクセス可能であるため、BitLocker によるデータ保護は無効になります。BitLocker を再び有効にすると、暗号化されていないクリア キーはディスクから削除され、ボリューム マスタ キーにキーがかけられてもう一度暗号化されます。これで、BitLocker による保護が再開します。

IT 管理者は、BitLocker セットアップ ウィザードを使用して、ローカルで BitLocker を構成できます。また、Windows Vista オペレーティング システムの Win32_EncryptableVolume WMI プロバイダで表示されるインターフェイスを使用して、ローカルまたはリモートで BitLocker を構成することもできます。インターフェイスに含まれる管理機能を使用して、ボリュームの暗号化の開始、停止、再開を行ったり、ボリュームの保護方法を構成することができます。

IT 管理者は、Windows Vista および Windows Server 2008 に付属する管理スクリプト (manage-bde.wsf) が提供する簡単なコマンド ライン インターフェイスを使用して、BitLocker の状態を管理および確認することができます。このスクリプトは入手可能な WMI プロバイダに基づいて記述されています。このため、スクリプトを変更して、企業のさまざまな管理ニーズに適合するカスタム ソリューションを構築することができます。BitLocker ドライブ暗号化プロバイダの詳細については、http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=80600 (英語の可能性あり) を参照してください。

アーキテクチャ図

図 2 に、さまざまなサブコンポーネントで構成される BitLocker アーキテクチャの概要を示します。この図は、BitLocker のユーザー モード コンポーネントとカーネル モード コンポーネント (TPM を含む) 、およびそれぞれのコンポーネントがオペレーティング システムの各層にどのように統合されているかを示しています。

BitLocker アーキテクチャ

起動シーケンスでの認証モード

BitLocker は、コンピュータのハードウェア機能と目的のセキュリティ レベルに応じて、次の 4 つの認証モードをサポートしています。

  • TPM を使用する BitLocker (付加的な認証なし)

  • TPM と PIN を使用する BitLocker

  • TPM と USB 起動キーを使用する BitLocker

  • TPM を使用しない BitLocker (USB 起動キーが必要)

BitLocker が有効になっている場合、Windows Vista が起動するたびに、ボリューム保護セットに基づいた一連の手順がブート コードによって実行されます。これらの手順には、システムの整合性チェックに加えて、保護ボリュームのロックを解除する前に実行する必要がある他の認証手順 (PIN または USB 起動キーの認証) が含まれます。

図 1 に示すように、BitLocker では回復時に回復キー (USB デバイスに格納される) または回復パスワード (数値パスワード) が使用されます。回復キーまたは回復パスワードは、BitLocker の初期化中に作成します。セキュリティ侵害が試行されたりシステム障害などが発生した場合、承認を受けたユーザーは回復キーを挿入する、または回復パスワードを入力することによって、暗号化されたボリュームに再度アクセスできるようになります。

BitLocker では、次の順序でキーが検索されます。

  1. クリア キー : システム整合性の検証が無効になり、BitLocker ボリューム マスタ キーに自由にアクセスできる状態になります。認証は必要ありません。

  2. 回復キーまたは起動キー (存在する場合) : 回復キーまたは起動キーが存在する場合、すぐにそのキーが使用されます。ボリュームのロック解除に、他の方法が試行されることはありません。

  3. 認証

    1. TPM : TPM によって初期ブート コンポーネントが正常に検証され、ボリューム マスタ キーの保護が解除されます。

    2. TPM + 起動キー : TPM によって初期ブート コンポーネントが検証されます。ユーザーは、正しい起動キーを含む USB フラッシュ ドライブを挿入する必要があります。

    3. TPM + PIN : TPM によって初期ブート コンポーネントが検証されます。ユーザーは、正しい PIN を入力する必要があります。

  4. 回復

    1. 回復パスワード : ユーザーは、正しい回復パスワードを入力する必要があります。

    2. 回復キー : 上記のいずれの手順でもドライブのロックを正常に解除できない場合、回復キーを含む USB フラッシュ ドライブを挿入するよう求めるプロンプトが表示され、その後コンピュータが再起動します。

外部ボリューム

外部ボリュームとは、別のコンピュータ上であらかじめ BitLocker が有効化されてから、異なる Windows Vista コンピュータ上に移動されたオペレーティング システムのボリュームです。外部ボリュームを別の Windows Vista コンピュータに移動することにより、障害が発生したコンピュータ上にある、BitLocker で保護されたデータを迅速かつ簡単に回復することができます。外部ボリュームで使用できる認証方法は回復のみです。回復には、回復キーまたは回復パスワードが必要です。回復の詳細については、「システムの回復」を参照してください。

BitLocker のライフ サイクル

図 3 に示すように、BitLocker のライフ サイクルには主に 4 つの段階があります。これらの段階には、インストール、初期化、日常の使用、およびコンピュータの廃棄またはリサイクルがあります。

BitLocker ライフサイクル
  1. インストール : BitLocker は、Windows Vista の一部としてインストールされるか、Windows Server 2008 のオプションとして追加されます。

  2. 初期化 : BitLocker が初期化されて、有効化されます。

  3. 日常の使用 : コンピュータは、日常のシナリオで使用されます。BitLocker は、初期化中に選択された認証オプションに基づいたレベルの保護を提供します。

  4. コンピュータの廃棄またはリサイクル : BitLocker が有効化されたコンピュータを廃棄またはリサイクルします。

次のセクションでは、これらの各段階について説明します。アーキテクチャ図の詳細については、「アーキテクチャ図」を参照してください。

インストール

Windows Vista Enterprise および Windows Vista Ultimate では、BitLocker はオペレーティング システム インストールの一部として自動的にインストールされます。ただし、BitLocker コントロール パネルを使用して有効にしない限り、BitLocker は機能しません。

初期化

オペレーティング システムのインストールと初期設定が完了したら、システム管理者は Windows Vista のコントロール パネルを使用して、BitLocker を初期化できます。この初期化プロセスには、2 つの段階があります。

  1. TPM が搭載されているコンピュータで、TPM 初期化ウィザードまたは BitLocker コントロール パネルを使用して、TPM を初期化します。TPM を初期化するよう設計されたスクリプトを実行することもできます。TPM 初期化ウィザードは、TPM 管理コンソール ウィザードからアクセスできます。TPM 管理コンソール ウィザードは、BitLocker コントロール パネルのリンクから開くことができます。BitLocker コントロール パネルを開くと、自動的に TPM の初期化が開始されます (必要な場合)。TPM をリモートで初期化することもできます。通常、コンピュータの TPM を初期化する際には、ユーザーはコンピュータの前にいる必要があります。ただし、TPM が既に有効になった状態でコンピュータが出荷されている場合、その必要はありません。BitLocker の TPM サービス コンポーネントには管理 API が含まれています。これを使用して、所有者の設定や TPM 管理パスワードの作成などの初期化手順をスクリプト化することができます。

  2. BitLocker をセットアップします。Windows Vista コントロール パネルの BitLocker セットアップ ウィザードにアクセスします。このウィザードに従って、セットアップを実行し、詳細な認証オプションを選択できます。

Caution注意
ローカル管理者が BitLocker を初期化する場合は、回復パスワードまたは回復キーを作成する必要があります。回復キーまたは回復パスワードがないと、オペレーティング システムのボリュームで問題が生じた場合に、暗号化されたドライブ上のデータにアクセスしたり、そのデータを回復することができなくなります。

BitLocker および TPM の初期化は、そのコンピュータのローカルの Administrators グループに属するメンバが実行する必要があります。管理者以外のユーザーも、BitLocker データ保護の益を受けることができますが、データ保護を有効化または無効化することはできません。

Windows Vista で BitLocker を構成および展開する方法の詳細については、Windows BitLocker ドライブ暗号化手順ガイドのページ (http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=53779) (英語の可能性あり) を参照してください。

日常の使用

BitLocker の初期化とボリュームの暗号化が完了すると、認証時と定期的な管理タスクを実行する場合にのみ、BitLocker が表示されます。

BitLocker は、コンピュータのハードウェア機能と目的のセキュリティ レベルに応じて、次の 4 つの認証モードをサポートしています。

  • TPM を使用する BitLocker

  • TPM と PIN を使用する BitLocker

  • TPM と USB 起動キーを使用する BitLocker

  • TPM を使用しない BitLocker (USB 起動キーが必要)

認証に TPM のみを使用して他の BitLocker 認証を使用しない場合、BitLocker が有効になっているコンピュータは、通常のコンピュータと同じように使用できます。ユーザーが Windows を起動すると、通常のログオン時と同様に、ユーザー名とパスワードの入力を求める画面が表示されます。BitLocker についての知識がない場合、さらに高レベルなデータ保護機能がコンピュータに実装されていることに気付かないことがあります。

強力なセキュリティを実行するように BitLocker が構成されている場合、Windows Vista を起動するには、PIN を入力するか、USB 起動キーを挿入する必要があります。この場合、通常の起動または再開プロセスが変更され、追加の認証要素を入力するように求めるメッセージが表示されます。

BitLocker の認証モードの詳細については、Windows BitLocker ドライブ暗号化手順ガイドのページ (http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=53779) (英語の可能性あり) を参照してください。

TPM のみのシナリオ

TPM のみのシナリオでは、TPM が搭載されているコンピュータで BitLocker を有効にしますが、他の認証は有効にしません。ハード ディスクは、次の 2 つのボリュームにパーティションで分割されます。

  1. システム ボリューム

  2. Windows Vista オペレーティング システムのボリューム

図 4 に示すように、BitLocker はオペレーティング システムのボリュームをフルボリューム暗号化キーで暗号化します。フルボリューム暗号化キーはボリューム マスタ キーで暗号化され、ボリューム マスタ キーは TPM によって暗号化されます。

TPM 保護を行う BitLocker

ローカル管理者は、Windows Vista のコントロール パネルのセキュリティ項目を使用して、このシナリオを有効または無効にすることができます。BitLocker を無効にすると、ボリュームは復号化され、キーはすべて削除されます。その後、再度 BitLocker を有効にすると、新しいキーが作成されます。

Caution注意
ローカル管理者が BitLocker を有効にする場合は、回復パスワードまたは回復キーを作成する必要があります。回復キーまたは回復パスワードがないと、オペレーティング システムのボリュームで問題が生じた場合に、暗号化されたドライブ上のデータにアクセスしたり、そのデータを回復することができなくなります。

強化された認証シナリオ

強化された認証シナリオでは、前述の基本的なシナリオに、別の認証が追加されます。図 5 に示すように、TPM を搭載するコンピュータで BitLocker を使用すると、次のような 2 つの多要素認証オプションが追加されます。

  • TPM と PIN (システム整合性チェックとユーザーによる情報の入力)

  • TPM と USB フラッシュ ドライブに格納される起動キー (システム整合性チェックとユーザーによるキーの挿入)

これらのシナリオの利点として、すべてのキー情報がローカル コンピュータに格納されない点が挙げられます。

二要素認証を行う BitLocker
PIN 認証

このシナリオでは、BitLocker の初期化中に、管理者が数値の PIN を設定します。BitLocker では、SHA-256 を使用して PIN がハッシュされます。このハッシュの最初の 160 ビットは、承認データとして TPM に送信され、ボリューム マスタ キーを保護するのに使用されます。これで、ボリューム マスタ キーは TPM と PIN の両方で保護されることになります。ボリューム マスタ キーの保護を解除するには、コンピュータを起動、または休止状態から再開するたびに、PIN を入力する必要があります。

note
通常、サーバーの実装では、起動を高速化する必要があったり、再起動にユーザーが介入できない場合には PIN 認証は使用されません。

起動キー認証

このシナリオでは、BitLocker の初期化中に、管理者が起動キーを作成します。起動キーは BIOS で列挙されるいずれかの記憶装置 (ホット プラグ可能な USB フラッシュ ドライブなど) に格納されます。ユーザーはコンピュータを起動、または休止状態から再開するたびに、そのデバイスをコンピュータに挿入する必要があります。起動キーが格納されている USB フラッシュ ドライブは、電源を入れるときから起動が完了するまでコンピュータに挿入しておく必要があります。ただし、Windows が読み込まれた後は取り外す必要があります。

起動キーのみのシナリオ (TPM なし)

このシナリオでは、管理者は TPM を装備しないコンピュータ上で BitLocker を有効にします。コンピュータ ユーザーは、コンピュータを起動、または休止状態から再開するたびに、起動キーを格納する USB フラッシュ ドライブをコンピュータに挿入する必要があります。

note
起動キーのみのシナリオを使用するシステムのセキュリティ プロファイルは、TPM を使用するシステムのセキュリティ プロファイルとは異なります。TPM 非搭載のシステムでは、初期ブート コンポーネントの整合性が検証されません。

TPM 非搭載のコンピュータの起動キーは、BitLocker セットアップ ウィザードまたはスクリプトで BitLocker を初期化する際に作成する必要があります。起動キーは BitLocker によって生成されます。ユーザーが USB フラッシュ ドライブを挿入すると、システムはそのドライブに起動キーを格納します。

ユーザーは、BitLocker コントロール パネルの項目を使用して、起動キーのバックアップ コピーを作成することができます。起動キーは暗号化されない未処理のバイナリ データとして、".bek" ファイルに保存されます。起動キーを紛失した場合は、回復キーまたは回復パスワードを使用してボリュームを回復し、新しい起動キーを生成する必要があります (この処理により、元の起動キーは無効になります)。紛失した起動キーを使用していた他のすべてのボリュームで同様の手順を実行し、承認されていないユーザーによって、紛失した起動キーが使用されないようにします。

管理

管理者は、BitLocker コントロール パネルを使用して BitLocker を管理できます。BitLocker コントロール パネルは、Windows Vista コントロール パネルのセキュリティ項目からアクセスできます。さらに、IT 管理者向けに、リモートでスクリプト機能を実行するためのコマンド ライン管理ツール (manage-bde.wsf) も用意されています。

Windows Vista で BitLocker を構成および展開する方法の詳細については、Windows BitLocker ドライブ暗号化手順ガイドのページ (http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=53779) (英語の可能性あり) を参照してください。

キー管理

BitLocker によるボリュームの暗号化と保護が完了したら、ローカル管理者やドメイン管理者は BitLocker コントロール パネルの [キーの管理] ページを使用して、キーを複製したり、PIN をリセットしたりすることができます。

BitLocker の構成と TPM の管理

Windows Vista コントロール パネルのセキュリティ項目からアクセスできる BitLocker コントロール パネルには、BitLocker の状態が表示されます。このコントロール パネルで、BitLocker の有効化と無効化を行うことができます。インストールまたはアンインストールが要求されたために、BitLocker がデータの暗号化または復号化を実行している場合は、その進行状況のステータスが表示されます。また、管理者は BitLocker コントロール パネルを使用して、TPM 管理 MMC にアクセスすることができます。詳細については、「初期化」を参照してください。

コンピュータの更新およびアップグレード : BitLocker の保護を無効にする

管理者は、次のような場合に、BitLocker を一時的に無効にすることができます。

  • メンテナンスを行うために、ユーザー操作 (PIN の入力や起動キーの挿入など) なしにコンピュータを再起動する。

  • BIOS を更新する。

  • BitLocker の回復を開始せずに、重要な初期ブート コンポーネントをアップグレードする。次に例を示します。

    • マスタ ブート レコード (MBR) が変更される可能性がある、異なるバージョンのオペレーティング システムまたは別のオペレーティング システムのインストール。

    • ディスクのパーティション分割。パーティション テーブルが変更される可能性があります。

    • 他のシステム タスクの実行。TPM によって検証されるブート コンポーネントが変更されます。

  • BitLocker の回復を開始せずに、マザーボードをアップグレードして、TPM を交換するか取り外す。

  • BitLocker の回復を開始せずに、TPM を無効にするかクリアする。

  • BitLocker の回復を開始せずに、BitLocker で保護されたディスク ボリュームを他のコンピュータに移動する。

このようなシナリオを総称して、コンピュータのアップグレード シナリオと呼びます。BitLocker は、Windows のコントロール パネルの [BitLocker] 項目で、有効または無効にできます。

BitLocker が有効になっているコンピュータをアップグレードするには、次の手順を実行する必要があります。

  1. BitLocker を無効モードにして、BitLocker を一時的に無効にします。

  2. システムまたは BIOS をアップグレードします。

  3. BitLocker を再び有効にします。

BitLocker を強制的に無効モードにしても、ボリュームは暗号化されたままです。ただし、ボリューム マスター キーは、ハード ディスクに格納されている暗号化されていない対称キーで暗号化されます。暗号化されていない対称キーはアクセス可能な状態になるため、BitLocker のデータ保護は無効になりますが、それ以降のコンピュータの起動はすべてユーザー操作なしで行うことができます。BitLocker を再び有効にすると、暗号化されていないキーはディスクから削除され、BitLocker の保護が再び有効になります。また、ボリューム マスタ キーにキーがかけられて、再び暗号化されます。

暗号化されたボリューム (物理ディスク) を、BitLocker が有効になっている別のコンピュータに移動する場合、特別な手順は必要ありません。これは、ボリューム マスター キーを保護するキーが、暗号化されていない状態でそのディスクに格納されているためです。

Caution注意
わずかな時間でもボリューム マスター キーの保護を解除することは、セキュリティ上のリスクとなります。これは、ボリューム マスター キーやフルボリューム暗号化キーの保護がクリア キーによって解除されている間に、攻撃者がそれらのキーにアクセスする可能性があるためです。

BitLocker の無効に関する詳細については、Windows BitLocker ドライブ暗号化手順ガイドのページ (http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=53779) (英語の可能性あり) を参照してください。

コンピュータの廃棄またはリサイクル

今日では、多くのパーソナル コンピュータが最初の所有者やユーザーの元を離れ、他のユーザーによって再利用されています。企業では、コンピュータが他の部署に再配置されたり、定期的なハードウェアの入れ替えで社外に持ち出されることがあります。

ドライブが暗号化されていない場合、それをフォーマットした後でも、そのデータを読み込めることがあります。このため、企業は、廃棄するドライブからデータが漏えいするリスクを抑えるために、ドライブを何度も上書きしたり、物理的に破壊したりしています。

BitLocker を使用すると、廃棄処理が簡単になり、その費用効率も高くなります。BitLocker で暗号化されたデータをそのまま残していても、キーを削除することによって、企業はデータが漏えいするリスクを軽減することができます。すべての BitLocker キーが削除された後、BitLocker で暗号化されたデータにアクセスすることはほぼ不可能です。これは、128 ビットまたは 256 ビットの AES 暗号化を解除する必要があるためです。

Caution注意
このセクションで説明している手順は、将来データを使用する必要がない場合にのみ実行してください。手順を実行すると、暗号化されたボリュームのデータは回復できなくなります。

管理者は、Windows Vista からボリュームをフォーマットすることで、ボリュームの BitLocker キーを削除できます。この操作をサポートするため、"format" コマンドが更新されています。オペレーティング システムのボリュームをフォーマットするには、Windows Vista インストール DVD に含まれる回復環境を使用して、コマンド プロンプトを開きます。

また、管理者は、すべての BitLocker キー プロテクタを完全に削除するスクリプトを作成することもできます。このスクリプトを実行して、コンピュータを再起動すると、BitLocker で暗号化されたデータはすべて回復できなくなります。安全対策として、BitLocker では、暗号化された各ボリュームで、少なくとも 1 つのキー プロテクタを維持する必要があります。つまり、新しい外部キー プロテクタを 1 つ作成することにより、ドライブが廃棄可能な状態になります。このとき、作成した外部キーの情報は保存しないようにします。次に、ボリュームから他のキー プロテクタをすべて削除します。BitLocker のスクリプトの記述に関する詳細については、Win32_EncryptableVolume に関するページ (http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=85983) (英語の可能性あり) を参照してください。

ボリュームから BitLocker キーが削除されたら、その他のタスクを実行して廃棄処理を完了します。たとえば、TPM をクリアして出荷時の既定の設定にリセットし、保存されているボリューム回復情報 (印刷された用紙、USB デバイスに格納されているファイル、および Active Directory に格納されている情報など) を破棄します。

システムの回復

回復プロセスが開始されるのは、次のような場合です。

  • BitLocker で保護されたドライブを新しいコンピュータに移動した場合。

  • 新しい TPM を搭載する新しいマザーボードを取り付けた場合。

  • TPM をオフにするか無効にした場合。またはクリアした場合。

  • BIOS を更新した場合。

  • 重要な初期ブート コンポーネントをアップグレードしたため、システム整合性の検証が失敗した場合。

  • PIN を忘れたとき (PIN 認証が有効な場合)。

  • 起動キーを含む USB フラッシュ ドライブを紛失したとき (起動キー認証が有効な場合)。

管理者は、アクセス制御の一環として、回復を開始することができます (コンピュータを再配置する場合など)。たとえば、暗号化されたドライブをロック ダウンし、ユーザーがそのドライブのロックを解除するには BitLocker 回復情報を取得しなければならないように設定することができます。

BitLocker の回復モードでは、暗号化されたボリュームのデータを最低限の手順で回復することができます。詳細については、Windows BitLocker ドライブ暗号化手順ガイドのページ (http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=53779) (英語の可能性あり) を参照してください。

回復セットアップ

IT 管理者は、グループ ポリシーを使用することにより、BitLocker を有効にするユーザーに対して、特定の回復方法を必須、禁止、オプションのいずれかに指定できます。回復パスワードを Active Directory ドメイン サービス (AD DS) に格納することができます。管理者は、コンピュータの各ユーザーに対して、Active Directory ドメイン サービスへの回復パスワードの格納を必須、禁止、オプションのいずれかに指定できます。また、回復データを USB フラッシュ ドライブに格納することもできます。

回復シナリオ

回復を行うには、USB フラッシュ ドライブに格納された回復キーか、回復パスワードから生成される暗号化キーを使用して、ボリューム マスタ キーのコピーを復号化する必要があります。どの回復シナリオでも TPM は使用されません。このため、TPM がブート コンポーネントの検証に失敗した場合や動作不良を起こした場合、または TPM が取り外された場合でも回復は可能です。

回復パスワード

回復パスワードはランダムに生成される 48 桁の数値で、BitLocker のセットアップ時に作成することができます。コンピュータが回復モードになると、ファンクション キー (F0 から F9) を使用して回復パスワードを入力するよう求めるプロンプトが表示されます。回復パスワードは、BitLocker を有効にした後に管理およびコピーすることができます。将来の使用に備えて、BitLocker コントロール パネルを使用して、回復パスワードを印刷するかファイルに保存します。

ドメイン管理者は、BitLocker が有効になると同時に回復パスワードを自動的に生成し、AD DS にその回復パスワードを透過的にバックアップするように、グループ ポリシーを構成することができます。また、コンピュータがネットワークに接続され、かつ回復パスワードの AD DS へのバックアップが成功しない限り、BitLocker によってドライブが暗号化されないように設定することもできます。

回復キー

回復キーは、BitLocker のセットアップ中に作成して、USB フラッシュ ドライブに保存できます。また、回復キーは、BitLocker を有効にした後に管理およびコピーすることができます。コンピュータが回復モードになると、回復キーをコンピュータに挿入するよう求めるプロンプトが表示されます。

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