ディスク領域およびコンポーネントの場所に関する問題
Windows Server 2008 にアップグレードするためのディスク領域の要件
Windows Server 2003 から Windows Server 2008 へのアップグレード処理には、新しいオペレーティング システム イメージ用、セットアップ プロセス用、およびインストールされるサーバーの役割用の空きディスク領域が必要です。アップグレードの実行に必要なディスク領域が不足していることがドメイン コントローラーの役割によって検出されると、エラーが記録されます。
セットアップ プログラムで表示される互換性レポートに、ディスク領域に関する補足情報が表示されることがあります。
空きディスク領域が不足している場合、Windows Server 2003 から Windows Server 2008 または Windows Server 2008 R2 (または Windows Server 2008 から Windows Server 2008 R2) へのアップグレードが警告なしで失敗することがあります。このような状況では、インストールによって前のオペレーティング システムにロールバックされます。
ドライブ:\$WINDOWS.~BT\Sources\Panther フォルダーにある Setupact.log ファイルに詳細な情報が記載されている場合もあります。 ドライブ は、既存の Windows インストールが格納されているドライブを表します。
ドメイン コントローラーの役割では、次のリソースをホストするボリュームにも、それぞれ固有の空きディスク領域の要件があります。
- アプリケーション データ (%AppData%)
- プログラム ファイル (%ProgramFiles%)
- ユーザー データ (%SystemDrive%\Documents and Settings)
- Windows ディレクトリ (%WinDir%)
%WinDir% ボリューム上の空き領域は、上記の各リソースおよびその下位フォルダーが %WinDir% ボリューム上にある場合、それらの現在の合計サイズ以上であることが必要です。既定では、Dcpromo.exe は Active Directory データベースおよびログ ファイルを %Windir% の下に配置します。この場合、%Windir% フォルダーにそれらのサイズ分の空き領域も別途必要になります。
たとえば、次のリソースが下記の表に記載されているサイズで %WinDir% ボリューム上にあるとします。
| リソース |
サイズ |
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アプリケーション データ (%AppData%)
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100 MB
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プログラム ファイル (%ProgramFiles%)
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100 MB
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ユーザー データ (%SystemDrive%\Documents and Settings)
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50 MB
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Windows ディレクトリ (%WinDir%)
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1 GB
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合計サイズ
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1.25 GB
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この例では、%WinDir% ボリュームに必要な空き領域は 1.25 GB 以上となります。
ただし、Active Directory データベースが上記のフォルダー以外でホストされている場合、ホストしているボリュームに、現在のデータベース サイズの 10 パーセントまたは 250 MB のうち大きい方のサイズの空きディスク領域が最低限必要です。最後に、ログ ファイルをホストするボリューム上の空き領域は、最低でも 50 MB 必要です。
Windows Server 2003 での Active Directory の既定のインストールでは、Active Directory データベースおよびログ ファイルは %WinDir%\NTDS の下に配置されます。この構成では、Ntds.dit データベース ファイルとすべてのログ ファイルは一時的に検査場所にコピーされた後、元の場所にコピーして戻されます。このため、これらのリソースに対して追加の空き領域が必要となります。SYSVOL ディレクトリも %WinDir% の下 (%WinDir%\SYSVOL) に配置されますが、移動され、コピーはされません。このため、追加の空き領域は必要ありません。
アップグレード後、コピーされるリソース用に予約された領域はファイル システムに戻されます。
Windows Server 2008 R2 にアップグレードするためのディスク領域の要件
Windows Server 2008 R2 上では、次の理由から、Active Directory データベース (NTDS.dit) のサイズが以前のバージョンの Windows よりも大きくなる場合があります。
- Windows Server 2008 R2 ドメイン コントローラー上のオンラインでのディスクの最適化に変更が加えられています。
- Windows Server 2008 R2 ドメイン コントローラーは大きなリンク テーブルに新しい 2 つのインデックスを追加します。
- Windows Server 2008 R2 のごみ箱は、リサイクルされたオブジェクトの有効期間中、削除されたオブジェクトの属性を保持します。
ごみ箱に関連して、データベースのサイズは次の時点で大きくなります。
- Windows Server 2008 R2 の adprep /forestprep が完了し、最初の Windows Server 2008 R2 ドメイン コントローラーがインストールされた後は、削除されたすべてのオブジェクトに対して新しいインデックス付き属性 isRecycled に値が設定されます。
- ごみ箱が有効になった後は、削除されたオブジェクトに関する属性がすべて維持されます。削除されるオブジェクトの数が増えるほど、必要なディスク領域も増大します。
Microsoft で運用している Windows Server 2008 R2 ドメインでは、deletedObjectLifetime と recycledObjectLifetime に既定値の 180 日を指定した状態でごみ箱機能を使用した場合、AD DS データベースのサイズが元のサイズの 15 ~ 20 パーセント拡大しました。追加で必要となるディスク領域は、リサイクルされるオブジェクトのサイズと数によって異なります。
ドメイン コントローラーの Windows Server 2008 R2 への一括アップグレードでは、アップグレード処理中に次のフォルダーをコピーするために十分なディスク領域が必要です。
- %SystemRoot%
- %ProgramFiles%
- %SystemDrive%\Program Files
- %ProgramFiles(x86)%
- %SystemDrive%\build
- %SystemDrive%\InstalledRepository
- %ProfilesFolder%
- %ProgramData%
- %SystemDrive%\Documents and Settings
次の表に、ドメイン コントローラーを Windows Server 2008 から Windows Server 2008 R2 にアップグレードした場合のテスト結果を示します。この表では次のことを前提としています。
- <i> = 15 GB (Windows セットアップが Windows ハード ドライブ上に必要とする最低限の空き領域)
- Ntds.dit の元のサイズは 5 GB です。
| Ntds.dit の場所 |
システム ドライブ上の空き領域 (GB) |
結果 |
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Ntds.dit はシステムと同じドライブ上に配置されているが、%windir% の中ではない。
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1
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この場合は、Ntds.dit を Windows.old フォルダーから Windows フォルダーにコピーする必要がありませんが、Windows セットアップ ファイルのコピーに必要な領域が不足しています。
互換性レポートで、Windows ファイルをコピーするには領域が不足していることが検出されます。
互換性レポートの段階で、アップグレードがブロックされます。
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Ntds.dit がシステムとは異なるドライブに配置されている。
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<i>
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この場合は、Windows ファイルのインストールに最低限必要な空き領域がディスクにあり、Ntds.dit を Windows.old フォルダーから Windows フォルダーにコピーする必要がありません。
互換性レポートには、空きディスク領域が最低要件を満たしており、アップグレード処理にしばらく時間がかかる場合があるという警告メッセージが表示されます。
ドメイン コントローラーは正常にアップグレードされます。
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Ntds.dit が次の既定のフォルダーに配置されている。
%windir%\ntds\
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<i> + 1
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この場合は、Windows ファイルのインストールに最低限必要な空き領域がディスクにあるため、互換性レポートは生成されません。ただし、Ntds.dit が Windows フォルダー内に配置されているため、アップグレード時に Windows.old フォルダーから Windows フォルダーにコピーする必要があります。この最終手順は、ディスク上に Ntds.dit を格納する分の領域が不足しているため、新しいオペレーティング システムにデータベースがコピーされず、失敗に終わります。Windows Server 2008 R2 の初回起動時に、Ntds.dit が検出されないためエラーが発生し、コンピューターが強制的に以前のオペレーティング システムにロールバックされます。
ERROR_CODE:(NTSTATUS) 0xc00002ec - 次のエラーのためディレクトリ サービスを開始できませんでした: %hs。エラー状態: 0x%x。[OK] をクリックしてシステムをシャット ダウンしてください。回復コンソールを使用してさらにシステムを診断することができます。
Err 0xc00002ec = STATUS_DS_INIT_FAILURE_CONSOLE
ドメイン コントローラーは正常に Windows Server 2008 にロールバックされます。
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Ntds.dit はシステムと同じドライブ上に配置されているが、%windir% の中ではない。
|
<i>
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この場合は、Windows ファイルのインストールに最低限必要な空き領域がディスクにあり、Ntds.dit を Windows.old フォルダーから Windows フォルダーにコピーする必要がありません。
互換性レポートには、空きディスク領域が最低要件を満たしており、アップグレード処理にしばらく時間がかかる場合があるという警告メッセージが表示されます。
ドメイン コントローラーは正常にアップグレードされます。
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SYSVOL の分散ファイル システム (DFS) レプリケーション機能を使用する RODC では、SYSVOL 共有フォルダーを Windows フォルダーとは別個のボリューム上に配置する必要があります。読み取り専用の DFS レプリケート フォルダーを Windows インストール ファイルと同じボリュームに保存すると、ウイルス対策プログラムやバックアップ プログラムなどのミニフィルター ドライバーが別途インストールされていない限り、そのボリュームのパフォーマンスが低下します。
SYSVOL がドライブのルートにある場合、AD DS のインストール エラーが発生する
SYSVOL をドライブのルート (C:\ など) に配置することはできません。Active Directory ドメイン サービス インストール ウィザードでは、SYSVOL の保存先としてドライブのルートを指定できますが、その後の AD DS のインストールは失敗します。
Active Directory データベース ファイルおよびログ ファイルを、%systemroot% を含まないディスクのディレクトリのルートに配置すると、STOP エラーが発生する
Active Directory データベース ファイルおよびログ ファイルを、%systemroot% を含むディスクとは異なるディスクのルート ディレクトリに配置すると、STOP エラーが発生します。また、起動デバイスとして使用できない iSCSI ドライブ上にこれらのファイルを配置した場合も STOP エラーが発生します。この状況は、Windows Server 2008 または Windows Server 2008 R2 で、新しい AD DS をインストールおよびアップグレードする場合に生じます。
このエラーを防ぐには、リムーバブルではないローカル ドライブの、ルート ドライブ以外のボリュームに Active Directory データベースおよびログファイルを配置するようにします。
iSCSI デバイスによっては、実際にはローカル ドライブではないにもかかわらず、誤って自身をローカル ドライブとして報告するものがあります。この場合は、当該ハードウェアを起動デバイスとして構成できるかどうかをドライブのベンダーに確認してください。起動デバイスとして構成できない場合は、次の手順を実行してください。
Active Directory データベースおよびログ ファイルを移動するには
-
コンピューターを再帰動し、起動中に F8 キーを押してディレクトリ サービス復元モード (DSRM) に入ります。
-
Active Directory データベースおよびログファイルを、ローカル ドライブ上のルートより少なくとも 1 レベル下のサブディレクトリに移動します。
-
Regedit.exe を使用して、レジストリ キーを検索します。HKLM\System\CurrentControlSet\Services\NTDS\Parameters
-
DSA Database File の値を、手順 2. で選択した新しいパス (x:\ntds など) に変更します。
-
DSA Working Directory の値を、手順 2. で選択した新しいパス (x:\ntds\logs など) に変更します。
ディレクトリ コンポーネントまたはオペレーティング システムのファイルが iSCSI デバイスなどの高度なドライブに配置されている場合、AD DS のインストールが失敗することがある
Active Directory データベースや SYSVOL などの Active Directory コンポーネントを iSCSI デバイスなどの高度なドライブに配置している場合、Windows Server 2008 R2 および Windows Server 2008 への AD DS のインストールが失敗することがあります。Windows Server 2008 R2 では、オペレーティング システムのファイルが iSCSI デバイスにインストールされている場合、AD DS をインストールするときに NTFS でフォーマットされたドライブが見つからないことがあります。
Active Directory コンポーネントを高度なドライブに配置することに関する問題は、AD DS のインストール ウィザードが終了し、インストールを完了するためにサーバーが再起動した後に発生することがあります。再起動後、サーバーは通常モードで起動できません。エラー 0xc00002e1 が dcpromoui.log ファイルに示されたり、コード c00002e2 の STOP エラーが画面に表示されたりする場合があります。
このエラーの原因は、データベースなどの Active Directory コンポーネントが起動時に使用できないことです。記憶域ネットワーク (SAN) への Active Directory データベースの配置は、起動時にデータベースが使用できる場合にのみサポートされます。通常、問題のデバイスにオペレーティング システムをインストールできず、そのデバイスからオペレーティング システムを起動できない場合、そのデバイスで Active Directory データベースをホストすることはできません。ドメイン コントローラー サーバーの役割をホストしているコンピューターでは、オペレーティング システムのブート プロセスにおいて Active Directory が重要な役割を果たすからです。
このような状況での回避策は、起動時にアクセスできるハード ドライブに Active Directory コンポーネントをインストールすることです。
オペレーティング システムのファイルが iSCSI デバイスにインストールされている場合に、AD DS のインストール時に NTFS でフォーマットされたドライブが見つからない問題は、Windows Server 2008 R2 でのみ発生するもので、Service Pack 1 で修正される予定です。この状況では、AD DS のインストール ウィザードは次のエラーで失敗します。
このコンピューターには、NTFS ファイル システム用にフォーマットされたディスク ドライブがありません。SYSVOL フォルダーは Active Directory ドメイン コントローラー内でレプリケートされるため、そのフォルダーは NTFS でフォーマットされたディスクに置く必要があります。
(FAT ファイル システムでフォーマットされたドライブをコマンド ラインの convert.exe で変換できます。)
Windows 2000 および Windows Server 2003 では、Active Directory のパフォーマンス カウンターは単一インスタンスであり、NTDS 以下に配置されます。また、Windows Server 2003 では、Active Directory Application Mode (ADAM) のパフォーマンス カウンターには複数のインスタンスがあり、ADAM 以下に配置されていました。Windows Server 2008 および Windows Server 2008 R2 では、AD DS および Active Directory ライトウェイト ディレクトリ サービス (AD LDS) のいずれのパフォーマンス カウンターも前述と同じ場所にあり、複数のインスタンスを持つ DirectoryServices 以下にも配置されています。AD DS のパフォーマンス カウンターは NTDS インスタンスの下にある一方、AD LDS のパフォーマンス カウンターは AD LDS サービス名に対応するインスタンスの下にあります (Windows Server 2003 の場合と同様)。
たとえば、Windows Server 2003 を実行するコンピューターに Active Directory がインストールされ、ADAM_instance1 および ADAM_instance2 という 2 つの ADAM サービスがある場合、パフォーマンス モニターの [選択したオブジェクトのインスタンス] には次の名前が表示されます (表示される名前を角かっこ内に示します)。
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NTDS
-
ADAM [ADAM_instance1]
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ADAM [ADAM_instance2]
Windows Server 2008 または Windows Server 2008 R2 を実行するコンピューターでは、次の名前が表示されます。
-
NTDS
-
DirectoryServices [NTDS]
-
DirectoryServices [ADAM_instance1]
-
DirectoryServices [ADAM_instance2]
Windows Server 2003 を実行するコンピューターに Active Directory のみインストールされている場合は、次の名前が表示されます。
Windows Server 2008 または Windows Server 2008 R2 を実行するコンピューターに AD DS のみインストールされている場合は、次の名前が表示されます。
-
NTDS
-
DirectoryServices [NTDS]
Windows Server 2008 または Windows Server 2008 R2 を実行するコンピューターに ADAM_instance1 と ADAM_instance2 という名前の AD LDS インスタンスのみインストールされている場合は、次の名前が表示されます。
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DirectoryServices [ADAM_instance1]
-
DirectoryServices [ADAM_instance2]
NTDS ブロック内のカウンターは、DirectoryServices [NTDS] ブロック内のカウンターの完全なコピーです。将来的には、アプリケーションが DirectoryServices [NTDS] カウンターを使用して起動するようになります。NTDS ブロックは、旧バージョンとの互換性のためだけに用意されており、Windows の今後のバージョンでは提供されなくなる可能性があります。