次の方法で共有


Project Server 2007 で Excel Calculation Services を構成する

更新日: 2008年7月

 

トピックの最終更新日: 2008-07-21

Microsoft Office Project Server 2007 のインストールが Microsoft Office SharePoint Server 2007 のインストールと関連付けられている場合は、Excel Calculation Services を構成することで、Office Project Server 2007 レポート データベースから簡単にレポートを生成できます。

この機能を使用すると、Microsoft Office Excel 2007 でレポートを作成し、それを Office SharePoint Server 2007 に発行することができ、組織内の他のユーザーはそれを見たり、オフラインで保存してさらにカスタマイズしたりできます。

この機能を構成するには 2 つの主要な手順があります。

  • レポート作成者の構成 : Microsoft SQL Server を構成してレポート作成者が Office Project Server 2007 レポート データベースにアクセスできるようにします。

  • レポート利用者の構成 : レポートの発行用に Office SharePoint Server 2007 を構成します。

[!メモ] ここでの手順では、SQL Server 2005 を使用しているものとします。SQL Server 2000 も使用でき、同じ機能が提供されます。

[!メモ] 既存の構成によっては、ここで説明する手順の一部が既に完了している場合があります。

SQL Server を構成する

レポート作成者が Office Excel 2007 から Office Project Server 2007 のレポート データベースにアクセスできるようにするには、SQL Server へのアクセスを構成し、SQL Server ログインを追加する必要があります。これは、Office Excel 2007 では Excel Calculation Services とは異なるデータ アクセス方法が使用されるためです。

SQL Server へのアクセスを構成するには、SQL Server データベース エンジンと SQL Server Analysis Services でリモート接続を許可する必要があります。そのためには、SQL Server セキュリティ構成ツールを使用します。

SQL Server のセキュリティを構成する

  1. SQL Server 2005 を実行しているコンピュータで、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントし、[Microsoft SQL Server 2005] をポイントします。次に、[構成ツール] をクリックし、[SQL Server セキュリティ構成] をクリックします。

  2. [サービスと接続のセキュリティ構成] をクリックします。

  3. [コンポーネント別に表示] タブをクリックします。

  4. [データベース エンジン] を展開し、構成する SQL Server のインスタンスを展開します。

  5. [リモート接続] をクリックし、[ローカル接続およびリモート接続] および [TCP/IP および名前付きパイプを使用する] オプションを選択します。

  6. [Analysis Services] を展開し、構成する SQL Server のインスタンスを展開します。

  7. [ローカル接続およびリモート接続] オプションを選択します。

  8. [OK] をクリックします。

前記の手順を使用して、SQL Server データベース エンジンの構成または Analysis Services の構成を変更した場合は、構成している SQL Server のインスタンスの SQL Server サービスと SQL Server Analysis Services サービスを再起動します。

SQL Server へのアクセスを構成した後は、SQL Server へのログインを追加して、スキーマ情報およびデータを取得するために Office Project Server 2007 レポート データベースにアクセスできるようにする必要があります。管理が最も簡単なドメイン グループを使用することをお勧めします。ドメイン グループを使用しない場合は、この手順をレポート作成者ごとに繰り返す必要があります。

レポート作成者用のログインを追加する

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft SQL Server 2005]、[SQL Server Management Studio] の順にクリックします。

  2. Office Project Server 2007 データベースが存在する SQL Server のインスタンスを選択し、[接続] をクリックします。

  3. [セキュリティ] を展開し、[ログイン] を右クリックして、[新規ログイン] をクリックします。

  4. [全般] ページで、[ログイン名] テキスト ボックスにユーザー名またはグループ名を入力します。

  5. [ユーザー マッピング] ページを選択します。

  6. [このログインにマップされたユーザー] ボックスの一覧で、Office Project Server 2007 レポート データベースを含む行を選択します。

  7. Office Project Server 2007 レポート データベースの [マップ] チェック ボックスをオンにし、[db_datareader] データベース役割メンバシップを選択します。

  8. [OK] をクリックします。

Microsoft Office SharePoint Server 2007 の発行を構成する

Office SharePoint Server 2007 で提供されている発行機能を使用すると、作成者は、コンテンツを作成および変更し、適切なレベルの表示アクセス許可を持つユーザーがそれを使用できるようにすることができます。Excel Calculation Services では、Office Excel 2007 から Office SharePoint Server 2007 に発行できるようにするために、この機能が必要です。

Microsoft Office Project Web Access (PWA) が使用するサイト コレクションの Office SharePoint Server 2007 発行インフラストラクチャ機能をアクティブにした後、PWA サイトの Office SharePoint Server 2007 発行機能をアクティブにする必要があります。Office SharePoint Server 2007 発行インフラストラクチャ機能をアクティブにすると、発行の責務をユーザーに委任するために使用される追加のアクセス許可レベルと Office SharePoint Server 2007 グループが自動的に作成されます。

発行インフラストラクチャ サイト コレクション機能をアクティブにする

  1. Office Project Web Access のホーム ページで、[サイトの操作] をクリックし、[サイトの設定] をクリックします。

  2. [サイトの設定] ページの [サイト コレクションの管理] で、[サイト コレクションの機能] をクリックします。

  3. [サイト コレクションの機能] ページで、[Office SharePoint Server 発行インフラストラクチャ] 機能の [アクティブ化] をクリックします。

  4. 階層リンクで [サイトの設定] をクリックして [サイトの設定] ページに戻ります。

発行サイト機能をアクティブにする

  1. [サイトの設定] ページの [サイトの管理] で、[サイトの機能] をクリックします。

  2. [サイトの機能] ページで、[Office SharePoint Server 発行] オプションの [アクティブ化] をクリックします。

Excel Calculation Services サービスを開始する

Excel Calculation Services を使用するには、Excel Calculation Services サービスがファームで動作している必要があります。このサービスは、SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトで構成できます。

Excel Calculation Services サービスを開始する

  1. SharePoint サーバーの全体管理で、[サーバー構成の管理] タブをクリックします。

  2. [サーバー構成の管理] ページで、[トポロジおよびサービス] の [サーバーのサービス] をクリックします。

  3. サービスの一覧で、[Excel Calculation Services] サービスの [開始] をクリックします。

レポート センターの作成

Office Excel 2007 から発行されるレポートをホストするサイトを作成する必要があります。そのためには、レポート センター テンプレートを使用してサイト コレクションを作成します。

レポート センターを作成する

  1. Project Web Access で、[サイトの操作] をクリックし、[サイトの作成] をクリックします。

  2. [タイトル] ボックスに、レポート センターのタイトルを入力します。

  3. [URL 名] ボックスに、レポート センターに使用する URL を入力します。

  4. [テンプレートの選択] 領域で、[エンタープライズ] タブをクリックし、[レポート センター] オプションを選択します。

  5. [権限] 領域で、権限をレポート Web サイトに制限する場合は、[固有の権限を使用する] オプションを選択します。それ以外の場合は、既定のオプションである [親サイトと同じ権限を使用する] のままにします。

  6. [作成] をクリックします。

Project Server 共有サービス プロバイダの構成

Office Project Server 2007 で Excel Calculation Services を使用するには、PWA をホストする共有サービス プロバイダを構成する必要があります。この処理には、3 つの主要手順が含まれます。

  • 無人サービス アカウントを構成する

  • 信頼できるファイル保存場所を追加する

  • 信頼できるデータ接続ライブラリを追加する

ユーザー名文字列とパスワード文字列の両方を要求する外部データ ソースに接続するために、無人サービス アカウントを構成する必要があります。これらの文字列は、Excel Calculation Services での認証のために必要です。詳細については、「Microsoft Office SharePoint Server 2007 で、Excel Services の無人サービス アカウントを構成する方法」(https://support.microsoft.com/kb/928738/ja) を参照してください。

無人サービス アカウントを構成する

  1. SharePoint サーバーの全体管理の [共有サービス管理] で、Office Project Server 2007 SSP をクリックします。

  2. 共有サービス プロバイダのホーム ページで、[Excel Services の設定] の [Excel Services の設定の編集] をクリックします。

  3. [外部データ] で、使用するサービス アカウントの名前とパスワードを入力し、[OK] をクリックします。

Office SharePoint Server 2007 では、信頼できるファイル保存場所は、Excel Calculation Services がアクセスできるワークブックの信頼できるリポジトリとして構成されている Office SharePoint Server 2007 ドキュメント ライブラリ、UNC パス、または HTTP Web サイトです。Excel Calculation Services では、信頼できるファイル保存場所に保存されているワークブックのみが開かれます。

Excel Services の信頼できる場所を構成する

  1. 共有サービス プロバイダのホーム ページで、[Excel Services の設定] の [信頼できるファイル保存場所] をクリックします。

  2. [信頼できるファイル保存場所の追加] をクリックします。

  3. [アドレス] ボックスに、信頼できる場所のアドレスを http://<サーバー名>/<PWA 名>/<レポート センター サイト> の形式で入力します。

  4. 場所の種類として [Windows SharePoint Services] を選択します。

  5. [子の信頼] で、[子の信頼] チェック ボックスをオンにします。

  6. [ブック計算モード] で、[自動] を選択します。

  7. [外部データの許可] で、[信頼できるデータ接続ライブラリと、埋め込まれている接続] オプションを選択します。

  8. [ユーザー定義関数] 領域で、ユーザー定義関数を使用するかどうかを指定します。

  9. [OK] をクリックします。

すべてのデータ接続に対して .odc ファイルの使用を要求するように Excel Calculation Services を構成できます。これらのファイルは、外部データ ソースへの接続を集中管理するために使用され、データ接続ライブラリに格納されます。Excel Calculation Services でブックにデータ接続ライブラリへのアクセスを許可するには、事前にデータ接続ライブラリを明示的に信頼する必要があります。

信頼できるデータ接続ライブラリを設定する

  1. SharePoint サーバーの全体管理の [共有サービス管理] で、Office Project Server 2007 SSP をクリックします。

  2. 共有サービス プロバイダのホーム ページで、[Excel Services の設定] の [信頼できるデータ接続ライブラリ] をクリックします。

  3. [信頼できるデータ接続ライブラリの追加] をクリックします。

  4. [信頼できるデータ接続ライブラリの追加] ページで、[アドレス] ボックスに「http://<サーバー名>/<PWA の名前>/<レポート センター サイト>/Data Connections」と入力します。

  5. [OK] をクリックします。

シングル サインオンを構成する

Office SharePoint Server 2007 では、シングル サインオン (SSO) 認証を使用すると、ユーザーは認証資格情報を何度も入力しなくても、複数のシステム リソースにアクセスすることができます。Office SharePoint Server 2007 では、Windows サービスおよびセキュリティ保護された資格情報データベースを含めることにより、SSO 認証を実装しています。

外部データ ソースに対してワークブック内のデータ接続を認証するには、SSO ストアから認証資格情報を取得するように Excel Calculation Services を構成することができます。Office SharePoint Server 2007 の SSO 機能を有効にするには、Microsoft Single Sign-On Service を開始し、サーバーの全体管理で SSO 設定を管理する必要があります。

Microsoft Single Sign-On Service を構成する

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[管理ツール] をポイントして [サービス] をクリックします。

  2. [Microsoft Single Sign-On Service] をダブルクリックします。

  3. [全般] タブで、[スタートアップの種類] ボックスの一覧から [自動] を選択します。

  4. [ログオン] タブで、[アカウント] をクリックし、Office Project Server 2007 共有サービス プロバイダの管理者のユーザー名とパスワードを入力します。

  5. [OK] をクリックします。

  6. サービスの一覧で [Microsoft Single Sign-On Service] を選択し、[開始] をクリックします。

シングル サインオンの設定を構成する

  1. SharePoint サーバーの全体管理で、[サーバー構成の管理] タブをクリックします。

  2. [セキュリティの構成] で、[シングル サインオン設定の管理] をクリックします。

  3. [シングル サインオン設定の管理] ページで、[サーバー設定の管理] をクリックします。

  4. [シングル サインオンの管理者アカウント] セクションの [アカウント名] ボックスに、Microsoft Single Sign-On Service を実行しているユーザー名を入力します。

  5. [企業アプリケーション定義の管理者アカウント] セクションの [アカウント名] ボックスに、Microsoft Single Sign-On Service を実行しているユーザー名を入力します。

  6. 必要に応じて、[データベース設定] 領域で、使用するデータベース サーバー名とデータベース名を更新します。

  7. [OK] をクリックします。

シングル サインオンの企業アプリケーション定義を作成する

  1. [シングル サインオン設定の管理] ページの [企業アプリケーション定義の設定] で、[企業アプリケーション定義の設定の管理] をクリックします。

  2. [企業アプリケーション定義の管理] ページで、[新しいアイテム] をクリックします。

  3. [表示名] ボックスに名前を入力します。

  4. [アプリケーション名] ボックスに名前を入力します。この名前は、Excel Office Data Connection SSO フィールドで、データを取得するときに使用する資格情報のセットを識別するために使用されます。

  5. [連絡先の電子メール アドレス] ボックスに、適切な連絡先の電子メール アドレスを入力します。

  6. Office Project Server 2007 の展開が統合 Windows 認証を使用している場合は、[Windows 認証] チェック ボックスをオンにします。

  7. 他のフィールドは既定値のままにして、[OK] をクリックします。

SSO アプリケーション定義にセキュリティ資格情報を追加する

  1. SharePoint サーバーの全体管理で、[サーバー構成の管理] タブをクリックします。

  2. [セキュリティの構成] で、[シングル サインオン設定の管理] をクリックします。

  3. [シングル サインオン設定の管理] ページで、[企業アプリケーション定義のアカウント情報の管理] をクリックします。

  4. [企業アプリケーション定義] ボックスの一覧から、前の手順で作成したシングル サインオン アプリケーション定義を選択します。

  5. [グループ アカウント名] ボックスに、データ ソースへのアクセスを許可するセキュリティ グループの名前を入力します。

  6. [設定] をクリックします。

  7. [<アプリケーション定義> アカウント情報の入力] ページで、使用するデータ ソースにアクセスできるユーザーのユーザー名とパスワードを入力します。

  8. [OK] をクリックします。

  9. [完了] をクリックします。

Office Project Server 2007 および Office SharePoint Server 2007 は、Office Excel 2007 と Office Project Server 2007 レポート データベースからのデータを使用してレポートを作成および発行できるように構成されました。

サンプル レポートの作成

ここでは、Office Excel 2007 でサンプル レポートを作成し、それを作成したレポート センターに発行する方法を説明します。

サンプル レポートを作成する

  1. Office Excel 2007 の [データ] タブで、[その他のデータ ソース] をクリックして、[SQL Server] をクリックします。

  2. データ接続ウィザードの [データベース サーバーに接続] ページで、Office Project Server 2007 レポート データベースが存在する SQL Server のインスタンスの名前を [サーバー名] ボックスに入力して、[次へ] をクリックします。

  3. [データベースとテーブルの選択] ページで、ドロップダウン リストから Office Project Server 2007 レポート データベースを選択し、[次へ] をクリックします。

  4. [データ接続ファイルを保存して終了] ページで、[認証の設定] をクリックします。

  5. [Excel Services の認証の設定] ダイアログ ボックスで、[SSO] オプションを選択し、[SSO ID] ボックスに SSO ID を入力します (これは、前の「シングル サインオンの企業アプリケーション定義を作成する」の手順で作成した ID です)。

  6. [OK] をクリックします。

  7. [終了] をクリックします。

  8. [データのインポート] ダイアログ ボックスで、[ピボットテーブル レポート] オプションを選択し、[OK] をクリックします。

  9. [ピボットテーブル フィールド] ボックスの一覧で利用可能なフィールドを使用して、ピボットテーブルを作成します。

  10. [Office] ボタンをクリックし、[発行] をポイントして、[Excel Services] をクリックします。

  11. [ファイル名] ボックスに、レポート ライブラリの場所を「http://<サーバー名>/<PWA 名\>/<レポート センター名>/ReportsLibrary」の形式で入力し、Enter キーを押します。

    Office Excel 2007 でレポート センターが開かれます。

  12. [ファイル名] ボックスにファイル名を入力して、[保存] をクリックします。

  13. [ドキュメントの種類の選択] ダイアログ ボックスで、レポートの既定値をそのままにして、[OK] をクリックします。

レポート ライブラリのレポートを表示できるようになります。