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サーバー クラスタ : Windows 2000 および Windows Server 2003 の記憶域に関する推奨事例
Microsoft Corporation

発行 : 2003 年 1 月

概要
この資料では、 Microsoft Windows 2000 および Microsoft Windows Server 2003 Server のクラスタ記憶域の必要条件と推奨事例についての概要を説明します。

トピック

記憶域トポロジ 記憶域トポロジ
Windows Server 2003 の記憶域機能とクラスタ化 Windows Server 2003 の記憶域機能とクラスタ化
ハードウェア ベースの記憶域機能 ハードウェア ベースの記憶域機能
記憶域ツールとサービス 記憶域ツールとサービス
バックアップと復元 バックアップと復元
記憶域管理 記憶域管理
記憶域に関するサポート技術情報の文書 記憶域に関するサポート技術情報の文書

記憶域トポロジ

サーバー クラスタでサポートされる記憶域入出力テクノロジには、 並列 SCSI とファイバ チャネルの 2 種類があります。 Microsoft Windows Server 2003 のリリースでは、 最大 2 ノードまでの SCSI 相互接続と FC-AL (Fibre Channel Arbitrated Loop) のサポートが提供されます。 より規模の大きな構成 (3 ノード以上) には、 交換ファイバ チャネル (ファブリック) 環境を導入する必要があります。

問題点

並列 SCSI

Windows 2000 Advanced Server では、最大 2 ノードまでの構成のみがサポートされます。

SCSI アダプタと記憶域ソリューションは、 マイクロソフトで認定済みのものを使用する必要があります。

相互接続される SCSI カードには、 それぞれ固有の SCSI ID を割り当てる必要があります (例 : 6 と 7)。 デバイス アクセスの必要条件が、SCSI ID および優先順位と一致していることを確認します。

SCSI アダプタの BIOS は、無効にする必要があります。

デバイスをデイジー チェーン方式で接続する場合は、 共有バスの両端を必ずターミネートします。

物理的なターミネータ デバイスを使用します。 コントローラまたはデバイスのターミネート機能は使用しないでください。

SCSI ハブはサポートされていません。

コネクタ変換器 (68 ピンから 50 ピンへの変換器など) は使用しないでください。

種類の異なるデバイス (シングル エンド方式と差動方式など) を混在させないでください。

ファイバ チャネル

最大 2 ノードまでの FC-AL (Fibre Channel Arbitrated Loop) をサポートします。

3 ノード以上の構成では、FC-SW (Fibre Channel Fabric) がサポートされます。

コンポーネントと構成は、マイクロソフトのハードウェア互換性リスト (HCL) に記載されているものである必要があります。

マルチクラスタ環境

フォールト トレラントなドライバおよびコンポーネントも認定済みのものである必要があります。

仮想化エンジンは認定を受けたものである必要があります。

現在、スイッチだけはマイクロソフトで認定を行っていません。 エンド ユーザーがスイッチ ファブリック トポロジを構築する場合は、 スイッチ ベンダに必要な相互運用性が保証されているかどうかを事前に確認することをお勧めします。 複数のスイッチが存在し、 接続プロトコルとして ISL を使用するなど、 複雑なトポロジを構築する場合は、 すべてのコンポーネントの相互運用性を確保するために、 マイクロソフト、およびスイッチや記憶装置のベンダと緊密に連絡を取り合いながら作業を進めることをお勧めします。

サポートされる認定済み構成

サーバー クラスタのサポートは、 マイクロソフトで認定済みの構成に対してのみ提供されます。 認定済みの構成とは、 マイクロソフトが用意したハードウェア互換性テストに基づいて徹底した検査を行ったものを言います。 認定済みソリューションは HCL に記載されています。 HCL については、http://www.microsoft.com/japan/whdc/hcl/ を参照してください。 マイクロソフトは、HCL に記載されたクラスタ ソリューションのみをサポートします。 完全なクラスタ ソリューションの一覧は、 クラスタ HCL リストに記載されます。 完全なクラスタ ソリューションには、 サーバー、記憶装置アダプタ、相互接続方式、 記憶装置コントローラのファームウェアとドライバ バージョンなどが含まれます。 ソリューションがサポート対象となるためには、 ソフトウェア、ドライバ、ファームウェアのバージョンを含め、 すべてのコンポーネントがクラスタ HCL リストと一致している必要があります。 HCL には、サポート対象である一連のクラスタ コンポーネントが記載されています。 ソリューションがサポート対象のコンポーネントで構成されていることだけで、 そのソリューション自体がサポート対象となるわけではありません。

このリストに記載されているクラスタ コンポーネントは誤解を生む原因となっていたため、 マイクロソフトでは Windows Server 2003 の HCL からクラスタ コンポーネント (Cluster/RAID など) を削除する予定です。

記憶装置の相互接続

サーバー クラスタで使用する記憶装置の相互接続は、 すべて HCL に記載されているものである必要があります。 同様に、 アダプタおよび相互接続にフォールト トレラントや負荷分散の機能を提供するソフトウェアも HCL に記載されている必要があります。

高可用性を実現する記憶域へのマルチパス : これは、きわめて一般的な機能であり、ほとんどの記憶装置ベンダが提供しています。 この機能によって、複数 (通常は 2 つ) のファブリックを構築し、 フォールト トレラントや負荷分散に対応した構成を利用できます。 これまで、この機能はベンダによって大きく異なっており、 ベンダごとに固有の構成とドライバの組み合わせが必要でした。 マイクロソフトでは、Windows Server 2003 のリリースと同時に、 ベンダが独自のドライバの代わりに使用できるマルチパス ドライバを開発し、 提供を開始しました。 このドライバは各ベンダ製品に組み込まれるもので、(マイクロソフトがサポートする) すべてのベンダ製品で採用される予定です。 独自のドライバを使用するベンダは、 製品の認定を受け、HCL への記載を求める必要があります。

サーバー クラスタと SAN

サーバー クラスタ内の記憶域をホストする手段として、 ストレージ エリア ネットワーク (SAN) を採用することが多くなっています。 クラスタを構築すること、 および SAN 内のすべての記憶域がクラスタ内のノードに存在するわけではないことから、 いくつかの必要条件が生じます。 そうした必要条件を満たすための対応策とする推奨事例を以下に示します。

SAN 構成がマイクロソフトの HCL (マルチクラスタ セクション) に記載されていることを確認します。

記憶域を構成するときには、 以下の機能を "必ず" 実装する必要があります。

ゾーニング。 クラスタで使用する論理ボリュームを分離できます。 ノードと記憶域ボリューム間の相互作用がゾーンに分離されるので、 SAN の他のメンバはこの相互作用の影響を受けません。 この機能は、コントローラまたはスイッチ レベルで実装できます。 ただし、この機能はクラスタを構築する前に実装することが重要になります。

LUN マスキング。 LUN とホストの特定の関係をコントローラ レベルで定義できます。 理論的には、あるホストと関連付けられた LUN を別のホストが見たり、操作したりできません。 ただし、ベンダによって機能に違いがあり、LUN マスキングが常に有効であるとは限りません。 したがって、LUN マスキングをゾーニングの代わりに使用することはできません。 ゾーニングと LUN マスキングを組み合わせることもできますが、 構成上そのような必要がある場合に限られます。

ファームウェアとドライバのバージョン。 ベンダによっては、特定の機能をドライバやファームウェアに実装することがあります。 そのため、どのようなファームウェアとドライバの組み合わせが、 現在の環境と互換性があるかについて、 細心の注意を払うことをお勧めします。 このことは、SAN を構築し、 それにホストを接続する場合だけでなく、 システム (ホストおよび SAN コンポーネント) のライフ サイクル全体について言えます。 Service Pack やベンダが提供する修正プログラムおよびアップグレードの適用によって問題が発生しないか、 十分な注意を払う必要があります。

ハードウェアゾーニングとソフトウェアゾーニング。 ゾーニングは、コントローラのハードウェアまたはファームウェア、 ホスト上のソフトウェアのどちらの方法でも実装できます。 コントローラ ベースのゾーニングを使用することをお勧めします。 このゾーニングは、 アクセス ポリシーで一様に実装でき、 このような実装はノードやソフトウェア コンポーネントで障害が発生しても影響を受けないためです。

ハードウェア LUN マスキングとソフトウェア LUN マスキング。 ソフトウェア ベースのマスキング機能を提供するベンダもあります。 そのようなソフトウェアが記憶装置に付属している場合、 記憶装置を OS に接続したときの機能を確認してください。 そうしたソフトウェアもマイクロソフトの認定を受けている必要があります。 ゾーニングの場合と同じ理由から、 ソフトウェア コンポーネントの安定性を保証できなければ、 ソフトウェア ベースのマスキング機能は適切な選択とは言えません。

SAN からのブート。 この機能に対する必要性が高まっており、マイクロソフトでも Windows Server 2003 でサポートします。 以下の点について検討が必要です。

構成には、ホスト バス アダプタ (HBA) および記憶装置のベンダによるサポートが必要となります。 HBA ドライバは、Storport ドライバである必要があります。 Storport ドライバのパフォーマンスは、 スループットとシステム リソース使用率の両面で SCSIPORT より優れています。 また、このドライバではホスト ベースの RAID アダプタの構成および管理を簡単にするインフラストラクチャも追加されており、 Windows Server 2003 で新たに実装されています。 これらの機能は、 オペレーティング システムが SAN から正常にブートするために必要な機能であり、 さらに重要なことは、 これらの機能を提供するベンダは、 その製品についてマイクロソフトの認定を受ける必要があることです。

このようなソリューションの場合、 スケール変換の能力に限界があり、 ハードウェア ベンダは記憶域のレプリケーションや回復メカニズムなどの複雑な問題にも対処する必要があります。

サーバー クラスタは、 ブート ディスク、ページ ファイル ディスク、 およびクラスタ ディスクを同じチャネルでホストできる機能を搭載しています。 パフォーマンスおよび運用に関する問題は他にもあり、 実装を開始する前に検討を加える必要があります。

この機能については、サポート技術情報の文書、 「305547 : ストレージ エリア ネットワーク (SAN) からの起動のサポート」も参照してください。

記憶域の構成とセットアップ

初めてクラスタを構築するときには、 実行中のアプリケーションが存在しないことを確認する必要があります。 クラスタを新たに作成したり、 既存のクラスタにノードを追加したりするときには、 ノードおよびクラスタ内のすべての記憶域と、 何らかの理由でクラスタ化できないと判断された記憶域が、 ウィザードに表示されます。 クラスタ化できない記憶域には、 システム ファイル (ブート ファイル、システム ファイル、ページ ファイル、クラッシュ ダンプ ファイル、 または休止状態のファイル) が存在する記憶装置のバス上のドライブ、LDM ドライブ、 IOCTL IOCTL_SCSI_MINIPORT_NOT_QUORUM_CAPABLE に肯定応答するドライブなどがあります。

既存のクラスタをアップグレードする場合は、 すべての構成に関する設定が保持され、Windows 2000 からのローリング アップグレードは完全にサポートされます。

サーバー クラスタとフォールト トレラント ディスク (RAID)

Windows Server 2003 で、 ストライプ、ミラー、RAID-5 などで構成されたフォールト トレラント ボリュームを作成するには、 ボリュームがダイナミック構成であることが必要です。 ダイナミック構成のディスクはサーバー クラスタではサポートされていません。 ただし、Veritas には同じような機能を備えた製品 (Veritas Volume Manager) があり、 こちらはサポートされています。 フォーマットの種類としては、NTFS がサポートされます。 構成がベーシックではなく、 フォーマットも NTFS ではないディスクは、 クラスタでは認識されず、 管理の対象となりません。 サーバー クラスタは、EFI を開始する一環として導入された GPT (GUID パーティション テーブル) ディスクもサポートしません。

ただし、クラスタはハードウェア ベースのフォールト トレラント ディスクをサポートします。 これは、物理ディスクがフォールト トレラント セット (JBOD、RAID 5、RAID 0+1 など) としてコントローラ レベルで構成されることと、 そのセットの全体または一部 (ボリューム) が表示可能であり、 ホスト側で使用できることを意味します。 ホスト側は、物理的な実装を認識することはなく、 ボリュームをディスクとして扱います。 FT セットを実装する前に使用特性を考慮した方がよいのは、 このような理由からです。 たとえば、論理ボリュームに読み取りや更新を頻繁に行うデータを保存する場合は、 フォールト トレラント セットを RAID 5 ではなく RAID 0+1 として実装することが考えられます。 また、論理ボリュームのサイズを物理セットのサイズにできるだけ近づけることも必要です。 一般に、論理ボリュームの数を少なくした方がパフォーマンスの向上につながります。

データ量の増加を事前に考慮に入れないことが多いため、 ボリュームの拡張が頻繁に必要になります。 コントローラが LUN の動的拡張をサポートしている場合は、 クラスタ ディスクを再起動しないで拡張できます。 その結果、システムを停止することなく物理ボリュームを拡張でき、 ユーザーはマイクロソフトのツール (diskpart) を使用して変更をシームレスに論理レベルで適用できます。 diskpart には、Windows 2000 版と Windows Server 2003 版があります。 Windows 2000 版は Web から無償でダウンロードでき、Windows Server 2003 版は配布する CD-ROM に同梱されています。

クラスタでの記憶装置のケーブルの切断操作

この資料では、 マイクロソフトがサポートしていない記憶装置のケーブルの手動による切断操作に関して寄せられるさまざまな質問に対する回答を、 フェールオーバー メカニズムのテストに有効なテストであるという観点で説明しています。 マイクロソフトのソフトウェアは、テストの有効性を完全に支持しますが、 結果の保証については責任を負いません。 この主な理由は、 関連するデバイス (HBA、スイッチ、記憶域ソリューションなど) の反応が、 サード パーティ ベンダが作成する低レベルのデバイス ドライバによって制御されているためです。 ベンダごとに独自の方法で記憶装置ドライバを実装するので、 テストの実施を可能にする機能を実装するかどうかは、 ベンダによって異なります。 この資料を作成している時点では、 すべてのベンダがこのテストをサポートするデバイス ドライバを持っているわけではありませんでした。 記憶装置およびアダプタのベンダに連絡し、 デバイス ドライバが記憶装置アダプタのケーブルを引き抜くことに正常に対応することを確認する必要があります。 ドライバがマイクロソフトが作成した仕様書に従って作成されている場合、 この操作は正常に行われ、テストは実施されます。

この資料は、 ファイバ チャネル ベースの記憶装置と、 切断または破損している記憶装置ケーブルの問題に特定しており、 これらの問題に関するクラスタ製品チームの立場を明確にするために作成されています。 SCSI バスの実装でも似たような問題が発生することがありますが、 今日では実装の大部分はファイバ チャネル ベースであり、 ここでの説明にはその種の記憶域ネットワークの説明が含まれます。

原則として、 サーバーと記憶装置の間には、 通常、2 セットの接続があります。 サーバーと記憶域ソリューションは、 スイッチまたはハブに接続されます。 ケーブルの切断は 2 か所で行うことができます。 1 か所はサーバー (HBA) とスイッチの間で、 もう 1 か所は記憶域ソリューションとスイッチの間です。 数多くのクラスタ コンポーネントとクラスタ以外のコンポーネントが付属しているので、 このようなイベントが発生した場合、 そのイベントをコンポーネントにマップするようにします。 その結果、問題の生じる領域が明確になります。

まず第 1 に、 サーバー クラスタ製品チームは、 記憶装置のケーブルの切断がホスト接続の障害を引き起こすことは有効な事例であり、 ユーザーのサイトでも発生する可能性があるという事実を完全に理解しています。 その製品 (サーバー クラスタ) は、 このようなイベントを正しく扱い、 リソース (ディスクおよび関連するリソース) のフェールオーバーを完全にサポートします。 ただし、 サーバー クラスタがそのイベントを検出し、 リソースをフェールオーバーする前に、 発生する必要があるイベントのセットが存在します。 また、元のノードにフェールバックするために、 リソースで発生する必要がある別のイベント セットもあります。 これらのセットは、 サーバー クラスタ製品の一部ではない特定のコンポーネント (低レベルのデバイス ドライバ) の動作の特性によって異なります。 残念なことに、 これらのドライバには必要な特性を標準化するものがありません。 このため、動作の意味合いは構成ごとに異なる場合があります。 ただし、ケーブル切断に関連する基本的な現象 (ディスクがフェールオーバーする原因となるエラーが検出される現象) が常に発生します。

この資料では、 必要条件や問題点の一部を説明し、 これらのすべての機能がどのようにして相互に機能しているかということと、 システムにこのような機能が搭載されていることを確認するには、 誰に対してどのような質問を行うのかを理解できるようにします。

記憶装置のケーブルの切断 (HBA からスイッチの間)

まず最初に、 サーバー (HBA とスイッチ) 間で記憶装置のケーブルが切断される問題について説明します。

以下の図は、 Windows およびサーバー クラスタを実行しているサーバーで、 記憶域スタックがのように見えるかを大まかに示しています。 スタックはマイクロソフトが提供する scsiport ドライバと HBA ベンダが提供する miniport ドライバを含んでいます。 または、完全な機能性を持つ、scsiport ドライブに置き換わるフル ポート ドライバを含む場合もあります。

stor01

例 1

stor02

例 2

1 つ目の例では、 ケーブルが切断されると、 scsiport ドライバは適切に動作でき、 ディスクの非可用性 (または可用性) が効果的に検出されるという正しいステータス (この場合、ステータスは "BusChangeDetected" で、 この通知は対象のデバイスがダイナミック バスに装着されたか、切り離されたことを示します) を、 HBA miniport ドライバが報告します。 デバイスを利用できないことが報告されると、 PnP がスキャンを行い、 利用できないすべてのデバイス オブジェクトを破棄して、 サーバー クラスタ ディスク ドライバが必要な通知を受け取ります。 これにより、 クラスタ サービスは、 問題のデバイスにアクセスするクラスタのもう 1 つの有効なメンバに、 ディスク リソースをフェールオーバーすることになります。

また、HBA miniport ドライバが一般的なステータスを報告する場合があります (この場合、ステータスは "ResetDetected" で、 すべての HBA が SCSI バスのリセットを検出したことだけを示します。 この通知の後、HBA miniport ドライバは依然としてすべてのアクティブな要求を完了する役割があります)。 このような場合、 クラスタ ディスク ドライバは、 定期的に行われる一連の監視テスト (LooksAlive、IsAlive1) で、 最終的にはディスクが使用できないという事実を検出することになります。 これにより、 ディスクにアクセスできないことを検出し、 問題のデバイスにアクセスするクラスタのもう 1 つの有効なメンバに、 ディスク リソースをフェールオーバーすることになります。 clusdisk (クラスタ ディスク ドライバ) によって発行される予約に失敗すると、 この検出に必要な最短時間は約 3 秒です。 必要な最長時間は低レベルのデバイス ドライバの動作と操作の特性によって異なるので、 定量化されません。 ただし、最終的には、必ず、ディスクが使用できないことが検出され、 ディスクは有効なクラスタ ノードにフェールオーバーされることになります。

LooksAlive や IsAlive を実行する頻度は調整できます。 つまり、ユーザーは確認の回数を増加できます。 その結果、検出間隔は短くなりますが、 注意深く考慮する必要のあるその他の影響 (リソースの使用量) が生じます。 特に、サーバー クラスタが大量のリソースを監視する必要があるような企業環境では注意が必要です。

同梱されている scsiport ドライバがベンダ固有の scsiport ドライバに置き換えられる場合、 または例 2 に示すように、SCSIport と Miniport の組み合わせが、 単一製品の Fullport ドライバに置き換えられる場合も、 同じことが言えます。 このようなドライバは、 ベンダの記憶域ソリューション固有の必要条件を満たすように、 ベンダによって作成されたものです。 マイクロソフトでは、フル ポート ドライバの機能を保証できません。 マイクロソフトのサポートは、フル ポート ドライバが使用されている場合、 関連する問題点をデバッグできません。

記憶装置のケーブルの切断 ( スイッチから記憶装置の間 )
ここでも、実装によって異なる動作を説明することになります。 ケーブルの切断またはデバイスの切り離し時に、 HBA はスイッチから RSCN を取得するので、 検出するすべての変更を OS に通知する必要があります。 検出はきわめて複雑な処理で多くの外部依存関係があり、 常に正常に機能するわけではありません。 最悪なケースでは、HBA が入出力に失敗するか、BUSY を返します。 このような場合、より最悪のケースの事例が適用され、 LooksAlive または IsAlive の調査は失敗し、 クラスタ サービスはディスクをフェールオーバーするか、 ディスクが完全に破損することを意味します。

記憶装置のケーブルの再接続 (HBA からスイッチの間 )
記憶装置のケーブルを再接続することや、 リソースがフェールバックされるのを期待することも、 複雑な問題です。 HBA miniport ドライバまたはフル ポート ドライバが正しいステータスを送信すると、 PnP はバス作成デバイス オブジェクトを再スキャンし、 リソース (I/O ポート、メモリ アドレス、および割り込みなど) をそのデバイスに割り当てます。 これらのリソースは miniport に返され、 miniport はこれらのリソースを使用する必要があります。 このような場合は、記憶装置のケーブルの再接続が検出されます。 リソースが元のノードにフェールバックできるようにするために必要な処理はこれだけです。

miniport ドライバまたはフル ポート ドライバが、 上記の機能を実装していない場合でも、 物理デバイス オブジェクトが存在するので、 再度のフェールバックは必ず行われます。 問題が発生した場合、 ユーザーが手動スキャンを開始する必要があります (ディスクの管理 MMC およびディスクの再スキャンを開始してこれを行います)。 この作業を行った後、フェールバックが行われます。

記憶装置のケーブルの再接続 ( スイッチから記憶装置コントローラの間 )
スイッチからの (ケーブルの再接続に関する) 情報の取得は、 さまざまな状況 (変更したデバイス、検出されるネーム サーバーなど) に応じて異なり、 常に、予想どおりに行われるわけではありません。 このような場合でも、手動の再スキャンを必ず行います。

miniport ドライバまたはフル ポート ドライバのいずれかによって完全な機能性が提供される場合 (どちらを使用するかによって異なります)、 どちらのドライバも記憶装置ベンダまたは HBA ベンダによって作成されます。

また、上記の内容は、 サーバーから記憶域ソリューションへのマルチパス機能を実装するようなフォールト トレラント ソリューションでも有効です。 この動作は、 障害が発生しているホストの both paths のイベントでも同様になります。 マルチパス ドライバによって 1 つの障害のインスタンスにマスクされる必要があり、 高レベルのサブシステムには表示されないようにする必要があります。

これらのことをまとめると、 記憶装置のケーブルの切断は、 ドライバの種類がどのようなものであっても、 サーバー クラスタによって管理されているディスクが、 クラスタのもう 1 つのメンバにフェールオーバーされる原因になります。 ただし、元のノードへのディスクのフェールバックは、 HBA ベンダが主にこのような状況を正しく処理する機能を組み込むドライバを所有しているという単純な事実により、 HBA ベンダによってのみ保証される機能です。

クラスタへの新しいディスクの追加。 Windows 2000 SP3 以降および Windows Server 2003 では、 クラスタに新しいディスクを追加することにより、 ノードを再起動する必要も、 クラスタ サービスを再起動する必要もありません。 NTFS でフォーマットすることから始めますが、 フォーマットした後は、 すべてのノードが新しいディスクをスキャンおよびマウントでき、 必要なことはクラスタを使用して新しい物理ディスク リソースを作成することだけです。

上記のことは、 Windows 2000 SP3 (2 つの修正プログラム) 以降および Windows Server 2003 で有効です。 修正プログラムはマイクロソフト サポートが提供しています。

Windows Server 2003 の記憶域機能とクラスタ化

ボリューム マウント ポイント

Windows Server 2003 のサーバー クラスタではボリューム マウント ポイントをサポートします。 ボリューム マウント ポイントはボリューム上のディレクトリであり、 アプリケーションが別のボリュームを "マウント" するために使用できます。 マウントとは、ボリュームをユーザーが指定した場所で使用できるようにセットアップすることです。 この機能は、Windows NT® 4.0 および Windows 2000 ではサポートされていません。

EFS

Windows Server 2003 は、 クラスタ化されたファイル共有での EFS (暗号化ファイル システム) をサポートします。 クラスタ化されたファイル共有で EFS を有効にするには、 以下の作業を行って環境を適切に構成する必要があります。

EFS をファイル共有で有効にできるのは、 仮想サーバーで Kerberos が有効になっている場合のみです。 Kerberos は、 仮想サーバーでは既定で有効になっていません。 Kerberos を有効にするには、 クラスタ化されたファイル共有への接続に使用するネットワーク名リソースの [Kerberos 認証を有効にする] チェック ボックスをオンにします。 注意 : ネットワーク名リソースで Kerberos を有効にすると、 さまざまな面に影響があるので、 その点を十分に理解した上で、 このチェック ボックスをオンにする必要があります。

仮想サーバー コンピュータのアカウントだけでなく、 すべてのクラスタ ノード コンピュータ アカウントが委任に対して信頼されている必要があります。 この設定方法については、 オンライン ヘルプを参照してください。

ユーザーの秘密キーがクラスタ内のすべてのノードで使用できるかどうかを確認するには、 EFS を使用してデータを保存するユーザーの移動プロファイルを有効に必要があります。 移動プロファイルを有効にする方法については、 オンライン ヘルプを参照してください。

クラスタ ファイル共有を作成し、 上記の構成が完了すると、 ユーザーのデータを暗号化されたファイルに保存することによって、 セキュリティのレベルを高めることができます。

ディスク クォータ

共有ディスクでのディスク クォータの構成は、Windows 2000 および Windows Server 2003 でサポートされています。

Autochk/Chkdsk/Chkntfs。 Windows を再起動するたびに、 カーネルによって呼び出された Autochk.exe がすべてのボリュームをスキャンし、 ボリュームの dirty ビットが設定されていないかどうかを調べます。 dirty ビットが設定されている場合、autochk がそのボリュームに対してすぐに chkdsk /f を実行します。

Chkdsk は、ネイティブな Windows ツールで、 ファイルおよびファイル システムの破損の程度を調査できます。 Chkdsk を書き込みモードで実行すると、 ディスクの破損が見つかった場合に、 自動的に修復しようとします。

Chkntfs.exe ユーティリティは、Microsoft Windows NT 4.0 Service Pack 2 以降の Windows に付属しています。 このユーティリティは、 正しくシャットダウンされなかった Windows を再起動したときに、 特定のボリュームに対して chkdsk が自動的に実行されないようにデザインされています。 chkdsk /f を使用して、 次にシステムを再起動した場合にアクティブ ボリュームに対して chkdsk が実行されるようにスケジュールが設定されている場合、 その実行スケジュールを Chkntfs で解除することもできます。

これらのユーティリティは、 すべてサーバー クラスタの特定の構成でサポートされます。 各ユーティリティの使用方法の詳細については、 以下のサポート技術情報の文書を参照してください。

174617 : Chkdsk runs while running Microsoft Cluster Server Setup」 (英語)

176970 : 共有クラスタ ディスクで CHKDSK /F コマンドを実行する方法」

160963 : [CHKNTFS.EXE] : CHKNTFS.EXE の使用方法」

仮想ディスクサービス。 Windows Server 2003 に付属しているサービスです。 このサービスは、SAN でソフトウェア ボリューム管理、 ハードウェア RAID キャビネット管理、 マルチパスおよびデバイス割り当てを行うためのインターフェイスを提供します。 サーバー クラスタでは VDS がサポートされます。 "クラスタ" 機能を有効にするには、 追加のプロバイダ (Veritas などの ISV が提供) が必要になります。

VSS TimeWarp。 VSS は、ユーザーがデータのスナップショットを作成できる Windows サービスです。 このサービスは、この機能を実装したハードウェアまたはソフトウェア プロバイダに依存します。 VSS の役割は、要求の発行者、プロバイダ、ライタを調整することです。 VSS は、Volume Snapshot Service の略です。 ソフトウェア プロバイダは、 ユーザー モードのコンポーネントおよびカーネル モードのドライバとして実装されます。 ドライバが入出力を受け取り、 スナップショット ボリュームのインスタンスを作成します。 ドライバは、"記憶域 フィルタ ドライバ"、またはボリューム マネージャのコンポーネントである場合があります。 ライタは、1 つ以上のボリュームに永続的な情報を保存する任意のアプリケーションであり、 スナップショット同期に参加します。 通常は、データベース (SQL Server など)、 システム サービス (Certificate Server など)、 バックアップ プログラム (NT バックアップなど) のいずれかがライタとなります。 NT バックアップに実装された VSS は、 サーバー クラスタによって完全にサポートされます。 Timewarp は、 ファイルの削除が取り消されたときにスナップショットを使用するためのもので、 Windows Server 2003 で利用できる機能です。 また、この機能はクラスタ内で完全にサポートされ、 同じ方法でクラスタ化されたディスクとクラスタ化されていないディスクで、 すべての機能の設定が有効になります。 エンド ユーザーのエクスペリエンスには変化はありません。

ハードウェア ベースの記憶域機能

ハードウェアスナップショットまたは " ビジネス回復ボリューム " 。 ハードウェア スナップショットはクラスタ化では特に意識する必要がなく、 正しく実装されている場合にサポートされます。 唯一の必要条件は、 スナップショットのコピーとその元のスナップショットを同時にクラスタに公開できないことです。

共有記憶域としての NAS。 マイクロソフトでは、Microsoft NAS の Server Appliance Kit を使用したクラスタ ソリューションの構築を完全にサポートします。 このキットは、 一部のクラスタ化されたソリューション (クラスタ化されたファイル サーバーなど) を含め、 さまざまな定義済みソリューションを提供する OEM に配布されます。

地理的に分散されるクラスタ ( 記憶域への影響 )。 地理的に分散されるクラスタでは、 ユーザーが必要とするサービスのレベルによっては、 記憶域構成がきわめて複雑になる傾向があります。 マイクロソフトのサポート対象となるためには、 すべてのソリューションが Geographic Cluster HCT に記載されている必要があります。 データ レプリケーション、記憶域管理、回復手順などの機能は、 ソリューションを実装するハードウェア ベンダが全面的に責任を負うことになります。 マイクロソフトでは、実稼働システムを検証するための HCT テストも用意しており、Web サイトから無償でダウンロードできます。

レプリケーション ( 同期、非同期 )。 OOB レプリケーション メカニズムである FRS は、 実際にはアプリケーション データ レプリケーション レベルでは使用されません。 サーバー クラスタはレプリケーションを認識しないので、 実行中はこの機能を考慮しません。ISV (ハードウェアまたはソフトウェア) がこの機能を実装する場合は、 サーバー クラスタが記憶域レベルで必要とするセマンティクスに従う必要があります。 ISV は、データのレプリケーションと整合性に対するアプリケーション側の要求をすべて満たす必要があります。

記憶域ツールとサービス

リモート記憶域。 サーバー クラスタは、リモート記憶域 サービスをサポートしません。

リムーバブル記憶域。 サーバー クラスタは、リムーバブル記憶域サービスをサポートしません。

バックアップ。 サーバー クラスタ バックアップ構成では、 NT バックアップ、 およびクラスタ バックアップ API を使用するバックアップ ソリューションがサポートされます。 クラスタ バックアップ API を使用することによって、 クラスタ構成データのバックアップと復元に一貫性を提供できます。 共有ディスクのバックアップは、 バックアップの時点でそのディスクを所有していたノードのみで実行できます。

インデックス作成。 サーバー クラスタはインデックスの作成をサポートしません。 インデックス作成はリソースの使用量にも深刻な影響を及ぼすので、 有効にする場合は慎重に検討する必要があります。

分散ファイルシステム (DFS)。 サーバー クラスタは DFS を完全にサポートします。 Windows Server 2003 では、1 つのクラスタで複数の DFS ルートをホストできます。

オフラインファイル。 Windows Server 2003 のクラスタ ファイル共有では、 クライアント側キャッシングを有効にできます。 この機能は、Windows 2000 および Windows NT 4.0 では使用できません。 この機能は、ユーザー共有での使用だけを目的としたもので、 アプリケーション データには使用できません。

バックアップと復元

前述のように、 クラスタ バックアップ API を使用したバックアップ ソリューションがサポートされます。

テープデバイスまたはその他のディスク以外のデバイス。 クラスタ構成の SAN ファブリックでは、現在、 サーバー クラスタでディスク以外のデバイス (テープ、光メディアなど) の管理をサポートしていません。 テープや光メディアは、他の SAN コンポーネントでは問題なく使用できる場合もありますが、 サーバー クラスタではリソースとして管理できません。

サーバーレスバックアップ。 サーバー クラスタは、 サーバーレス バックアップ (SAN ベースのバックアップと呼ばれることもあります) をサポートしません。 これは、クラスタ内のノードが物理ディスクのボリュームを所有しており、 予約によって所有権を確保しているので、 サーバーレス バックアップ メカニズムが機能しないためです。 さらに、バックアップ デバイス変換機能がバスのリセットを間違って解釈し、 その結果ドライブに読み込まれるテープを巻き戻します。 これにより、大きなデータセットをバックアップする企業バックアップ環境では、 深刻な影響を受けます。

バックアップエージェントの使用。 ファイル ロックの問題を解決するために使用されるフィルタ エージェントを、 バックアップ エージェントとして実装している ISV もあります。 このようなエージェントは、オープン ファイル エージェントとも呼ばれます。 このようなソリューションを実装する場合は、 ベンダ側でエージェントと OS の安定性および信頼性を確保する必要があります。

ハードウェアスナップショット。 ハードウェア スナップショットはクラスタ化された環境ではサポートされていません。 クラスタ化ソフトウェアは、 ディスク署名を使用してディスクを識別します。 ディスク スナップショットまたは複製は、 親ディスクと同一のコピーであり、 2 つの類似した署名が OS およびクラスタ化ソフトウェアに公開されることを意味します。 このことは、予期しない破損動作を引き起こす原因となる場合があります。

記憶域管理

記憶域の管理はきわめて複雑な機能であり、 ベンダによって実装方法が異なります。 記憶域管理には、 個別的な方式 (各コンポーネントを個別に管理する方式) と包括的な方式 (1 つの管理ソリューションで記憶域インフラストラクチャ全体を管理する方式) があります。 後者は製品化の段階には至っておらず、 ほとんどの記憶域管理ソリューションは前者の方式を採用したものです。 以下の点に留意してください。

SAN 管理。 大部分のベンダが SAN 管理用に独自のツールやアプリケーションを提供しています。 これには、SAN の安定稼働を維持するために必要なコンポーネント (スイッチ) がすべて含まれている場合と、 そうでない場合があります。 SAN の構成および稼働状況を全体的に確認できるような管理ツールを導入する必要があります。 管理ステーション (管理ソフトウェアを実行するノード) をセットアップする場合には、 SAN に接続されたノードを使用する方法と、 ネットワーク経由で SAN コンポーネントと通信する方法 (TCP/IP を使用) を利用できます。 どちらの方法にもそれぞれ長所と短所があり、 管理業務は運用手順によって明確に定義されている必要があります。

記憶装置コントローラ管理。 コントローラの中には、帯域内、帯域外の一方または両方を管理できるものもあります。 ユーザーは、コントローラ レベルの管理作業と SAN レベルおよびノード レベル (アプリケーション) の管理作業を同期させる必要があります。 このことは、 切断イベントによってフェイルオーバーやアプリケーションのシャットダウンが発生する可能性のあるクラスタ環境では特に重要になります。

スイッチ管理。 スイッチは SAN の中核をなすコンポーネントであり、 ノードから記憶域へのすべてのアクセスを制御します。 これまでに説明したことに加え、 スイッチ状態の変化をノードと記憶装置コントローラの両方に通知する必要もあります。 これらは高度に特化された構成であり、 通常は 1 つのベンダだけで構築されます。 実装されたシステムが完璧に動作し運用されることを確認した上で、 ベンダに対してインストールを承認する必要があります。 ファームウェアやドライバの更新などで構成を変更する場合は、 ベンダとマイクロソフトによって検証される必要があります。

ノード管理。 ノードを SAN 全体の管理に使用できます。 また、SAN から通知される特定の状態変化に応答するように、 一部の管理コンポーネントだけをノードにインストールできます。 もちろん、こうしたエージェントが OS やクラスタの機能に干渉しないように、 エージェントの機能を検証する必要があります。

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1 LooksAlive は、5 秒ごと (既定) に実行される大まかなステータス確認です。 このルーチンは単純にディスク ステータスにエラーが発生していないかどうかを調べます。 IsAlive はより徹底した確認で、60 秒ごと (既定) に実行されます。 このルーチンは、ディスク ステータスにエラーが発生していないかどうかを調べます。 ディスク ステータスにエラーが発生していない場合、 ディスクのルートで FindFirstFile を実行し、 ファイル システムはマウントされたまま、ディスクがアクセス可能であることを確認します。

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