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レッスン 2: 時系列マイニング構造へのマイニング モデルの追加

このレッスンでは、「レッスン 1: 時系列マイニング モデルおよびマイニング構造の作成」で作成したマイニング構造に新しいマイニング モデルを追加します。

ALTER MINING STRUCTURE ステートメント

新しいマイニング モデルを既存のマイニング構造に追加するには、ALTER MINING STRUCTURE (DMX) ステートメントを使用します。ステートメントのコードは次の部分に分けることができます。

  • マイニング構造の指定

  • マイニング モデルの名前指定

  • キー列の定義

  • 予測可能列の定義

  • アルゴリズムとパラメータ変更の指定

ALTER MINING STRUCTURE ステートメントの汎用例を次に示します。

ALTER MINING STRUCTURE [<mining structure name>]
ADD MINING MODEL [<mining model name>]
   ([<key columns>],
    <mining model columns>
   )
USING <algorithm name>([<algorithm parameters>])
[WITH DRILLTHROUGH]

コードの最初の行では、マイニング モデルの追加先となる既存のマイニング構造を指定します。

ALTER MINING STRUCTURE [<mining structure name>]

コードの次の行では、マイニング構造に追加するマイニング モデルを指定します。

ADD MINING MODEL [<mining model name>]

DMX でオブジェクトに名前を付ける方法については、「識別子 (DMX)」を参照してください。

コードの次の数行では、マイニング モデルで使用するマイニング構造の列を定義します。

[<key columns>],
<mining model columns>

使用できるのは、マイニング構造内に既に存在する列だけです。一覧の最初の列は、マイニング構造のキー列にする必要があります。

コードの次の行では、マイニング モデルを生成するマイニング アルゴリズムと、アルゴリズムに設定できるアルゴリズム パラメータを定義し、マイニング モデルからトレーニング ケースの詳細データの表示にドリル ダウンできるかどうかを指定します。

USING <algorithm name>([<algorithm parameters>])
WITH DRILLTHROUGH

調節できるアルゴリズム パラメータの詳細については、「Microsoft タイム シリーズ アルゴリズム テクニカル リファレンス」を参照してください。

次の構文で、マイニング モデルの列を予測に使用するよう指定できます。

<mining model column> PREDICT

このレッスンの作業

このレッスンでは、次の作業を行います。

  • 新しい時系列マイニング モデルを構造に追加します。

  • 異なる分析方法と予測方法を使用するようにアルゴリズム パラメータを変更します。

構造への ARIMA 時系列モデルの追加

まず、新しい予測マイニング モデルを既存の構造に追加します。既定では、Microsoft タイム シリーズ アルゴリズムは、ARIMA および ARTXP の 2 つのアルゴリズムを使用し、その結果を組み合わせて時系列マイニング モデルを作成します。ただし、アルゴリズムを 1 つだけ使用するように指定することも、正確なアルゴリズムの組み合わせを指定することもできます。この手順では、ARIMA アルゴリズムのみを使用する新しいモデルを追加します。これは SQL Server 2008 の新しいアルゴリズムで、長期的な予測に適しています。

ARIMA 時系列マイニング モデルを追加するには

  1. オブジェクト エクスプローラで、Analysis Services のインスタンスを右クリックし、[新しいクエリ] をポイントして [DMX] をクリックすると、クエリ エディタが開き、新しい空のクエリが表示されます。

  2. 上の ALTER MINING STRUCTURE ステートメントの汎用例を空のクエリにコピーします。

  3. 次の部分を探します。

    <mining structure name> 
    

    これを次の文字列に置き換えます。

    [Forecasting_MIXED_Structure]
    
  4. 次の部分を探します。

    <mining model name> 
    

    これを次の文字列に置き換えます。

    Forecasting_ARIMA
    
  5. 次の部分を探します。

    <key columns>,
    

    これを次の文字列に置き換えます。

    [ReportingDate],
    [ModelRegion]
    

    CREATE MINING MODEL ステートメントで指定したデータ型やコンテンツの種類に関する情報は、マイニング構造に既に保存されているため、繰り返し指定する必要はありません。

  6. 次の部分を探します。

    <mining model columns>
    

    これを次の文字列に置き換えます。

    ([Quantity] PREDICT,
    [Amount] PREDICT
    )
    
  7. 次の部分を探します。

    USING <algorithm name>([<algorithm parameters>]) 
    [WITH DRILLTHROUGH]
    

    これを次の文字列に置き換えます。

    USING Microsoft_Time_Series (AUTO_DETECT_PERIODICITY = .08, FORECAST_METHOD = 'ARIMA')
    WITH DRILLTHROUGH
    

    これで、ステートメントは次のようになります。

    ALTER MINING STRUCTURE [Forecasting_MIXED_Structure]
    ADD MINING MODEL [Forecasting_ARIMA]
       (
       ([ReportingDate],
        [ModelRegion],
        ([Quantity] PREDICT,
        [Amount] PREDICT
       ) 
    USING Microsoft_Time_Series (AUTO_DETECT_PERIODICITY = .08, FORECAST_METHOD = 'ARIMA')
    WITH DRILLTHROUGH
    
  8. [ファイル] メニューで、[名前を付けて DMXQuery1.dmx を保存] をクリックします。

  9. [名前を付けて保存] ダイアログ ボックスで、適切なフォルダを参照して指定し、ファイルに「Forecasting_ARIMA.dmx」という名前を付けます。

  10. ツール バーの [実行] ボタンをクリックします。

構造への ARTXP 時系列モデルの追加

ARTXP アルゴリズムは、SQL Server 2005 の既定のタイム シリーズ アルゴリズムで、短期の予測に適しています。3 つのアルゴリズムをすべて使用して予測を比較するために、ARTXP アルゴリズムに基づくモデルをもう 1 つ追加します。

ARTXP 時系列マイニング モデルを追加するには

  1. 空のクエリ ウィンドウに次のコードをコピーします。

    変更する必要があるのは、新しいマイニング モデルの名前と FORECAST_METHOD パラメータの値だけです。

    ALTER MINING STRUCTURE [Forecasting_MIXED_Structure]
    ADD MINING MODEL [Forecasting_ARTXP]
       (
       ([ReportingDate],
        [ModelRegion],
        ([Quantity] PREDICT,
        [Amount] PREDICT
       ) 
    USING Microsoft_Time_Series (AUTO_DETECT_PERIODICITY = .08, FORECAST_METHOD = 'ARTXP')
    WITH DRILLTHROUGH
    
  2. [ファイル] メニューで、[名前を付けて DMXQuery1.dmx を保存] をクリックします。

  3. [名前を付けて保存] ダイアログ ボックスで、適切なフォルダを参照して指定し、ファイルに「Forecasting_ARTXP.dmx」という名前を付けます。

  4. ツール バーの [実行] ボタンをクリックします。

次のレッスンでは、すべてのモデルとマイニング構造を処理します。