インターネット プレゼンスのシナリオ : ビジネス ニーズをテクノロジにマップする

インターネット プレゼンス シナリオの第 1 段階では、IT 専門家と経営幹部のチームが、会社の現在のインターネット プレゼンス サイトの設計、実装、およびパフォーマンスを分析します。その結果、このグループでは、Office SharePoint Server 2007 を基盤としてサイトを再設計し、再構築することにしました。

1. ビジネス ニーズの分析

会社のインターネット プレゼンス サイトを改善する方法を判断するために、社内で検討が進められています。検討チームは、マーケティング組織の幹部が中心となって結成されました。この幹部は、以下の問題点に気づいていました。

• 現在のサイトを保守するには、膨大な手作業が必要です。サイト作成者は更新したページを IT オペレータに送信し、オペレータはそれらのページをステージング サイトに展開し、手動スクリプトを実行して、それらの変更を実稼働環境にプッシュします。この展開作業の非効率性により、サイトのコンテンツを最新の状態に維持する能力が低下しています。

• コンテンツの確認や公開の承認などのビジネス プロセスが十分に組織化されておらず、非効率的で、プロセスの構築や変更が困難です。

• インターネット サイトをホストする Web サーバーとソフトウェアの保守が、ますます複雑になっています。会社のインターネット プラットフォームは、さまざまなテクノロジやツールの混用によって構築されています。

• 会社のコーポレート プレゼンス、製品カタログ、マーケティング プラットフォーム、および新入社員の募集窓口として機能する Web サイト自体が、修正を必要としています。サイトの増大し続けるコンテンツは、わかりやすく編成されておらず、サイトはナビゲートしにくくなっています。

• サイトは堅牢でなく、可用性も高くありません。

  • バックアップは週に 1 回行われています。最近発生した障害の際には、サポート チームはバックアップを復元できませんでした。

  • 機器に故障が発生すると、サイトが 2 日間オフラインになることも珍しくありません。

チームは、システムのキャパシティとパフォーマンスに関する必要条件を文書化しました。この必要条件には、以下が含まれています。

• 各種のユーザーの数

• コーパスのサイズ (公開するドキュメントの数、検索するドキュメントの数)

• コードやレイアウトを更新する頻度

• 実稼働サイトでのページ ビュー

• ページの読み込み時間

2. 利用できるテクノロジの評価

チームでは、インターネット プレゼンス サイトを実装、作成、およびサポートするための製品とテクノロジを評価します。完全な検討結果は、このシナリオの範囲を超えています。しかし、この記事で後ほど提供されるリンクは、同様の決定を行う際に役立つ可能性があります。

チームは、会社のインターネット プレゼンス サイトおよび関連する作成サイトを実装および展開するために、Office SharePoint Server 2007 を推薦します。その理由には、次のものが含まれます。

• Office SharePoint Server 2007 に高度に統合された Web コンテンツ管理機能には、以下のものが含まれる。

  • カスタマイズ可能なページ レイアウトおよび ASP.NET マスタ ページ

  • スマート ナビゲーション コントロール

  • 言語その他の条件に基づくサイト バリエーション

  • 自動化されたコンテンツの展開

• Office SharePoint Server 2007 は、作成、コンテンツの承認、およびコンテンツの展開のために、わかりやすいユーザー インターフェイスを備えているため、コンテンツ作成チームは容易に学習し、順応できる。これにより、IT インフラストラクチャ チームは、サーバー インフラストラクチャの展開と運用など、主要な任務に集中できる。

• Office SharePoint Server 2007 構築の基盤となる Web ベースのアプリケーションである Windows SharePoint Services 3.0 が、社内でグループ作業プラットフォームとして既に使用されている。そのため、サイトの作成者や他の投稿者がインターネット プレゼンス サイトの作成およびカスタマイズ方法を容易に学習できる。

• Office SharePoint Server 2007 は、IT 運用チームの総所有コストを次のように削減する。

  • Office SharePoint Server 2007 の構成および管理モデルに含まれる集中型の構成データベースは、1 か所に保存された構成設定をサーバー ファーム内のすべてのサーバーに自動的に伝達および同期する。

  • Office SharePoint Server 2007 の 3 層管理モデル (セントラル サービス、共有サービス、およびサイト管理を含む) により、管理上の役割分担の明確化や、管理上の責任の割り当てが容易になる。

  • Office SharePoint Server 2007 が提供するバックアップと復元、移行、および監視のサポートにより、IT の運用が全般的に向上する。

  • Office SharePoint Server 2007 ソリューション フレームワークは、複数のサーバー ファームにわたるカスタマイズの展開と管理の信頼性を向上させる。

3. Web サイトの範囲の決定

ソリューション アーキテクトがリーダーとなり、マーケティング組織内でサイトの設計チームが結成されました。このチームには、プログラム管理者、主任開発者、デザイナ、および主任コンテンツ作成者が参加しています。設計チームの目標は、新しいコーポレート プレゼンス Web サイトのコンテンツと構造を決定することです。チームは、出発点として現在のサイトのコンテンツを分析し、サイトのための新しいアイデアを探求します。設計チームは、次のことをお勧めします。

• サイトには注目を引く トップ ページを設け、サイト閲覧者を歓迎し、会社について良い第一印象を与え、会社の重要なニュースや情報を告知し、閲覧者が情報を見つけ出すことができるように、わかりやすいナビゲーション コントロールを提供する。

• サイトには「企業情報」サブサイトを設け、会社についての情報を提示する。このサブサイトには、会社の沿革、幹部メンバの略歴、自社製品の販売促進のためのケース スタディのページを含める。

• サイトの主要部分として、「製品」サブサイトを置く。このサブサイトでは、自社製品のカタログを、テキストとグラフィックスを組み合わせた、ナビゲートしやすく説得力のある方法で提示する。サイト アーキテクトたちは、このサブサイトには各種製品の表示を拡大およびアニメーション化するカスタム機能が必要であることを強調している。

• 「ニュースとイベント」サブサイトを設け、会社のニュース、プレス リリース、製品のプレビュー情報、および会社のイベント予定表を提示する。

• 「キャリア センター」 サブサイトを設け、全般的なキャリア情報、就業機会データベースの各種検索機能、および履歴書と応募書類の送信フォームを含める。

このドキュメントのダウンロード

このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なドキュメントに収められています。

• インターネット プレゼンス シナリオ (Microsoft SharePoint Server 2007)

使用できるすべてのドキュメントの一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。