Microsoft Windows Compute Cluster Server 2003 の紹介

ハイ パフォーマンス コンピューティングは、業界標準のサーバーのクラスタを使って実現される例が増えてきています。このようなクラスタは、少数ノード (個々のコンピュータ) で構成されることも、多数のノードで構成されることもあります。これらのノードを接続、準備、構成、監視、および管理したり、ユーザーにアクセスを提供したりすることは複雑な作業です。Microsoft® Windows® Compute Cluster Server 2003 ソフトウェアは、ハイ パフォーマンス クラスタの展開と管理を簡素化し、総保有コスト (TCO) を削減することを目的としています。この製品を使用することで、個人およびワークグループ レベルでも計算クラスタを利用できるようになります。

Microsoft® Windows® Compute Cluster Server 2003 は、次の 2 枚のメディアで構成されています。

  • Microsoft® Windows Server™ 2003, Compute Cluster Edition。このディスクには、 Windows Server 2003, Compute Cluster Edition が収録されています。このオペレーティング システムは、Microsoft® Windows Server™ 2003, Standard x64 Edition をベースにしています。
  • Microsoft® Compute Cluster Pack。このディスクには、クラスタ ノードの作成と構成に必要なサービス、インターフェイス、補助ソフトウェアのほか、ユーティリティ、管理インフラストラクチャが収録されています。

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クラスタ

各 Windows Compute Cluster Server 2003 クラスタは、1 台のヘッド ノードと 1 台以上の計算ノードで構成されます。ヘッド ノードは、クラスタ リソースへのすべてのアクセスを調整します。クラスタの展開、管理、ジョブのスケジュール設定は、ヘッド ノードから一元的に実行できます。テスト目的または開発目的のいずれでも、最低 1 台のヘッド ノードのみのクラスタを展開できます。このようなノードでは、計算ノードの役割も果たし、ジョブを受け入れることができます。

ヘッド ノード

ヘッド ノードは、クラスタのユーザー インターフェイスと管理サービスを提供します。このユーザー インターフェイスには、Microsoft 管理コンソール (MMC) スナップインである計算クラスタ アドミニストレータ (Compute Cluster Administrator)、Win32 グラフィカル ユーザー インターフェイスである計算クラスタ ジョブ マネージャ (Compute Cluster Job Manager)、およびコマンド ライン インターフェイス (CLI) があります。管理サービスには、ジョブのスケジュール設定、ジョブとリソースの管理、ノードの管理、リモート インストール サービス (RIS) があります。ヘッド ノードは、クラスタを構成するパブリック ネットワークとプライベート ネットワークとの間のネットワーク アドレス変換ゲートウェイ (インターネット接続の共有の一部) としても機能します。

計算ノード

計算クラスタの一部として計算リソースをエンド ユーザーに提供するように構成されているコンピュータのことを計算ノードといいます。 Windows Compute Cluster Server 2003 クラスタの計算ノードには、サポートされているオペレーティング システムがインストールされている必要があります (「計算クラスタのソフトウェア要件」を参照してください)。ハードウェア構成の異なる計算ノードも同じコンピュータ クラスタ内に配置することができます。

ジョブ スケジューラ (Job Scheduler)

ジョブ スケジューラ サービス (Job Scheduler Service) は、ヘッド ノード上で実行され、ジョブの受け付けとキューの管理、リソースの割り当て、およびジョブの実行を制御します。このサービスは、すべての計算ノードで実行されるノード マネージャ サービス (Node Manager Service) と通信します。

管理インフラストラクチャ

Compute Cluster Pack によって、クラスタ管理者が計算ノードの展開と管理を行うための包括的な管理インフラストラクチャが提供されます。管理インフラストラクチャは、ヘッド ノードで実行されるクラスタ サービスとクラスタ内のすべての計算ノードから構成されていて、クラスタ管理、ジョブ サブミット、およびジョブ キュー管理に使用する管理用、ユーザー用、コマンド ラインのインターフェイスが用意されています。

クライアント ユーティリティ

Compute Cluster Pack のセットアップには、クライアント ユーティリティのみをインストールするオプションがあります。クライアント ユーティリティには、計算クラスタ アドミニストレータ (Compute Cluster Administrator) スナップインが含まれます。CCP クライアント ユーティリティをパブリック ネットワークの 32 ビット ワークステーションにインストールすると、クラスタの管理者は、計算クラスタやジョブ キューをパブリック ネットワークから管理できます。

RIS イメージの追加など、リモート コンソールから実行できる作業は、制限されます。したがって、クラスタはヘッド ノードから管理することをお勧めします。または、ヘッド ノードへのリモート デスクトップ接続を確立し、そのコンピュータから計算クラスタ アドミニストレータ (Compute Cluster Administrator) スナップインを実行することもできます。

計算クラスタ アドミニストレータ (Compute Cluster Administrator) とジョブ マネージャ (Job Manager)

この 2 つのインターフェイスは、クラスタ操作、ジョブ サブミット、およびジョブ管理のために、クラスタの管理者とユーザーが使用します。計算クラスタ アドミニストレータ (Compute Cluster Administrator) は、クラスタ構成、ノード管理、およびクラスタの動作状況と状態の監視に使用します。ジョブ マネージャ (Job Manager) は、ジョブの作成、サブミット、および監視に使用します。

コマンド ライン インターフェイス

Compute Cluster Pack には、ノードおよびジョブの管理に使用するコマンド ライン インターフェイス (CLI) が用意されています。これらの操作は、スクリプトとして記述できます。CLI を使用することで、ジョブ、ジョブ キュー、およびノード操作を自動化できます。

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